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第二章 神喰い狼フェンリルと不死鳥フェニックス
第一幕 新しいメンバー(1)
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使徒襲撃から数日が経ち、いつも通りに過ごす黒髪、黒目のアホ毛が特徴の逢真夏目。普段は高校生として、裏は神をも殺し得る人間『神殺し』として生活をしている。
――神殺し。
それは、悪神を滅ぼすため神から神話に名を連ねる獣と契約を交わし、代償を以て力を発揮する存在のこと。獣を、神獣と呼ぶ。
夏目は、神獣フェンリルと契約を交わし神殺しとなった一人だ。
代償、力を発揮する度に己の命を削り続け肉体の一部を捧げる。その代わりに、神を殺せる力を得て人間離れした肉体と再生をその身に宿す。
さて、本日も学校があるため教室へと入り席に座る夏目。何も変わらない空気感と思いきや、男女共に騒がしい様子。
「?」
夏目は、聞き耳を立てクラスメイトの会話を聞く。
「聞いた? 家の事情で今日から登校してきた子がいるんだって」
「ああ、それ私も聞いた! 女子でしょ」
「そうそう」
「その女子ってめっちゃ美人なんだよ! 俺、結構、好みかも」
「なんだよそれ。お前じゃ、付き合うとか無理だろ?」
などと話す。他にもあるようで。
「おまけに武術の心得があるらしくさ、暴漢に襲わそうになった女性を助けたらしいぞ」
「それなら俺が聞いた話だと、痴漢に遭った女子高生を助けたって」
「わたしが聞いた話は、剣道部の主将をあっさり打ち負かしたって」
「私は、素行が悪い不良生徒を一網打尽にしたって」
色々な話が持ち上がる噂の女子生徒。
話を聞き、正義感が強い生徒なんだな、と他人事のように思う夏目だった。
放課後。神話オカルト研究会の部室へ向かう。中へ入ると、先客が二人。
「ん?」
背を見せていた二人が同時に振り返り目と目が合う。
一人は、炎のように赤く燃え上がる髪をポニーテールに束ね、垂れ目と吊り目の間の碧眼からは強気な印象。
もう一人は、セミロングの亜麻色の髪とくりっとした垂れ目の茶目に全体的に小柄だ。
「夏目。そこに突っ立ていないで、入ってください」
「えっ、あ、ああ……」
出入り口で立ち止まる夏目に美哉が諭す。
雪平美哉。夏目の幼なじみ、紫色のストレートの長い黒髪、切れ長の吊り目の青い瞳。優しげな表情に、制服の上からでも分かる抜群のプロポーションを誇る。
見事なくびれ、動く度に揺れる胸、肌は白く引き締まった四肢、男も女の目を引き寄せる。
「夏目も来たことですし、自己紹介でもしましょうか」
美哉がそう言い二人を紹介する。まずは赤髪の彼女を。
「彼女、秋山燐とは昔から家同士の繋がりで歳も近いこともあり、姉妹のように仲が良いんですよ。私と同じ、巫女でもありますしね」
「そ、そうなのか……」
どう反応すればいいのか分からず生返事の夏目。
紹介された燐は、夏目の前まで来ると手を差し伸べ自らも名乗る。
「秋山燐だ。よろしく頼む」
女性にしては少し低い声に男勝りな口調。夏目も差し出された手を握り返そうと伸ばす。
「まさか、先輩の幼なじみかつ同学年にフェンリルと契約した神殺しがいるとは思いもしなかったな」
「……っ!」
その言葉に夏目は、咄嗟に伸ばした手を引っ込め燐から距離を取った。フェンリルを知っていることに警戒を顕にする。
「いい反応をするじゃないか。神殺しとして覚醒したばかりと聞いてはいたが、少しはやるようだ」
笑って返す燐の反応に、夏目の足元の影が揺らぎそこから中型犬サイズとなった灰色のくすんだ毛並みのフェンリルが姿を見せ問う。
「何が目的だ小娘?」
「落ち着いてください、フェンリル。燐には私が説明を事前にしていたので。それに、夏目の神殺しとしての能力がただ知りたいだけですよ」
フェンリルが警戒と同様に威嚇しかねないと判断した美哉が答える。それに燐も言葉をつけ加える。
「誤解しないでくれ。わたしは、敵になるつもりは微塵もない。先輩の言った通りだ。安心してくれ」
「「…………」」
お互い顔を見合わせ警戒を解く。美哉と燐の言葉を信じることに。
美哉はもう一人の彼女も紹介する。
「彼女は、東雲桜。生徒会長の妹であり、彼女も同じく巫女です」
美哉に紹介された桜も頭を下げ自己紹介。
「美哉先輩に紹介された通り、東雲桜よ。お兄様は、生徒会長の東雲春人。あたしも御三家に連なる東雲家四代目の巫女なの。逢真が神殺しということも、先日に使徒から襲撃を受け退けたことも知ってるわ。お兄様の指示で、覚醒したばかりの逢真の成長の手助けをしてほしいって」
そこまで言う桜。
二人の紹介に、以前に美哉が言っていたあと二人の部員が燐と桜だと理解する夏目。
ただ、いきなり女子二人が増え何故か肩身が狭いと感じてしまうが。
御三家とは、この神山町を牛耳る雪平家と秋山家、それと上記の二つよりあとに誕生した巫女を輩出する東雲家を含む三家のこと。
「あ、そうだ。言い忘れていたが、先輩から逢真の特訓相手を頼まれている。わたしも特訓は好きだからな。これから仲良くしてくれるとありがたい」
「あたしも、お兄様の指示があるからできることはするわ。よろしく」
「えっ、あ、はあ……」
