74 / 122
第2章
第74話 今日は、レテフとデート
しおりを挟む
今日はレテフとのデートの日。
理由は簡単、先日のミュクシーとの戦いの後、約束した。
一度だけ、一緒にデートをしようと。
「お願い、一度だけ、いい?」
レテフの願いに戸惑ってしまう。しかし、彼女も親友のために頑張って戦っていたのは知っている。だから、たまにはかレテフの夢、かなえてあげよう。
そう思い、返事をする。
「いいよ」
「あ、ありがとう……」
レテフは顔を真っ赤にして返事をした。まるで女神のような、ほんのりとした微笑。
よほど嬉しいんだろうな。
そしてデートの日。
待ち合わせの公園に行くと、レテフはすでにいた。
「お待たせ。待った?」
「ううん。私も今着いたばかりよ」
言葉を返してきたレテフの姿の、俺は驚く。
純白でフリフリのミニスカートに、水色のワンピース。
センスを感じるかわいらしい服装だ。
黒髪なことも相まって、おしとやかなお姫様という印象だ。意外な彼女の一面を見たような気がする。
そんなレテフの姿に思わず見とれていると、レテフがほんのりと顔を赤くして照れてしまう。
「アグナム。なにをそんなにじろじろ見ているの? ひょっとして私の顔に何かついてるの?」
「ち、違うよ。レテフの服がとてもに合っているなって。綺麗で、おしとやかで意外な一面で素敵だと思って──。見とれちゃってさ」
俺が苦笑いをすると、レテフは顔を真っ赤にして、手をあわあわと振り始めた。
「み、見とれちゃった? じょ、冗談言わないでよ」
「冗談なんかじゃないよ。本気で思ってるよ。かわいくて、きれいだよ、レテフ。本当に、素敵だと思う」
その言葉に、レテフは黙りこくってうつむいてしまう。ちょっと照れちゃってるみたいだね。ちょこんとし始め、静かにつぶやく。
「アグナム。ありがとう」
喜んでくれたみたいだ。良かった。そろそろどこかに行こうか。
そしてどこかに行こうと移動しようとすると──。
バサッ──。
俺の足元からそんな音がする。
そして以前にも体験した、太もものあたりがスース―する感覚。まさか──。
俺は足元に視線を向ける。予想通りだ。
俺のスカートが、真上にめくれあがっているのだ。
いわゆるスカートめくりというやつだ。
「今日は純白のパンツね。素敵よ、私のアグナムにぴったりだと思うわ」
レテフ、やっぱり成長していない……。呆れてため息をつく。
ピキピキと、にこやかに、殺気交じりの笑顔で話しかける。
「レテフさん。何をやっているのかな?」
ポキポキと拳を鳴らしながら──。レテフは、目をきらりと輝かせ、自信満々に言葉を返す。
「私のアグナムが、ちゃんとパンツをはいているか確認しているのよ。気遣いってやつよ」
「それで、俺のパンツを見た感想は?」
「純白のパンツなんて素敵で私好みだわ。これからも私のおかず、じゃなかった。アグナムにぴったりのパンツだっと思うわ」
──正直でよろしい。とりあえず、レテフにご褒美を与えなきゃな。
そして俺は拳を強く握り……。
「ありがとう、じゃあレテフにご褒美を与えなきゃね……」
「ご、ご褒美? ハグかしら、それとも大人のキスかしら? もしかして、あんなことやこんなことをするのかしら!?」
「これがご褒美だー!」
そして俺は思いっきりレテフの頭にげんこつをお見舞いする。
レテフは、そのままふらふらした後、ばたりと倒れこむ。
全く、ちょっと褒めるとすぐこれだ。
まあ、今日はレテフのための日だ。ちょっとくらい優しくしてもいいか
「ほら、今日はデートでしょ。街に行こう」
俺は倒れこんでいるレテフにそっと手を差し出す。レテフは顔を赤くしながらその手をぎゅっと握る。
そして俺たちは街へ繰り出す。
レテフと一緒に向かっていったのは、この街の商業施設でも多くの店が立ち並んでいる一角となっている地域。
小さくたたずんでいる、高級感のある佇まいの店。
「ここよ。たまに私が利用している店よ」
そしてドアを開けると、チリンチリンと鈴の音が鳴る。おしゃれな店だというのがよくわかる。
店の奥から、店主らしき人が出てくる。ふくよかなおばさんだ。
「いらっしゃい。ああ──レテフちゃんね」
店の中に漂う不思議なにおい。花のような、果物のようないいにおいが充満している。
棚を見ると、カラフルな小さめのガラス瓶が所狭しと並んでいて、その器だけでも高級そうな外見をしていた。
「この店ってもしかして──」
「主に小物類とかを扱っている店よ。センスがあって、おしゃれで、素敵でしょう?」
「確かに、かわいいね」
その言葉の通り、小物類やお皿、アクセサリーなどを取り扱っているが、その一つ一つがかわいらしいデザインをしていたり、綺麗な模様などがデザインされたりしている。
ウサギや猫のアクセサリーや、綺麗な模様をした皿とか。
俺がその商品たちを眺めていると、レテフがツンツンと肩をたたいてくる。
「こっちよ。紹介したいのは」
レテフは、棚にあった小瓶の一つを取り出し、ふたを開けた。そこから漂う甘い匂いから、それが何なのか俺は理解した。
「これ、香水だよね──」
レテフがフッと微笑を浮かべ、「うん」と言葉を返す。
「ほら、戦いや、トレーニングなんかでよく汗かくでしょ! そういう時に役立つわ」
「へ、へぇ……」
「乙女のたしなみってやつよ。お出かけするときや、あなたと一緒にいるときなんかによく使っていたわ」
「そうだったんだ──」
今まで気づかなかった。もっと、彼女のことを見てあげなきゃな。女の子って、結構大変なんだな。こういう気づかいとかもしなきゃいけないのか。
彼女の気遣いに感心する。同時に、レテフの香水が気になってそばによりクンクンとにおいをかぐ。
理由は簡単、先日のミュクシーとの戦いの後、約束した。
一度だけ、一緒にデートをしようと。
「お願い、一度だけ、いい?」
レテフの願いに戸惑ってしまう。しかし、彼女も親友のために頑張って戦っていたのは知っている。だから、たまにはかレテフの夢、かなえてあげよう。
そう思い、返事をする。
「いいよ」
「あ、ありがとう……」
レテフは顔を真っ赤にして返事をした。まるで女神のような、ほんのりとした微笑。
よほど嬉しいんだろうな。
そしてデートの日。
待ち合わせの公園に行くと、レテフはすでにいた。
「お待たせ。待った?」
「ううん。私も今着いたばかりよ」
言葉を返してきたレテフの姿の、俺は驚く。
純白でフリフリのミニスカートに、水色のワンピース。
センスを感じるかわいらしい服装だ。
黒髪なことも相まって、おしとやかなお姫様という印象だ。意外な彼女の一面を見たような気がする。
そんなレテフの姿に思わず見とれていると、レテフがほんのりと顔を赤くして照れてしまう。
「アグナム。なにをそんなにじろじろ見ているの? ひょっとして私の顔に何かついてるの?」
「ち、違うよ。レテフの服がとてもに合っているなって。綺麗で、おしとやかで意外な一面で素敵だと思って──。見とれちゃってさ」
俺が苦笑いをすると、レテフは顔を真っ赤にして、手をあわあわと振り始めた。
「み、見とれちゃった? じょ、冗談言わないでよ」
「冗談なんかじゃないよ。本気で思ってるよ。かわいくて、きれいだよ、レテフ。本当に、素敵だと思う」
その言葉に、レテフは黙りこくってうつむいてしまう。ちょっと照れちゃってるみたいだね。ちょこんとし始め、静かにつぶやく。
「アグナム。ありがとう」
喜んでくれたみたいだ。良かった。そろそろどこかに行こうか。
そしてどこかに行こうと移動しようとすると──。
バサッ──。
俺の足元からそんな音がする。
そして以前にも体験した、太もものあたりがスース―する感覚。まさか──。
俺は足元に視線を向ける。予想通りだ。
俺のスカートが、真上にめくれあがっているのだ。
いわゆるスカートめくりというやつだ。
「今日は純白のパンツね。素敵よ、私のアグナムにぴったりだと思うわ」
レテフ、やっぱり成長していない……。呆れてため息をつく。
ピキピキと、にこやかに、殺気交じりの笑顔で話しかける。
「レテフさん。何をやっているのかな?」
ポキポキと拳を鳴らしながら──。レテフは、目をきらりと輝かせ、自信満々に言葉を返す。
「私のアグナムが、ちゃんとパンツをはいているか確認しているのよ。気遣いってやつよ」
「それで、俺のパンツを見た感想は?」
「純白のパンツなんて素敵で私好みだわ。これからも私のおかず、じゃなかった。アグナムにぴったりのパンツだっと思うわ」
──正直でよろしい。とりあえず、レテフにご褒美を与えなきゃな。
そして俺は拳を強く握り……。
「ありがとう、じゃあレテフにご褒美を与えなきゃね……」
「ご、ご褒美? ハグかしら、それとも大人のキスかしら? もしかして、あんなことやこんなことをするのかしら!?」
「これがご褒美だー!」
そして俺は思いっきりレテフの頭にげんこつをお見舞いする。
レテフは、そのままふらふらした後、ばたりと倒れこむ。
全く、ちょっと褒めるとすぐこれだ。
まあ、今日はレテフのための日だ。ちょっとくらい優しくしてもいいか
「ほら、今日はデートでしょ。街に行こう」
俺は倒れこんでいるレテフにそっと手を差し出す。レテフは顔を赤くしながらその手をぎゅっと握る。
そして俺たちは街へ繰り出す。
レテフと一緒に向かっていったのは、この街の商業施設でも多くの店が立ち並んでいる一角となっている地域。
小さくたたずんでいる、高級感のある佇まいの店。
「ここよ。たまに私が利用している店よ」
そしてドアを開けると、チリンチリンと鈴の音が鳴る。おしゃれな店だというのがよくわかる。
店の奥から、店主らしき人が出てくる。ふくよかなおばさんだ。
「いらっしゃい。ああ──レテフちゃんね」
店の中に漂う不思議なにおい。花のような、果物のようないいにおいが充満している。
棚を見ると、カラフルな小さめのガラス瓶が所狭しと並んでいて、その器だけでも高級そうな外見をしていた。
「この店ってもしかして──」
「主に小物類とかを扱っている店よ。センスがあって、おしゃれで、素敵でしょう?」
「確かに、かわいいね」
その言葉の通り、小物類やお皿、アクセサリーなどを取り扱っているが、その一つ一つがかわいらしいデザインをしていたり、綺麗な模様などがデザインされたりしている。
ウサギや猫のアクセサリーや、綺麗な模様をした皿とか。
俺がその商品たちを眺めていると、レテフがツンツンと肩をたたいてくる。
「こっちよ。紹介したいのは」
レテフは、棚にあった小瓶の一つを取り出し、ふたを開けた。そこから漂う甘い匂いから、それが何なのか俺は理解した。
「これ、香水だよね──」
レテフがフッと微笑を浮かべ、「うん」と言葉を返す。
「ほら、戦いや、トレーニングなんかでよく汗かくでしょ! そういう時に役立つわ」
「へ、へぇ……」
「乙女のたしなみってやつよ。お出かけするときや、あなたと一緒にいるときなんかによく使っていたわ」
「そうだったんだ──」
今まで気づかなかった。もっと、彼女のことを見てあげなきゃな。女の子って、結構大変なんだな。こういう気づかいとかもしなきゃいけないのか。
彼女の気遣いに感心する。同時に、レテフの香水が気になってそばによりクンクンとにおいをかぐ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる