GAMEなら何でもいいってわけじゃないよね  五十路のオッサンゲーマーは異世界で何かする

なかのしま

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035話:被告人

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 そして被告人、カブロがやって来た。
 「あ、お初にお目にかかります、わたくし・・・」
 初対面の6人に営業スマイルで挨拶しようとしたカブロの肩をガシッと掴むと、ソンチョー宅に連行するスローク。
 おお、あのデカいカブロが子猫のようだ。
 スロークとユーシンがサンサテに到着して、全てがバレていることを知って飛び出してきたんだろう。
 営業スマイルに隠れた憔悴の跡をしっかりキャッチしたよ。
 スロークたちがとんでもない速さで移動した事に気が付いてないとは、中々にうろたえていると見える。
 ま、この分なら悪い奴ではなさそうだけどね。
 伝令役2名は、どうせ間に合わないからと村で待機中。
 とうぜんお客さんじゃないのでギリョウたちの手伝いをさせていた。
  さぁ、裁判の時間だよ。
 「あぁあのですね、その・・・申し訳ありません。」
 直立から深々と頭を下げる。
 土下座という文化はこの世界にはないようなので、一般的ヒト社会では最大の謝意の仕草だ。
 裁判開始早々、被告人の自供によりあっさりと結審してしまった。
 つまらん。
 いろいろ考えてたのになぁ、ちょっと消化不足。
 「普通に相談してくれればちゃんと対応したんだけどねぇ。さすがにショックでしたよ。」
 淡々と告げるソンチョー、下げずむような無表情グッジョブです。
 長く付き合うなら騙し無し。
 胸に刻み付けてもらわないとね。
 その後しばらくは平謝りが続き、いつしか実質的な話へと流れていく。
 とりあえず資金集めのために家の販売をすることの説明と価格の相談を済ませて、サンプルとしてのミニチュアを渡す。
 「これは、いただけるのでしょうか。」
 「ダメです、家の販売が終了したら返してください。」
 カブロが商人の目になったので、すかさず回収を約束させた。
 反省の色が足りんな、こいつ。
 しかし、売れるんだな、これ。
 食堂の出店は許可、カブロの店は保留、職人は村づくりに協力することを前提に早期受入可とし、移住者の条件などの説明を行った。
 それと一番大事なこと、宗教化阻止のための説明。
 キッチリガッツリミッチリ叩き込んだ。
 さすがに伝令役の二人とは違って、すぐにちゃんと理解してくれたようだ。
 「あのですね、住人の募集要項に、文字が読める、またはグループ内に一人以上文字が読めるものがいる、という一文を加えてみてはいかがでしょうか。」
 カブロから、条件についての提案がされた。
 「でも、そんなに識字率は高くなかったような・・・。」
 ソンチョーは一瞬不安そうな表情を見せた。
 高くないって言うより低い。
 下手すると、職人たちのほとんどが対象外になっちゃうんじゃない?
 「だからこそグループに一人は、とするのです。
 職人たちは通常、複数の業種の者たちや弟子たちでグループを作るのです。
 家一軒建てるにも、大工、石工、鍛冶師、家具職人など、複数の業種の力が必要になります。
 見ず知らずの者同士では連携がうまくいかず、時にはもめごとに発展することもあるため、主に大工や石工などが取りまとめ役をするのです。」
 なるほど、日本の工務店みたいなシステムか。
 工務店役を大工か石工がやっているって感じなのかな。
 「当然、契約を行うのもそのとりまとめ役なので、読み書きはこなせます。
 そう言うグループに所属していない単独での職人は、何かしら問題を起こしてグループに入れない者がほとんどですので、そう言った者を自然に排除できます。
 商人に関しましても、店主などは当然読み書きできますし、従業員も教育を受けていることが多いです。
 それ以外でも、家族単位等で一人でも読み書きができれば、この村のルールを周知する手間を大幅に減らすことができると思うのです。亅
 なるほど、口頭で説明するよりもはるかに楽だし、聞き間違いや勘違いも減らせるかもしれないな。
 その後、カブロを交えてルールの詳細を詰めたり、家の価格や賃料を決めたりと遅くまで話し合いが続いた。
 なかなかに役立ってくれたカブロだけど、今日からはカブロたちへの食事&宿泊サービスは無しだ。
 しっかり代金いただきます。
 ま、本来はこれが対等の付き合いだよね。
 付き合い方が一方的な大歓迎から正常に戻っただけの話、村にとってはいいことだったといえる。
 翌日には立つというカブロ。
 本当に慌てて、取るものも取らずに来たんだな。
 よほど安心したのか、食事で随分お金を落としていってくれたみたい。
 カブロ達を送り出したあと、ソンチョーから発注が来た。
 食堂を作ってほしいという。
 それもそうか、現在はマスターとゴブリンのメチ、オリー、クルリが、ソンチョー宅のキッチンで作っている。
 が、何とも手狭で大変そうだと思っていた。
 最近ではハンターに職人たちまで食べにくる(もちろん代金はもらっているが)ので、あそこでは限界だろう。
 守護神像そばの広場で食べているが、BBQ台に薪をくべただけの簡易ストーブでは寒さもつらくなってきた。
 50人くらいが一度に入るスペースと、対応できる調理スペース…って、どれ位いるんだろう?マスターに聞かなくちゃ。
 ちゅーか、村の設備で食堂とかないんか?あれば謎パワーで水道もガスも電気も排水もくっ付いてくるんだけど、と思って聞いたら、ランク4からだった。
 今回は仕方ないね、資材もンダバ達が仕分けしてくれてるし頑張って作ろう。
  ということで、マスターと打ち合わせながら食堂建設に取り掛かることになった。
 場所は、アオイがパパっと掘ってソンチョーたちを愕然とさせた第2地下貯蔵庫の上。
 もともと食材を貯蔵するための地下倉庫だったし。
 貯蔵庫には出入り口を二箇所、調理場から直接入れる入口と、搬入用に外から直接出入りできるように。
 これなら搬入のために調理場を通らなくていいし、逆に調理場から外に出なくても食材の出し入れができる。
 カブロに聞いた冷却のための魔導具はかなり高額なので、当面は俺とスロークが順番でコールドの魔法をかけて対応だ。
 マスターも一応コールド系の魔法を覚えるそうなので、そのうちレベリングに出てもらおう。
 2階には居住スペースと休憩室、更衣室も確保。
 朝早いし夜遅い仕事なので、日中は仮眠を取ったりする。
 いちいち長屋に戻るのは大変だろうし、今長屋に仮住まいしている2人にはいずれ家を作るつもりでいたので、この際だから食堂の上にマスターの住居も兼用させてしまおうって。
 マナとユーコが給仕の手伝いをしてもいいと言ってくれたので、厨房と食事スペースはカウンターで仕切ることにした。
 しかし、ユーコに給仕ができるのか?マスコットか看板猫ならわかるけどってつい漏らしたら、「舐めるにゃー」って掌底づきをくらった。
 肉球プニプニだった。
 店内と居住エリア両方に水洗トイレのスペースも確保だ。
 稼働はまだまだ先になるけど、場所さえ確保して配管だけしておけば、なんとかなるだろう。
 相変わらず、色々なことが同時進行で進んでいるカオスな状況。
 いったいいつになったら落ち着くやらである。

 そんな中、待ちに待った解体小屋の完成を迎えた。
 中には大型魔物の皮を剥ぎ取るための吊り上げ機や大きな作業台、工具の収納スペースや狩猟具の補修、作成を行うスペースなど、小屋というより立派な施設だ。
 俺の発注で血抜きのための設備も追加してもらったのにキッチリ1か月で完成させてしまった。
 さすがである。
 現場で血抜きは無理でも、この村から狩猟場所までは数時間の距離なので、ここで安全にやってもらえばいいと思ったんだよね。
 通常行わない血抜き作業も、美味い肉のため、って言ったら、二つ返事でOKしてくれた。
 解体小屋が完成したことでハンターたちの活動も本格化する。
 これまでは地道な調査と、ゴブリンの狩猟班、ゴンゾー、グタ、タイク、ゴブ、ゲンへの指導中心だったから収穫量はそれほどでもなかったけど、生息域や生態、行動パターンの調査も完了しており、冬とはいえ結構な収穫が見込めると自信満々だった。
 そうそう、驚いたのはゴブリンたちの成長ぶりだ。
 会話や読み書き、簡単な計算はソンチョーチートのおかげとして、それ以外でも驚くほどの吸収力で、すでに独り立ちしている者も少なからずいる。
 食事事情の改善でガリガリだった子供たちもすっかり肉が付き、細マッチョだった狩猟班や護衛はガッチリマッチョにと、健康そのものだ。
 湯で体を拭いて清潔に保つことも、服を着替える、洗濯するという概念も覚えた彼らは、最近ではおしゃれにも目覚めて華やかだ。
 顔の特徴が無かったら人と見分けがつかないくらい村に馴染んでくれた。
 仕事面でも狩猟班はすでに独り立ちして小型の魔物を確保してくれているし、マスターの元で働いていたゴブリンは下ごしらえだけじゃなくスープなどの定番メニューを任されたりしている。
 畑の手入れを任せている4人も、普段の作業は完全に任せっきりになっているし、オリヒメと生地の生産を始めている2人も、スレッドスパイダーの世話や、糸を集めたりと忙がしくしている。
 まだスレッドスパイダーの数が少ないので成果は出ていないけど、すでに産卵が確認できているので春には一気に子が孵り、夏からは生地の生産も軌道にのりそうだと嬉しそうに言っていた。
 機織り機とか作ってあげたいところだね。
 テレビ知識でザックリと原理はわかるんだけど、ザックリとじゃダメなんだよなぁ。
 この世界の”常識”さんも、原始的な手織り機までしか知らない。
 拠点の工房に設置してあった機織り機は、第一貯蔵庫には入っていなかったし。
 また一つ課題ができてしまった。
 とにかく、ゴブリンたちの成長ぶりはうれしい悲鳴だ。
 みどり村のランクも3に上がったことで利用できる面積が一気に増えたし、作物の種類も建築物も、畜産も・・・手が回らん!
 期待していたランクアップだったけど、ここからがゲーム本番というだけに一気にできることが増えすぎて、ただでさえカオスな原状では対応不可能。
 ってことで、ソンチョー提案でいろいろと後回しが決定。
 今やってることが落ち着いたら一つずつ手を出すことになった。
 賢明だと思います。
 食堂建設に20日、ギリョウたちの解体小屋に触発されて、いろいろこだわってしまった。
 たぶん、完全スキル頼みで作れば4~5日でできたかも。
 すまんみんな、自分を抑えることができなかった。
 その分これから頑張る。
 家族用アパートは高速モードでやるから。
 このあたりから、雪が積もり始めた。
 まだまだ作業に支障はないけど、急がなきゃな。             
 カブロと一緒に20名ほどの職人たちと追加のハンターが先行して移住してきたのもほぼ同時期だった。
 大工はもちろん、石工、鍛冶師、家具職人などなど、村づくりが一気に加速する。
 家の販売も、予定していた住宅(中)と家族用アパートの契約はすでに完売、ソンチョーと追加の相談も始めていたんだけど、本職が来たなら後は任せてインフラ整備に注力することになった。
 ちょうど、アオイたちが手掛けていた水路の工事が完成して、川との接続式を行うことになったのだ。
 上流から村の近く、ランク5になった時に村の南側ギリギリ外を流れる位置を割り出して、まっすぐ村をかすめて川へ戻っていくという経路で作った、幅10m程の用水路だ。
 ソンチョウ宅からは1kmほど南を流れる。
 この用水路から、さらに分岐させて浄水場へ接続、上水道として利用する予定。
 下水道から出た汚水は、下水浄化場できれいにしてから川へ戻ることになる。
 「も~掘るの飽きたぁ~。」
 と言って、フテるアオイ。
 でもしっかり完成させてるんだからいい子やね。
 おじーちゃん呼びは許さないけどな。
 いよいよ開通の日、村から出られないソンチョー以外の被害者の会全員で取水口へ。
 排水側はすでに開通している。水位より高い位置から、ちょっとした滝のように流れ込むようにしてあるそうだ。
 用水路沿いが道路になっていて、非常に快適な道中だった。
 細かい砂利を固めたような、黒くないアスファルト道路みたいな状態。
 アオイが砂利を回収して、建材として使うとこうなるらしい。
 水捌けも良いので道路に最適だとクリフトのお墨付きが出たそうだ。
 一方、用水路を囲っているのはコンクリート壁にも見える、一枚岩の大きな石板だった。
 取水口で川の水をせき止めているのは、同じく一枚岩の壁。
 「これ壊すだけだからすぐ終わるよ。」
 得意げに言ってるけど、ちょっと待て、壊す?
 「え?」
 クリフトが驚いている。
 ちょっと待て。
 「え?なに?」
 驚くクリフトに驚くアオイって、何でだよ!
 「あ~、アオイさんや、これ、消すんじゃなくて壊すって言った?」
 聞き間違いであってほしいけど。
 「あったりまえでしょ、なに?消すって。
 こんなの5分で壊せるって。」
 間違って無かったかぁ~。
 「あのね、この壁には今、川の方からかなりの水圧がかかってるんだよ。
 壁が全部無くなるとか、水門みたいに開閉出来るんじゃなければ、一箇所穴開けた途端にドバーって、一気に水が吹き出してくるんだけど・・・。」
 頭にハテナマークが浮かんでいるアオイ、いかんね。
 「壁壊すのはアオイだよね、そうなると、最高でずぶ濡れ、最悪壁が決壊して岩共々流されて・・・。」
 「ドザエモンか。」
 ユーシンがポツリとトドメを刺した。
 「どうしよう、なんで言ってくれなかったのぉ。」
 涙目のアオイはクリフトに責任転嫁かね。
 ってか、なぜ気が付かなかったクリフトよ、頼みの綱だったのに。
 「言ったら、任せろって自信満々だったじゃないか。だからてっきり、クラフトした物は出し入れ自由なんだと思ったんだよ。」
 ちゃんと指摘してたのね。
 いや、ここはもっと突っ込んで確認してほしかったってところか。
 さて、どうしたものかね?
 ボディプロテクションかけて、体から目いっぱい離れた場所を壊せば、全体が崩れなければ何とかなるか?いやいや、危険すぎるな。
 「どのみち、災害対策に水門はあった方がいいから作ろう。」
 とクリフト。
 水門って簡単にできるの?クリフトが言うんだからできるんだろうけど。
 「ビーバータイクーンの建築物にあるんだ、水門。
 でも、木が切れないんだ。」
 一応水門の必要性は感じていたので、準備できればと鋸、斧、どちらも試したけど、うまく切れなかったそうだ。
 「やっぱ齧んなきゃダメなんじゃないっスか?ビーバーだけに。」
 あ、ありえる。
 「齧るって?・・・歯で?・・・うそでしょ、無理無理。」
 あ、何となく察したな。
 ユーシンの指摘が正解みたいだね。
 でもまぁ、無理だよね、きれいな木材ならまだしも、雨ざらし野ざらしで苔に虫とか動物の糞尿がかかってるかもしれない生木なんて。
 う~ん、指示だけしてもらってこっちで作るか。
 どうせなら頑丈にしたいけど、鉄で作ったらさび止めどうすればいいんだろう。
 防錆材なんてないしな、酢と紅茶でできる黒錆び加工ってのも防錆にいいって聞いたけど、そもそも紅茶が無いからなぁ、やっぱりここは木か。
 さっそくクリフト指示のもと、一日がかりで壁の3m程度内側に水門を設置した。
 開閉器も設置したので、最悪一人でも開閉できる。
 水門を閉じた状態で、バケツリレーで水門と岩壁の間に水を入れてゆく。
 大変だけど、水位がほぼ同じになれば水圧で噴き出すことは無いだろう。
 アオイがずぶ濡れになるのは確定事項である。
 結局濡れるんじゃない、とか言ってブーたれてるけど、君がちゃんとクリフトの言うこと聞かなかったからだからね。
 数分で壁もきれいに壊れて、いよいよ水門の解放だ。
 だいぶ暗くなってきてしまったけど、このまま開通してしまう。
 用水路に川の水が流れ込むと、自然とみんなから、おぉ~、と声が上がった。
 「さむい~、とっとと帰ってお風呂~。」
 感傷に浸る余裕もないな・・・まぁ、ずぶ濡れだから当然の要求だけど。
 「ぬぁ!おめぇ荷台に乗れよ!シートが塗れんじゃねぇスか。」
 「あんたねぇ、無茶な重労働でずぶ濡れのか弱いアタシを凍え死なす気?暖房ガンガン効かせて特急で帰るの!」
 「無茶な重労働になったのはおめぇのせいだろ!」
 「うっさい!とっとと出発!」
 う~ん、とりあえず、ここの守りは後回しか。 
 カブロに設置型の魔物除けの魔道具を注文してあるので、届いたらひとつ水門付近に設置しよう。
 せっかくの水門を興味本位で壊されたら大変だ。
 小型化のために魔石消費の効率が悪く有効範囲も狭い手持ち式と違って、設置型は高さ2m、直径1mの石灯籠のような形をしている。
 ゴブリンの魔石一つで、手持ち式は半径10mの範囲を8時間ほど、設置型は半径50mの範囲を10日程も魔物を遠ざける。
 とんでもない違いだけど、それだけ魔導印の小型化は難しく、効率がガタ落ちになるってことだ。
 たとえば、術式杖として売られているマジックミサイルに近い魔法"光弾"は、一般人でも気軽に使えるように効率化を求めると、直径1mもの大きな魔導印になってしまう。
 それを小型化して、魔法使いと呼ばれる学者たちが持ち歩く本のサイズになると、訓練を積んだ魔法使いでも数発撃つとガス欠になってしまうほど魔力を無駄遣いしてしまう。
 術式杖にするにはさらに小さくしないといけないわけで、結局高価な魔石が必要になるわけだ。
 なんとも面倒な仕組みだね。
 幸いにも、先日5個もグレートベアの魔石を手に入れているので1個使えば10年以上は余裕で保ってくれるだろう。
 俺の第一貯蔵庫には残念ながらモンスター除けの結界装置は入っていないようなので、街道沿いのキャンプ地に設置しようと2台注文してあった。
 大きいから一度に1台しか持ってこれないとか言ってたけど、こっちで先に使ってしまった方が村のためにはいいよね。
 水路を流れる水と競争するように村を目指す軽トラとバイク。
 なんだかんだ言って、めいっぱい急いでるよな、ユーシン。
 荷台には幌がかかっているから後ろしか見えないけど、かなりの速度だ。
 「浄水所って、簡単にできるもんなの?」
 とユーキ。
 それは俺も気になる。
 「あぁ、仕組みを知ってるくらいで直接かかわってはいないけどね。
 基本的にはひたすらゴミの撤去と殺菌だよ。
 ろ過を繰り返してごみを取り除くんだ。
 薬剤を使って細かいごみをくっつけて取り除いたり、オゾンで臭いの原因なんかを分解したり、塩素で殺菌したりね。」
 クリフトの話では、入り口で大きなごみを取り、薬品投入、薬品の効果で不純物をまとまった塊にして、時間をかけて沈殿、最後に細かい砂の層を通過させることで沈殿しきれなかった不純物を取るそうだ。
 そして塩素で消毒、自治体によってはオゾン殺菌で菌なんかを分解するところまであるとか。
 「薬剤は使えないから、日本みたいに直接飲める水は難しいかな。
 まぁ、村には井戸があるからね、飲み水はそちらから取るか、煮沸してから使った方がいいと思うよ。」
 やっぱり飲料水は無理かぁ~。
 塩素消毒なんて無理だもんなぁ。
 その前の不純物をまとめるっていう凝集剤、ポリ塩化アルミニウム?なんてものも 作りようがないしなぁ。
 砂の層で濾過するしかないけど、結構頻繁に手入れしないとならなくなりそうだね。
 浄化魔法なんて実生活に便利なもの、ゲームには無いからなぁ。
 この世界の魔法には無いのかな・・・無いっぽいな、"常識"さん無反応。
 水道水の使い道は上水道というより中水道に近い扱いになるのか。
 洗濯やトイレ、農業用水用とか。
 いや、生活排水を処理するわけじゃないから上水道寄りだよな、洗濯にも使えるだろうし。
 飲用水は井戸を使ってもらうしかないな、村の謎システムで簡単に作れるし、飲んでも問題なかったし。
 今のところソンチョーに負担がかかってる感じは無いから慎重に様子を見ながら井戸を使っていこう。
 これは、いよいよ井戸に揚水ポンプの出番かな。
 鍜治場もちゃんと整備して気合入れて作るか。
 「煮沸殺菌して試してみてからだけど、できれば、食道で使う水は水道のを使ってみたいな。井戸の水って、きれいだけど味が全くしないんだよ。ミネラルも何もない、ほんとにただの水って感じで、旨味が無いんだ。」
 とはマスターの意見。
 なるほど、浄水器の水とミネラルウォーターの違い、みたいなことなのか?
 ジャンクフード育ちの味音痴としては違いが判らんのだが、きっと違うのだろう。
 村へ戻るとまっすぐソンチョー宅へ、アオイが飛び込んでいった。
 おつかれさま、ゆっくり温まっといで。
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