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最後の戦い
第119話 この思いを胸に、前へ
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「大変申し訳有りませんが、アグナムさんはこれ以上、ユピテルさんについていくことはできません」
「ア、アグナムちゃん──」
その言葉に、サナは胸に手を当てうつむいてしまう。
俺だって、やり切れない感情でいっぱいだ。せっかくここまで来たのに、せっかく本気のユピテルと戦って勝てるかもしれないという所まで来たのに──。
俺が干渉できない、そんなことで勝負が決まってしまうのか。
俺が悔しさをにじませている間にもユピテルはどんどん俺を追い詰めていく。
自身のパワーを生かした強力な攻撃を振り下ろし、切り払い、振り上げ──。
そしてとうとうユピテルの攻撃についてこれなくなってしまう。
ユピテルのパワーに押され、よろついたところにユピテルは一気に踏み込んできた。
「アグナム、ここで終わりだあああっ!」
ユピテルが思いっきり剣を振り下ろしてくる。
その攻撃に俺はギリギリで対応する。
受け流しができないなら無理やり剣に力を入れて攻撃を通させない。
圧倒的な力の差を見せつけられても、有効打を許しはしない。懸命に運命に抗おうとする。
当然だ、その程度で負けを認められるわけがないのだから。
しかし力の差を埋めることができない以上、俺がやっていることは悪あがきでしかなく。
「アグナム、これで終わりだ!」
ユピテルは思いっきり剣を上にあげる。剣からは感じるのは今までにないくらいの魔力。
勝負を決めに来ているのが理解できる。
俺もそれにこたえるように思いっきり剣に力を込めた。
そして自分の力を最大限込めて術式を繰り出す。
集いし希望の光よ、その思いを結集させ、新たな希望を照らし出せ!!
スターダスト・ボルテックス・エアレイド
鉄血なる剣、王者の鼓動をなびかせ、ここに無限の力を解放せよ!
アブソルート・パワー・ディザスター
ユピテルが叫んだ言葉。初めて見る術式だ。
やがて作られるのは、俺の身を一瞬で破壊してしまうほどの強大な魔力。
そして俺の攻撃とユピテルの攻撃が衝突する。
勝負は一瞬。残酷にもユピテルの攻撃が俺の光線を粉砕。
そのまま俺に向かって直進し──。
ドォォォォォォォォォォォォォォォォン
俺の鼓膜を破壊するような大きな爆発音とともに俺がいた場所で大爆発を起こす。
俺はすぐに身を後方に投げて直撃だけは逃れる。
──が爆発の衝撃は防ぎようがなく体が宙に放り出された。
そして追い打ちをかけるようにユピテルはジャンプして飛び上がり俺の方向へ向かってくる。
宙に投げ出された俺に攻撃をよけるすべはない。今度こそ勝負を決めてくるつもりだ。
それでも何とか攻撃を防ごうとユピテルの攻撃に対して剣を横に構え受けようとする。
しかし、そんなことができるはずもなく。
「さあ、これで勝負を決めさせてもらう!」
覇者の鼓動。ここに天を貫く輝きとなり。降臨せよ
殲滅のバーニング・サイクロン
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン
今まで感じたことがないくらいの大爆発を起こし、俺の体は大きく吹き飛ばされる。
そしてそのまま闘技場の場外に吹っ飛ばされる。
吹っ飛ばされた体はそのまましばらく宙を舞った後、闘技場の近くにある民家に墜落。
家屋は崩壊し俺はがれきの中に埋もれてしまう。
激しい痛みで全身の感覚がなくなり、全く動けない。
その中で、俺は葛藤を始める。
気が付けば、俺は何も見えない暗闇の中にいた。
恐らくがれきの中にいるのだろう。
冷たくてかたいがれきの上に、前のめりに倒れこんでいる。
重くて立ち上がることすらできない。
当然だ、ユピテルとのさっきの打ち合い。俺は全力で戦った。
本当に、本当にすべてを使い果たした、
だから、もう空っぽなのだ。
あの短い時間とはいえ、ユピテルと互角に戦ったのだから。
誰一人、俺を弱いなんて罵倒する人はいないと思う。
それでもいい、十分だ。やれることはすべてやった。
自分の持てる力をすべて使いつくし、それでも勝つことはできなかった。
それは、仕方がないことだ。
全力を尽くしたのだから。
──そんなことで、納得できるはずなかった。
俺の想いは、運命なんていうもので納得できるものではなかった。
俺を突き動かしている感情はただ一つ。
彼女への憧れ。そして──、このままでは終われないという今までにないくらいの強い想い。
サナやレテフ、ユピテルと出会わず孤独なままだったら、きっとこのままで満足していただろう。
自分のすべてを出し切ったと。やりきったのだと。
しかし俺は出会ってしまった。信頼できる友の存在だ。
この世界や魔法少女のことがわからない俺にいろいろなことを教えてくれた。
たくさんの時間を共にし、距離を縮め、友として暮らしてきた。
共に遊び、お茶を飲んだ楽しい日々。
ピンチの時は共に戦い、汗を流した。心の底から信じられる親友だ。
ユピテルだって、最初は敵同士で戦ったりしていたけれど、分かり合うことができて、最後の方は一緒に戦う戦友だった。
戦友だからこそ、ここで負けるわけにはいかない。勝たなきゃいけない。
そう強く思った時、自分の中に何かが沸き上がるのを感じた。
「こ、これは魔力……」
俺は思わずつぶやく。そう、ほとんどなくなったはずの魔力が、俺の体にみなぎってきているのだ。
限界を超えた力というやつか?
消えていたはずの魔力が、再びよみがえっていくのがわかる。
それが何かはよくわからない。
しかしその感覚は決して気のせいではない。完全ではないけれど、ユピテルに一撃を与えるには十分な魔力だ。
正直この力を使ってもユピテルに勝つことができる可能性は低い。
俺が最後の力を振り絞っても、それを真っ向から粉砕されるだろう。
それでも、立ち上がれるだけの力があるなら、行くしかない──。
さあ、自分のすべてをユピテルにぶつけていこう。
この想いを力に、前へ行こう。
闘えないという現実を打ち破って、前へ。
自分という限界を引きちぎって、お前の元へ。
俺は大きく飛び上がり、再びユピテルの元へ向かっていった。
「ア、アグナムちゃん──」
その言葉に、サナは胸に手を当てうつむいてしまう。
俺だって、やり切れない感情でいっぱいだ。せっかくここまで来たのに、せっかく本気のユピテルと戦って勝てるかもしれないという所まで来たのに──。
俺が干渉できない、そんなことで勝負が決まってしまうのか。
俺が悔しさをにじませている間にもユピテルはどんどん俺を追い詰めていく。
自身のパワーを生かした強力な攻撃を振り下ろし、切り払い、振り上げ──。
そしてとうとうユピテルの攻撃についてこれなくなってしまう。
ユピテルのパワーに押され、よろついたところにユピテルは一気に踏み込んできた。
「アグナム、ここで終わりだあああっ!」
ユピテルが思いっきり剣を振り下ろしてくる。
その攻撃に俺はギリギリで対応する。
受け流しができないなら無理やり剣に力を入れて攻撃を通させない。
圧倒的な力の差を見せつけられても、有効打を許しはしない。懸命に運命に抗おうとする。
当然だ、その程度で負けを認められるわけがないのだから。
しかし力の差を埋めることができない以上、俺がやっていることは悪あがきでしかなく。
「アグナム、これで終わりだ!」
ユピテルは思いっきり剣を上にあげる。剣からは感じるのは今までにないくらいの魔力。
勝負を決めに来ているのが理解できる。
俺もそれにこたえるように思いっきり剣に力を込めた。
そして自分の力を最大限込めて術式を繰り出す。
集いし希望の光よ、その思いを結集させ、新たな希望を照らし出せ!!
スターダスト・ボルテックス・エアレイド
鉄血なる剣、王者の鼓動をなびかせ、ここに無限の力を解放せよ!
アブソルート・パワー・ディザスター
ユピテルが叫んだ言葉。初めて見る術式だ。
やがて作られるのは、俺の身を一瞬で破壊してしまうほどの強大な魔力。
そして俺の攻撃とユピテルの攻撃が衝突する。
勝負は一瞬。残酷にもユピテルの攻撃が俺の光線を粉砕。
そのまま俺に向かって直進し──。
ドォォォォォォォォォォォォォォォォン
俺の鼓膜を破壊するような大きな爆発音とともに俺がいた場所で大爆発を起こす。
俺はすぐに身を後方に投げて直撃だけは逃れる。
──が爆発の衝撃は防ぎようがなく体が宙に放り出された。
そして追い打ちをかけるようにユピテルはジャンプして飛び上がり俺の方向へ向かってくる。
宙に投げ出された俺に攻撃をよけるすべはない。今度こそ勝負を決めてくるつもりだ。
それでも何とか攻撃を防ごうとユピテルの攻撃に対して剣を横に構え受けようとする。
しかし、そんなことができるはずもなく。
「さあ、これで勝負を決めさせてもらう!」
覇者の鼓動。ここに天を貫く輝きとなり。降臨せよ
殲滅のバーニング・サイクロン
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン
今まで感じたことがないくらいの大爆発を起こし、俺の体は大きく吹き飛ばされる。
そしてそのまま闘技場の場外に吹っ飛ばされる。
吹っ飛ばされた体はそのまましばらく宙を舞った後、闘技場の近くにある民家に墜落。
家屋は崩壊し俺はがれきの中に埋もれてしまう。
激しい痛みで全身の感覚がなくなり、全く動けない。
その中で、俺は葛藤を始める。
気が付けば、俺は何も見えない暗闇の中にいた。
恐らくがれきの中にいるのだろう。
冷たくてかたいがれきの上に、前のめりに倒れこんでいる。
重くて立ち上がることすらできない。
当然だ、ユピテルとのさっきの打ち合い。俺は全力で戦った。
本当に、本当にすべてを使い果たした、
だから、もう空っぽなのだ。
あの短い時間とはいえ、ユピテルと互角に戦ったのだから。
誰一人、俺を弱いなんて罵倒する人はいないと思う。
それでもいい、十分だ。やれることはすべてやった。
自分の持てる力をすべて使いつくし、それでも勝つことはできなかった。
それは、仕方がないことだ。
全力を尽くしたのだから。
──そんなことで、納得できるはずなかった。
俺の想いは、運命なんていうもので納得できるものではなかった。
俺を突き動かしている感情はただ一つ。
彼女への憧れ。そして──、このままでは終われないという今までにないくらいの強い想い。
サナやレテフ、ユピテルと出会わず孤独なままだったら、きっとこのままで満足していただろう。
自分のすべてを出し切ったと。やりきったのだと。
しかし俺は出会ってしまった。信頼できる友の存在だ。
この世界や魔法少女のことがわからない俺にいろいろなことを教えてくれた。
たくさんの時間を共にし、距離を縮め、友として暮らしてきた。
共に遊び、お茶を飲んだ楽しい日々。
ピンチの時は共に戦い、汗を流した。心の底から信じられる親友だ。
ユピテルだって、最初は敵同士で戦ったりしていたけれど、分かり合うことができて、最後の方は一緒に戦う戦友だった。
戦友だからこそ、ここで負けるわけにはいかない。勝たなきゃいけない。
そう強く思った時、自分の中に何かが沸き上がるのを感じた。
「こ、これは魔力……」
俺は思わずつぶやく。そう、ほとんどなくなったはずの魔力が、俺の体にみなぎってきているのだ。
限界を超えた力というやつか?
消えていたはずの魔力が、再びよみがえっていくのがわかる。
それが何かはよくわからない。
しかしその感覚は決して気のせいではない。完全ではないけれど、ユピテルに一撃を与えるには十分な魔力だ。
正直この力を使ってもユピテルに勝つことができる可能性は低い。
俺が最後の力を振り絞っても、それを真っ向から粉砕されるだろう。
それでも、立ち上がれるだけの力があるなら、行くしかない──。
さあ、自分のすべてをユピテルにぶつけていこう。
この想いを力に、前へ行こう。
闘えないという現実を打ち破って、前へ。
自分という限界を引きちぎって、お前の元へ。
俺は大きく飛び上がり、再びユピテルの元へ向かっていった。
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