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Ⅰ閉じ込められた箱庭
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ほんのわずかでもいい。人間に、興味を持たせることだ。
「こういう状況下、人間に限らず知恵のある生き物は強者に媚び諂うことが多い。ただしそれは、延命のためではない」
「……」
「己に起こり得る恐怖、すなわち苦痛から逃れるためだ。延命はその結果に過ぎない。これは己の命の終わりを知らない場合だ。自身が死ぬ期日を知り、それが早ければ早いほど死への恐怖はあっても、第三者に与えられる苦痛への恐怖は小さい。そうだろう? ――カナト」
形の良い唇が、初めて名を呼んだ。
心臓を文字通り鷲掴みにされた苦痛が奏人を襲い、前のめりになって苦悶する。
痛みと息苦しさが同時に襲い、生理的に涙が滲んだ。これは凄い。痛みを感じた。なんてことだろう。
彼が何をしたのかは分からないが、何らかの力を発したことだけは確かだ。
呆気なく殺される現実をすぐそこに見た気分で、されど奏人は笑った。
奥歯を噛み締めながら顔をあげ、息も絶え絶えに応える。
「……だったら、何だよ、――ソロ」
視界の端に、金色を見たのは言い終えると同時。刺すような、殺意。
強烈な憎悪を間近に感じて、瞬間死を意識した。否、死んだとさえ思った。
「私のものに、何をする気だ? コード」
奏人の首を狙った手刀が、見えない壁に阻まれるようにして止まった。
ぶつかった反動でコードの手が折れ曲がり、白く美しい肌を貫いて骨が露わになる。
毛足の長い薄い浅黄色の絨毯を鮮血で濡らし、しかしコードは眉一つ動かすことなく静かに退いた。
「ご無礼致しました。お許しください」
痛覚が人間のそれと異なっているのかと思ったが、彼の額に脂汗を見てそうでないことを知る。腕が震えていた。当然ながら激痛なのだろう。
それでも、彼は己の非を詫びるだけだ。ソロを思っての行動であっても、彼が望まないのならば意味はない。義は非となり、非は処される。そこに己の意志は関係ない。
何の前触れもなく、奏人の体が浮く。驚いてコードからソロへ視線を移せば、ソロが指先一つで招いているのが見えた。何をされるのか警戒する中、彼の膝の上に体を下ろされる。
すぐそこに、空色の瞳。完成された芸術品のような美貌が迫り、無意識に奏人は体を逃がした。あまりにも整い過ぎていて、底気味悪い。頭の先から足の先まで、この男に欠点などないように思えた。それが、あまりに異様。
「私に心を読み解く力はない。全て仮定の話になるが、お前は死期が近いな。迫る刻限すら分かっている。だからこんな真似ができるし、私たちを怖いと思っても恐れ慄くほどではない。そこで疑問が一つ残る。大人しく迫る死を待てばいいのに、わざとこちらを挑発しているな。それは何故なのか」
探るような視線が愉しげに奏人を捉え、逸らすことも叶わぬまま続くソロの言葉を待つ。
強張らせたままの体に、ソロの指先が触れた。冷たい指に頬をなぞられ、否応なく肌が粟立つ。逃げようとする体を利き腕に抱かれ、グッと己の方へ引き寄せられた。心臓の音が大きく、鼓膜を打つ。
鼻孔をくすぐる仄かなソロの香り。嫌なものではない。むしろ、妙に奏人に馴染んだ。
顎を掬われる。畏怖すら抱かせる美貌に目を眇めた。
「名前は確か……タクト、だったか」
「っ」
ふふ、とソロの笑みが深くなった。奏人が人間に興味を持たせようとしたのは、ひとえに拓斗を探してもらうためだ。この世界にいるのなら、彼一人では生き長らえる術を持たないことになる。
奏人はいい。手元に薬がない以上、どのみち死ぬ。
彼の口からタクトの名が出たのはいい兆候だと考え、奏人はここぞとばかりに畳みかけた。
「タクトは、美形だよ。すごく綺麗だ」
「ほぅ?」
「声楽部なだけあって歌も上手いし、話し上手だから傍にいると楽しい。手先が器用で、物覚えも早い」
「それで?」
上機嫌に奏人の髪をクルクルと手指に絡ませて遊びながら、先を促す。
本当のことだと信じていないのか、反応がイマイチだ。継ぐ言葉に迷っていると、促すように軽く髪を引かれた。
「俺、は」
もっと、彼を揺り動かすような言葉を。下手に褒めそやしても嘘っぽく聞こえるし、だいたい拓斗はこんな小細工が必要な人間ではない。
「俺は、拓斗を無視できた人間を知らない。羨望、嫉妬、親愛、色んな感情を抱く奴らが拓斗の周りにはいた。でも、拓斗に興味を持たなかった人間は一人もいない」
ぴたり、ソロの指が動きを止める。真っ直ぐな視線を見つめ返し、奏人は彼の答えを待った。ソロの口元に笑みが点る。その笑みがやけに冷たく見えて、奏人は息を呑んだ。
「お前の思惑に乗ってやろう。……コード」
ソロに呼ばれ、コードが一歩前に出る。腕は大丈夫かと心配になったが、彼の腕には布が巻かれていた。痛々しかった表情も凛としたものを取り戻し、何事もなかったように控えている。痛くないわけがない。あれだけの怪我だ。
それなのに彼は表情に出さない。平然としている。胆力の違いが、痛覚の違いなのか。彼らの情報が少なすぎて分からない。分かったことといえば、彼らの血も赤いことだけ。人間と全く違う食べ物を摂取する彼らが、血中にヘモグロビンを含んでいるとは考えにくい。原理が違うはずだ。しかしよくよく見てみても、ソロたちと奏人とでは外見上の差異は見受けられない。
「望み通り、タクトを探してやろう。お前のようにタクトが誰かに拾われていない場合、人間は商人によって競売にかけられる。それを買うのは決まって貴族連中だ」
頷いて見せたソロの合図で、コードが二つ返事で部屋を出て行った。おそらく競売会場へ行ったのだろう。
「どのくらいの、値段なんだ?」
「そうだな。城が二つ三つ建てられる」
「え……?」
「落ちてきた人間を飼うには、それなりの力がいる。競売に参加するには、身分も必要だ。だからこそ、人間を飼うのはほとんどが貴族だ」
貴族。まさに人間の身分制度のそれだ。では、統治している誰かがいることになる。
トップに近ければ近いほど権力を持つのは世の常。ソロがどの辺りの地位に属しているかは知らないが、もっと上の誰かに競り落とされている可能性もあるということだ。
「問題はない。お前は本当に運が良い」
競売と聞いて顔色を変えた奏人に、ソロが不敵に微笑んだ。冷たい指の背で頬をなぞられ、思わず首を竦める。タクトが会場にいたとして、コードは間に合うだろうか。無事に落札できるのか。気のいい貴族に競り落とされるのならまだいいが、そうでない可能性の方が圧倒的に高い。
「さて、準備ができたようだ」
(準備?)
ソロが扉の方を見たので、奏人も青い顔をしてそちらへ向ける。いつの間にそこへ立っていたのか、深々と一礼したまま先に出て行ったフォニックが控えていた。ソロは奏人を床に立たせ、背を押すようにして外へ促す。
「行くぞ」
「行くって、どこに?」
「決まってるだろう? 寝室だ」
「………………………………………………………………………………………………………は?」
さも当然といったソロの微笑みに、奏人はこの世界に来て初めて、ひどく間抜けな返事をした。
滝のような汗とともに部屋を全速力で逃げ出したのは、この数秒後のこと。
■ ■ ■
脱兎のごとく逃げ出した奏人に、ソロが可笑しそうに肩を揺らして笑う。
「見たか? 面白い。後ろ手に縛られているのに、あんなに早く走れるのか」
「追いますか?」
ひとしきり笑うと、ソロは満足したのか首を左右に振った。
「お前はコードを追え。競売会場へ行かせた」
「タクト、ですか?」
察しのいい侍従に目を細めて、ソロは奏人が逃げた方角へゆったりと歩き出した。
「お言葉ですが、いくら我が君でも条約に反するのは……」
「心配ない」
「と、申しますと?」
磨き上げられた石造りの床を闊歩しつつ、ソロが言う。
「カナトが、タクトという人間を絶賛した。とても綺麗で歌が上手く、誰もが一目置く存在らしい。だから探す約束をした」
「では、タクトの方をお飼いに?」
いいや、と楽しそうにソロが笑う。柔らかな調子で、まるで花を一輪摘んで来いと言うように。
加えて、命じた。
「見つけ次第、殺せ」
私にタクトとやらは、不要だからな――……。
「こういう状況下、人間に限らず知恵のある生き物は強者に媚び諂うことが多い。ただしそれは、延命のためではない」
「……」
「己に起こり得る恐怖、すなわち苦痛から逃れるためだ。延命はその結果に過ぎない。これは己の命の終わりを知らない場合だ。自身が死ぬ期日を知り、それが早ければ早いほど死への恐怖はあっても、第三者に与えられる苦痛への恐怖は小さい。そうだろう? ――カナト」
形の良い唇が、初めて名を呼んだ。
心臓を文字通り鷲掴みにされた苦痛が奏人を襲い、前のめりになって苦悶する。
痛みと息苦しさが同時に襲い、生理的に涙が滲んだ。これは凄い。痛みを感じた。なんてことだろう。
彼が何をしたのかは分からないが、何らかの力を発したことだけは確かだ。
呆気なく殺される現実をすぐそこに見た気分で、されど奏人は笑った。
奥歯を噛み締めながら顔をあげ、息も絶え絶えに応える。
「……だったら、何だよ、――ソロ」
視界の端に、金色を見たのは言い終えると同時。刺すような、殺意。
強烈な憎悪を間近に感じて、瞬間死を意識した。否、死んだとさえ思った。
「私のものに、何をする気だ? コード」
奏人の首を狙った手刀が、見えない壁に阻まれるようにして止まった。
ぶつかった反動でコードの手が折れ曲がり、白く美しい肌を貫いて骨が露わになる。
毛足の長い薄い浅黄色の絨毯を鮮血で濡らし、しかしコードは眉一つ動かすことなく静かに退いた。
「ご無礼致しました。お許しください」
痛覚が人間のそれと異なっているのかと思ったが、彼の額に脂汗を見てそうでないことを知る。腕が震えていた。当然ながら激痛なのだろう。
それでも、彼は己の非を詫びるだけだ。ソロを思っての行動であっても、彼が望まないのならば意味はない。義は非となり、非は処される。そこに己の意志は関係ない。
何の前触れもなく、奏人の体が浮く。驚いてコードからソロへ視線を移せば、ソロが指先一つで招いているのが見えた。何をされるのか警戒する中、彼の膝の上に体を下ろされる。
すぐそこに、空色の瞳。完成された芸術品のような美貌が迫り、無意識に奏人は体を逃がした。あまりにも整い過ぎていて、底気味悪い。頭の先から足の先まで、この男に欠点などないように思えた。それが、あまりに異様。
「私に心を読み解く力はない。全て仮定の話になるが、お前は死期が近いな。迫る刻限すら分かっている。だからこんな真似ができるし、私たちを怖いと思っても恐れ慄くほどではない。そこで疑問が一つ残る。大人しく迫る死を待てばいいのに、わざとこちらを挑発しているな。それは何故なのか」
探るような視線が愉しげに奏人を捉え、逸らすことも叶わぬまま続くソロの言葉を待つ。
強張らせたままの体に、ソロの指先が触れた。冷たい指に頬をなぞられ、否応なく肌が粟立つ。逃げようとする体を利き腕に抱かれ、グッと己の方へ引き寄せられた。心臓の音が大きく、鼓膜を打つ。
鼻孔をくすぐる仄かなソロの香り。嫌なものではない。むしろ、妙に奏人に馴染んだ。
顎を掬われる。畏怖すら抱かせる美貌に目を眇めた。
「名前は確か……タクト、だったか」
「っ」
ふふ、とソロの笑みが深くなった。奏人が人間に興味を持たせようとしたのは、ひとえに拓斗を探してもらうためだ。この世界にいるのなら、彼一人では生き長らえる術を持たないことになる。
奏人はいい。手元に薬がない以上、どのみち死ぬ。
彼の口からタクトの名が出たのはいい兆候だと考え、奏人はここぞとばかりに畳みかけた。
「タクトは、美形だよ。すごく綺麗だ」
「ほぅ?」
「声楽部なだけあって歌も上手いし、話し上手だから傍にいると楽しい。手先が器用で、物覚えも早い」
「それで?」
上機嫌に奏人の髪をクルクルと手指に絡ませて遊びながら、先を促す。
本当のことだと信じていないのか、反応がイマイチだ。継ぐ言葉に迷っていると、促すように軽く髪を引かれた。
「俺、は」
もっと、彼を揺り動かすような言葉を。下手に褒めそやしても嘘っぽく聞こえるし、だいたい拓斗はこんな小細工が必要な人間ではない。
「俺は、拓斗を無視できた人間を知らない。羨望、嫉妬、親愛、色んな感情を抱く奴らが拓斗の周りにはいた。でも、拓斗に興味を持たなかった人間は一人もいない」
ぴたり、ソロの指が動きを止める。真っ直ぐな視線を見つめ返し、奏人は彼の答えを待った。ソロの口元に笑みが点る。その笑みがやけに冷たく見えて、奏人は息を呑んだ。
「お前の思惑に乗ってやろう。……コード」
ソロに呼ばれ、コードが一歩前に出る。腕は大丈夫かと心配になったが、彼の腕には布が巻かれていた。痛々しかった表情も凛としたものを取り戻し、何事もなかったように控えている。痛くないわけがない。あれだけの怪我だ。
それなのに彼は表情に出さない。平然としている。胆力の違いが、痛覚の違いなのか。彼らの情報が少なすぎて分からない。分かったことといえば、彼らの血も赤いことだけ。人間と全く違う食べ物を摂取する彼らが、血中にヘモグロビンを含んでいるとは考えにくい。原理が違うはずだ。しかしよくよく見てみても、ソロたちと奏人とでは外見上の差異は見受けられない。
「望み通り、タクトを探してやろう。お前のようにタクトが誰かに拾われていない場合、人間は商人によって競売にかけられる。それを買うのは決まって貴族連中だ」
頷いて見せたソロの合図で、コードが二つ返事で部屋を出て行った。おそらく競売会場へ行ったのだろう。
「どのくらいの、値段なんだ?」
「そうだな。城が二つ三つ建てられる」
「え……?」
「落ちてきた人間を飼うには、それなりの力がいる。競売に参加するには、身分も必要だ。だからこそ、人間を飼うのはほとんどが貴族だ」
貴族。まさに人間の身分制度のそれだ。では、統治している誰かがいることになる。
トップに近ければ近いほど権力を持つのは世の常。ソロがどの辺りの地位に属しているかは知らないが、もっと上の誰かに競り落とされている可能性もあるということだ。
「問題はない。お前は本当に運が良い」
競売と聞いて顔色を変えた奏人に、ソロが不敵に微笑んだ。冷たい指の背で頬をなぞられ、思わず首を竦める。タクトが会場にいたとして、コードは間に合うだろうか。無事に落札できるのか。気のいい貴族に競り落とされるのならまだいいが、そうでない可能性の方が圧倒的に高い。
「さて、準備ができたようだ」
(準備?)
ソロが扉の方を見たので、奏人も青い顔をしてそちらへ向ける。いつの間にそこへ立っていたのか、深々と一礼したまま先に出て行ったフォニックが控えていた。ソロは奏人を床に立たせ、背を押すようにして外へ促す。
「行くぞ」
「行くって、どこに?」
「決まってるだろう? 寝室だ」
「………………………………………………………………………………………………………は?」
さも当然といったソロの微笑みに、奏人はこの世界に来て初めて、ひどく間抜けな返事をした。
滝のような汗とともに部屋を全速力で逃げ出したのは、この数秒後のこと。
■ ■ ■
脱兎のごとく逃げ出した奏人に、ソロが可笑しそうに肩を揺らして笑う。
「見たか? 面白い。後ろ手に縛られているのに、あんなに早く走れるのか」
「追いますか?」
ひとしきり笑うと、ソロは満足したのか首を左右に振った。
「お前はコードを追え。競売会場へ行かせた」
「タクト、ですか?」
察しのいい侍従に目を細めて、ソロは奏人が逃げた方角へゆったりと歩き出した。
「お言葉ですが、いくら我が君でも条約に反するのは……」
「心配ない」
「と、申しますと?」
磨き上げられた石造りの床を闊歩しつつ、ソロが言う。
「カナトが、タクトという人間を絶賛した。とても綺麗で歌が上手く、誰もが一目置く存在らしい。だから探す約束をした」
「では、タクトの方をお飼いに?」
いいや、と楽しそうにソロが笑う。柔らかな調子で、まるで花を一輪摘んで来いと言うように。
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