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032話:大工やってます
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新規加入6人の能力問題は言質をとったし、数日後にはちゃんと使えるようになるだろう。
彼らの能力が解放されるまで、住人たちとの顔合わせや村の案内にルールの説明、それぞれに合った作業の体験などで過ごしてもらった。
いきなり6人も増えるなんて思ってなかったから家が足りない。
今はソンチョー宅が増築して4部屋、俺とユーシン、ユーキが住んでいた家が増築して4部屋、長屋が6部屋にハンター小屋が10部屋、これが現在のみどり村全居室だ。
ソンチョー宅には現在、ソンチョー、スローク、ユーシンとユーキが住んでいる。
カブロさん一行が行商にやってくるので家を空けたのだ。
俺はというと、従魔用に作った長屋の一室に住んでいる。
俺、オヤカタ、トウリョー、オリヒメで4室使っているから、残り2室空きがある。
カブロさんたちは朝出発したそうだから、とりあえず女子3人はカブロさんたちが使っていた、元々は俺たちの家に入ってもらって、マスターとクリフトには悪いけど長屋の空いている2室に入ってもらう。
問題はライアーだよな。
性別不詳、現男の子だからなぁ、女子3人と同じ家でいいのか?
そこら辺はいつものようにソンチョーに任せよう、俺知~らないっと。
で、俺は次カブロさんたちがやって来るまでに宿泊所を用意しないとな、色々考えるのは面倒なんで、ハンター小屋と同じでいいよね。
大部屋の周りを囲むように小部屋10室のログハウス風。
護衛とかもみんなそこで過ごさせればいいさ。
あ、あと馬小屋も建てた方がいいな。
もうすぐ本格的な冬だ、屋根付きの馬房が必要になる。
大事な足の馬が雪にまみれて、なんてまずいだろう。
ソンチョーに許可もらって、ハンター小屋と道を挟んで反対側に建てるとしようかな。
あ、建てるって言っても、ギリョウ達がいるから本気で作るわけにはいかないかな。
7日程度かけるつもりでのんびりセーブしながら建てなきゃ。
たぶん、それでも驚かれるだろうけど。
なんて言ってごまかそうかな。
ギリョウたちが作っている作業小屋はだいたい1か月くらいで完成するという。
建物自体は住宅よりシンプルだけど、加工台などの設備も作成しなければならないから2人で1か月というのはかなり早い。
と久々の”常識”さん。
カブロさんは凄腕の職人を捕まえてきてくれたってことだよね、感謝感謝。
どうせのんびり建てることになるんだし、出来れば彼らの仕事ぶりを見ておきたいと思っていたんだけど・・・実際作業に入ったら、逆に俺の作業をギリョウたちが覗きに来てる。
ログハウス建築はこの国では無いみたいで、興味津々と言った感じでちょいちょいやって来る。
おかげで、サボりながらのんびり時間稼ぎができない。
結局三日で完成しちゃった。
早くできちゃった理由は、サボれなかったからだけじゃなく、食事の準備時間も無くなったからだ。
実は、食事はマスターに全てお任せできることになった。
やっぱり本職は違う、俺のスキル頼りのインチキ料理より食事が大幅にグレードアップ、同じ食材でこうも違うのか~と感心半分、反省半分。
とにかく食材の種類が少ない、この世界の食材はエグみを抜くため長時間茹でることから始まるので、購入できるものは基本茹で切った後乾燥させたような状態なんだよ。
いわゆる旨味とかそういったものがほぼ残っていないし、その後の活用法も限られてしまう。
畑で作れる食材はゲームのまんまなんで向こうの世界と同じだけど、量はまだとれないし、現状のレベルでは種類も限定的。
そんな限られた食材でも、俺の何倍もの種類の食事が並ぶ食卓。
素敵すぎます。
魔物の肉はどれもクセが強くて苦労してるみたいだけど、なんのなんの、すでにみんなの胃袋はガッツリ掴まれています。
マスターは全然納得できてないみたいだけど。
この世界の食事も聞き込みしながら研究しているみたいで頭が下がるよ。
なんでも、どれだけ美食に舌鼓を打てるようになっても、結局は子供の頃から食べなれた食事を懐かしむようになるもんらしい。
・・・俺、子供の頃何が好きだったかなんて覚えてないけど・・・だから毎食ジャンクフードでも気にならなくなっちゃったのか?