アホ毛がゆっくり回転し、これはどうすればいいのか迷っていることを示す。それを見た美哉は一人、「ふふっ」と笑う。
「えっと、よろしく……」
とりあえず、一言そう答えるしかできない夏目。
今朝、教室で噂されていた正義感が強そうな生徒は燐のことなのだろうと。
――神殺し。
それは、悪神を滅ぼすため神から神話に名を連ねる獣と契約を交わし、代償を以て力を発揮する存在のこと。獣を、神獣と呼ぶ。
夏目は、神獣フェンリルと契約を交わし神殺しとなった一人だ。
代償、力を発揮する度に己の命を削り続け肉体の一部を捧げる。その代わりに、神を殺せる力を得て人間離れした肉体と再生をその身に宿す。
さて、本日も学校があるため教室へと入り席に座る夏目。何も変わらない空気感と思いきや、男女共に騒がしい様子。
「?」
夏目は、聞き耳を立てクラスメイトの会話を聞く。
「聞いた? 家の事情で今日から登校してきた子がいるんだって」
「ああ、それ私も聞いた! 女子でしょ」
「そうそう」
「その女子ってめっちゃ美人なんだよ! 俺、結構、好みかも」
「なんだよそれ。お前じゃ、付き合うとか無理だろ?」
などと話す。他にもあるようで。
「おまけに武術の心得があるらしくさ、暴漢に襲わそうになった女性を助けたらしいぞ」
「それなら俺が聞いた話だと、痴漢に遭った女子高生を助けたって」
「わたしが聞いた話は、剣道部の主将をあっさり打ち負かしたって」
「私は、素行が悪い不良生徒を一網打尽にしたって」
色々な話が持ち上がる噂の女子生徒。
話を聞き、正義感が強い生徒なんだな、と他人事のように思う夏目だった。
放課後。神話オカルト研究会の部室へ向かう。中へ入ると、先客が二人。
「ん?」
背を見せていた二人が同時に振り返り目と目が合う。
一人は、炎のように赤く燃え上がる髪をポニーテールに束ね、垂れ目と吊り目の間の碧眼からは強気な印象。
もう一人は、セミロングの亜麻色の髪とくりっとした垂れ目の茶目に全体的に小柄だ。
「夏目。そこに突っ立ていないで、入ってください」
「えっ、あ、ああ……」
出入り口で立ち止まる夏目に美哉が諭す。
雪平美哉。夏目の幼なじみ、紫色のストレートの長い黒髪、切れ長の吊り目の青い瞳。優しげな表情に、制服の上からでも分かる抜群のプロポーションを誇る。
見事なくびれ、動く度に揺れる胸、肌は白く引き締まった四肢、男も女の目を引き寄せる。
「夏目も来たことですし、自己紹介でもしましょうか」
美哉がそう言い二人を紹介する。まずは赤髪の彼女を。
「彼女、秋山燐とは昔から家同士の繋がりで歳も近いこともあり、姉妹のように仲が良いんですよ。私と同じ、巫女でもありますしね」
「そ、そうなのか……」
どう反応すればいいのか分からず生返事の夏目。
紹介された燐は、夏目の前まで来ると手を差し伸べ自らも名乗る。
「秋山燐だ。よろしく頼む」
女性にしては少し低い声に男勝りな口調。夏目も差し出された手を握り返そうと伸ばす。
「まさか、先輩の幼なじみかつ同学年にフェンリルと契約した神殺しがいるとは思いもしなかったな」
「……っ!」
その言葉に夏目は、咄嗟に伸ばした手を引っ込め燐から距離を取った。フェンリルを知っていることに警戒を顕にする。
「いい反応をするじゃないか。神殺しとして覚醒したばかりと聞いてはいたが、少しはやるようだ」
笑って返す燐の反応に、夏目の足元の影が揺らぎそこから中型犬サイズとなった灰色のくすんだ毛並みのフェンリルが姿を見せ問う。
「何が目的だ小娘?」
「落ち着いてください、フェンリル。燐には私が説明を事前にしていたので。それに、夏目の神殺しとしての能力がただ知りたいだけですよ」
フェンリルが警戒と同様に威嚇しかねないと判断した美哉が答える。それに燐も言葉をつけ加える。
「誤解しないでくれ。わたしは、敵になるつもりは微塵もない。先輩の言った通りだ。安心してくれ」
「「…………」」
お互い顔を見合わせ警戒を解く。美哉と燐の言葉を信じることに。
美哉はもう一人の彼女も紹介する。
「彼女は、東雲桜。生徒会長の妹であり、彼女も同じく巫女です」
美哉に紹介された桜も頭を下げ自己紹介。
「美哉先輩に紹介された通り、東雲桜よ。お兄様は、生徒会長の東雲春人。あたしも御三家に連なる東雲家四代目の巫女なの。逢真が神殺しということも、先日に使徒から襲撃を受け退けたことも知ってるわ。お兄様の指示で、覚醒したばかりの逢真の成長の手助けをしてほしいって」
そこまで言う桜。
二人の紹介に、以前に美哉が言っていたあと二人の部員が燐と桜だと理解する夏目。
ただ、いきなり女子二人が増え何故か肩身が狭いと感じてしまうが。
御三家とは、この神山町を牛耳る雪平家と秋山家、それと上記の二つよりあとに誕生した巫女を輩出する東雲家を含む三家のこと。
「あ、そうだ。言い忘れていたが、先輩から逢真の特訓相手を頼まれている。わたしも特訓は好きだからな。これから仲良くしてくれるとありがたい」
「あたしも、お兄様の指示があるからできることはするわ。よろしく」
「えっ、あ、はあ……」
アホ毛がゆっくり回転し、これはどうすればいいのか迷っていることを示す。それを見た美哉は一人、「ふふっ」と笑う。
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