150 / 220
第六章 機械仕掛けの神
悪神の降臨11(5)
しおりを挟む
「くくっ、あははははははっ!」
老若男女の笑い声が空洞内で響き渡る。
アザゼルと四音ことルシファーがついに動く。お互い翼を羽ばたかせ、悪神と同じ位置へ。アザゼルは眩い光の剣を生み出し、ルシファーは黒く禍々しい魔力の塊を悪神へと放つ。左右から襲う剣と塊は両脚と腕の六本を消滅、しかしそれでも悪神の笑い声は止まらない。
復活される前に追撃を入れる。
「ルシファー、下半身は任せたぞ! 俺は上半身と頭を潰す!」
「分かったわ! 復活できないほどに消し飛ばすわ!」
掛け声と共にアザゼルは接近し両手の剣を振りかざし、ルシファーは両手に生み出した塊を混ぜ合わせ直径二メートルの塊へと。
アザゼルが上半身を剣でクロスに斬り落とし、頭を掴み取ると容赦も情けもなく光で炙り溶かす。
ルシファーの魔力の塊は、斬り落とされた下半身を丸ごと包み込み消失させながら圧縮させ、完全に機体の下半身は文字通りに消滅した。
悪神の頭も機体の何もかもが消滅し、どこを見渡しても悪神の姿はなく笑い声も消えしばらく待っても復活の兆しはない。
「お、終わったのか……?」
と疑問を口にする夏目。
「何ていうか、俺何もしてない気がするんだが……」
「主よ、気にすることはない。悪神が消滅したのなら良いではないか」
「そうだよ! これで平和になるんだから!」
「そうです。明日からは、ただの学生に戻り平穏に暮らすのです」
夏目がこぼした言葉に兄妹たちがフォローを入れてくれる。
そんな気の抜けるやり取りを見せる夏目たちに、緊張の糸が切れメンバーは息を吐き出し終わったのだと力を抜く。
ただ紅は、こんなあっさり殺せるものだろうか? という疑問が残っていたが緊張が解けた今、口にするのを躊躇ってしまったのだ。
そしてもう一人、紅と同じことを思っているのが夏目だ。
(本当にこれで終わったのか? それになんだろう……、なんか胸騒ぎがするんだが……)
アザゼルと四音を見れば二人も終わったと、安堵するような表情で警戒を解いている。
美哉や他の仲間も同じだ。相棒たちも何も感じないようで警戒を解き、ワイワイと騒いでいるのを見ると言えない。
だが、夏目と紅の中で嫌な予感が募っていく。お互いに顔を見合わせ目で会話をする。
(嫌な感じがする。まだ終わってない、そう本能が言うんだ)
(やはり夏目くんもか。オレもだよ)
(あれで倒せたなんて思えない……)
(ああ、そうだね……)
と口には出さず、ある一点を見つめる二人。その視線の先に映るのは赤黒い鳥居だ。
二人はゴクリと生唾を飲み込む。徐々に嫌な予感が強くなり本能が危険だと、警告を鳴らすため夏目はヨルムンガンドに念話で伝えた。
(ヨルムンガンド、まだ合体を解かないでくれ)
その声に念話で疑問を返すヨルムンガンド。
(なんで? どういうこと?)
(まだ終わってない)
(ええ!?)
驚くヨルムンガンドと、未だに一点を見つめ続ける夏目。
紅が近寄り小声で提案。
「あの鳥居を同時攻撃で壊そう」
「分かった」
と即決する夏目に従うヨルムンガンドも小声で返す。
『分かったよ。夏目がそう言うならきっとそうだ。ボクはいつでもいいよ!』
相棒の返答に、二人は頷き合いそれぞれ拳を握る。そして、同時に駆け出すその行動を見ていた全員が驚く。
背後で美哉の「夏目!?」と驚く声が聞こえる。アザゼルも「お前たち!?」と聞こえるが振り返ることもなく、二人は真っ直ぐ鳥居へ駆け全力の一撃を入れる。
拳が当たる瞬間にインパクトを起こし柱を一発でへし折り、破壊した鳥居は崩れ土煙を巻き上げ紅は夏目に指示を出す。
「夏目くん、粉々に壊せ!」
「了解! いくぞヨルムンガンド!」
左手を崩れた鳥居をぶん殴り粉砕する夏目、紅も右手でぶん殴るその破壊行為に誰もが口を挟めずただ眺めるだけ。
粉砕した二人が一歩下った時、黒曜の腕が伸び夏目と紅を後方へ数メートル殴り飛ばした。
「うぐっ!?」
「くっ!?」
二人共に腕を交差させ防ぎ受け身を取り、目立つ怪我はないが目の前にまた現れる。黒曜の機体に六本の腕、銀河を連想させる瞳と、人間と同じ作りの顔、第三の目を持つ悪神に言葉を失った。
「やはり、まだ生きていたか!」
「不死身かよこの悪神は!」
叫ぶ紅と毒つく夏目は戦闘体勢を取る。
悪神は笑い、次に怒りを含みながら答える。
「ふふっ。我を殺せるなど思い上がるな人間共。とはいえ、何度も機体を破壊されあまつさえ鳥居まで破壊されるとは。その罪、愚かな貴様らの命を以て償ってもらおうぞ!」
笑い声の次は怒りの声に変わり、初めて悪神の表情が鬼の形相へと。
老若男女の笑い声が空洞内で響き渡る。
アザゼルと四音ことルシファーがついに動く。お互い翼を羽ばたかせ、悪神と同じ位置へ。アザゼルは眩い光の剣を生み出し、ルシファーは黒く禍々しい魔力の塊を悪神へと放つ。左右から襲う剣と塊は両脚と腕の六本を消滅、しかしそれでも悪神の笑い声は止まらない。
復活される前に追撃を入れる。
「ルシファー、下半身は任せたぞ! 俺は上半身と頭を潰す!」
「分かったわ! 復活できないほどに消し飛ばすわ!」
掛け声と共にアザゼルは接近し両手の剣を振りかざし、ルシファーは両手に生み出した塊を混ぜ合わせ直径二メートルの塊へと。
アザゼルが上半身を剣でクロスに斬り落とし、頭を掴み取ると容赦も情けもなく光で炙り溶かす。
ルシファーの魔力の塊は、斬り落とされた下半身を丸ごと包み込み消失させながら圧縮させ、完全に機体の下半身は文字通りに消滅した。
悪神の頭も機体の何もかもが消滅し、どこを見渡しても悪神の姿はなく笑い声も消えしばらく待っても復活の兆しはない。
「お、終わったのか……?」
と疑問を口にする夏目。
「何ていうか、俺何もしてない気がするんだが……」
「主よ、気にすることはない。悪神が消滅したのなら良いではないか」
「そうだよ! これで平和になるんだから!」
「そうです。明日からは、ただの学生に戻り平穏に暮らすのです」
夏目がこぼした言葉に兄妹たちがフォローを入れてくれる。
そんな気の抜けるやり取りを見せる夏目たちに、緊張の糸が切れメンバーは息を吐き出し終わったのだと力を抜く。
ただ紅は、こんなあっさり殺せるものだろうか? という疑問が残っていたが緊張が解けた今、口にするのを躊躇ってしまったのだ。
そしてもう一人、紅と同じことを思っているのが夏目だ。
(本当にこれで終わったのか? それになんだろう……、なんか胸騒ぎがするんだが……)
アザゼルと四音を見れば二人も終わったと、安堵するような表情で警戒を解いている。
美哉や他の仲間も同じだ。相棒たちも何も感じないようで警戒を解き、ワイワイと騒いでいるのを見ると言えない。
だが、夏目と紅の中で嫌な予感が募っていく。お互いに顔を見合わせ目で会話をする。
(嫌な感じがする。まだ終わってない、そう本能が言うんだ)
(やはり夏目くんもか。オレもだよ)
(あれで倒せたなんて思えない……)
(ああ、そうだね……)
と口には出さず、ある一点を見つめる二人。その視線の先に映るのは赤黒い鳥居だ。
二人はゴクリと生唾を飲み込む。徐々に嫌な予感が強くなり本能が危険だと、警告を鳴らすため夏目はヨルムンガンドに念話で伝えた。
(ヨルムンガンド、まだ合体を解かないでくれ)
その声に念話で疑問を返すヨルムンガンド。
(なんで? どういうこと?)
(まだ終わってない)
(ええ!?)
驚くヨルムンガンドと、未だに一点を見つめ続ける夏目。
紅が近寄り小声で提案。
「あの鳥居を同時攻撃で壊そう」
「分かった」
と即決する夏目に従うヨルムンガンドも小声で返す。
『分かったよ。夏目がそう言うならきっとそうだ。ボクはいつでもいいよ!』
相棒の返答に、二人は頷き合いそれぞれ拳を握る。そして、同時に駆け出すその行動を見ていた全員が驚く。
背後で美哉の「夏目!?」と驚く声が聞こえる。アザゼルも「お前たち!?」と聞こえるが振り返ることもなく、二人は真っ直ぐ鳥居へ駆け全力の一撃を入れる。
拳が当たる瞬間にインパクトを起こし柱を一発でへし折り、破壊した鳥居は崩れ土煙を巻き上げ紅は夏目に指示を出す。
「夏目くん、粉々に壊せ!」
「了解! いくぞヨルムンガンド!」
左手を崩れた鳥居をぶん殴り粉砕する夏目、紅も右手でぶん殴るその破壊行為に誰もが口を挟めずただ眺めるだけ。
粉砕した二人が一歩下った時、黒曜の腕が伸び夏目と紅を後方へ数メートル殴り飛ばした。
「うぐっ!?」
「くっ!?」
二人共に腕を交差させ防ぎ受け身を取り、目立つ怪我はないが目の前にまた現れる。黒曜の機体に六本の腕、銀河を連想させる瞳と、人間と同じ作りの顔、第三の目を持つ悪神に言葉を失った。
「やはり、まだ生きていたか!」
「不死身かよこの悪神は!」
叫ぶ紅と毒つく夏目は戦闘体勢を取る。
悪神は笑い、次に怒りを含みながら答える。
「ふふっ。我を殺せるなど思い上がるな人間共。とはいえ、何度も機体を破壊されあまつさえ鳥居まで破壊されるとは。その罪、愚かな貴様らの命を以て償ってもらおうぞ!」
笑い声の次は怒りの声に変わり、初めて悪神の表情が鬼の形相へと。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜
美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊
ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め…
※カクヨム様にも投稿しています
※イラストはAIイラストを使用しています
魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は世界に1人のトリプルジョブに至る~
ぐうのすけ
ファンタジー
赤目達也(アカメタツヤ)は少女を育てる為に冒険者を辞めた。
そして時が流れ少女が高校の寮に住む事になり冒険者に復帰した。
30代になった達也は更なる力を手に入れておりバズり散らかす。
カクヨムで先行投稿中
タイトル名が少し違います。
魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は黒魔法と白魔法を覚え世界にただ1人のトリプルジョブに至る~
https://kakuyomu.jp/works/16818093076031328255
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる