偽りの神人 ~神造七代の反逆と創世~

ゆー

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第六章 機械仕掛けの神

悪神の降臨11(5)

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「くくっ、あははははははっ!」



 老若男女の笑い声が空洞内で響き渡る。

 アザゼルと四音ことルシファーがついに動く。お互い翼を羽ばたかせ、悪神と同じ位置へ。アザゼルは眩い光の剣を生み出し、ルシファーは黒く禍々しい魔力の塊を悪神へと放つ。左右から襲う剣と塊は両脚と腕の六本を消滅、しかしそれでも悪神の笑い声は止まらない。

 復活される前に追撃を入れる。



「ルシファー、下半身は任せたぞ! 俺は上半身と頭を潰す!」

「分かったわ! 復活できないほどに消し飛ばすわ!」



 掛け声と共にアザゼルは接近し両手の剣を振りかざし、ルシファーは両手に生み出した塊を混ぜ合わせ直径二メートルの塊へと。

 アザゼルが上半身を剣でクロスに斬り落とし、頭を掴み取ると容赦も情けもなく光で炙り溶かす。

 ルシファーの魔力の塊は、斬り落とされた下半身を丸ごと包み込み消失させながら圧縮させ、完全に機体の下半身は文字通りに消滅した。

 悪神の頭も機体の何もかもが消滅し、どこを見渡しても悪神の姿はなく笑い声も消えしばらく待っても復活の兆しはない。



「お、終わったのか……?」



 と疑問を口にする夏目。



「何ていうか、俺何もしてない気がするんだが……」

「主よ、気にすることはない。悪神が消滅したのなら良いではないか」

「そうだよ! これで平和になるんだから!」

「そうです。明日からは、ただの学生に戻り平穏に暮らすのです」



 夏目がこぼした言葉に兄妹たちがフォローを入れてくれる。

 そんな気の抜けるやり取りを見せる夏目たちに、緊張の糸が切れメンバーは息を吐き出し終わったのだと力を抜く。



 ただ紅は、こんなあっさり殺せるものだろうか? という疑問が残っていたが緊張が解けた今、口にするのを躊躇ってしまったのだ。

 そしてもう一人、紅と同じことを思っているのが夏目だ。



(本当にこれで終わったのか? それになんだろう……、なんか胸騒ぎがするんだが……)



 アザゼルと四音を見れば二人も終わったと、安堵するような表情で警戒を解いている。

 美哉や他の仲間も同じだ。相棒たちも何も感じないようで警戒を解き、ワイワイと騒いでいるのを見ると言えない。

 だが、夏目と紅の中で嫌な予感が募っていく。お互いに顔を見合わせ目で会話をする。



(嫌な感じがする。まだ終わってない、そう本能が言うんだ)

(やはり夏目くんもか。オレもだよ)

(あれで倒せたなんて思えない……)

(ああ、そうだね……)



 と口には出さず、ある一点を見つめる二人。その視線の先に映るのは赤黒い鳥居だ。

 二人はゴクリと生唾を飲み込む。徐々に嫌な予感が強くなり本能が危険だと、警告を鳴らすため夏目はヨルムンガンドに念話で伝えた。



(ヨルムンガンド、まだ合体を解かないでくれ)



 その声に念話で疑問を返すヨルムンガンド。



(なんで? どういうこと?)

(まだ終わってない)

(ええ!?)



 驚くヨルムンガンドと、未だに一点を見つめ続ける夏目。

 紅が近寄り小声で提案。



「あの鳥居を同時攻撃で壊そう」

「分かった」



 と即決する夏目に従うヨルムンガンドも小声で返す。



『分かったよ。夏目がそう言うならきっとそうだ。ボクはいつでもいいよ!』



 相棒の返答に、二人は頷き合いそれぞれ拳を握る。そして、同時に駆け出すその行動を見ていた全員が驚く。

 背後で美哉の「夏目!?」と驚く声が聞こえる。アザゼルも「お前たち!?」と聞こえるが振り返ることもなく、二人は真っ直ぐ鳥居へ駆け全力の一撃を入れる。

 拳が当たる瞬間にインパクトを起こし柱を一発でへし折り、破壊した鳥居は崩れ土煙を巻き上げ紅は夏目に指示を出す。



「夏目くん、粉々に壊せ!」

「了解! いくぞヨルムンガンド!」



 左手を崩れた鳥居をぶん殴り粉砕する夏目、紅も右手でぶん殴るその破壊行為に誰もが口を挟めずただ眺めるだけ。

 粉砕した二人が一歩下った時、黒曜の腕が伸び夏目と紅を後方へ数メートル殴り飛ばした。



「うぐっ!?」

「くっ!?」



 二人共に腕を交差させ防ぎ受け身を取り、目立つ怪我はないが目の前にまた現れる。黒曜の機体に六本の腕、銀河を連想させる瞳と、人間と同じ作りの顔、第三の目を持つ悪神に言葉を失った。



「やはり、まだ生きていたか!」

「不死身かよこの悪神は!」



 叫ぶ紅と毒つく夏目は戦闘体勢を取る。

 悪神は笑い、次に怒りを含みながら答える。



「ふふっ。我を殺せるなど思い上がるな人間共。とはいえ、何度も機体を破壊されあまつさえ鳥居まで破壊されるとは。その罪、愚かな貴様らの命を以て償ってもらおうぞ!」



 笑い声の次は怒りの声に変わり、初めて悪神の表情が鬼の形相へと。
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