偽りの神人 ~神造七代の反逆と創世~

ゆー

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第八章 偽りの神人

予想外の出会い(4)

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 落ち着いた直矢を連れて旅館へ戻る俺たち。



「あ、おかえりなさい! 夏目お兄さん、美哉お姉さん! ……っと、え?」

「おかえりさない。お兄さん、お姉さん。……と、子供?」



 奏と遥が出迎えてくれる。けれど、俺が抱きかかえる直矢を見て固まった。そして、予想通りの反応を見せる。

 直矢が、人間ではないと気づいた二人が警戒を露わにし身構えた。



「それ……」

「うん。間違いないよ、奏」

「…………っ」



 直矢も二人のことを知っているのだろう、息を呑み俺にしがみつき奏と遥から顔を逸らす。まあ、どちらも当然の反応だな。



「二人共、落ち着け。部屋で詳しいことを話すからまずは警戒を解け」

「……夏目お兄さんがそう言うなら」

「うん」



 俺の言うがままに、二人は警戒を解き部屋へ行き、ここまでの経緯を話す。

 直矢の正体と俺たちとの関係、得られた情報の一部を。



「ええっ!? そ、そんなことがあるの!?」

「驚いた。まさか、こんなことが起きるなんて」



 聞き終えた奏と遥は、直矢を凝視してしまう。美哉の膝の上に乗り離れようとせず、ヘルが頭を撫でると「へへっ」と嬉しそうに笑い、ヨルムンガンドがそばに這うと体を撫で回し楽しそうにする様子。



「ねえ、遥」

「なに」

「夏目お兄さんが嘘を言っているようにも、この子が騙してるようにも見えないわ」

「そうだね。ぼくもそう思う」

「わたしの直感がね、悪神を滅ぼす鍵になるって」

「奇遇だね。ぼくの直感も同じことを言ってる」

「じゃあ、決まりね! 直矢くんを信じるわ!」

「うん」

「そうか。良かった」



 二人が信じてくれないと、この先の戦いで困る。ウロボロスの力は必要不可欠だ。それに、俺と同じことを奏も遥も思ったうようだな。直矢は、悪神の心臓の在り処を知っている。探す手間が省けるというもの。

 何より、護ると言ったそばから仲間と敵対関係になるのはごめんだ。



「ってことは、みんなにも説明するんだよね?」

「ぼくたちみたいに受け入れてくれるといいけど」

「そうだな……。今夜に説明するつもりではいるが、直矢を殺すと言うのならその時はやむを得ない」

「夏目……」

「夏目お兄さん……」

「お兄さん……」



 美哉たちの表情が暗くなる。俺の気持ちを、仲間のことを考えると表情が暗くなるのも分かる。俺としても、それだけは避けたい。

 どうなるか……。





      ◇◇◇◇◇





 その日の夜に集まった仲間にも説明をする。

 直矢を見て、開いた口が塞がらず驚きを隠せないメンバーたち。空気が少し、重くなるのを感じる。悪神の子であり、美哉の戦闘データをインストールされ、身勝手に感情をも入れられ、得たのは愛情を求め、寂しさを知ってしまった機械仕掛けの子。

 どう対応するべきか、悩んでいるのだろう。

 だが、そんな中で神前先輩と立花先輩はすぐに受け入れ茶化す。



「へぇ~。二人の子とは、手が早いわね。逢真~」

「子供、可愛い」



 ニヤニヤと笑う神埼先輩と、直矢を見て微笑む立花先輩。それに続き紅まで受け入れたようで、



「なるほど。ということは、パパとママとして頑張らないといけないわけだね」

「そうよ。イチャつくのも程々にしなさいよ逢真。あんた、美哉が目覚めてから欲求が激しいんだから」

「そうだね。さすがに、我が子の前であんなことやこんなことは厳禁だよ。夏目くん」



 と二人して笑いながら言う。

 こ、こいつら俺をからかってるだろ! 言われなくとも直矢の前で、そんな姿を晒すわけないだろ! それくらい分かってるわ!



「うるさいぞ! そこ二人!」

「あははは! 逢真が怒ったわ!」

「もう、真冬ちゃん、いじめちゃダメだよ」

「ごめん、ごめん。つい、ね」

「からかうのはここまでにして。何か、困ったことがれば言っておいで。オレも手を貸すから」



 くそっ……。やっぱり、からかってんじゃねか。でも、紅からの申し出はありがたい。



「ああ。相談に乗って欲しい時はそうする」



 そうして、二人が空気を和ましてくれたお陰で燐と桜、アザゼルと四音も大丈夫と判断してくれたようで、仲間の全員が直矢を受け入れてくれた。



「夏目の話は分かった。でだ、直矢に訊きたいことがある」

「そうね。悪神の心臓と『地球の歯車』、『世界の出来事』について。知っていることを教えてくれるかしら?」

「ああ。『地球の歯車』と『世界の出来事』とはなんだ? 俺でも知らない言葉だぞ」

「うん、分かった」



 アザゼルと四音の言葉に、一言そう返し俺の膝の上に座り直した直矢が語る。悪神に関わることを――。
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