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最終章
第107話 最後の戦いへ
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「おい審判、決着はもう着いただろう。早く宣言をしろ!」
審判はその言葉を聞いてあわてて我に返る。そして──。
「勝者、アグナム、ユピテル!」
ウォォォォォォォォォォォォォォォォォ──!!
その瞬間、会場は今までにないくらい大興奮に包まれる。
「はぁ……、俺達勝ったんだ──」
ようやくの勝利に緊張の糸が途切れる。その瞬間俺はそのまま地面にへたり込んでしまった。
慌てて立ち上がろうとするが、身体に全く力が入らない。
今までになかった強敵との連戦。カグヤから力をもらっていたとはいえ、極限状態で戦っていた。
自分が頭で感じていた以上に体力も魔力も消耗していたのだ。
それでも今までは勝たなきゃいけないという想いで立っていた。
そして決着がついて体が限界を迎えてしまったというわけだ。
おかげで今はガス欠のような状態だ。
するとユピテルが俺の元にやってきて……。
スッ──。
俺に向かって手を差し伸べてきた。
「あ、ありがとう」
「気にするな。ありがとう、貴様がいなかったらこの戦い勝つことは不可能だった」
ユピテルはそっぽを向きながらそう言ってきた。
「こっちこそ、加勢してくれて助かったよ」
そうだ。こっちが感謝の言葉を述べたいくらいだ。
彼女の強さには、本当に助かっている。
「バカな、この我が──、敗れるだと……」
そして、さっきまで戦っていた相手の声が耳に入る。
すぐにその方向に視線を向けるとそこには倒れこんだカグヤの姿。
弱弱しい、かすれたような声でこちらに向かって話しかけてくる。
「ど、どうして我は敗れた、心に決意していたはずだ。仲間だの、絆だの言うやつには、決して負けないと──」
「当然だ、それは決意では何でもない。逃げだ、自らの大切なものを捨てたことに対するな」
「──逃げ」
「貴様は確かに強かった。パワーも、テクニックも、しかしそれ以上の物がなかった。大切なものを守るための執念や、這いつくばってでも勝利するという心がどこか欠けているように感じた。だから、ギリギリのところで貴様は競り負けてしまったんだ」
相手の強さを否定することはせず、リスペクトをしながらもユピテルはケオスが犯してしまった間違いを指摘する。
ユピテルのその言葉にケオスはため息を漏らす。そして悟った。
「なるほど、戦いに関する想いや考えが全く違う、我が敗北することは、必然だったということか──」
「しかしどうするつもりだ。我を倒したとしても、兄のドラパに勝たなければ意味がない 兄は、私よりはるかに強大な力を持っている。どうするつもりだ」
「勝つに決まっている、そのために俺はいるんだ」
ユピテルの言う通りだ、どんな強い敵がいても、俺達は力を合わせて乗り越えて見せる。
「そうだ。俺たちだけじゃない、魔法少女の仲間や、この街の平和を望む人たちがいる。だから、その限りは絶対に負けない。力を合わせて、平和を守り抜いて見せる」
俺もユピテルの言葉に強く誓う。
「とりあえず、この場を去ろう」
足に感覚を込める。どうやら体力は少しだけ回復したらしい。
ふらふらとするが、立てるようにはなった。俺はユピテルの肩から離れ、ひとりで道を歩いていく。
最後の敵、この街のトップであるドラパとの戦い。
みんなで戦うとはいえ、今までで一番強く、厳しい戦いになると思う。けれど、この街のために、みんなで力を合わせて戦おう。
そんな強い想いを胸に俺達はこの場を去っていった。
数日後。
今日は、本来は大会の決勝戦。俺とユピテルが死闘を繰り広げ、この街最強の魔法少女を決める日だ。
そして俺たちがいるのは試合会場。感情は満員。
そしてコロシアムの中には四人。俺、ユピテル、サナ、レテフ。
どんよりとした雰囲気がこの場を包む。
俺、いや俺たちが戦う敵はすでに決まっていた。
俺たち四人は立っている。その視線の先には──。
「おやおやどうしたのですか、あなた達の決勝戦ですよ。それに、関係がない人物が数名ほどこの場にいますねぇ。どうしたのでしょうか」
会場のVIP席からドラパが余裕そうに言い放つ。すると強気な言葉で言葉を返してきたのはユピテルだ。
「鈍いぞ貴様。貴様ならばわからないはずもあるまい。俺たちが貴様に向けている目。それで理解できるはずだ」
俺達四人がドラパに向けている目。彼を敵として認識し、絶対に打ち破るという覚悟を持った目だ。
そして彼も、その眼付きから俺たちの思考を理解した。
「なるほど、理解したわけですか。この私が鉄束団だということを──」
そかしドラパは特に動揺した素振りはない。まるで紳士のようなそぶりで落ち着いて言葉を返して来る。
「ああ、そしてお前の弟は倒した。次はお前だ」
「それは素晴らしいですね、アグナム。そして今度は私に勝負を挑むと──。実に素晴らし勇気です。しかし勘違いされておりませんか? まさか、今までの鉄束団と戦うような感覚で私に挑もうとしているおつもりで?」
その言葉に俺はピクリと体を動かす。やはりこいつもかなりの魔力を持っているのだろう。おそらくは厳しい戦いになるだろう。それでも、一歩も引くつもりはない。
「そんなことはない。けれど、あなたをこのまま野放しにするつもりなんてない。だからみんなで力を合わせて戦う。それだけだ」
審判はその言葉を聞いてあわてて我に返る。そして──。
「勝者、アグナム、ユピテル!」
ウォォォォォォォォォォォォォォォォォ──!!
その瞬間、会場は今までにないくらい大興奮に包まれる。
「はぁ……、俺達勝ったんだ──」
ようやくの勝利に緊張の糸が途切れる。その瞬間俺はそのまま地面にへたり込んでしまった。
慌てて立ち上がろうとするが、身体に全く力が入らない。
今までになかった強敵との連戦。カグヤから力をもらっていたとはいえ、極限状態で戦っていた。
自分が頭で感じていた以上に体力も魔力も消耗していたのだ。
それでも今までは勝たなきゃいけないという想いで立っていた。
そして決着がついて体が限界を迎えてしまったというわけだ。
おかげで今はガス欠のような状態だ。
するとユピテルが俺の元にやってきて……。
スッ──。
俺に向かって手を差し伸べてきた。
「あ、ありがとう」
「気にするな。ありがとう、貴様がいなかったらこの戦い勝つことは不可能だった」
ユピテルはそっぽを向きながらそう言ってきた。
「こっちこそ、加勢してくれて助かったよ」
そうだ。こっちが感謝の言葉を述べたいくらいだ。
彼女の強さには、本当に助かっている。
「バカな、この我が──、敗れるだと……」
そして、さっきまで戦っていた相手の声が耳に入る。
すぐにその方向に視線を向けるとそこには倒れこんだカグヤの姿。
弱弱しい、かすれたような声でこちらに向かって話しかけてくる。
「ど、どうして我は敗れた、心に決意していたはずだ。仲間だの、絆だの言うやつには、決して負けないと──」
「当然だ、それは決意では何でもない。逃げだ、自らの大切なものを捨てたことに対するな」
「──逃げ」
「貴様は確かに強かった。パワーも、テクニックも、しかしそれ以上の物がなかった。大切なものを守るための執念や、這いつくばってでも勝利するという心がどこか欠けているように感じた。だから、ギリギリのところで貴様は競り負けてしまったんだ」
相手の強さを否定することはせず、リスペクトをしながらもユピテルはケオスが犯してしまった間違いを指摘する。
ユピテルのその言葉にケオスはため息を漏らす。そして悟った。
「なるほど、戦いに関する想いや考えが全く違う、我が敗北することは、必然だったということか──」
「しかしどうするつもりだ。我を倒したとしても、兄のドラパに勝たなければ意味がない 兄は、私よりはるかに強大な力を持っている。どうするつもりだ」
「勝つに決まっている、そのために俺はいるんだ」
ユピテルの言う通りだ、どんな強い敵がいても、俺達は力を合わせて乗り越えて見せる。
「そうだ。俺たちだけじゃない、魔法少女の仲間や、この街の平和を望む人たちがいる。だから、その限りは絶対に負けない。力を合わせて、平和を守り抜いて見せる」
俺もユピテルの言葉に強く誓う。
「とりあえず、この場を去ろう」
足に感覚を込める。どうやら体力は少しだけ回復したらしい。
ふらふらとするが、立てるようにはなった。俺はユピテルの肩から離れ、ひとりで道を歩いていく。
最後の敵、この街のトップであるドラパとの戦い。
みんなで戦うとはいえ、今までで一番強く、厳しい戦いになると思う。けれど、この街のために、みんなで力を合わせて戦おう。
そんな強い想いを胸に俺達はこの場を去っていった。
数日後。
今日は、本来は大会の決勝戦。俺とユピテルが死闘を繰り広げ、この街最強の魔法少女を決める日だ。
そして俺たちがいるのは試合会場。感情は満員。
そしてコロシアムの中には四人。俺、ユピテル、サナ、レテフ。
どんよりとした雰囲気がこの場を包む。
俺、いや俺たちが戦う敵はすでに決まっていた。
俺たち四人は立っている。その視線の先には──。
「おやおやどうしたのですか、あなた達の決勝戦ですよ。それに、関係がない人物が数名ほどこの場にいますねぇ。どうしたのでしょうか」
会場のVIP席からドラパが余裕そうに言い放つ。すると強気な言葉で言葉を返してきたのはユピテルだ。
「鈍いぞ貴様。貴様ならばわからないはずもあるまい。俺たちが貴様に向けている目。それで理解できるはずだ」
俺達四人がドラパに向けている目。彼を敵として認識し、絶対に打ち破るという覚悟を持った目だ。
そして彼も、その眼付きから俺たちの思考を理解した。
「なるほど、理解したわけですか。この私が鉄束団だということを──」
そかしドラパは特に動揺した素振りはない。まるで紳士のようなそぶりで落ち着いて言葉を返して来る。
「ああ、そしてお前の弟は倒した。次はお前だ」
「それは素晴らしいですね、アグナム。そして今度は私に勝負を挑むと──。実に素晴らし勇気です。しかし勘違いされておりませんか? まさか、今までの鉄束団と戦うような感覚で私に挑もうとしているおつもりで?」
その言葉に俺はピクリと体を動かす。やはりこいつもかなりの魔力を持っているのだろう。おそらくは厳しい戦いになるだろう。それでも、一歩も引くつもりはない。
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