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全能の神は反省する
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「わし、そろそろ本気出して天界帰ることにするわ。」
次の朝、私がベッドで伸びをしているとパパが後ろからそう言った。
「え。パパはそれでいいの?まだやり残したことあるんじゃないの?」
振り返ってパパを見上げるとふざけたように言ったのにその目は真剣だった。--でも。あんなに毎日楽しそうにしてるのに。--本当はパパに天界に戻ってもらいたいと思ってはいるけど……でも私はパパだってちょっとくらい逃げ出して休んでもいいと思う。
「わしな。もう消滅してもいいかなーなんて思っとったけど、もうちょっとパオラと親子を満喫したいから天界を立て直すことにする。このままだと危ういからな。ヴィーテにもお仕置きしないといかんし。まあ、レナに神力貰わなければならんしすぐにとはいかんがな。」
パパの手が私の手の上に重なる。大きな手。私と親子を満喫するって、そんな風に思ってくれたんだ。頑張るのも限界が来るってアーロンも言ってたけど、思っていたより天界は危ういのか。しかし……。
「あのね、パパ。ひっじょーに言いにくいんだけど……レナ神、眠る前にパパと離婚するって言ってたんだよね。だから、目覚めたところで神力くれるのかなーーって。」
「え。」
「えへへ……へへ。」
「ふははは。レナが?まっさかあ~~。ふへへ。」
「えへへへへ……。」
「……ぱ、パオラ?ま、マジで?」
「マジです。」
「……。」
「パパさあ……この際だから言うんだけど、レナ神がパパの事好きなことを良いことにレナ神の事ぞんざいな扱いしてなかった?」
「そんなことは……。」
「自分の胸に当てて聞いてみ?Hもおざなりじゃなかった?ふとした時にプレゼントとかデートとかした?釣った魚に餌やらないとかサイテー男だからね?」
「……。」
パパが胸に手を当てて真っ青な顔をしていた。ありゃあ相当当てはまってるな。御愁傷様。だいたいあのプライドの高いレナ神がミルバ神にアンアン言わされてたんだ、絶対パパとのHに不満があったに違いない。
「ぱ、パオラがアーロンに神力貰って鏡を使えば問題なかったりして?」
「……私ね。アーロンに神力貰いながら鏡で神力の溜まり具合を見てたんだけどさ。一定量貰うとそれ以上増えないの。それってさ、天界の揉め事を見ようとしてどのくらいの神力がいるの?私にそれだけ神力溜められるの?--だったら代わりに鏡使うけど。」
「……そうか。……そうじゃった……いくらわしの娘でも人間には無理じゃ。パオラの態度が気安いからなんだかわしと同じと思い違いしとったわ。強大な神力を許容範囲を超えて使えば大事なパオラの体が壊れてしまうーーふう。わし、レナには結構酷いこと言っちゃったんだよなーー。レナに許してもらえるじゃろうか……。」
「レナ神が許してくれるかはパパの頑張り次第だと思うけどさ。ぶっ倒れるまでのレナ神の神力1回分とアーロンの何度出してもそんなに支障のなかった2回分の方が効率がいいと思うんだよね。」
「あ、や、そりゃあ神格が上じゃからそうじゃろうけど、アーロンから貰うのは……ちょっと……。悶えるレナの乳をねちっこく吸う方が楽しいし。」
「……パパ。私も体を張ったんだから、パパもがんばれるよね?」
「……パオラ?な、何の話じゃ?」
私を恐ろしげに見るパパの目の前に私はスライムボールを1つ置いた。
「もしやそれは……。」
パパがスライムボールを見ながら口に手を当てた。その顔は真っ青だ。私は2つ目のスライムボールを横に並べる。
「これだけ貯めるのに、意味もなく神力を何回も飲まされたんだよねぇ……。」
お陰様でずいぶん上達したよ?いや、何がとは言いたくないけど。
「……。」
3、4と横に並べるとドンドンとパパの顔色が悪くなった。
「ちょ、まて……パオラ……それ、何個あるんじゃ?」
14つのスライムボールを並べ終えると私はにっこりとパパに笑いかけた。
「さあ、パパ。好きなだけ、召し上がれ♡」
この時の魚の死んだ目をしたパパを私は生涯忘れられないだろう。
せめてもの御口直しにはパパの大好きなお菓子を惜しげもなく揃えましたとも♡♡
次の朝、私がベッドで伸びをしているとパパが後ろからそう言った。
「え。パパはそれでいいの?まだやり残したことあるんじゃないの?」
振り返ってパパを見上げるとふざけたように言ったのにその目は真剣だった。--でも。あんなに毎日楽しそうにしてるのに。--本当はパパに天界に戻ってもらいたいと思ってはいるけど……でも私はパパだってちょっとくらい逃げ出して休んでもいいと思う。
「わしな。もう消滅してもいいかなーなんて思っとったけど、もうちょっとパオラと親子を満喫したいから天界を立て直すことにする。このままだと危ういからな。ヴィーテにもお仕置きしないといかんし。まあ、レナに神力貰わなければならんしすぐにとはいかんがな。」
パパの手が私の手の上に重なる。大きな手。私と親子を満喫するって、そんな風に思ってくれたんだ。頑張るのも限界が来るってアーロンも言ってたけど、思っていたより天界は危ういのか。しかし……。
「あのね、パパ。ひっじょーに言いにくいんだけど……レナ神、眠る前にパパと離婚するって言ってたんだよね。だから、目覚めたところで神力くれるのかなーーって。」
「え。」
「えへへ……へへ。」
「ふははは。レナが?まっさかあ~~。ふへへ。」
「えへへへへ……。」
「……ぱ、パオラ?ま、マジで?」
「マジです。」
「……。」
「パパさあ……この際だから言うんだけど、レナ神がパパの事好きなことを良いことにレナ神の事ぞんざいな扱いしてなかった?」
「そんなことは……。」
「自分の胸に当てて聞いてみ?Hもおざなりじゃなかった?ふとした時にプレゼントとかデートとかした?釣った魚に餌やらないとかサイテー男だからね?」
「……。」
パパが胸に手を当てて真っ青な顔をしていた。ありゃあ相当当てはまってるな。御愁傷様。だいたいあのプライドの高いレナ神がミルバ神にアンアン言わされてたんだ、絶対パパとのHに不満があったに違いない。
「ぱ、パオラがアーロンに神力貰って鏡を使えば問題なかったりして?」
「……私ね。アーロンに神力貰いながら鏡で神力の溜まり具合を見てたんだけどさ。一定量貰うとそれ以上増えないの。それってさ、天界の揉め事を見ようとしてどのくらいの神力がいるの?私にそれだけ神力溜められるの?--だったら代わりに鏡使うけど。」
「……そうか。……そうじゃった……いくらわしの娘でも人間には無理じゃ。パオラの態度が気安いからなんだかわしと同じと思い違いしとったわ。強大な神力を許容範囲を超えて使えば大事なパオラの体が壊れてしまうーーふう。わし、レナには結構酷いこと言っちゃったんだよなーー。レナに許してもらえるじゃろうか……。」
「レナ神が許してくれるかはパパの頑張り次第だと思うけどさ。ぶっ倒れるまでのレナ神の神力1回分とアーロンの何度出してもそんなに支障のなかった2回分の方が効率がいいと思うんだよね。」
「あ、や、そりゃあ神格が上じゃからそうじゃろうけど、アーロンから貰うのは……ちょっと……。悶えるレナの乳をねちっこく吸う方が楽しいし。」
「……パパ。私も体を張ったんだから、パパもがんばれるよね?」
「……パオラ?な、何の話じゃ?」
私を恐ろしげに見るパパの目の前に私はスライムボールを1つ置いた。
「もしやそれは……。」
パパがスライムボールを見ながら口に手を当てた。その顔は真っ青だ。私は2つ目のスライムボールを横に並べる。
「これだけ貯めるのに、意味もなく神力を何回も飲まされたんだよねぇ……。」
お陰様でずいぶん上達したよ?いや、何がとは言いたくないけど。
「……。」
3、4と横に並べるとドンドンとパパの顔色が悪くなった。
「ちょ、まて……パオラ……それ、何個あるんじゃ?」
14つのスライムボールを並べ終えると私はにっこりとパパに笑いかけた。
「さあ、パパ。好きなだけ、召し上がれ♡」
この時の魚の死んだ目をしたパパを私は生涯忘れられないだろう。
せめてもの御口直しにはパパの大好きなお菓子を惜しげもなく揃えましたとも♡♡
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