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二章 碧緑の宝剣(リゲル編)
8.外出の約束
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***
ミモザと俺の怒涛の口撃事件から数日後、俺は久々にジェード家の屋敷に来ていた。勿論、剣の稽古のためだ。
稽古が始まる前、レグルスと俺は屋敷の中庭でいつものように軽くアップを始めていた。寒いから急に動くと攣ったり怪我をしやすくなるからと自主的にやっていることだった。
そこにリゲルが駆け込んできた。
「聞いてくれ! 年が明けたら、ミモザと祭りに行くことになった」
リゲルは開口一番、明るい笑顔で俺にそう言った。どうやら、仲直りは成功したらしい。
「仲直りできたんですね」
俺はほっと胸を撫で下ろす。俺のせいで兄妹喧嘩が続くのはやはり心苦しい。上手くいったなら本当に良かった。
ミモザの方はといえば、俺に対する敵対心を隠すようにはなったが、今も柱の影からじっとこちらを睨んでいた。
まあ、言葉に出さず、人知れず怒りを燃やすのならまだいいだろう。レグルスやリゲルに迷惑がかからなければこの際OK。とりあえず、表面上は丸く収まったので良しとしよう。
「嗚呼、ありがとう! アルキオーネのおかげだ」
リゲルは俺の手を握るとブンブン振り回す。
「いえいえ……」
俺は引きつった笑いを返した。
レグルスはあからさまに不機嫌な顔をしてこちらを見る。
なんだよ。また嫉妬か。面倒だな。お前は俺の彼女かよ。と、思わずにはいられない。
一応、レグルスがアルキオーネの婚約者なのは事実だ。面倒だが、聞いてやるか。
「あの……レグルス様、どうされたのですか?」
「祭り」
「お祭りがどうされましたか?」
「リゲルはいいな」
「はあ?」
はっきりしないレグルスの言葉に多少苛立つ。
レグルスは構って欲しいのか、最近は妙に俺やリゲルの気を引こうとするような話し方をする。正直、面倒臭い。
「まあ、王子だし、仕方ないだろう」
リゲルは慰めるようにレグルスの肩を優しく叩いた。
「わたしだって遊びたいのに」
「ガランサスは国の一大イベントだからね。王族は貴賓の接待もあるし、自由にできないのは当然でしょう」
「でも、わたしだってアルキオーネと街歩きしたい!」
「あのさ、無茶を言わないでくれる?」
リゲルはため息を吐いた。
二人の言うお祭りとやらは「ガランサス」のことだったらしい。
毎年、冬の終わり頃に王都で開かれる「ガランサス」はこの国の三大祭りの一つで、春の訪れを祝う祭りだ。
その時期になると、至るところにスノードロップの花やそれをモチーフにしたガーランドを飾る。そして、参加者は、春の花のような色とりどりの色の衣装を着て、花の妖精のようになるのだ。勿論、出店も沢山出るし、パレードなんかもあって、とても華やかな祭りらしい。
他の国から参加する者も多く、王族やそれに準ずる者は他国から来る貴賓たちを相手にすることも多い。
アルキオーネはまだ婚約者として認知されていないから公的なお役目はないのだが、レグルスはやはり接待に駆り出されるのだろう。
レグルスがお祭りに参加しないからリゲルは自由にお祭りに参加できるわけだし、可哀想だけど仕方がない。仕方ないが……
「嗚呼、そうなんですか。わたくしも王都のお祭りは初めてだったので、一緒に行ってみたかったのですが……」
思わず俺はそう呟いていた。
王都のお祭りはさぞかし煌びやかで楽しいのだろう。
記憶の限りでは、アルキオーネは病弱で、社交界デビューするまでは領地にこもっていたから、領地の豊穣祭以外行ったことがなかった。今年の豊穣祭は熱で行くことが出来なかったし、友だちと出かけられるかもと思って、すごく楽しみにしていたのに。
そうか、行けないのか。てっきり一緒に行けるものだと思っていたから、ガイドブック買って、行きたいところ、食べたいもの、色々チェックしてたのにな。
レグルスは不参加、リゲルも妹のお守りがあるなら一緒に行けない。そうなると、俺とメリーナとアントニスの三人だけで行ってみるしかないようだ。
そういえば、最近会っていないが、ヴィスヴィエン子爵令嬢のミラはどうだろう。確か、ミラも王都にいるはずだ。もう既に予定が入っていて断られるかもしれないが、誘ってみよう。
女の子とお出かけなんてデートみたいで、男と出かけるよりも楽しいかもしれない。うん、その方がいい。
ミラもなかなか可愛い顔をしていた。それに胸も大きい。巨乳少女とお出かけか。なかなか素敵な響きだ。
俺はミラとのお出かけを想像して胸を弾ませた。
「いや、待って。ガランサスは一週間もあるんだ。一日くらいなんとかできるよ!」
リゲルは慌てて首を振って、俺の手をとる。
「そうですか?」
「嗚呼、そうだとも。わたしだって一日くらいなんとかしてみせる!」
レグルスもリゲルに負けじと声を上げて、俺の左手をリゲルから奪った。
俺は息の合った二人の行動に思わず笑ってしまう。
「じゃあ、三人の都合を合わせて一緒に行きましょう。美味しそうなものや楽しそうな催しがいっぱいあって、メリーナとアントニスと回るだけじゃもったいないと思っていたところなんです」
「美味しいもの?」
レグルスが目を輝かせる。どうやら、食べ物に興味があるらしい。
「ええ、レモンの味のするさっくりとした揚げ菓子とか、モッチモチの揚げドーナツとか……肉料理も色々あるみたいですね。全部食べたらお腹が壊れちゃいそうですけど」
食べたことはないが、ガイドブックに書いてあったことを思い出して話す。
記憶を取り戻す前は食事に不満を感じたことがなかったが、最近、妙にある濃い目のジャンクフードが恋しくなる。ああいうものもあるんだろうか。楽しみだ。
俺は 涎を垂らしそうになる。おっと危ない。
「そうそう、色々あるよ。毎年、ミモザに連れていかれて、何だか顔の書いてあるドーナツとかカラフルなキャンディとか買わされたりするんだよな。俺は肉料理の方がいいんだけど……」
リゲルも去年食べたものを思い出しているのか、音を立てて涎を啜った。
「じゃあ、食い倒れツアーをしよう! こういうときでもないと食べられないものを食べるぞ!」
レグルスは拳を突き上げた。
それに合わせて俺たちも腕を上げる。
「じゃあ、日付けを決めて……」
リゲルはそう言いかけて止まる。
嫌な気配がする。俺は視線を動かした。
そして、レグルスの後ろを見て俺もフリーズした。
「どうしたんだ?」
レグルスが無邪気に笑う。
本当にコイツは空気を読んでいない。いや、逆に読んでいるのか?
俺は身振りで後ろを向くようにレグルスに合図を送る。しかし、レグルスはそれに気づかず、笑ったままだった。
「ゴホン」
咳ばらいが聞こえた。
レグルスはゆっくりと振り返る。
「話は終わったか?」
お祖父様が静かにレグルスの後ろに立っていた。
「お祖父様!」
「師匠!」
「ドゥーベ様!」
俺たちは口々に叫ぶと、慌てて一列に並んだ。
「今から稽古を始める……が、その前に」
お祖父様はじっと俺たちを見つめる。
俺たちは身を固くして、唾を飲み込み、お祖父様の言葉を待った。緊張しすぎて背中が痛い。
「お前たち、祭りに行くなら、それまでに最低限、自分の身を守れるようにならんといけないな。今日から少しキツい稽古になるぞ!」
お祖父様は楽しそうに笑った。
え、キツい稽古って俺たち何させられるの? 俺たちはこれから三ヶ月間の稽古について考え、ぶるりと身を震わせた。
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稽古が始まる前、レグルスと俺は屋敷の中庭でいつものように軽くアップを始めていた。寒いから急に動くと攣ったり怪我をしやすくなるからと自主的にやっていることだった。
そこにリゲルが駆け込んできた。
「聞いてくれ! 年が明けたら、ミモザと祭りに行くことになった」
リゲルは開口一番、明るい笑顔で俺にそう言った。どうやら、仲直りは成功したらしい。
「仲直りできたんですね」
俺はほっと胸を撫で下ろす。俺のせいで兄妹喧嘩が続くのはやはり心苦しい。上手くいったなら本当に良かった。
ミモザの方はといえば、俺に対する敵対心を隠すようにはなったが、今も柱の影からじっとこちらを睨んでいた。
まあ、言葉に出さず、人知れず怒りを燃やすのならまだいいだろう。レグルスやリゲルに迷惑がかからなければこの際OK。とりあえず、表面上は丸く収まったので良しとしよう。
「嗚呼、ありがとう! アルキオーネのおかげだ」
リゲルは俺の手を握るとブンブン振り回す。
「いえいえ……」
俺は引きつった笑いを返した。
レグルスはあからさまに不機嫌な顔をしてこちらを見る。
なんだよ。また嫉妬か。面倒だな。お前は俺の彼女かよ。と、思わずにはいられない。
一応、レグルスがアルキオーネの婚約者なのは事実だ。面倒だが、聞いてやるか。
「あの……レグルス様、どうされたのですか?」
「祭り」
「お祭りがどうされましたか?」
「リゲルはいいな」
「はあ?」
はっきりしないレグルスの言葉に多少苛立つ。
レグルスは構って欲しいのか、最近は妙に俺やリゲルの気を引こうとするような話し方をする。正直、面倒臭い。
「まあ、王子だし、仕方ないだろう」
リゲルは慰めるようにレグルスの肩を優しく叩いた。
「わたしだって遊びたいのに」
「ガランサスは国の一大イベントだからね。王族は貴賓の接待もあるし、自由にできないのは当然でしょう」
「でも、わたしだってアルキオーネと街歩きしたい!」
「あのさ、無茶を言わないでくれる?」
リゲルはため息を吐いた。
二人の言うお祭りとやらは「ガランサス」のことだったらしい。
毎年、冬の終わり頃に王都で開かれる「ガランサス」はこの国の三大祭りの一つで、春の訪れを祝う祭りだ。
その時期になると、至るところにスノードロップの花やそれをモチーフにしたガーランドを飾る。そして、参加者は、春の花のような色とりどりの色の衣装を着て、花の妖精のようになるのだ。勿論、出店も沢山出るし、パレードなんかもあって、とても華やかな祭りらしい。
他の国から参加する者も多く、王族やそれに準ずる者は他国から来る貴賓たちを相手にすることも多い。
アルキオーネはまだ婚約者として認知されていないから公的なお役目はないのだが、レグルスはやはり接待に駆り出されるのだろう。
レグルスがお祭りに参加しないからリゲルは自由にお祭りに参加できるわけだし、可哀想だけど仕方がない。仕方ないが……
「嗚呼、そうなんですか。わたくしも王都のお祭りは初めてだったので、一緒に行ってみたかったのですが……」
思わず俺はそう呟いていた。
王都のお祭りはさぞかし煌びやかで楽しいのだろう。
記憶の限りでは、アルキオーネは病弱で、社交界デビューするまでは領地にこもっていたから、領地の豊穣祭以外行ったことがなかった。今年の豊穣祭は熱で行くことが出来なかったし、友だちと出かけられるかもと思って、すごく楽しみにしていたのに。
そうか、行けないのか。てっきり一緒に行けるものだと思っていたから、ガイドブック買って、行きたいところ、食べたいもの、色々チェックしてたのにな。
レグルスは不参加、リゲルも妹のお守りがあるなら一緒に行けない。そうなると、俺とメリーナとアントニスの三人だけで行ってみるしかないようだ。
そういえば、最近会っていないが、ヴィスヴィエン子爵令嬢のミラはどうだろう。確か、ミラも王都にいるはずだ。もう既に予定が入っていて断られるかもしれないが、誘ってみよう。
女の子とお出かけなんてデートみたいで、男と出かけるよりも楽しいかもしれない。うん、その方がいい。
ミラもなかなか可愛い顔をしていた。それに胸も大きい。巨乳少女とお出かけか。なかなか素敵な響きだ。
俺はミラとのお出かけを想像して胸を弾ませた。
「いや、待って。ガランサスは一週間もあるんだ。一日くらいなんとかできるよ!」
リゲルは慌てて首を振って、俺の手をとる。
「そうですか?」
「嗚呼、そうだとも。わたしだって一日くらいなんとかしてみせる!」
レグルスもリゲルに負けじと声を上げて、俺の左手をリゲルから奪った。
俺は息の合った二人の行動に思わず笑ってしまう。
「じゃあ、三人の都合を合わせて一緒に行きましょう。美味しそうなものや楽しそうな催しがいっぱいあって、メリーナとアントニスと回るだけじゃもったいないと思っていたところなんです」
「美味しいもの?」
レグルスが目を輝かせる。どうやら、食べ物に興味があるらしい。
「ええ、レモンの味のするさっくりとした揚げ菓子とか、モッチモチの揚げドーナツとか……肉料理も色々あるみたいですね。全部食べたらお腹が壊れちゃいそうですけど」
食べたことはないが、ガイドブックに書いてあったことを思い出して話す。
記憶を取り戻す前は食事に不満を感じたことがなかったが、最近、妙にある濃い目のジャンクフードが恋しくなる。ああいうものもあるんだろうか。楽しみだ。
俺は 涎を垂らしそうになる。おっと危ない。
「そうそう、色々あるよ。毎年、ミモザに連れていかれて、何だか顔の書いてあるドーナツとかカラフルなキャンディとか買わされたりするんだよな。俺は肉料理の方がいいんだけど……」
リゲルも去年食べたものを思い出しているのか、音を立てて涎を啜った。
「じゃあ、食い倒れツアーをしよう! こういうときでもないと食べられないものを食べるぞ!」
レグルスは拳を突き上げた。
それに合わせて俺たちも腕を上げる。
「じゃあ、日付けを決めて……」
リゲルはそう言いかけて止まる。
嫌な気配がする。俺は視線を動かした。
そして、レグルスの後ろを見て俺もフリーズした。
「どうしたんだ?」
レグルスが無邪気に笑う。
本当にコイツは空気を読んでいない。いや、逆に読んでいるのか?
俺は身振りで後ろを向くようにレグルスに合図を送る。しかし、レグルスはそれに気づかず、笑ったままだった。
「ゴホン」
咳ばらいが聞こえた。
レグルスはゆっくりと振り返る。
「話は終わったか?」
お祖父様が静かにレグルスの後ろに立っていた。
「お祖父様!」
「師匠!」
「ドゥーベ様!」
俺たちは口々に叫ぶと、慌てて一列に並んだ。
「今から稽古を始める……が、その前に」
お祖父様はじっと俺たちを見つめる。
俺たちは身を固くして、唾を飲み込み、お祖父様の言葉を待った。緊張しすぎて背中が痛い。
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