34 / 40
最終章 因縁に蹴りをつけること
31話 愚弟とバカな魔族を嵌める
しおりを挟む
数日後。全ての用意が整った状態で、ローランたちは命令に従い出陣していた。
すぐ後ろにはルウ・ル・クローゼーと、その配下である騎士団たち。魔族エンギーユの姿は見えない。
また同じ失敗をさせぬようにと、ルウたちは身近で見張る心づもりらしい。
しかし、そんなことは全て見透かされている。
元々、ローランが危惧していたのは、弟のルウやクローゼー家が誰と通じていたかである。他国に情報を流していると予想していたのだが、実際はそれ以上に悪い相手、魔族と通じていた。
協力者たちも、クローゼー家と何者かの繋がりを見つけることができず困っていたが、それが魔族だと分かってしまえば、どう動くのかを調べるのは難しくない。
どこに向かっているのか。どういった作戦なのか。
ルウは隠しているつもりだったが、ローランたちは全ての情報を得ていた。
主戦場では、魔王の幹部である六魔将が戦場に姿を現したと騒ぎになっている。ルウたちはそこから離れ、横を突く動きを取ろうとしていた。
六魔将と話が済んでおり、手傷を負わせるのか。はたまた、その副将辺りに深手を負わせるのか。ローランになにかしらの功績を積ませる謀略があることをすでに知っていた。
しばし進むと、崖際の開けた空間へ辿り着く。
ローランは足を止め、アリーヌに斥候を頼んだ。
「兄上。斥候などは必要ありませんよ」
「戦場では何が起きるか分からない。常に情報は必要だ」
「やれやれ。まぁ、いいですけどね」
敵などいないと知っていたルウがこの案を受けたのは、単純に自分が疲弊していたからだ。運動不足がたたり、彼の足はすでに痛みを訴えていた。
ルウは椅子へと腰掛け、休憩を始める。こういったときのために、配下に椅子を背負わせ、運ばせていた。
部下たちの怠慢もひどい。誰も周囲の警戒などはせず、ダラダラと井戸端会議をしている。
木々の奥でチカッとなにかが光った。それを合図に、ローランは行動を開始した。
「おい、ルウ」
「ルウ・ル・クローゼー様でしょ。何か用ですか? 今、休んでいるのが見て分かりません?」
「気が変わった。お前を拿捕して突き出す」
「……はぁ?」
ルウが驚くのも当然だろう。
今、この場にはローランとマーシーしかいない。戦力の要である、アリーヌは斥候として送り出してしまった。
対して、ルウは数十人の騎士を率いている。戦えば、どちらが勝つかなど考えるまでもない。
「頭でも打ったのですか? ……もしかして、あの小生意気な女と、そこの小姓に手を出そうとしたことに怒ったんですか? なにもしなかったんだからいいでしょう。素直に従ってください」
今は疲労を優先させたいと、事態を軽んじているルウに、ローランはハッキリと告げた。
「よく分かっているじゃないか。愚弟に仲間を傷つけられたことが許せない。兄として、その性根を叩き直してやろう」
「……あぁ、そうですか。エンギーユ!」
「あいよ、聞こえてたぜ」
崖上からエンギーユが姿を見せる。すでに上空へ水の魔法を展開しており、いつでも打ち下ろせる状態となっていた。
「とりあえず、元聖女の手足を一本ずつ」
「――バカが」
ローランが手を上げると同時に、エンギーユの姿が炎に包まれた。
崖上には事前に仕掛けられた魔法陣により、炎の球体による結界が生じていた。
エンギーユは呆れた様子で言う。
「おいおい、あの女に結界を張らせたのはいいが、相性差を忘れたのか? それに、維持したままオレに勝てるとでも?」
「それはそう。1対1で勝つのは難しいと思う」
炎の球体の中へ、姿を現したのはアリーヌ。
その両方の手には、すでに魔剣が握られていた。
「じゃあ、時間稼ぎってわけか。お前が死ぬより早く、弟を捕えようってか? たった2人で? 無理だろ! ギャハハハハハハハハッ!」
エンギーユが腹を抱えて笑っていると、そこへ数本の炎の槍が襲い掛かった。
しかし、エンギーユが手を振れば水の魔法が生じ、全ての攻撃を霧散させる。
「面倒だからもう殺すぜ」
意趣返しのつもりだろう。エンギーユは無数の水の槍を展開させる。
だが、それはすぐに霧散した。
「……あ?」
なにが起きたのか分かっておらず、エンギーユは目を瞬かせる。
アリーヌの後ろには、いつの間にか1人の男が立っていた。
「前もって言った通りだが、私は援護しかできない。しかし、特殊な結界で君の力は増幅されている。あの程度の相手ならばどうにかなるな?」
「クルト・エドゥーラ? てめぇ、死んだはずじゃ……」
エンギーユの顔に焦りが浮かぶ。
クルトの実力は一等級冒険者に比類する。そして、アリーヌ・アルヌールは言うまでもなく一等級冒険者。一等級冒険者が2人となれば、必然的にエンギーユの勝算も低くなる。
しかし、まだ2人だ。悪く見ても五分と判断したのだろう。エンギーユは水の魔法を展開させるべく、魔力を練り始めた。
「……?」
エンギーユは困惑の表情を浮かべた。なぜか、うまく魔力が練れない。
その理由を理解している唯一の人物であるアリーヌは、まず右手の魔剣を掲げた。
「炎の魔剣イグニス」
刀身に赤い紋の入っているイグニスは、その名の通りに持ち主の炎の力を強化する。効果の強さに差はあるが、決して珍しい効果ではない。
問題はもう一本だ。
アリーヌは左手の魔剣を掲げる。
「魔剣ラアナ」
漆黒の剣には、対象とした相手の魔力を吸収し、自身の力へと変換するだけでなく、その魔力をかき乱すという強力な効果があった。
直接効果を受けているエンギーユは、自身の魔力を奪われていることに気づいている。だが、エンギーユが驚いているのは、なによりもその効果だ。
相手の魔力を乱し、吸収する。それは、先代の魔王の使っていた、冥の魔剣マレディクシオンに備わっていた力の一つであった。
「あり得ねぇ! なんで人間に、その剣が使えやがる!」
アリーヌは目を瞬かせた。その焦りも、意味も、理解できていないからである。
彼女にとって、これは物心ついたときから所持していた魔剣だ。他の誰にでも使えると思っているし、だからこそ1度はローランに預けていたこともあった。
だから、分からない。分からないから、彼女は気にしないことにした。
「さ、やろっか。魔剣は解放したし、1人じゃ勝てないから2人にした。準備は整ったからね」
「質問に答えやがれ!」
「そんなこと言われても、知らないもんは分からないでしょ。正直、どうでもいいし」
エンギーユは唖然としていたが、彼女の言葉に嘘はない。
今、彼女の胸の内にあるのは、「君にしか頼めない」とローランに言われたこと。
強さを信じ、準備を整え、任せてもらったのだ。エンギーユを打倒すること以外の全てが、今の彼女にとっては雑音だった。
もう不甲斐ない姿は見せない。その期待に応えてみせる。
アリーヌは決意を2本の魔剣に籠め、魔族エンギーユとの戦闘を開始した。
すぐ後ろにはルウ・ル・クローゼーと、その配下である騎士団たち。魔族エンギーユの姿は見えない。
また同じ失敗をさせぬようにと、ルウたちは身近で見張る心づもりらしい。
しかし、そんなことは全て見透かされている。
元々、ローランが危惧していたのは、弟のルウやクローゼー家が誰と通じていたかである。他国に情報を流していると予想していたのだが、実際はそれ以上に悪い相手、魔族と通じていた。
協力者たちも、クローゼー家と何者かの繋がりを見つけることができず困っていたが、それが魔族だと分かってしまえば、どう動くのかを調べるのは難しくない。
どこに向かっているのか。どういった作戦なのか。
ルウは隠しているつもりだったが、ローランたちは全ての情報を得ていた。
主戦場では、魔王の幹部である六魔将が戦場に姿を現したと騒ぎになっている。ルウたちはそこから離れ、横を突く動きを取ろうとしていた。
六魔将と話が済んでおり、手傷を負わせるのか。はたまた、その副将辺りに深手を負わせるのか。ローランになにかしらの功績を積ませる謀略があることをすでに知っていた。
しばし進むと、崖際の開けた空間へ辿り着く。
ローランは足を止め、アリーヌに斥候を頼んだ。
「兄上。斥候などは必要ありませんよ」
「戦場では何が起きるか分からない。常に情報は必要だ」
「やれやれ。まぁ、いいですけどね」
敵などいないと知っていたルウがこの案を受けたのは、単純に自分が疲弊していたからだ。運動不足がたたり、彼の足はすでに痛みを訴えていた。
ルウは椅子へと腰掛け、休憩を始める。こういったときのために、配下に椅子を背負わせ、運ばせていた。
部下たちの怠慢もひどい。誰も周囲の警戒などはせず、ダラダラと井戸端会議をしている。
木々の奥でチカッとなにかが光った。それを合図に、ローランは行動を開始した。
「おい、ルウ」
「ルウ・ル・クローゼー様でしょ。何か用ですか? 今、休んでいるのが見て分かりません?」
「気が変わった。お前を拿捕して突き出す」
「……はぁ?」
ルウが驚くのも当然だろう。
今、この場にはローランとマーシーしかいない。戦力の要である、アリーヌは斥候として送り出してしまった。
対して、ルウは数十人の騎士を率いている。戦えば、どちらが勝つかなど考えるまでもない。
「頭でも打ったのですか? ……もしかして、あの小生意気な女と、そこの小姓に手を出そうとしたことに怒ったんですか? なにもしなかったんだからいいでしょう。素直に従ってください」
今は疲労を優先させたいと、事態を軽んじているルウに、ローランはハッキリと告げた。
「よく分かっているじゃないか。愚弟に仲間を傷つけられたことが許せない。兄として、その性根を叩き直してやろう」
「……あぁ、そうですか。エンギーユ!」
「あいよ、聞こえてたぜ」
崖上からエンギーユが姿を見せる。すでに上空へ水の魔法を展開しており、いつでも打ち下ろせる状態となっていた。
「とりあえず、元聖女の手足を一本ずつ」
「――バカが」
ローランが手を上げると同時に、エンギーユの姿が炎に包まれた。
崖上には事前に仕掛けられた魔法陣により、炎の球体による結界が生じていた。
エンギーユは呆れた様子で言う。
「おいおい、あの女に結界を張らせたのはいいが、相性差を忘れたのか? それに、維持したままオレに勝てるとでも?」
「それはそう。1対1で勝つのは難しいと思う」
炎の球体の中へ、姿を現したのはアリーヌ。
その両方の手には、すでに魔剣が握られていた。
「じゃあ、時間稼ぎってわけか。お前が死ぬより早く、弟を捕えようってか? たった2人で? 無理だろ! ギャハハハハハハハハッ!」
エンギーユが腹を抱えて笑っていると、そこへ数本の炎の槍が襲い掛かった。
しかし、エンギーユが手を振れば水の魔法が生じ、全ての攻撃を霧散させる。
「面倒だからもう殺すぜ」
意趣返しのつもりだろう。エンギーユは無数の水の槍を展開させる。
だが、それはすぐに霧散した。
「……あ?」
なにが起きたのか分かっておらず、エンギーユは目を瞬かせる。
アリーヌの後ろには、いつの間にか1人の男が立っていた。
「前もって言った通りだが、私は援護しかできない。しかし、特殊な結界で君の力は増幅されている。あの程度の相手ならばどうにかなるな?」
「クルト・エドゥーラ? てめぇ、死んだはずじゃ……」
エンギーユの顔に焦りが浮かぶ。
クルトの実力は一等級冒険者に比類する。そして、アリーヌ・アルヌールは言うまでもなく一等級冒険者。一等級冒険者が2人となれば、必然的にエンギーユの勝算も低くなる。
しかし、まだ2人だ。悪く見ても五分と判断したのだろう。エンギーユは水の魔法を展開させるべく、魔力を練り始めた。
「……?」
エンギーユは困惑の表情を浮かべた。なぜか、うまく魔力が練れない。
その理由を理解している唯一の人物であるアリーヌは、まず右手の魔剣を掲げた。
「炎の魔剣イグニス」
刀身に赤い紋の入っているイグニスは、その名の通りに持ち主の炎の力を強化する。効果の強さに差はあるが、決して珍しい効果ではない。
問題はもう一本だ。
アリーヌは左手の魔剣を掲げる。
「魔剣ラアナ」
漆黒の剣には、対象とした相手の魔力を吸収し、自身の力へと変換するだけでなく、その魔力をかき乱すという強力な効果があった。
直接効果を受けているエンギーユは、自身の魔力を奪われていることに気づいている。だが、エンギーユが驚いているのは、なによりもその効果だ。
相手の魔力を乱し、吸収する。それは、先代の魔王の使っていた、冥の魔剣マレディクシオンに備わっていた力の一つであった。
「あり得ねぇ! なんで人間に、その剣が使えやがる!」
アリーヌは目を瞬かせた。その焦りも、意味も、理解できていないからである。
彼女にとって、これは物心ついたときから所持していた魔剣だ。他の誰にでも使えると思っているし、だからこそ1度はローランに預けていたこともあった。
だから、分からない。分からないから、彼女は気にしないことにした。
「さ、やろっか。魔剣は解放したし、1人じゃ勝てないから2人にした。準備は整ったからね」
「質問に答えやがれ!」
「そんなこと言われても、知らないもんは分からないでしょ。正直、どうでもいいし」
エンギーユは唖然としていたが、彼女の言葉に嘘はない。
今、彼女の胸の内にあるのは、「君にしか頼めない」とローランに言われたこと。
強さを信じ、準備を整え、任せてもらったのだ。エンギーユを打倒すること以外の全てが、今の彼女にとっては雑音だった。
もう不甲斐ない姿は見せない。その期待に応えてみせる。
アリーヌは決意を2本の魔剣に籠め、魔族エンギーユとの戦闘を開始した。
11
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる