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第五章 真実に近づく者たち
堕天使総督と魔王と女神(3)
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フェンリルとヨルムンガンドも、瞬きを数回してやっと我に返る。
妹ヘルを注意しようと、声を出すより先に美哉が怒った。
「夏目のことを何も知らない人が、勝手なことばかり言わないでください! 夏目は弱くありませんし、足を引っ張ることも役に立たないこともありません! 上から目線で命令など一度もしていませんよ! 何ですかいきなり暴言とは! 夏目は最高で、私にとってもフェンリルたちにとっても、なくてならない存在なんです! 女神であろうと夏目を傷つけるのであれば容赦はしませんよ?」
と、怒りと圧をかけ反論し、最後には美哉も殺意を放ち目が笑っていない笑顔を向け、本気で女神とやり合う気で噛みつく。
美哉の言葉と態度、反応にヘルも受けて立つと言わんばかりの態度を示す。
立ち上がりヘルへ近づく美哉へ、至近距離で睨み合う両者。
「吠えますです。人間風情が」
「保護されている分際で、よく上から目線で言えますね」
「…………」
「…………」
両者の間に、バチバチと火花が散る。どちらも退く気はなく、美哉の口調も荒くなる。
そんな美哉を夏目は腕を引き慌てて止めに入った。
「み、美哉! 俺は平気だから喧嘩はダメだって! 彼女が言うように一部は事実だからなっ!?」
しかし、美哉は夏目を侮辱したヘルに対して怒りが収まらず彼の制止を聞かず全身から冷気を放つ。
これにヘルは、やる気満々の美哉に対抗するようにこちらも足元から霜を発生させ、床が凍結していき部屋全体が白い霧に包まれていく。
一触即発な状況にフェンリルが怒鳴った。
「両者共にやめぬか! 主を危険に晒すような真似をするならば、我輩が黙ってはおらぬぞ!!」
威嚇と覇気を放ち部屋の冷気も霜諸共、吹き飛ばし一同を黙らす。
「……っ!?」
「――っ!?」
怒られた美哉とヘルは、肩をビクつかせ縮こまる。
「美哉、落ち着け。主を悪く言われて怒る気持ちは分かるが、冷静さを欠いてどうする」
「うっ。そ、そうですね。私としたことが失態でした……」
「ヘルよ、いくら妹であっても主を侮辱することは許さぬ。美哉の言うように、主は弱くなどない。我輩が唯一認めた主だ。言葉には気をつけよ」
美哉とヘルを叱るフェンリル。兄の言葉に続きヨルムンガンドも伝える。
「そうだよ、ヘル。ボクにとって、夏目だけが主なんだから悪く言わないで。それ以上、言うとボクでも怒るよ?」
「…………っ」
兄たちにそこまで言われたヘルが、驚愕と共に泣きそうな表情に変わっていく。目の端に涙を溜め、唇を尖らせ何か言いたいが言えない状態。
これには夏目が見ておられず、美哉と兄弟を宥める側へと。
「まあまあ。ほ、ほら大好きな兄たちと契約しているのが人間で、納得できないんだけだろうから。そんなに怒ってやるなよ。なっ? へ、ヘルさん? も美哉がごめんな。ちょっと俺のことになると、言動が行き過ぎるというか度が過ぎるんだ。あんまり気にすることはないから」
苦笑いを浮かべ、場を収めようとフォローのつもりだったが逆にそれが気に入らないヘルは、夏目へ不満をぶつけ爆発してしまう。
「に、人間如きの慰めなどいらないです! わたくしは、あなたを認めるつもりなど毛頭ありませんです!」
頬を膨らませ、夏目を指差しそう言い放つ。
眺めていたアザゼルが、そういうことならばと提案。
「あー、ヘル。お前さんが、夏目のことを知らないのも無理はない。契約も今すぐってわけじゃない、夏目を近くで監視して人柄や性格を知ってからでもいいだろう」
四音も、アザゼルの言葉に続きヘルに言う。
「そうね。一緒に住んで理解を深めてからでもいいと思うわ。それにせっかく兄妹の再開なんだし、共に過ごすのもいいんじゃないかしら?」
信頼を寄せる二人からの提案にしばし考え込むヘル。そして、夏目を睨むように見つめ承諾した。
「……分かりました。お二人がそこまで言うならそば監視して、兄様たちとどうやって契約を交わしたのか調べさせてもらうです」
「ええ!? そういう話になるのか!?」
「……どうして、一緒に住む流れになるんですか……」
アザゼルと四音の話からのヘルの発言に、夏目は叫び美哉は嫌そうな顔でこぼす。
他のメンバーは、とりあえず話が纏まり一安心しそれぞれ自分たちに飛び火しないよう口を挟まず、静かに見守りながらカップに口をつけ紅茶やコーヒーを飲む。
妹ヘルを注意しようと、声を出すより先に美哉が怒った。
「夏目のことを何も知らない人が、勝手なことばかり言わないでください! 夏目は弱くありませんし、足を引っ張ることも役に立たないこともありません! 上から目線で命令など一度もしていませんよ! 何ですかいきなり暴言とは! 夏目は最高で、私にとってもフェンリルたちにとっても、なくてならない存在なんです! 女神であろうと夏目を傷つけるのであれば容赦はしませんよ?」
と、怒りと圧をかけ反論し、最後には美哉も殺意を放ち目が笑っていない笑顔を向け、本気で女神とやり合う気で噛みつく。
美哉の言葉と態度、反応にヘルも受けて立つと言わんばかりの態度を示す。
立ち上がりヘルへ近づく美哉へ、至近距離で睨み合う両者。
「吠えますです。人間風情が」
「保護されている分際で、よく上から目線で言えますね」
「…………」
「…………」
両者の間に、バチバチと火花が散る。どちらも退く気はなく、美哉の口調も荒くなる。
そんな美哉を夏目は腕を引き慌てて止めに入った。
「み、美哉! 俺は平気だから喧嘩はダメだって! 彼女が言うように一部は事実だからなっ!?」
しかし、美哉は夏目を侮辱したヘルに対して怒りが収まらず彼の制止を聞かず全身から冷気を放つ。
これにヘルは、やる気満々の美哉に対抗するようにこちらも足元から霜を発生させ、床が凍結していき部屋全体が白い霧に包まれていく。
一触即発な状況にフェンリルが怒鳴った。
「両者共にやめぬか! 主を危険に晒すような真似をするならば、我輩が黙ってはおらぬぞ!!」
威嚇と覇気を放ち部屋の冷気も霜諸共、吹き飛ばし一同を黙らす。
「……っ!?」
「――っ!?」
怒られた美哉とヘルは、肩をビクつかせ縮こまる。
「美哉、落ち着け。主を悪く言われて怒る気持ちは分かるが、冷静さを欠いてどうする」
「うっ。そ、そうですね。私としたことが失態でした……」
「ヘルよ、いくら妹であっても主を侮辱することは許さぬ。美哉の言うように、主は弱くなどない。我輩が唯一認めた主だ。言葉には気をつけよ」
美哉とヘルを叱るフェンリル。兄の言葉に続きヨルムンガンドも伝える。
「そうだよ、ヘル。ボクにとって、夏目だけが主なんだから悪く言わないで。それ以上、言うとボクでも怒るよ?」
「…………っ」
兄たちにそこまで言われたヘルが、驚愕と共に泣きそうな表情に変わっていく。目の端に涙を溜め、唇を尖らせ何か言いたいが言えない状態。
これには夏目が見ておられず、美哉と兄弟を宥める側へと。
「まあまあ。ほ、ほら大好きな兄たちと契約しているのが人間で、納得できないんだけだろうから。そんなに怒ってやるなよ。なっ? へ、ヘルさん? も美哉がごめんな。ちょっと俺のことになると、言動が行き過ぎるというか度が過ぎるんだ。あんまり気にすることはないから」
苦笑いを浮かべ、場を収めようとフォローのつもりだったが逆にそれが気に入らないヘルは、夏目へ不満をぶつけ爆発してしまう。
「に、人間如きの慰めなどいらないです! わたくしは、あなたを認めるつもりなど毛頭ありませんです!」
頬を膨らませ、夏目を指差しそう言い放つ。
眺めていたアザゼルが、そういうことならばと提案。
「あー、ヘル。お前さんが、夏目のことを知らないのも無理はない。契約も今すぐってわけじゃない、夏目を近くで監視して人柄や性格を知ってからでもいいだろう」
四音も、アザゼルの言葉に続きヘルに言う。
「そうね。一緒に住んで理解を深めてからでもいいと思うわ。それにせっかく兄妹の再開なんだし、共に過ごすのもいいんじゃないかしら?」
信頼を寄せる二人からの提案にしばし考え込むヘル。そして、夏目を睨むように見つめ承諾した。
「……分かりました。お二人がそこまで言うならそば監視して、兄様たちとどうやって契約を交わしたのか調べさせてもらうです」
「ええ!? そういう話になるのか!?」
「……どうして、一緒に住む流れになるんですか……」
アザゼルと四音の話からのヘルの発言に、夏目は叫び美哉は嫌そうな顔でこぼす。
他のメンバーは、とりあえず話が纏まり一安心しそれぞれ自分たちに飛び火しないよう口を挟まず、静かに見守りながらカップに口をつけ紅茶やコーヒーを飲む。
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