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第一章
4-8 ――勇者になりたい
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この右目は、恐らく魔王の右目なのだろう。それがどうして俺の右目へ入り込んだのかは分からないが、ベーヴェはそれを欲していた。
渡すわけにはいかない。もし渡せば、強い魔族がまた一人増えてしまう。
息を整える余裕もないまま、枯れた声で言った。
「ことわ――」
「……今、そんな状況じゃないでしょ!?」
俯きながら叫んだ勇者様の目には涙が溜まっており、今にも零れ落ちそうになっていた。
ベーヴェは少し困った顔で答える。
「あのですね」
「なにも聞きたくない! ……この惨状を見て、あなたはなにも思わないの!?」
勇者様が見ろと、辺りへ手を振る。俺も、ベーヴェも。言われるがままに、周囲を見回した。
ほぼ半壊としか言いようがない町並み。恐らく三割から四割ほどの建物が失われただろう。そして、同じくらい人の命も。
彼女は胸を痛めている。辛いと、悲しいと、全面に出している。
だが、そんな勇者様相手に、ベーヴェは頬を掻き、苦笑いを浮かべながら言った。
「たったこれだけの被害で、魔貴族の一人を打ち取ったんですよ? 勲章ものの功績。流石は勇者、と称賛されると思いますが?」
「ふざけないで!」
「……ふざけていませんよ。ねぇ、ラックスさん。あなたもそう思うでしょ?」
腹立たしいことに、今回の件に関してはベーヴェが正しい。
しかし、魔族に同意することなどもしたくない。よって俺はなにも答えられず、俯くしかなかった。
情けなくも良い言葉が浮かばない俺に対し、悲し気な声が掛けられる。
「こんなに、こんなにたくさんの建物が壊れて。こんなにたくさんの人が死んで。……それでも、これは素晴らしいことで、胸を張って伝えられる功績だと言うの?」
「えぇ、そうですよ」
ベーヴェが答え、俺は無言で俯いたままだ。
しかし、それを勇者様は肯定と取ったのだろう。嗚咽混じりに聞いた。
「わたしが、もっと強かったら、被害は、出なかった、の?」
「……いいえ、それでも被害は出ました」
嘘を吐くべきではないと、正直に答える。
「わたしが、もっともっと強かったら! こんな惨状は引き起こさなかったの!?」
「……被害が減ったかもしれません。ですが、それでも建物は壊れ、人は死んだでしょう」
あぁ、やっと分かった。
俺はきっと今、この少女を帰らせてあげるべきなんだ。
震えている小さな背を押し、元の世界へ。それがきっと、俺にできる最後のことだ。
……しかし、勇者様はさらに続けた。
「わたしが! 一撃でオルベリアを倒せるくらい強かったら! なにも壊れず! 誰も死ななかったの!?」
「それ、は……」
俺は、彼女が帰りたいのだと思った。だから、帰る理由をつけたいのだと、勝手に決めつけていた。
だが、それは違う。
彼女は空を仰ぎ見たまま、涙を流しながらも目に光を宿し、口を歪めながらも、決意の籠った言葉を絞り出していた。
下唇を噛み、拳を握る。俺は、正しく彼女に告げた。
「その通りです。勇者様がそれほどまでに強かったら、なんの被害も出ず、死者は一人も出ませんでした。しかし、それは勇者様の責任ではなく――」
「やめて!」
最後に伝えようとしていたことは、余計な言葉だと分かっていた。だが、それでも言わせて欲しかった。あなたが悪いわけではない、と。
勇者様は流れる涙を拭うこともせず、空を流れる雲を見たまま口を開いた。
「――たい」
なんと言ったのかは分からなかった。だが、なんと言いたかったのかは伝わっており、無言のまま勇者様を見続ける。
「――なりたい」
たぶん、自分は立ち会っているのだろう。その瞬間に。
決意を見届ける立ち合い人として、一字一句を聞き逃さぬよう、静かに耳を傾ける。
そして彼女は、その一言を口にした。
「――わたしは、勇者になりたい」
俺は、途中で彼女は帰ると思っていた。それが当たり前で、自然なことだと疑わなかった。だって、そうだろう? 彼女が心を擦り減らしながら旅をしていたことは、見るだけで分かっていたから。
しかし、間違っていたようだ。
彼女は想像よりも遥かに強く、誰よりも勇者に相応しい魂を備えていた。
俺は、ボロボロと涙を流しながら、勇者様を見続ける。絵師に頼み、この一瞬を永遠に残してもらいたい。それほどまでに感動していた。
だが、空気を読まずに、余計なやつが割って入る。ベーヴェだ。
パチパチと拍手をしながら、ベーヴェは言った。
「その決意、本物と見ました。……ならば、話は別です」
「……やるって言うの?」
二人は睨み合っていたが、俺はすぐに移動して勇者様の前に立った。後ろから、小声で勇者様が言う。
「この状況、勝ち目は低いは。なんとしても逃げ切りましょう」
冷静なご判断です、勇者様!
勝ち目など万に一つも無い。オルベリアのときは、まだ手札が有った。……今は無い。俺たちには、なにも残っていない。
オルベリアは油断していた、俺たちを雑魚だと侮っていた。だが、ベーヴェはどうだ? その眼光の鋭さからも分かる通り、油断など一欠けらも感じられない。
どう逃げるか。それを必死に考えていると、ベーヴェが胡散臭い笑みを浮かべて言った。
「協定を結びましょう」
「は?」
「今よ! 《サンドストーム》!」
勇者様の放った砂粒が、ベーヴェの顔へ直撃する。そして逃げようとしていたのだが……ピタリと足を止めた。ちなみに俺は呆然と立ち尽くしているままだ。
ベーヴェが顔の砂を払い――やはり無傷だ――、勇者様が困惑した表情で戻って来る。
「……とりあえず、今のは無しでいい? ごめんなさい、謝罪するわ」
「もちろん大丈夫ですよ。あんなことで怒ったりはしません。全然怒っていません。安心してくださいね、お二人とも。とりあえず右目寄越せや」
笑顔のまま、ベーヴェは怒っていた。怒らないと言っていたのに嘘つきだ。いや、怒って当然だと思うが、怒らないと言ったじゃないか。
しかし、右目を渡せるはずなどが無い。ベーヴェに力をつけさせた瞬間、こちらが殺される可能性だってある。
身構えていたのだが、勇者様が眉根を寄せながら聞いた。
「あなた、なにを考えているの? だって、右目を奪うことなら簡単にできるわよね? わたしたちを殺して、抉り取ればお終いだもの」
「……まぁ、気付きますよね」
も、もちろん俺も気付いていた。だから、よし話したまえと言った感じに、顎で続きを促す。勇者様もベーヴェも、当然か、と言わんばかりの目をしていたので、心が痛かった。
「大した話じゃありません。自分は魔王ウィズヴィースの体を集めたい。魔貴族たちへ復讐したい。……しかし、一人では難しい。そこで、同じ志を持った二人に協力を求めたわけです」
「話がうますぎるわ。裏切らない保証もない」
「そこは信じてもらうしかないですね。ですが、二人で魔貴族を倒せますか? オルベリアの実力は、魔貴族でも下位。もっと強いやつらがうじゃうじゃいますよ?」
たぶん、それは嘘じゃないだろう。魔王がもっと強かったのだから、それに近い実力者もいたはず。そう考えれば、オルベリアより強いやつがいるのは、想像に容易い。
悪くない提案、か? どちらにしろ勇者様の判断次第だと思っていたのだが、彼女は顎に手を当て、とても難しい顔をしていた。
「どうも難色を示していますね」
「そもそも、あなたはどうして生きているの? そして、ラックスさんの右目を渡すつもりはないわ」
「魔王の右目です」
「今はラックスさんの右目よ」
睨み合う二人。一人静かに佇む平兵士。
程なくして、ベーヴェが根負けしたように肩を竦めた。
「自分はこう見えて、不死に近い体をしています。魔王と同じく、純血に近い魔族です。そして、魔王の右目についてですが」
「ラックスさんの右目ね」
「……その右目については、代替品を用意するので、その後に自分へ譲る、ということでどうでしょうか? これならば、ラックスさんも右目を失わずに済みます」
目を瞑り、勇者様が考え出す。……少し経ってから彼女は目を開き、俺を見た。
「ラックスさんはどう思う?」
「……ベーヴェは信用できませんが、力尽くで奪おうとしてこなかったことから、ある種の信用はおけるのでは、と思っています」
「同感ね。分かった、その条件を飲むわ」
「それはなによりです。ではこれより自分たちは仲間ということで――」
「――そやつの言ってることは嘘だ」
どこかで聞いたことのある声。すぐ近くから、妖精さんの……違う、そうではない。
本来繋がっているべきものが、正しく繋がった。そんな感覚の中、自分の右肩へ目を向ける。
そこには、背に黒い翼の生えている、全身黒い服装の、銀髪紫眼の少女がいた。サイズは手の平に乗るくらいだ。
彼女を見て、ベーヴェが目を瞬かせる。勇者様も同じく唖然としていた。
「ふむ、ようやく繋がったか。右目を手に入れたお陰、というところだな」
一人納得した様子の少女の名を、俺は口にする。
「……エル」
少女は、エルはニンマリと笑った。
渡すわけにはいかない。もし渡せば、強い魔族がまた一人増えてしまう。
息を整える余裕もないまま、枯れた声で言った。
「ことわ――」
「……今、そんな状況じゃないでしょ!?」
俯きながら叫んだ勇者様の目には涙が溜まっており、今にも零れ落ちそうになっていた。
ベーヴェは少し困った顔で答える。
「あのですね」
「なにも聞きたくない! ……この惨状を見て、あなたはなにも思わないの!?」
勇者様が見ろと、辺りへ手を振る。俺も、ベーヴェも。言われるがままに、周囲を見回した。
ほぼ半壊としか言いようがない町並み。恐らく三割から四割ほどの建物が失われただろう。そして、同じくらい人の命も。
彼女は胸を痛めている。辛いと、悲しいと、全面に出している。
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「たったこれだけの被害で、魔貴族の一人を打ち取ったんですよ? 勲章ものの功績。流石は勇者、と称賛されると思いますが?」
「ふざけないで!」
「……ふざけていませんよ。ねぇ、ラックスさん。あなたもそう思うでしょ?」
腹立たしいことに、今回の件に関してはベーヴェが正しい。
しかし、魔族に同意することなどもしたくない。よって俺はなにも答えられず、俯くしかなかった。
情けなくも良い言葉が浮かばない俺に対し、悲し気な声が掛けられる。
「こんなに、こんなにたくさんの建物が壊れて。こんなにたくさんの人が死んで。……それでも、これは素晴らしいことで、胸を張って伝えられる功績だと言うの?」
「えぇ、そうですよ」
ベーヴェが答え、俺は無言で俯いたままだ。
しかし、それを勇者様は肯定と取ったのだろう。嗚咽混じりに聞いた。
「わたしが、もっと強かったら、被害は、出なかった、の?」
「……いいえ、それでも被害は出ました」
嘘を吐くべきではないと、正直に答える。
「わたしが、もっともっと強かったら! こんな惨状は引き起こさなかったの!?」
「……被害が減ったかもしれません。ですが、それでも建物は壊れ、人は死んだでしょう」
あぁ、やっと分かった。
俺はきっと今、この少女を帰らせてあげるべきなんだ。
震えている小さな背を押し、元の世界へ。それがきっと、俺にできる最後のことだ。
……しかし、勇者様はさらに続けた。
「わたしが! 一撃でオルベリアを倒せるくらい強かったら! なにも壊れず! 誰も死ななかったの!?」
「それ、は……」
俺は、彼女が帰りたいのだと思った。だから、帰る理由をつけたいのだと、勝手に決めつけていた。
だが、それは違う。
彼女は空を仰ぎ見たまま、涙を流しながらも目に光を宿し、口を歪めながらも、決意の籠った言葉を絞り出していた。
下唇を噛み、拳を握る。俺は、正しく彼女に告げた。
「その通りです。勇者様がそれほどまでに強かったら、なんの被害も出ず、死者は一人も出ませんでした。しかし、それは勇者様の責任ではなく――」
「やめて!」
最後に伝えようとしていたことは、余計な言葉だと分かっていた。だが、それでも言わせて欲しかった。あなたが悪いわけではない、と。
勇者様は流れる涙を拭うこともせず、空を流れる雲を見たまま口を開いた。
「――たい」
なんと言ったのかは分からなかった。だが、なんと言いたかったのかは伝わっており、無言のまま勇者様を見続ける。
「――なりたい」
たぶん、自分は立ち会っているのだろう。その瞬間に。
決意を見届ける立ち合い人として、一字一句を聞き逃さぬよう、静かに耳を傾ける。
そして彼女は、その一言を口にした。
「――わたしは、勇者になりたい」
俺は、途中で彼女は帰ると思っていた。それが当たり前で、自然なことだと疑わなかった。だって、そうだろう? 彼女が心を擦り減らしながら旅をしていたことは、見るだけで分かっていたから。
しかし、間違っていたようだ。
彼女は想像よりも遥かに強く、誰よりも勇者に相応しい魂を備えていた。
俺は、ボロボロと涙を流しながら、勇者様を見続ける。絵師に頼み、この一瞬を永遠に残してもらいたい。それほどまでに感動していた。
だが、空気を読まずに、余計なやつが割って入る。ベーヴェだ。
パチパチと拍手をしながら、ベーヴェは言った。
「その決意、本物と見ました。……ならば、話は別です」
「……やるって言うの?」
二人は睨み合っていたが、俺はすぐに移動して勇者様の前に立った。後ろから、小声で勇者様が言う。
「この状況、勝ち目は低いは。なんとしても逃げ切りましょう」
冷静なご判断です、勇者様!
勝ち目など万に一つも無い。オルベリアのときは、まだ手札が有った。……今は無い。俺たちには、なにも残っていない。
オルベリアは油断していた、俺たちを雑魚だと侮っていた。だが、ベーヴェはどうだ? その眼光の鋭さからも分かる通り、油断など一欠けらも感じられない。
どう逃げるか。それを必死に考えていると、ベーヴェが胡散臭い笑みを浮かべて言った。
「協定を結びましょう」
「は?」
「今よ! 《サンドストーム》!」
勇者様の放った砂粒が、ベーヴェの顔へ直撃する。そして逃げようとしていたのだが……ピタリと足を止めた。ちなみに俺は呆然と立ち尽くしているままだ。
ベーヴェが顔の砂を払い――やはり無傷だ――、勇者様が困惑した表情で戻って来る。
「……とりあえず、今のは無しでいい? ごめんなさい、謝罪するわ」
「もちろん大丈夫ですよ。あんなことで怒ったりはしません。全然怒っていません。安心してくださいね、お二人とも。とりあえず右目寄越せや」
笑顔のまま、ベーヴェは怒っていた。怒らないと言っていたのに嘘つきだ。いや、怒って当然だと思うが、怒らないと言ったじゃないか。
しかし、右目を渡せるはずなどが無い。ベーヴェに力をつけさせた瞬間、こちらが殺される可能性だってある。
身構えていたのだが、勇者様が眉根を寄せながら聞いた。
「あなた、なにを考えているの? だって、右目を奪うことなら簡単にできるわよね? わたしたちを殺して、抉り取ればお終いだもの」
「……まぁ、気付きますよね」
も、もちろん俺も気付いていた。だから、よし話したまえと言った感じに、顎で続きを促す。勇者様もベーヴェも、当然か、と言わんばかりの目をしていたので、心が痛かった。
「大した話じゃありません。自分は魔王ウィズヴィースの体を集めたい。魔貴族たちへ復讐したい。……しかし、一人では難しい。そこで、同じ志を持った二人に協力を求めたわけです」
「話がうますぎるわ。裏切らない保証もない」
「そこは信じてもらうしかないですね。ですが、二人で魔貴族を倒せますか? オルベリアの実力は、魔貴族でも下位。もっと強いやつらがうじゃうじゃいますよ?」
たぶん、それは嘘じゃないだろう。魔王がもっと強かったのだから、それに近い実力者もいたはず。そう考えれば、オルベリアより強いやつがいるのは、想像に容易い。
悪くない提案、か? どちらにしろ勇者様の判断次第だと思っていたのだが、彼女は顎に手を当て、とても難しい顔をしていた。
「どうも難色を示していますね」
「そもそも、あなたはどうして生きているの? そして、ラックスさんの右目を渡すつもりはないわ」
「魔王の右目です」
「今はラックスさんの右目よ」
睨み合う二人。一人静かに佇む平兵士。
程なくして、ベーヴェが根負けしたように肩を竦めた。
「自分はこう見えて、不死に近い体をしています。魔王と同じく、純血に近い魔族です。そして、魔王の右目についてですが」
「ラックスさんの右目ね」
「……その右目については、代替品を用意するので、その後に自分へ譲る、ということでどうでしょうか? これならば、ラックスさんも右目を失わずに済みます」
目を瞑り、勇者様が考え出す。……少し経ってから彼女は目を開き、俺を見た。
「ラックスさんはどう思う?」
「……ベーヴェは信用できませんが、力尽くで奪おうとしてこなかったことから、ある種の信用はおけるのでは、と思っています」
「同感ね。分かった、その条件を飲むわ」
「それはなによりです。ではこれより自分たちは仲間ということで――」
「――そやつの言ってることは嘘だ」
どこかで聞いたことのある声。すぐ近くから、妖精さんの……違う、そうではない。
本来繋がっているべきものが、正しく繋がった。そんな感覚の中、自分の右肩へ目を向ける。
そこには、背に黒い翼の生えている、全身黒い服装の、銀髪紫眼の少女がいた。サイズは手の平に乗るくらいだ。
彼女を見て、ベーヴェが目を瞬かせる。勇者様も同じく唖然としていた。
「ふむ、ようやく繋がったか。右目を手に入れたお陰、というところだな」
一人納得した様子の少女の名を、俺は口にする。
「……エル」
少女は、エルはニンマリと笑った。
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