GAMEなら何でもいいってわけじゃないよね  五十路のオッサンゲーマーは異世界で何かする

なかのしま

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031話:衝撃

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 愛着のあった剣のあっけない最後に一人黄昏れていると、洞窟内を探索していたスロークがすぅっと姿を現した。
 「どーだったっスか?」
 興味津々といった様子でユーシンが駆け寄る。
 「奥にプレイヤーと思われる者はいた。
 うん、確かにいた・・・んだが・・・あ~、何と言っていいか難しいんだが。」
 ?
 どうも歯切れが悪いな。
 危機感の無さそうな言い方だから一刻を争うってわけじゃなさそうだけど。
 「とにかく声かけてみりゃいーんじゃないっスか?」
 というとユーシンが穴の入り口まで岩山をよじ登っていく。
 穴は地面から2mほどの高さに開いており、大人が中腰で何とか通れそうなサイズだ。
 ユーシンはすぅっと息を吸い込むと穴の中に顔を突っ込んだ。
 「クマどもはぶっ殺したからもう安全っスよ~。」
 と目いっぱいの声量で叫んだ。
 ふむ、反応が気になるな。
 ユーシンが降りてくる。
 俺も気になったので、入り口の真下まで移動して反応を待った。
 尊い犠牲を払ったんだから、助けた相手の確認くらいはしておきたい。
 と、ドスドスといった音が近づいてくる。
 ドスドス?
 え?
 えぇえぇぇぇえ!
 なんだアレ!?
 穴から四角い箱をつなぎ合わせたような物がはい出てくる。
 そして、パッと飛び出たと思ったら見事に着地・・・ってこれ・・・まさか・・・アレなのか?
 一瞬で元ネタが分かってしまったけど、怖い!
 あのキャラがリアルになるとこれほど恐ろしいのか。
 「ば、バケモンぢゃねぇ~っスかぁああ!」
 と、おそらく人としてまっとうな反応をしたユーシンの顔面に四角い拳が叩き込まれた。
 拳だよね?
 「って~だろコルァ!こっちは命かけて助けてやったんだゾ!」 
 「いきなり化け物扱いしたクズには鉄拳制裁って法律で決まってんの!」
 「んなわけあるかぁ!ロボ女!」
 「ロボって、表現が古臭い!せめて箱娘でしょ!」
 早々に位争いを始めた二人?
 しかし・・・女性だったんだ。
 よくわかったね、ユーシン。
   「あおいちゃぁ~ん、やめてよぉ~。」
 ヒートアップする自称”箱娘”の四角い足にしがみつくのは、青い二足歩行のヤマアラシ・・・こちらも元ネタ想像ついたけど、リアルに寄せすぎじゃね?
 さらに白黒で二足歩行のネズミ、二足歩行のビーバー?、青色で筋骨隆々の大男、両肘から、肩に届きそうなほど長い剣が生えて、所々金属部品が露出する美女が続いた。
 うわぁ~。
 さすがの俺もドン引きだよコレ。
 あのクソ悪魔、ゲームなら何でもいいってわけじゃないだろうが!
 せめて見た目はこの世界基準に合わせろよ。
 思わずユーキをチラリと見た。
 君はまだ幸せだったぞ。
 彼らからしたらな。
 手抜きか?
 絶対手抜きだよな。
 そう言うやつだし。
 あ!
 あの野郎、まさかこの手抜きを修正させるために俺を利用する気じゃないだろうな。
 ・・・ありえる。
 なんやかんやでまとめてここに誘導しやがったに違いない。
 よし、これからは1案件につきヤツに要求するものを考えておこう。
 当然最初は米だな、米!
 勝手に俺の中で決めつけちゃったけれど、ここで騒いでいては魔物が寄ってきてしまう。
 ということで、詳しい話は村で聞くことにして急いで戻ることにした。
 同行者が6人も増えるので、スロークとユーキは”例のバイク”で移動してもらう。
 俺は魔導地図でナビゲーションをするため助手席に、運転はもちろんユーシンだ。
 救出したばっかりで悪いけれど、怪我とかは無さそうなので軽トラの荷台に乗り込んでもらった。
 「あ~、一応荷台にたくさん人が乗ってるから、ゆっくり行こうね。」
 俺の思いは一応届いた。
 一応ね。
 さすがに彼らの異様な姿は、ハンターや大工たちに見つかるとひと悶着ありそうだ。
 彼らが活動する北側を避けて南側、ゴブリン居住地(仮)側から村へ入り、裏口からソンチョー宅へ直接向かった。
 「さすがに、想像の斜め上だったね。」
 頭を抱えるソンチョー。
 だよね。
 たぶん、けが人は想定してたんだろう、新しい手拭いや、布を裂いて作った包帯とかが用意されていた。
 でも安心なされよ。
 「たぶん、あれ使えるでしょ。」
 と言って、俺はキャラメイクがやり直せる鏡台を指さした。
 
 最初に使ったのは箱娘。
 鏡台の前に立つと、程なく全身に細かいマス目のような光の網がかかり、足元から網で囲まれた部分がめくれるようにはがれていくと、はがれた場所の姿が変わっていく。
 新しい姿は黒髪ロングの美少女だ、少し吊り目がちなのが特徴か。
 「ごめんなさい、時間かかりすぎちゃって。」
 慌てて謝る元箱娘。
 ?
 キャラメイクに納得がいかず、かなり時間をかけてしまったと言っていた。
 なるほどの新発見だ。
 キャラメイク中は本人と周りの時間の感覚が違うみたいだね。
 ユーキの時は性別変えただけだったから気が付かなかったよ。
 彼女はアスクラ、アースクラフトオンラインという、サンドボックスゲームの金字塔をプレイしていたという 橘(たちばな) 葵(あおい) さん、16歳高校生。
 アスクラはクラフト中心のゲームで、素材も建築物も、キャラも何もかもが立方体で表現されていた。
 でも、だからと言ってこの世界でもそのまま採用するって・・・この世界でどう生きて行けって言うのさ。
 ゲームで使っていたキャラ名は AOIii だったそうだけど、アオイと呼んでほしいそうだ。

 続いて青いヤマアラシ、たぶんゲームはフラッシュランナーだろう。
 高速でいろいろなコースをめぐって戦うアクションゲームだ。
 鏡台によって生まれ変わった姿は・・・猫?
 「ちょ、ユウコ正気?」
 二足歩行の猫だ。
 擬人化したコスプレっぽい、猫っぽい人ではない。
 猫が立っているという表現が近い。
 獣人っていうのか?一応この世界にもいるらしい。
 かなり珍しくて、なかなか会えないらしいけど、と”常識”さん。
 「夢だったのぉ~、猫ちゃんになるのがぁ。」
 頬に手?前足?をあててクネクネする白い猫。
 120cm位だから猫にしては大きいか。
 手の指は、猫にしては長いみたい。一応スプーンとかは使えるのかな?
 「何回も使えるんでしょぉ?不便な所は少しづつ変えていこうと思ってぇ。」
 本人がいいならいいんだけどね・・・いいのか?
 「フラッシュランナーをやってたユーコ、16歳高校生で~す。」
 「・・・ニャン。」
 思い出したように付け足した。
 「あんた・・・。」
 「語尾は鉄板だと思ってぇ。」
 「あ、ニャン。」
 「速攻で忘れるくらいならやめなさい。」
 オッサンにはちょっと、ついていけません。

 白黒ネズミは長身のダンディーなオジサマに。
 「漫画で好きなキャラに似せてしまいました。」
 と、照れながら言っていた。
 全然問題ないと思います。
 プレイしていたというゲームは、版権関係に異常なほどの反応を示す外国の超有名アニメのゲーム化作、王道RPGだ。
 王道過ぎてゲーマーからの評価はいまいちだったが、キャラ総出演というだけあって売れに売れた。
 もちろん俺はやってないので詳しくは知らないけど。
 各キャラ毎に武器が決まっていて、彼が使っていたマッキー・ラッツの武器は巨大なスプーン。
 当然そんなものはないわけで、みんなを守ろうにもまともに戦えずにいたそうだ。
 向こうではなんと、定食屋のご主人だったという。
 待ちに待った、心強い味方が増えた。
 俺のようなインチキ料理人とはわけが違う本職の登場だ。
 増田(ますだ) 健介(けんすけ)37歳、長年勤めた洋食屋から独立したばかりで、やっと常連ができ始めたのにと嘆いていた。
 呼び方は好きに呼んでほしいってことで、とりあえず増田だからマスターで、とユーシンが安直に決定していた。

 ビーバーだったクリフトこと 牧田(まきた) 達夫(たつお) さん29歳は青というか、かなり黒の強い紺色な髪の青年に。
 人類滅亡後、進化したビーバーが異常気象にめげず王国を築いていく、というかなりぶっ飛んだゲームをやっていたそうだ。
 ポンプや水車、ダム建設に水力発電など、水にまつわる色々な施設を作っていけたそうなので、ひょっとするとここでも流用できるのかもしれない。
 水路建設とか、難題も控えてるし。
 しかも向こうではゼネコン勤務だったそうなので、そういう意味でもとても期待できる。
 町づくりの中核になってくれそうな人材だ。
 髪青いけど。

 青の筋肉だるまだった、 祐樹(ゆうき) 真(まこと) さんは濃い茶髪でショートの少年?少女?に。
 中性的な顔だちでどちらとも取れない。
 声も、女性に聞こえるけど見た目の年齢的に変声期前の男の子って線もありそう。
 「フフフ・・・どうせなら、いっそのこと両方ありってのも面白そうだったんですけど。
 さすがに無理だったんで今は男です。」
 今は、って・・・ちょいちょい変える気か?不思議ちゃんってやつなのだろうか。
 気を付けないと、女性の時にちょっとした発言がセクハラとか言われそうだ。
 「色々な仕事をしてましたけど、プロゲーマー目指してストリートバトラーに励んでいました。」
 ストリートバトラーは超王道の、と言うか、そのジャンルを築いた”祖”ともいわれる格闘ゲームだ。
 必殺技やコンボが豊富で、毎年世界大会が開かれるほどメジャーなゲーム。
 彼(彼女?)は国際大会に出るほどのレベルだったそうで、いくつもの有名なチームに誘われていたけれど、やりたいことができなくなるとすべて断って来たらしい。
 優勝したら個人事務所を設立してプロになるつもりだったと・・・それ、ほぼプロじゃん。
 「21になってしまったんですが、この姿でも構いませんか?」
 「あ、ダイジョブダイジョブ、俺アラフィフ。」
 と自分を指さす。
 「おじーちゃん?!」
 アオイが放った悪意なき口撃がクリティカルです。
 ま、まだおじーちゃん言われるほど年取ってないやい。 
 くそう・・・プルプル笑いを堪えてる奴は魔素抜かず飯の刑決定だ。
 「良かった。どっちか分からないキャラは、いろんな意味でこの世代でないと難しいですからね。
 あぁ、僕のことはライアーと呼んでください。」

 そして最後の一人、物騒な機械人形の女性は、顔はそのままで人の姿に、金髪の美女だ。
 「看護師の 佐倉(さくら) 真奈(まな) です。
 オートマトンをやっていました。」
 これも超人気タイトルのアクションRPGだ。
 未来の世界で戦争のために作られた戦闘用自動人形が主人公。
 収容されていた母艦が大破して墜落、機能が完全に停止した中、偶然起動した主人公がプログラムされた指示に従って、絶対不可能な母艦の復旧作業に従事する。
 その過程で自我に目覚め、自らの存在意義を探し求めるという重めな内容のゲームだ。

 全員の変形、もといキャラメイクが終わって、簡単に村の説明と今後の相談をする。
 その席で、便宜上この世界の人々ことを”現地人”って呼ぶことに決まった。
 救出した6人のことを現地人の村民に説明する方便もザックリと作文された。
 まず、水汲みに行ったユーシンがグレートベアを発見する。
 ソンチョーに報告すると、村の安全のために討伐に、ということになった。
 当時はハンターが不在だったが、情報だけでもと精鋭メンバーで偵察に向かう。
 と、偶然彼らが襲われていた場面に出くわし、一刻を争う事態だと、戦闘へ。
 襲われていた彼らと協力して何とか討伐に成功。
 そのまま分かれるわけにもいかず、とりあえず村へ連れてきたって感じで口裏を合わせた。
 問題は、どうしてこんな森深くにいたのか、ということなんだけど・・・。
 子供が、しかも獣人も一緒に、というのが作文を難しくしていた。
 5人とも人里に出られないような姿で数か月を乗り越えて来たので、できれば希望の姿にならせてあげたいけれど、そうすると説明がややこしくなりそうで・・・どうしたものか。
 「もう、どっかから逃げて来たとかでいいんじゃないスか?」
 完全に詰まって、ユーコとライアーがもう一度鏡をつかって、問題無い姿に、という話まで出たところで、ユーシンの何気ない、というか、適当な一言。
 意外にもそれがきっかけで、煮詰まっていた問題が多少投げやり気味に解決した。
 彼らはとある理由で村にいられなくなり、商隊の移動に便乗して引っ越しの途中だった。
 それが野党に襲われ、追い立てられるように森へ。
 商人達の持っていた魔よけの魔道具を使って何とか生き延びていたけれど、森を抜けだそうにも方向が分からずさ迷っていたところ、獣人のユーコに出会った。
 ユーコは悪いハンターにつかまって、見世物や愛玩用に売られようとしていたが、グレートベアに襲われてハンターたちは全滅し、逃げている最中だった。
 グレートベアはユーコを追いかけてきていたのだ。
 ちょっと・・・というか、かなり無理やりだけど、これで押し切ることにした。
 当然ハンターたちへの説明はソンチョーに丸投げ。
 いかん、顔に出たか?
 ソンチョーのジト目は見ないふりだ。
 あと問題は、それぞれの能力だ。
 実際、似ても似つかない姿になっているのだから、ゲームの仕様は対応するのだろうか。
 アオイのアスクラは、素手で地面をガシガシ掘れるし、木も切れ(?)る。
 そして掘ったり切ったりしたものは、正方形でブロック状の素材になるのだ。
 質の良いつるはしを持てば、岩や岩盤まですいすい掘れる。
 そうしてできた素材は重ねるだけでくっついて建造物になるのだ。
 ユーコのフラッシュランナーは高速アクションなだけに、戦闘面で期待できそうだけど、今はヤマアラシじゃなくて猫だからな。
 トゲを逆立てての回転アタックも、トゲを投げつけるトゲ投げも再現不可能ではなかろうか。
 マスターは戦闘職って感じか?でも武器がスプーンなんだよな。
 俺としては食事面で活躍してほしいんだけど。
 クリフトは前職もあって街づくりの基盤になってくれそうなので、もし能力が使えなくなっていても心配無し。
 まぁ、発電機が実現可能なら、将来色々楽しみだけどね。
 ライアーのストリートバトラーは、ユーシンの爆裂学園同様タイマン格闘ゲームだ。
 戦闘力に期待することになるけど、使っていたキャラは作中でも異色の存在。
 トリッキーで極端な動きが特徴の、プレイヤーの9割が使用を断念するという扱いの難しいキャラだ。
 子供姿では何一つ反映されない気がするのだが。
 マナもゲーム上戦闘職になると思うけど、メイン武器のひじに装着するブレードも無いし、腕がパカッと割れてビーム砲が出るようにも見えない。
 こうはもう、悪魔を召喚して問い詰めるしかないか・・・。
 できればその手段はとりたくないけど。
 背に腹は代えられないな。
 はぁ、こんなすぐにヤツと顔を合わせなきゃならんとはなぁ。
 どうせどこかで見てるんだろうし、奴が嫌がりそうなことをすれば出てくる気もする。
 とはいえ、こっちが困ってることもお見通しだろうからなぁ。
 ちょっとやそっとじゃ出てこないだろう。
 ん?・・・本当にそうかな。
 なんだか違う気がする。
 嫌がることをしたら、本当に出てこなくなるかも。
 ヤツが俺の前に出てくるのは、俺の行動がヤツにとって面白く映っているからじゃないのか?
 ソンチョーから聞いたセカンドゲーム開放の時の様子、実際にはゲームじゃなくリモートで家庭教師のバイトをしていた行動が、どういうわけかセカンドゲームとして認定されたわけだけれど、その時説明に来たというヤツはひどくそっけなく、テキトウだったようだ。
 あぁ、たぶんそうだ。
 少なくとも、ヤツは俺の行動に注目している。
 それが、どの程度優先されるかは分からないけれど。
 (もっと気軽に考えていいんだろうな。)
 思いついたことを実行に移してみるとしよう。 
 静かに、心を落ち着けます。
 おもむろに移動します。
 両替機(自販機、もしくはガチャとも言う)の前でゆっくりと深呼吸します。
 吸って すぅーーーーー。
 吐いて はぁーーーーー。
 吸って すぅーーーーー。
 無心でけり続けましょう。
 ゲシゲシゲシゲシゲシゲ・・・
 蹴る足が白い手で止められたら召喚成功です。
 「「なんてことを、してるんですか?」」
 おお、ホントに出た。
 「召喚の儀だ。」
 「「・・・・・私をこんな扱いするのは、あなたとガラの悪い彼くらいのものですよ。」」
 よくいう。
 こんな程度で壊れるようなものじゃないだろうに。
 来なければまぁいいか、程度のつもりだったけれど、これで来たって言うことは、あながち俺の予想も間違ってないようだ。
 コイツは、俺を面白がっている。
 「んなこたぁどうでもいい、言うこと聞いてやったんだからちょっと来い。」
 と言って、悪魔の首根っこをつかんで引きずってみんなの元へ。
 あ、そういえばこいつ、触れるんだね。
 何も考えずにつかんだけど、掴めたことにびっくり。
 おとなしく引きずられてくることにもびっくりだ。
 「あ、クソ悪魔。」
 近所の喧嘩相手でも見つけたような態度のユーシン。
 あぁ、何となくだけど、コイツがユーシンのことも気に入ってるんだろうなってことが分かるよ。
 「「お久しぶりですガラの悪い君、ほんの少しだけ成長されたようで何よりです。」」
 そう言って親指と人差し指でほんのちょっと、を表現したけれど、よく見ても親指と人差し指が離れているようには見えない。
 「舐めてんのかクソ悪魔。」
 「「バッチいのでご遠慮いたします。」」
 「その舐めるじゃねぇんスけど!」
 「漫才はいいから、質問に答えろ手抜き悪魔。」
 不毛なやり取りが延々続きそうなので早々に打ち切る。
 「「てぬ?なんですそれは!毎日、日が昇る瞬間から日が見えるまで、身を粉にして頑張っているというのに!」」
 ・・・・・・
 「「ボケに対して無言とは人として恥ずかしくないのですか?」」
 「関西人じゃねースから。」
 「そもそも、日が見えるまでって、表現があいまいでパンチが無いな。」
 ユーシンが突き放して俺がダメ出しをする。
 「「くっ、まさかダメ出しまでされるとは・・・。」」
 ソンチョーたちはまだ悪魔に慣れないようだ。
 固唾をのんで見守りに入っている。
 さらに新人たちは完全に固まってしまっている。
 最初はみんなこうなんだよなぁ。
 懐かしく感じるよ、ダイジョーブ、そんな大したヤツじゃないから、コイツ。
 「で、お前の言う通り救出したけど、ゲームの能力はみんな使えるんだよな。」
 肝心なことを確認しておかなければ。
 「「さぁ、どうでしょう。」」
 しらッととぼける悪魔。
 「ごめんみんな、両替機もう使えないから。」
 というと、あらかじめ用意していたつるはしを担ぐ。
 「「ちょ、待ちなさい!そんな、普通じゃない物で何する気ですか!」」
 そう、このつるはしは普通ではない。
 サンサテで購入した普通のつるはしに、第一貯蔵庫から出した素材でゲームのように強化できるのか実験した産物だ。
 つい面白くなってやりすぎてしまったので、一撃で大岩を粉砕できるチートなつるはしになってしまった。
 ただし、2~3回で壊れるほど耐久限界が下がってしまったけれど。
 「両替機の耐久実験をやろうと思って。」
 ニンマリ笑顔で言うのがポイントだ。
 「「ホントにわからないんですぅ。
 あれ作るの大変だったんだから!能力を使えるように調整するから少し時間くださいっ。」」
 この慌てよう、このくらいの攻撃力なら壊せるのかな?
 ただ、これでOKってわけにはいかない。
 なんせ相手は悪魔だ。
 「少しって2日?、3日?まさか、ダラダラ伸ばしたあげく、悪魔にとって10年、20年は一瞬のこと、なんてぬかさないよな?」
 矢継ぎ早に逃げ場をなくして念を押す。
 このくらいしないと安心できないからな。
 「「ぐぅ・・・もちろんですよ。
 数日中に調整いたしますとも。」」
  と、言い残して消えた。
 持ちつ持たれつ、6人も手抜きの尻ぬぐいをしたんだから、これくらいフォローしてもらわないとね。
 あ!米ぶんどるの忘れてた。
 くそう、俺もたいがい抜けてるな。
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