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第二章 神喰い狼フェンリルと不死鳥フェニックス
決闘と誓い(4)
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見守る美哉と桜は驚きの反応だった。燐だけがガッツポーズで笑う。
「特訓の成果が出ている!」
特訓中の夏目を知っている燐は、これなら会長を倒せる、と思い上がるのとは別に妹の桜はあの一撃で兄を本気にさせたと険しい表情。
美哉は、この短期間で強くなっている夏目に驚き以上に嬉しかった。戦っている姿は傷だらけ、それでも勇ましく逞しく映り胸を焦がす。
勝利して欲しいと祈る美哉。
春人は、吹き飛ばされ息を整え立ち上がる。不敵な笑みを浮かべながら。
「やってくれるね。逢真くん」
まさかたったの一撃で、肋骨の数本にヒビが入り内臓に損傷を与えてくるとは予想していなかった。
だからこそ、もう油断も遊びもしないと本気で潰しにいく。
目つきが変わる春人に気づき夏目も笑う。
(ここからが本番だ!)
全身に神通力を纏う感覚を忘れないよう纏い続ける。神通力のお陰で傷は癒えていくが、蓄積されていく疲労までは回復できない。
「フェニックス、おいで」
一度、フェニックスを呼び戻す。懐から白い手袋を取り出し手につけ、そしてフェニックスの口から小さな火種が吐かれ燃え上がる。
少量とはいえ、ひと一人くらいは簡単に焼き尽くせる火力。
「これは……」
その光景に以前、燐から聞いた話を思い出す夏目。
フェニックスから、業火の火種を手袋へ移し発火させ両手に纏ったのだ。
「さあ、第二ラウンドといこうか」
燃え上がる手をかざし夏目へ告げる春人。
「主よ。まともに食らえば、いくら神通力を纏っていてもタダでは済まないぞ。骨折、内臓の損傷、重度の火傷を負うであろう」
フェンリルも夏目のそばに駆け寄り警告。
「向こうも、俺を確実に仕留める気ってことだな」
春人を見つめ、どう動くべきか思案する。
フェンリルとフェニックスは、主である二人から離れまたぶつかり合う。
夏目と春人も対峙し、先に動きを見せたのは春人。
手に燃え盛る業火を使って殴り襲うかと思いきや放つ。
「いっ⁉」
勢いよく放たれた業火を、間一髪で横へ飛び退き躱すが軌道を変え背後から襲い掛かる。
「そうくるなら! ――いぎっ……⁉」
それを左手の裏拳で弾こうとしたが、火力が強すぎて手の甲を焼き痛みが全身へと伝わっていく。
「く、くそがぁああああああっ!」
口調が荒くなる夏目。痛みに耐え、こちらも負けじと神通力を纏うことから、左手に集中させ解き放つイメージを頭の中に描き業火を弾き消す。
放たれ、夏目の左手とぶつかる業火は霧散し消えたが春人が纏う業火は健在。燃える火の形は手刀へ、距離を詰め頭上から左手を振り下ろす。
「ふんっ!」
「なっ⁉」
咄嗟の判断で、体を逸らし左手の手刀から逃れる。が、避けられることを想定していた春人は振り下ろした状態から、斜めに振り上げ夏目の右肩の脇を下から斬りつける。
「あっ、ぐぅうっ……⁉」
衣服を燃やし、皮膚を斬られ血飛沫が飛び散る。
「まだだよ。さっきのお返しといこうか」
流れる動作で、右肩を手刀が貫く。
「あっ、うっ、がぁぁああああああああああああああああああああああああああっ!」
肩の傷口を焼き、貫かれるその同時に絶え間なく送り続けられる激痛に夏目の口から絶叫が盛大にもれた。
焼きながらゆっくりと肩から手刀を引き抜き、留めと言わんばかりに三度目の攻撃が放たれる。血に濡れた左手ではなく、右手の業火をより一層に燃やし刀身の形へと形成し夏目の脇腹を一閃し深く斬り込み抉る。
――ブシュゥッ!
「ごぶっ、がはっ……!」
これが深手となり、その場に膝から崩れ落ちる。左手に一点集中させたことが仇に、身を護る神通力を纏っていなかった肉体に直接ダメージが通る。視界を赤く染め上げる夏目を、見下ろす春人の手は止まらない。
「これで終わりだよ」
その一言を発し、崩れ落ち満身創痍の夏目へ向けて春人は両手を振り上げ業火の手刀をクロスさせ肩から胸へ伸び腹部にまで届き斬りつけた。
「――――っ⁉」
真っ赤に染まった視界。右肩は三度の攻撃を受け、感覚もなく動かすことは不可能。左肩も三度目の攻撃で腹部まで焼き斬りつけられ力と共に血が抜けていく。
「ぶっ、あっ……」
夏目の口から血の塊を吐き出し、上半身の傷口から止めどなく流れ赤い血の海が生まれる。
「――っ⁉ 主っ!」
血の海に倒れ込む夏目を見てフェンリルが叫び、駆け寄ろうとするのをフェニックスが阻もうとする。
「邪魔をするでないっ! そこを退けっ!」
焦り、怒鳴るフェンリルにフェニックスは業火の塊を翼から無数に作り行く手を妨害し、これに対抗すべく距離を詰め寄り前足の爪を剥き出し突き立てる。
「い、いやっ……! 夏目! 夏目ぇええええええええええええええっ!」
見守っていた美哉の口から、大切な幼なじみの名を呼ぶ悲痛な叫びがグラウンドに木霊する。
「特訓の成果が出ている!」
特訓中の夏目を知っている燐は、これなら会長を倒せる、と思い上がるのとは別に妹の桜はあの一撃で兄を本気にさせたと険しい表情。
美哉は、この短期間で強くなっている夏目に驚き以上に嬉しかった。戦っている姿は傷だらけ、それでも勇ましく逞しく映り胸を焦がす。
勝利して欲しいと祈る美哉。
春人は、吹き飛ばされ息を整え立ち上がる。不敵な笑みを浮かべながら。
「やってくれるね。逢真くん」
まさかたったの一撃で、肋骨の数本にヒビが入り内臓に損傷を与えてくるとは予想していなかった。
だからこそ、もう油断も遊びもしないと本気で潰しにいく。
目つきが変わる春人に気づき夏目も笑う。
(ここからが本番だ!)
全身に神通力を纏う感覚を忘れないよう纏い続ける。神通力のお陰で傷は癒えていくが、蓄積されていく疲労までは回復できない。
「フェニックス、おいで」
一度、フェニックスを呼び戻す。懐から白い手袋を取り出し手につけ、そしてフェニックスの口から小さな火種が吐かれ燃え上がる。
少量とはいえ、ひと一人くらいは簡単に焼き尽くせる火力。
「これは……」
その光景に以前、燐から聞いた話を思い出す夏目。
フェニックスから、業火の火種を手袋へ移し発火させ両手に纏ったのだ。
「さあ、第二ラウンドといこうか」
燃え上がる手をかざし夏目へ告げる春人。
「主よ。まともに食らえば、いくら神通力を纏っていてもタダでは済まないぞ。骨折、内臓の損傷、重度の火傷を負うであろう」
フェンリルも夏目のそばに駆け寄り警告。
「向こうも、俺を確実に仕留める気ってことだな」
春人を見つめ、どう動くべきか思案する。
フェンリルとフェニックスは、主である二人から離れまたぶつかり合う。
夏目と春人も対峙し、先に動きを見せたのは春人。
手に燃え盛る業火を使って殴り襲うかと思いきや放つ。
「いっ⁉」
勢いよく放たれた業火を、間一髪で横へ飛び退き躱すが軌道を変え背後から襲い掛かる。
「そうくるなら! ――いぎっ……⁉」
それを左手の裏拳で弾こうとしたが、火力が強すぎて手の甲を焼き痛みが全身へと伝わっていく。
「く、くそがぁああああああっ!」
口調が荒くなる夏目。痛みに耐え、こちらも負けじと神通力を纏うことから、左手に集中させ解き放つイメージを頭の中に描き業火を弾き消す。
放たれ、夏目の左手とぶつかる業火は霧散し消えたが春人が纏う業火は健在。燃える火の形は手刀へ、距離を詰め頭上から左手を振り下ろす。
「ふんっ!」
「なっ⁉」
咄嗟の判断で、体を逸らし左手の手刀から逃れる。が、避けられることを想定していた春人は振り下ろした状態から、斜めに振り上げ夏目の右肩の脇を下から斬りつける。
「あっ、ぐぅうっ……⁉」
衣服を燃やし、皮膚を斬られ血飛沫が飛び散る。
「まだだよ。さっきのお返しといこうか」
流れる動作で、右肩を手刀が貫く。
「あっ、うっ、がぁぁああああああああああああああああああああああああああっ!」
肩の傷口を焼き、貫かれるその同時に絶え間なく送り続けられる激痛に夏目の口から絶叫が盛大にもれた。
焼きながらゆっくりと肩から手刀を引き抜き、留めと言わんばかりに三度目の攻撃が放たれる。血に濡れた左手ではなく、右手の業火をより一層に燃やし刀身の形へと形成し夏目の脇腹を一閃し深く斬り込み抉る。
――ブシュゥッ!
「ごぶっ、がはっ……!」
これが深手となり、その場に膝から崩れ落ちる。左手に一点集中させたことが仇に、身を護る神通力を纏っていなかった肉体に直接ダメージが通る。視界を赤く染め上げる夏目を、見下ろす春人の手は止まらない。
「これで終わりだよ」
その一言を発し、崩れ落ち満身創痍の夏目へ向けて春人は両手を振り上げ業火の手刀をクロスさせ肩から胸へ伸び腹部にまで届き斬りつけた。
「――――っ⁉」
真っ赤に染まった視界。右肩は三度の攻撃を受け、感覚もなく動かすことは不可能。左肩も三度目の攻撃で腹部まで焼き斬りつけられ力と共に血が抜けていく。
「ぶっ、あっ……」
夏目の口から血の塊を吐き出し、上半身の傷口から止めどなく流れ赤い血の海が生まれる。
「――っ⁉ 主っ!」
血の海に倒れ込む夏目を見てフェンリルが叫び、駆け寄ろうとするのをフェニックスが阻もうとする。
「邪魔をするでないっ! そこを退けっ!」
焦り、怒鳴るフェンリルにフェニックスは業火の塊を翼から無数に作り行く手を妨害し、これに対抗すべく距離を詰め寄り前足の爪を剥き出し突き立てる。
「い、いやっ……! 夏目! 夏目ぇええええええええええええええっ!」
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