食育なんて言葉無かったしな。
酒造りも俺なんかがやってるよりマスターを巻き込んだ方がきっとうまくいきそうな気がする。
うん、巻き込もう。
スキルの限界、それは大工作業などでもはっきりと分かってきた。
スキル補正によって作業速度や正確さは人外の域だ、ゲーム中作成できるものに関しては何も考えなくても正確に作れる。
ギリョウたちが束になっても俺にはかなわない。
料理に関しても、いわゆる包丁さばきとか作業の手際とかは、本職の料理人だったマスターよりも、調理スキル熟練MAXの俺の方がずっと上だったりする。
しかしだ、建築も料理も、何でもかんでもスキルで解決できるわけじゃあ無いことを痛感してしまった。
正確さと速度以外は元々の経験こそが重要になってくるのだ。
ゲームの規定通りで、俺が二~三日で作れる建物をギリョウたちが作ると、二人で1か月かかる。
しかし、俺がスキルで作れる建物はキッチリ同サイズの素材をつなぎ合わせた物で、基準になるのはm単位だ。
斜めの素材は30度か45度の2択と、融通が利かないのだ。
結果、箱型の単調な建物になってしまう。
飾素材を組み合わせて見た目は豪華にはできるけど、あくまで飾り、本職のきめ細かな気配りには遠く及ばない。
ハッキリ言って、彼らの指示に従って俺が作業するのが一番効率的なのかもな。
ま、こちらは速度重視の建売り方式ってことで、ちゃんとした建築は彼らに任せるのが正解だろうな。
完成したログハウスには、囲炉裏テーブルも含めてハンター小屋と同じ家具を仕込んだ。
で、余った時間は第一貯蔵庫の資材を搬出したり整理しながらすごした。
でもこれ、俺一人じゃいつまでたっても終わらない気がする。
誰か巻き込めないかな・・・犠牲者、もとい協力者を探すとしよう。
まぁ、そんなかんじで当初の予定通り七日間たっぷり使わせていただきました。
協力者(ギセイシャ)の目星も付けたしね。
クソ悪魔は約束通り3日目で能力を解放させた。
アオイの能力は、期待とはちょっと違ったけどすさまじいものだった。
シャベルの一堀りでトンデモな量の地面が掘れていく。
ソンチョーたちが苦労して掘った地下室サイズの穴も実質10分ほどで掘ってしまった。
なぜ実質10分なのかと言うと、
「モグラ女。」
途中、様子を見に来たユーシンの何も考えてない余計な一言で30分ほど中断したからだ。
ということで実際には40分かかった。
ユーシンの余計な一言と言えば、アオイたちが鏡台を使って姿を変えた直後にも・・・。
「自由にできるのに巨乳にしたりしないんスね。盛り放題っしょ?」
いかにも意外って感じで言っていた。
「バカじゃないの、あんなもん、見せる相手がいなきゃ肩凝るだけで邪魔なだけじゃない。」
「セクハラおやじぃ。」
と、バッサリやられていた。
それはさておき、第2の地下貯蔵庫も無事完成しそうだ。
この能力なら水路をつなげることも現実味を帯びてくるな。
上下水道も夢じゃない。
すでにそこら辺の計画はソンチョーと元ゼネコン勤務のクリフトが進めているらしい、さすがです。
ユーコは、技を使うときだけトゲが生えるようだ。
ジャンプ力もダッシュ力も素晴らしいが、本人の性格とはかなりズレがあるので見てるとかなり違和感がある。
普段は完全に力を抜ききったのんびり屋。
子供好きらしくゴブリンの子供たちの面倒と勉強を見ている。
マスターは王道RPGと言うだけあって、武器が巨大スプーンという特殊さを除けば、魔法も使えるし万能っぽい。
ただ、ターン制の戦闘なので現実問題としてどう戦えるのか?という疑問はある。
一応木を削った巨大スプーンは渡しておいたけど、今は食生活改善のための研究に集中している。
クリフトは困ったことに、能力が使えていない。
だって、ビーバーだもの・・・木を歯で齧る?
この時点ですでに降参してしまっている。
分からんでもないけどね、そこらに生えてる木なんて、どんな雑菌が、っていうか、普通に虫がいっぱいいるよね、想像しただけで寒気が・・・。
そもそも何で開発者は、こんな突拍子もないゲームを作ったのか?
でもそれをプレイしてたんだよね・・・クリフトよ。
いつか克服する日が来ることを願うよ。
今はソンチョーと村づくりの計画中。
いかにもとゼネコン勤務とはいえ、直接設計にかかわっていたわけではないから畑違いも多く四苦八苦しながら頭をフル活動している。
ライアーはかなりの苦戦中。
技やコンボは出せるようだけど、体格が違い過ぎてうまく間合いが取れないみたい。
同じ格闘系のユーシン相手に特訓中。
体格変えればいいのに、なんて野暮なことは言わないよ。
不利だからこそ燃えてくるってこともあるさ。
性別はちゃんとしてほしいけどね。
マナはちょっと壮観だった。
両肘に光るブレードが具現化されるのだ。
腕に仕込まれたビーム砲も、さすがに腕は割れないけどちゃんと出せていた。
掌の前に光る弾が現れると、ゲームのエフェクト通りのビームが出た。
ダンスを踊るような流れる戦闘が話題になったゲームだけど、ちゃんと再現されていて思わず見とれてしまう。
ブレードが光っているから余計に映える。
元看護師だったので、その知識をフル活用してハンターや職人たちの怪我、病気に対応してもらっている。
俺達みたいにヒールなどの魔法には頼れないし、ポーションなんて出した日には俺を破産させる気か!なんて言われちゃうしね。
あくまで看護師さんだから医者ではないけれど、俺たちよりはずっと知識も技術もあるし、この世界の医療基準からみても頼れる存在になりつつある。
ユーシンは、ライアーとの特訓の他にもスロークとのレースも日課にしている。
というのも、スタートとゴールを決めて複数人が乗り物で一斉にスタート、ゴールするという条件でポイントが入ることが分かったからだ。
最初に違和感を感じたのはカブロを案内してきた時。
馬車でサンサテを出発し、5日かけて村(ゴール)へたどり着いたあの時に違和感を感じたそうだ。
確かに、あの時ユーシンがピクッとなにかに反応していたのを覚えている。
相手が馬車だったし、競い合っていたという状況でもなかったのでその時は違和感を感じただけだったそうだ。
そして今回の救出劇からの帰還。
スロークのバイクとスタートして村へ、途中バイクが先行したり軽トラが先行したり、最後、軽トラが先に村に着いた時にレースとして認識されたのか、ハッキリとゴールした、という実感とともにポイントが入っていたという。
スタートとゴールが決まっている、複数が同時にスタートし、同じゴールへたどり着く、というのが、レースと認識される条件らしいことが判明したのだ。
それ以来、川に水汲みに行く時に往路、復路の2レースをこなしている。
1対1のレースだからなのかポイントはかなり少ないらしいけど、確実に加算されている。
レースはガチ。
忖度一切なしでやっているようで、戦績はバイクの圧勝。
道なき道を軽トラではかなり無理があるよね、小回りの利くバイクには勝てないようだ。
悔しさを見せるけど、楽しそうなので良いでしょう。
いつかちゃんと道が出来たら逆転できるさ。
スロークが使っているバイクでも分かったことがある。
なんと、燃料タンクに魔石を放り込むことで動き続けることが分かった。
3度目のレースでとうとうガス欠になり、ここまでかと給油口を開けたら空の魔石が入っていた。
給油口から苦労して空の魔石を取り除いて、もしかしたらとダメもとで新しい魔石を入れてみると、タンク内があっという間にガソリンで満たされたんだそうだ。
なるほど、魔石で動くというより魔石の魔素がガソリンに変わるのか、と変に感心してしまった。
俺がログハウス建築予定の7日を消化し終える頃には、ゴブリンたちの基礎教育も終わりが見えていた。
ソンチョーのカテキョーチート効果で、時折訛りがでるもののみんな流暢に会話できるようになっていた。
スゲェな、カテキョ―チート。
ゴブリンが東大に合格できる日も近いのではないか?
いやないけどさ、そのうちゴブリン賢者とか爆誕しそうだ。
食事を通して仲良くなっていたのか、元々狩猟担当だったゴブリン5人はマルク、ルキのハンターに師事して技術向上を目指すようだ。
マスターの補助に3人、オリヒメと衣服など衣料品の作成、スレッドスパイダーの世話に2人、ギリョウたちに師事する2人、放置気味の畑、農業全般に4人、子供12人は午前中は勉強、午後はそれぞれ興味のあることを手伝っている。
族長のンダバは、護衛のカダソ、ガラド、シャーマンのハゾルとともに、第一貯蔵庫から出した膨大な量の資材相手に格闘中。
そう、彼らが俺の見つけた協力者(ギセイシャ)だ。
単純な石材ブロックなど、使い勝手の良いものと完成している飾物や、機能付きのアイテムなどの餞別を任せている。
場所も取るし、流用可能な資材はギリョウたちにも使ってもらっているので速めに仕分けしたかった。
俺一人じゃ非常(メンド)に困難(クサイ)だった。
知能の高いンダバとハゾルが選別して、護衛の体力自慢カダソ、ガラドが種類ごとに整理している。
あぁ、丸投げってラクチンだ~。
彼らの能力が解放されるまで、住人たちとの顔合わせや村の案内にルールの説明、それぞれに合った作業の体験などで過ごしてもらった。
いきなり6人も増えるなんて思ってなかったから家が足りない。
今はソンチョー宅が増築して4部屋、俺とユーシン、ユーキが住んでいた家が増築して4部屋、長屋が6部屋にハンター小屋が10部屋、これが現在のみどり村全居室だ。
ソンチョー宅には現在、ソンチョー、スローク、ユーシンとユーキが住んでいる。
カブロさん一行が行商にやってくるので家を空けたのだ。
俺はというと、従魔用に作った長屋の一室に住んでいる。
俺、オヤカタ、トウリョー、オリヒメで4室使っているから、残り2室空きがある。
カブロさんたちは朝出発したそうだから、とりあえず女子3人はカブロさんたちが使っていた、元々は俺たちの家に入ってもらって、マスターとクリフトには悪いけど長屋の空いている2室に入ってもらう。
問題はライアーだよな。
性別不詳、現男の子だからなぁ、女子3人と同じ家でいいのか?
そこら辺はいつものようにソンチョーに任せよう、俺知~らないっと。
で、俺は次カブロさんたちがやって来るまでに宿泊所を用意しないとな、色々考えるのは面倒なんで、ハンター小屋と同じでいいよね。
大部屋の周りを囲むように小部屋10室のログハウス風。
護衛とかもみんなそこで過ごさせればいいさ。
あ、あと馬小屋も建てた方がいいな。
もうすぐ本格的な冬だ、屋根付きの馬房が必要になる。
大事な足の馬が雪にまみれて、なんてまずいだろう。
ソンチョーに許可もらって、ハンター小屋と道を挟んで反対側に建てるとしようかな。
あ、建てるって言っても、ギリョウ達がいるから本気で作るわけにはいかないかな。
7日程度かけるつもりでのんびりセーブしながら建てなきゃ。
たぶん、それでも驚かれるだろうけど。
なんて言ってごまかそうかな。
ギリョウたちが作っている作業小屋はだいたい1か月くらいで完成するという。
建物自体は住宅よりシンプルだけど、加工台などの設備も作成しなければならないから2人で1か月というのはかなり早い。
と久々の”常識”さん。
カブロさんは凄腕の職人を捕まえてきてくれたってことだよね、感謝感謝。
どうせのんびり建てることになるんだし、出来れば彼らの仕事ぶりを見ておきたいと思っていたんだけど・・・実際作業に入ったら、逆に俺の作業をギリョウたちが覗きに来てる。
ログハウス建築はこの国では無いみたいで、興味津々と言った感じでちょいちょいやって来る。
おかげで、サボりながらのんびり時間稼ぎができない。
結局三日で完成しちゃった。
早くできちゃった理由は、サボれなかったからだけじゃなく、食事の準備時間も無くなったからだ。
実は、食事はマスターに全てお任せできることになった。
やっぱり本職は違う、俺のスキル頼りのインチキ料理より食事が大幅にグレードアップ、同じ食材でこうも違うのか~と感心半分、反省半分。
とにかく食材の種類が少ない、この世界の食材はエグみを抜くため長時間茹でることから始まるので、購入できるものは基本茹で切った後乾燥させたような状態なんだよ。
いわゆる旨味とかそういったものがほぼ残っていないし、その後の活用法も限られてしまう。
畑で作れる食材はゲームのまんまなんで向こうの世界と同じだけど、量はまだとれないし、現状のレベルでは種類も限定的。
そんな限られた食材でも、俺の何倍もの種類の食事が並ぶ食卓。
素敵すぎます。
魔物の肉はどれもクセが強くて苦労してるみたいだけど、なんのなんの、すでにみんなの胃袋はガッツリ掴まれています。
マスターは全然納得できてないみたいだけど。
この世界の食事も聞き込みしながら研究しているみたいで頭が下がるよ。
なんでも、どれだけ美食に舌鼓を打てるようになっても、結局は子供の頃から食べなれた食事を懐かしむようになるもんらしい。
・・・俺、子供の頃何が好きだったかなんて覚えてないけど・・・だから毎食ジャンクフードでも気にならなくなっちゃったのか?
食育なんて言葉無かったしな。
酒造りも俺なんかがやってるよりマスターを巻き込んだ方がきっとうまくいきそうな気がする。
うん、巻き込もう。
スキルの限界、それは大工作業などでもはっきりと分かってきた。
スキル補正によって作業速度や正確さは人外の域だ、ゲーム中作成できるものに関しては何も考えなくても正確に作れる。
ギリョウたちが束になっても俺にはかなわない。
料理に関しても、いわゆる包丁さばきとか作業の手際とかは、本職の料理人だったマスターよりも、調理スキル熟練MAXの俺の方がずっと上だったりする。
しかしだ、建築も料理も、何でもかんでもスキルで解決できるわけじゃあ無いことを痛感してしまった。
正確さと速度以外は元々の経験こそが重要になってくるのだ。
ゲームの規定通りで、俺が二~三日で作れる建物をギリョウたちが作ると、二人で1か月かかる。
しかし、俺がスキルで作れる建物はキッチリ同サイズの素材をつなぎ合わせた物で、基準になるのはm単位だ。
斜めの素材は30度か45度の2択と、融通が利かないのだ。
結果、箱型の単調な建物になってしまう。
飾素材を組み合わせて見た目は豪華にはできるけど、あくまで飾り、本職のきめ細かな気配りには遠く及ばない。
ハッキリ言って、彼らの指示に従って俺が作業するのが一番効率的なのかもな。
ま、こちらは速度重視の建売り方式ってことで、ちゃんとした建築は彼らに任せるのが正解だろうな。
完成したログハウスには、囲炉裏テーブルも含めてハンター小屋と同じ家具を仕込んだ。
で、余った時間は第一貯蔵庫の資材を搬出したり整理しながらすごした。
でもこれ、俺一人じゃいつまでたっても終わらない気がする。
誰か巻き込めないかな・・・犠牲者、もとい協力者を探すとしよう。
まぁ、そんなかんじで当初の予定通り七日間たっぷり使わせていただきました。
協力者(ギセイシャ)の目星も付けたしね。
クソ悪魔は約束通り3日目で能力を解放させた。
アオイの能力は、期待とはちょっと違ったけどすさまじいものだった。
シャベルの一堀りでトンデモな量の地面が掘れていく。
ソンチョーたちが苦労して掘った地下室サイズの穴も実質10分ほどで掘ってしまった。
なぜ実質10分なのかと言うと、
「モグラ女。」
途中、様子を見に来たユーシンの何も考えてない余計な一言で30分ほど中断したからだ。
ということで実際には40分かかった。
ユーシンの余計な一言と言えば、アオイたちが鏡台を使って姿を変えた直後にも・・・。
「自由にできるのに巨乳にしたりしないんスね。盛り放題っしょ?」
いかにも意外って感じで言っていた。
「バカじゃないの、あんなもん、見せる相手がいなきゃ肩凝るだけで邪魔なだけじゃない。」
「セクハラおやじぃ。」
と、バッサリやられていた。
それはさておき、第2の地下貯蔵庫も無事完成しそうだ。
この能力なら水路をつなげることも現実味を帯びてくるな。
上下水道も夢じゃない。
すでにそこら辺の計画はソンチョーと元ゼネコン勤務のクリフトが進めているらしい、さすがです。
ユーコは、技を使うときだけトゲが生えるようだ。
ジャンプ力もダッシュ力も素晴らしいが、本人の性格とはかなりズレがあるので見てるとかなり違和感がある。
普段は完全に力を抜ききったのんびり屋。
子供好きらしくゴブリンの子供たちの面倒と勉強を見ている。
マスターは王道RPGと言うだけあって、武器が巨大スプーンという特殊さを除けば、魔法も使えるし万能っぽい。
ただ、ターン制の戦闘なので現実問題としてどう戦えるのか?という疑問はある。
一応木を削った巨大スプーンは渡しておいたけど、今は食生活改善のための研究に集中している。
クリフトは困ったことに、能力が使えていない。
だって、ビーバーだもの・・・木を歯で齧る?
この時点ですでに降参してしまっている。
分からんでもないけどね、そこらに生えてる木なんて、どんな雑菌が、っていうか、普通に虫がいっぱいいるよね、想像しただけで寒気が・・・。
そもそも何で開発者は、こんな突拍子もないゲームを作ったのか?
でもそれをプレイしてたんだよね・・・クリフトよ。
いつか克服する日が来ることを願うよ。
今はソンチョーと村づくりの計画中。
いかにもとゼネコン勤務とはいえ、直接設計にかかわっていたわけではないから畑違いも多く四苦八苦しながら頭をフル活動している。
ライアーはかなりの苦戦中。
技やコンボは出せるようだけど、体格が違い過ぎてうまく間合いが取れないみたい。
同じ格闘系のユーシン相手に特訓中。
体格変えればいいのに、なんて野暮なことは言わないよ。
不利だからこそ燃えてくるってこともあるさ。
性別はちゃんとしてほしいけどね。
マナはちょっと壮観だった。
両肘に光るブレードが具現化されるのだ。
腕に仕込まれたビーム砲も、さすがに腕は割れないけどちゃんと出せていた。
掌の前に光る弾が現れると、ゲームのエフェクト通りのビームが出た。
ダンスを踊るような流れる戦闘が話題になったゲームだけど、ちゃんと再現されていて思わず見とれてしまう。
ブレードが光っているから余計に映える。
元看護師だったので、その知識をフル活用してハンターや職人たちの怪我、病気に対応してもらっている。
俺達みたいにヒールなどの魔法には頼れないし、ポーションなんて出した日には俺を破産させる気か!なんて言われちゃうしね。
あくまで看護師さんだから医者ではないけれど、俺たちよりはずっと知識も技術もあるし、この世界の医療基準からみても頼れる存在になりつつある。
ユーシンは、ライアーとの特訓の他にもスロークとのレースも日課にしている。
というのも、スタートとゴールを決めて複数人が乗り物で一斉にスタート、ゴールするという条件でポイントが入ることが分かったからだ。
最初に違和感を感じたのはカブロを案内してきた時。
馬車でサンサテを出発し、5日かけて村(ゴール)へたどり着いたあの時に違和感を感じたそうだ。
確かに、あの時ユーシンがピクッとなにかに反応していたのを覚えている。
相手が馬車だったし、競い合っていたという状況でもなかったのでその時は違和感を感じただけだったそうだ。
そして今回の救出劇からの帰還。
スロークのバイクとスタートして村へ、途中バイクが先行したり軽トラが先行したり、最後、軽トラが先に村に着いた時にレースとして認識されたのか、ハッキリとゴールした、という実感とともにポイントが入っていたという。
スタートとゴールが決まっている、複数が同時にスタートし、同じゴールへたどり着く、というのが、レースと認識される条件らしいことが判明したのだ。
それ以来、川に水汲みに行く時に往路、復路の2レースをこなしている。
1対1のレースだからなのかポイントはかなり少ないらしいけど、確実に加算されている。
レースはガチ。
忖度一切なしでやっているようで、戦績はバイクの圧勝。
道なき道を軽トラではかなり無理があるよね、小回りの利くバイクには勝てないようだ。
悔しさを見せるけど、楽しそうなので良いでしょう。
いつかちゃんと道が出来たら逆転できるさ。
スロークが使っているバイクでも分かったことがある。
なんと、燃料タンクに魔石を放り込むことで動き続けることが分かった。
3度目のレースでとうとうガス欠になり、ここまでかと給油口を開けたら空の魔石が入っていた。
給油口から苦労して空の魔石を取り除いて、もしかしたらとダメもとで新しい魔石を入れてみると、タンク内があっという間にガソリンで満たされたんだそうだ。
なるほど、魔石で動くというより魔石の魔素がガソリンに変わるのか、と変に感心してしまった。
俺がログハウス建築予定の7日を消化し終える頃には、ゴブリンたちの基礎教育も終わりが見えていた。
ソンチョーのカテキョーチート効果で、時折訛りがでるもののみんな流暢に会話できるようになっていた。
スゲェな、カテキョ―チート。
ゴブリンが東大に合格できる日も近いのではないか?
いやないけどさ、そのうちゴブリン賢者とか爆誕しそうだ。
食事を通して仲良くなっていたのか、元々狩猟担当だったゴブリン5人はマルク、ルキのハンターに師事して技術向上を目指すようだ。
マスターの補助に3人、オリヒメと衣服など衣料品の作成、スレッドスパイダーの世話に2人、ギリョウたちに師事する2人、放置気味の畑、農業全般に4人、子供12人は午前中は勉強、午後はそれぞれ興味のあることを手伝っている。
族長のンダバは、護衛のカダソ、ガラド、シャーマンのハゾルとともに、第一貯蔵庫から出した膨大な量の資材相手に格闘中。
そう、彼らが俺の見つけた協力者(ギセイシャ)だ。
単純な石材ブロックなど、使い勝手の良いものと完成している飾物や、機能付きのアイテムなどの餞別を任せている。
場所も取るし、流用可能な資材はギリョウたちにも使ってもらっているので速めに仕分けしたかった。
俺一人じゃ非常(メンド)に困難(クサイ)だった。
知能の高いンダバとハゾルが選別して、護衛の体力自慢カダソ、ガラドが種類ごとに整理している。
あぁ、丸投げってラクチンだ~。
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