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第五章 真実に近づく者たち
新担任の正体は(3)
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資料室に到着した途端、ノックもせず扉を開け放つ美哉。
「夏目!」
叫ぶ彼女の目に映ったのは、パイプ椅子を一列に並べその上にうつ伏せに寝転び腰から背中のツボや肩を揉まれ、マッサージを受ける夏目の姿。
「…………」
美哉の後ろから室内を覗き込む燐と桜も、瞬きを数回して固まる。真冬と陽菜も、その光景に何も言えず立ち竦む。
「ああ~、そこそこっ」
マッサージを施され、気持ち良さそうに声を出す夏目。小型犬サイズのフェンリル、ヨルムンガンドも床にリラックスした状態。
四音は笑顔で、背中を指で押し肩を程よい力加減でほぐし、あまりの気持ち良さにだらしない顔の夏目を目の当たりにして、ようやく美哉は声を絞り出せた。
「夏目、何をやっているんですか……?」
「ふえ?」
夏目もそこで、ようやく美哉の存在に気づき緩みきった表情で答える。
「おお、美哉~。いや、なんかマッサージをしてくれるって言うから受けてみたら、これが結構気持ち良くて~」
「あら~、ここも凝ってますね」
四音は、四音で凝り固まった箇所を押す。その様に美哉の怒りが徐々に募り叫んだ。
「……っ。夏目!!」
「……っ!?」
美哉の怒りの声に、驚きパイプ椅子から転げ落ちる夏目。四音も、腕を上げ突然に叫ぶ美哉に驚く。
「これはどういう状況ですか! 私の心配を返してください!」
怒られる理由が分からない夏目は、
「な、何で急に怒るんだよ!?」
「怒るに決まっているでしょう! この状況は何ですか!? どうして、教師からマッサージを受ける流れになっているんです! それも二人きりで! いくら、フェンリルやヨルムンガンドがいるからといって、警戒心がなさすぎです! おまけに、神獣を懐柔されてどうするんです!」
と、マシンガントークの如く言い寄られる夏目。床に尻もちをつき、腰に手を当てた美哉に睨まれたじろぐ。
「えっと、そ、それはその……」
「それともあれですか? 浮気ですか? 見た目から魅惑な大人の女性と、隠れて浮気でもしてみようとか考えたんですか? ねえ、夏目?」
「ひぃっ!?」
長い紫がかった黒髪がパサリ、と眼前に落ち見下ろす美哉の目が冷え切り、言葉に殺意と怒りが込められ夏目の口から悲鳴が出る。
「ち、違う! 浮気なんて考えたことも思ったこともない! 俺は、美哉一筋だから! そんなこと、天地がひっくり返ってもありえないから!」
首を左右に振り乱し、必死に訴える夏目。その言葉に、殺意と怒りが鳴りを潜めてしまう。
嬉しいことを言われて、頬を赤らめる美哉。
「そ、そうですか。ならばいいです。夏目の言葉を信じてあげます。けれど、浮気は絶対に許しませんよ?」
「分かってるよ。絶対にしない」
そう言って、床にいつまでも座ったままの夏目に手を差し伸べる。
一連のやり取りを見ていた燐たちは全員が同じことを思う。
――なに、このバカップルは……。
と呆れ気味だった。ただ一人、四音だけはその光景を前に終始、クスクスと笑っているのだ。
何より、これだけ騒いでもフェンリルとヨルムンガンドは動かない。というよりも、気持ち良さそうに眠り起きる気配がない。
普段の神獣兄弟ならありえない状態に、美哉は四音を睨み彼女が一般人ではないと警戒を露わにした。
真冬も、神獣が姿を現しその上で無力化されている状況に警戒を見せる。
二人の睨みと警戒心を見せられても動じない四音は美哉たちに言う。
「立ち話もなんだから、みんな入ってらっしゃい」
部屋の隅に片づけられているパイプ椅子を人数分、用意し入るよう促す。
誘いを受けた美哉たちは、資料室へ入りそれぞれ用意された椅子に座る。全員が座ったところで、四音がまず夏目にマッサージを施す経緯を話す。
「フェンリルとヨルムンガンドと契約している彼が、”彼女”と契約を交わすに値するか見定めるためなの。だから、二人きりになれるようにここへ誘導して神獣兄弟を喚んでもらった。兄弟共に、彼に絶対的な信頼を寄せ強固な絆で繋がっていることも確かめられたわ。わたしの、わがままに付き合ってくれたお礼にと、マッサージを施したというのが経緯ね。兄弟が気持ち良さそうに眠っているのは、わたしの力なの。ふふっ」
そこまで話して笑う四音。話に出てきた”彼女”とは誰のことなのか、最初から夏目が神殺しでありフェンリルとヨルムンガンドと契約を交わしていることを知っていた。
それだけの情報を持ち只者ではない、同じ神殺しかと推測するがそんな素振りもない。謎の存在に美哉と真冬が訊く。
「あなたは何者ですか?」
「逢真の神獣がこの二匹だと知っていたみたいだけど、どうやってその情報を得たわけ?」
二人の問いに、四音は笑みを崩さず真っ直ぐ見つめ返し答える。
「瑠々川四音はね、人間界で使う名前なの」
そう言いながら指をパチンと鳴らす。すると、背中から黒い翼が十二枚現れる。
それは、腰の辺りから生え、コウモリを連想させるような形状していた。
十二枚の黒い翼を見た夏目以外のメンバーが、目を開き見るからに驚愕し固まった。
(に、人間じゃない? え、もしかして神獣とか?)
四音の姿を見て、首を傾げアホ毛も疑問符の形になる。
「わたしの正体は、元天使であり現在は悪魔よ。名をルシファーって言うの。よろしくね」
自己紹介に、美哉たちは開いた口が塞がらない。夏目だけが、驚き声を上げるのだった。
「マ、マジかぁぁぁぁああああああああああああっ!?」
「夏目!」
叫ぶ彼女の目に映ったのは、パイプ椅子を一列に並べその上にうつ伏せに寝転び腰から背中のツボや肩を揉まれ、マッサージを受ける夏目の姿。
「…………」
美哉の後ろから室内を覗き込む燐と桜も、瞬きを数回して固まる。真冬と陽菜も、その光景に何も言えず立ち竦む。
「ああ~、そこそこっ」
マッサージを施され、気持ち良さそうに声を出す夏目。小型犬サイズのフェンリル、ヨルムンガンドも床にリラックスした状態。
四音は笑顔で、背中を指で押し肩を程よい力加減でほぐし、あまりの気持ち良さにだらしない顔の夏目を目の当たりにして、ようやく美哉は声を絞り出せた。
「夏目、何をやっているんですか……?」
「ふえ?」
夏目もそこで、ようやく美哉の存在に気づき緩みきった表情で答える。
「おお、美哉~。いや、なんかマッサージをしてくれるって言うから受けてみたら、これが結構気持ち良くて~」
「あら~、ここも凝ってますね」
四音は、四音で凝り固まった箇所を押す。その様に美哉の怒りが徐々に募り叫んだ。
「……っ。夏目!!」
「……っ!?」
美哉の怒りの声に、驚きパイプ椅子から転げ落ちる夏目。四音も、腕を上げ突然に叫ぶ美哉に驚く。
「これはどういう状況ですか! 私の心配を返してください!」
怒られる理由が分からない夏目は、
「な、何で急に怒るんだよ!?」
「怒るに決まっているでしょう! この状況は何ですか!? どうして、教師からマッサージを受ける流れになっているんです! それも二人きりで! いくら、フェンリルやヨルムンガンドがいるからといって、警戒心がなさすぎです! おまけに、神獣を懐柔されてどうするんです!」
と、マシンガントークの如く言い寄られる夏目。床に尻もちをつき、腰に手を当てた美哉に睨まれたじろぐ。
「えっと、そ、それはその……」
「それともあれですか? 浮気ですか? 見た目から魅惑な大人の女性と、隠れて浮気でもしてみようとか考えたんですか? ねえ、夏目?」
「ひぃっ!?」
長い紫がかった黒髪がパサリ、と眼前に落ち見下ろす美哉の目が冷え切り、言葉に殺意と怒りが込められ夏目の口から悲鳴が出る。
「ち、違う! 浮気なんて考えたことも思ったこともない! 俺は、美哉一筋だから! そんなこと、天地がひっくり返ってもありえないから!」
首を左右に振り乱し、必死に訴える夏目。その言葉に、殺意と怒りが鳴りを潜めてしまう。
嬉しいことを言われて、頬を赤らめる美哉。
「そ、そうですか。ならばいいです。夏目の言葉を信じてあげます。けれど、浮気は絶対に許しませんよ?」
「分かってるよ。絶対にしない」
そう言って、床にいつまでも座ったままの夏目に手を差し伸べる。
一連のやり取りを見ていた燐たちは全員が同じことを思う。
――なに、このバカップルは……。
と呆れ気味だった。ただ一人、四音だけはその光景を前に終始、クスクスと笑っているのだ。
何より、これだけ騒いでもフェンリルとヨルムンガンドは動かない。というよりも、気持ち良さそうに眠り起きる気配がない。
普段の神獣兄弟ならありえない状態に、美哉は四音を睨み彼女が一般人ではないと警戒を露わにした。
真冬も、神獣が姿を現しその上で無力化されている状況に警戒を見せる。
二人の睨みと警戒心を見せられても動じない四音は美哉たちに言う。
「立ち話もなんだから、みんな入ってらっしゃい」
部屋の隅に片づけられているパイプ椅子を人数分、用意し入るよう促す。
誘いを受けた美哉たちは、資料室へ入りそれぞれ用意された椅子に座る。全員が座ったところで、四音がまず夏目にマッサージを施す経緯を話す。
「フェンリルとヨルムンガンドと契約している彼が、”彼女”と契約を交わすに値するか見定めるためなの。だから、二人きりになれるようにここへ誘導して神獣兄弟を喚んでもらった。兄弟共に、彼に絶対的な信頼を寄せ強固な絆で繋がっていることも確かめられたわ。わたしの、わがままに付き合ってくれたお礼にと、マッサージを施したというのが経緯ね。兄弟が気持ち良さそうに眠っているのは、わたしの力なの。ふふっ」
そこまで話して笑う四音。話に出てきた”彼女”とは誰のことなのか、最初から夏目が神殺しでありフェンリルとヨルムンガンドと契約を交わしていることを知っていた。
それだけの情報を持ち只者ではない、同じ神殺しかと推測するがそんな素振りもない。謎の存在に美哉と真冬が訊く。
「あなたは何者ですか?」
「逢真の神獣がこの二匹だと知っていたみたいだけど、どうやってその情報を得たわけ?」
二人の問いに、四音は笑みを崩さず真っ直ぐ見つめ返し答える。
「瑠々川四音はね、人間界で使う名前なの」
そう言いながら指をパチンと鳴らす。すると、背中から黒い翼が十二枚現れる。
それは、腰の辺りから生え、コウモリを連想させるような形状していた。
十二枚の黒い翼を見た夏目以外のメンバーが、目を開き見るからに驚愕し固まった。
(に、人間じゃない? え、もしかして神獣とか?)
四音の姿を見て、首を傾げアホ毛も疑問符の形になる。
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