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6-1 前夜
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手紙の内容は、砦内の至るところにバラ撒かれているため、兵たちも全員が知ってしまっている。となればもちろん、こいつの首を差し出せば、砦は落とされずに済むと考える者もいるだろう。
最初に早馬を飛ばした。王都と、帰還中のファアル殿下にだ。運が良ければ、五日もすればファアル殿下が間に合うだろう。
「二日だ。二日守れば増援が辿り着く」
「ですがそれは、100人だけですよね? 王都からの増援が届くのは、二十日以上先になるでしょう。軍の派遣には時間がかかりますからね」
「いやぁ、そううまくはいかんのちゃうか? 攻め落とされたときを考え、万全の準備をしてから来るかもしれないやん」
ジェイの言っていることも、リックの言っていることもあり得る。
この砦を取られた場合、彼らはここを足掛かりに使うだろう。そうなれば、今度は逆に砦を落とさなければならない。砦を落とすのには、それ相応の準備が必要だった。
「……王都からの増援については考えないでいい」
「なぜですかね」
「ファアル殿下が来られれば、指揮権は移譲することになる。王都がどう動くかも、あの方ならば良く知っているはずだ」
パンッと後頭部を叩かれる。
誰もが唖然としている中、俺を叩いたのは想像通りの人物だった。
「なんでやる前から腰が引けてるのよ! 気合入れなさい!」
「い、いや、スカーレット。相手も考えての行動なはずだ。つまり、一日か二日で、オリアス砦を落とす準備が整っているんだよ」
「なら、相手の予想を上回って、二日でも十日でも守ってやればいいじゃない!」
「スカーレット、そこまでにしなさい」
エルペルトに止められたせいか、スカーレットは渋々と後ろに下がる。
しかし、彼女の言うことには一理ある。俺はやる前から、これはもう勝てないと諦めていた。いや、なんなら俺の首一つで済むのなら、それもアリなのかもしれないとすら薄っすら考えていた。
「よし、やるか」
「えぇ、そうですね。相手は万の大軍でしょうから、できる限りの準備をして――」
「全員返り討ちにし、二度とオリアス砦は攻めたくないと思わせてやろう」
他の者が今度は俺に唖然としている中、スカーレットは指を鳴らし、オリーブも真似をして滑った音を出していた。
現在、運の良いことに金はある。砦の補強に使える物は、いくらでも買って良いとカンミータの町へ向かった部隊に伝えてあった。
「で、わしらはどないするんや?」
「エルフたちはオリアス砦の外にある森に、可能な限り罠を仕掛けてくれ。あぁただし、道には手を加えないように」
「……砦を抜かれた後の対策か?」
不満そうなリックを見て、勘違いしているなと笑う。
「違う違う。ホライアス王国側の森だ」
「ホライアス王国側って……それは、領土を侵すことにならんか?」
「領土を侵そうとする相手に何を言ってるんだ。それに、俺たちが仕掛けたという証拠があるのか?」
「なるほど。ええやないか」
こうしてエルフたちは森へ罠を仕掛けに向かう。オリアス砦へ向かう街道は狭いため、相手は戦いづらくなるだろう。
兵たちは砦の補強を行っているが、魔法を使える者だけは別に集まってもらった。
「魔法で街道に穴を空けてくれ。ただし、相手が分からないように、適当に頼む」
「規則正しくやればバレるからですね。お任せを」
シヤに指揮を任せ、街道に落とし穴を複数作らせる。魔法はこういったときにとても便利だ。
しかし、エルフの一人が聞いてきた。
「底になんか仕掛けんでええのか?」
「あぁ、必要無い。前に本で読んだが、死人より怪我人を増やしたほうが効果的なこともあるらしい。一人の怪我人を世話するのに、何人かの人手を割く必要がある。……今回の戦いは、でき得る限り怪我人を増やし、相手を撤退せざる得ない状況にするのが目標だ」
「それなら、弓矢が得意なエルフたちの部隊も用意したほうがええな。敵の物資を燃やして逃げたほうがええやろ?」
とても良い案だが、それは難しいなと首を横に振る。
「森には罠を仕掛けてしまうからね。危険過ぎるから却下だ」
「……それは、うちらを舐め過ぎやで」
穴を作っていたはずのミスティは、こちらの話を聞いていたらしく近づいて来る。
どういうことかと首を傾げると、ミスティはVサインを作った。
「うちらはエルフ、森の民や! 自分らで作った罠に引っかかったりせぇへんし、どうしても心配なら、安全な罠の無いルートをいくつか用意するで! それならええやろ?」
確かにできそうだが、それでもリスクは高いだろう。
悩んでいると、エルペルトが言った。
「セス殿下、これは戦争です。リスクの無い行動なんて存在いたしません。大事なのは、どれだけリスクを減らし、より多くのリターンを得るかでしょう」
「……分かった、許可を出すよ。でも、絶対に犠牲を出してはならない。もし犠牲が出たら、たぶん、俺が悲しいから」
想像するだけで泣きそうになっていると、ミスティがなぜか笑顔を見せる。
「セスはんがそうやから、うちらもここを守りたいと本気で思えるんや! 任せてよ。うちらエルフは、必ず恩に報いてみせるで!」
顔を逸らし、コッソリ涙を拭う。
この件を隠蔽することは難しいかもしれないが、そのことについては後で考えることにしよう。
俺は、みんなを守りたい。誰も犠牲を出さず、ここを守りたい。そのためなら、敵を殺すことも厭わないと、静かに覚悟を決めた。
三日間、ただひたすらに準備に追われている。全員が思いつく限りの策を出し、可能だと判断すれば許可をする。そんなことを、寝る間も惜しんで続けた。
そのお陰もあってか、オリアス砦の周囲は罠だらけになっており、こちらもホライアス王国側には出たくないほどだ。……街道部分は少しだけ仕掛けていないので、表に出て戦うときは、そこの範囲内になるだろう。
壁の上から作業を見ていると、オリーブが言った。
「敵ハ、ドウシテ、セスヲ、殺シタイノ?」
「そりゃ……なんでだ?」
言われるまで考えもしなかったが、どうして俺を殺したいんだ?
悩んでいると、ポンッと背中を叩かれる。ジェイとリックだ。
「どうしたんです?」
「いや、色々と分からなくなってさ。ホライアス王国は、どうして俺を殺したいんだ? それと、どうしてこんなに面倒臭い方法で殺すんだ? 別に、刺客を送りまくってもいいわけだろ? なんなら、裏切るように誘導したっていいはずだ」
俺ならもっとこう、金を使って後ろから刺させる。
……そうだよ、王族の誰かと手を組めばいいじゃないか。一番手っ取り早いはずだ。
心の底から不思議に思っていると、リックが肩を竦めた。
「誰も裏切らんやろ。だってオリアス砦におるのは、セス司令に救われたやつばっかりやないか」
「オレも含めて恩義を感じていますからね。そんなことを考えるやつは、とっくに砦から離反していますよ。……後、暗殺は無理でしょ。誰がエルペルトさんの目を掻い潜るんです?」
あぁ、確かにその通りだ。改めて思ったが、俺は最初に最強のカードを手に入れている。エルペルトと出会えたことは、間違いなく1の目が出た証拠だろう。
シヤやジェイや砦の兵、ミスティにリックにエルフ、スカーレットとオリーブ。俺はたぶん、1を出し続けている。
なら、今回の出来事が悪い目だったとしても、きっとまたどうにかできるだろう。
一度大きく深呼吸をし、手を腰に当てた。
「よし、気楽に考えていこう。俺を殺したい理由も、そのうち分かるに違いない。……いつも通り、みんなで日常を取り戻すため、戦うとしよう。……でも、それでもダメなときは」
「ダメなときは?」
スカーレットの言葉に、笑って答えた。
「――みんなで逃げますかね」
俺の言葉に、仲間たちが笑ってくれる。
遠くから迫りくる波のような音。立ち上る砂煙。
開戦は、目の前だった。
最初に早馬を飛ばした。王都と、帰還中のファアル殿下にだ。運が良ければ、五日もすればファアル殿下が間に合うだろう。
「二日だ。二日守れば増援が辿り着く」
「ですがそれは、100人だけですよね? 王都からの増援が届くのは、二十日以上先になるでしょう。軍の派遣には時間がかかりますからね」
「いやぁ、そううまくはいかんのちゃうか? 攻め落とされたときを考え、万全の準備をしてから来るかもしれないやん」
ジェイの言っていることも、リックの言っていることもあり得る。
この砦を取られた場合、彼らはここを足掛かりに使うだろう。そうなれば、今度は逆に砦を落とさなければならない。砦を落とすのには、それ相応の準備が必要だった。
「……王都からの増援については考えないでいい」
「なぜですかね」
「ファアル殿下が来られれば、指揮権は移譲することになる。王都がどう動くかも、あの方ならば良く知っているはずだ」
パンッと後頭部を叩かれる。
誰もが唖然としている中、俺を叩いたのは想像通りの人物だった。
「なんでやる前から腰が引けてるのよ! 気合入れなさい!」
「い、いや、スカーレット。相手も考えての行動なはずだ。つまり、一日か二日で、オリアス砦を落とす準備が整っているんだよ」
「なら、相手の予想を上回って、二日でも十日でも守ってやればいいじゃない!」
「スカーレット、そこまでにしなさい」
エルペルトに止められたせいか、スカーレットは渋々と後ろに下がる。
しかし、彼女の言うことには一理ある。俺はやる前から、これはもう勝てないと諦めていた。いや、なんなら俺の首一つで済むのなら、それもアリなのかもしれないとすら薄っすら考えていた。
「よし、やるか」
「えぇ、そうですね。相手は万の大軍でしょうから、できる限りの準備をして――」
「全員返り討ちにし、二度とオリアス砦は攻めたくないと思わせてやろう」
他の者が今度は俺に唖然としている中、スカーレットは指を鳴らし、オリーブも真似をして滑った音を出していた。
現在、運の良いことに金はある。砦の補強に使える物は、いくらでも買って良いとカンミータの町へ向かった部隊に伝えてあった。
「で、わしらはどないするんや?」
「エルフたちはオリアス砦の外にある森に、可能な限り罠を仕掛けてくれ。あぁただし、道には手を加えないように」
「……砦を抜かれた後の対策か?」
不満そうなリックを見て、勘違いしているなと笑う。
「違う違う。ホライアス王国側の森だ」
「ホライアス王国側って……それは、領土を侵すことにならんか?」
「領土を侵そうとする相手に何を言ってるんだ。それに、俺たちが仕掛けたという証拠があるのか?」
「なるほど。ええやないか」
こうしてエルフたちは森へ罠を仕掛けに向かう。オリアス砦へ向かう街道は狭いため、相手は戦いづらくなるだろう。
兵たちは砦の補強を行っているが、魔法を使える者だけは別に集まってもらった。
「魔法で街道に穴を空けてくれ。ただし、相手が分からないように、適当に頼む」
「規則正しくやればバレるからですね。お任せを」
シヤに指揮を任せ、街道に落とし穴を複数作らせる。魔法はこういったときにとても便利だ。
しかし、エルフの一人が聞いてきた。
「底になんか仕掛けんでええのか?」
「あぁ、必要無い。前に本で読んだが、死人より怪我人を増やしたほうが効果的なこともあるらしい。一人の怪我人を世話するのに、何人かの人手を割く必要がある。……今回の戦いは、でき得る限り怪我人を増やし、相手を撤退せざる得ない状況にするのが目標だ」
「それなら、弓矢が得意なエルフたちの部隊も用意したほうがええな。敵の物資を燃やして逃げたほうがええやろ?」
とても良い案だが、それは難しいなと首を横に振る。
「森には罠を仕掛けてしまうからね。危険過ぎるから却下だ」
「……それは、うちらを舐め過ぎやで」
穴を作っていたはずのミスティは、こちらの話を聞いていたらしく近づいて来る。
どういうことかと首を傾げると、ミスティはVサインを作った。
「うちらはエルフ、森の民や! 自分らで作った罠に引っかかったりせぇへんし、どうしても心配なら、安全な罠の無いルートをいくつか用意するで! それならええやろ?」
確かにできそうだが、それでもリスクは高いだろう。
悩んでいると、エルペルトが言った。
「セス殿下、これは戦争です。リスクの無い行動なんて存在いたしません。大事なのは、どれだけリスクを減らし、より多くのリターンを得るかでしょう」
「……分かった、許可を出すよ。でも、絶対に犠牲を出してはならない。もし犠牲が出たら、たぶん、俺が悲しいから」
想像するだけで泣きそうになっていると、ミスティがなぜか笑顔を見せる。
「セスはんがそうやから、うちらもここを守りたいと本気で思えるんや! 任せてよ。うちらエルフは、必ず恩に報いてみせるで!」
顔を逸らし、コッソリ涙を拭う。
この件を隠蔽することは難しいかもしれないが、そのことについては後で考えることにしよう。
俺は、みんなを守りたい。誰も犠牲を出さず、ここを守りたい。そのためなら、敵を殺すことも厭わないと、静かに覚悟を決めた。
三日間、ただひたすらに準備に追われている。全員が思いつく限りの策を出し、可能だと判断すれば許可をする。そんなことを、寝る間も惜しんで続けた。
そのお陰もあってか、オリアス砦の周囲は罠だらけになっており、こちらもホライアス王国側には出たくないほどだ。……街道部分は少しだけ仕掛けていないので、表に出て戦うときは、そこの範囲内になるだろう。
壁の上から作業を見ていると、オリーブが言った。
「敵ハ、ドウシテ、セスヲ、殺シタイノ?」
「そりゃ……なんでだ?」
言われるまで考えもしなかったが、どうして俺を殺したいんだ?
悩んでいると、ポンッと背中を叩かれる。ジェイとリックだ。
「どうしたんです?」
「いや、色々と分からなくなってさ。ホライアス王国は、どうして俺を殺したいんだ? それと、どうしてこんなに面倒臭い方法で殺すんだ? 別に、刺客を送りまくってもいいわけだろ? なんなら、裏切るように誘導したっていいはずだ」
俺ならもっとこう、金を使って後ろから刺させる。
……そうだよ、王族の誰かと手を組めばいいじゃないか。一番手っ取り早いはずだ。
心の底から不思議に思っていると、リックが肩を竦めた。
「誰も裏切らんやろ。だってオリアス砦におるのは、セス司令に救われたやつばっかりやないか」
「オレも含めて恩義を感じていますからね。そんなことを考えるやつは、とっくに砦から離反していますよ。……後、暗殺は無理でしょ。誰がエルペルトさんの目を掻い潜るんです?」
あぁ、確かにその通りだ。改めて思ったが、俺は最初に最強のカードを手に入れている。エルペルトと出会えたことは、間違いなく1の目が出た証拠だろう。
シヤやジェイや砦の兵、ミスティにリックにエルフ、スカーレットとオリーブ。俺はたぶん、1を出し続けている。
なら、今回の出来事が悪い目だったとしても、きっとまたどうにかできるだろう。
一度大きく深呼吸をし、手を腰に当てた。
「よし、気楽に考えていこう。俺を殺したい理由も、そのうち分かるに違いない。……いつも通り、みんなで日常を取り戻すため、戦うとしよう。……でも、それでもダメなときは」
「ダメなときは?」
スカーレットの言葉に、笑って答えた。
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開戦は、目の前だった。
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