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妥協しない強さ
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翌朝の朝食は幸乃が試作した料理をベル、リルカ、ゲントナーと彼の妻が食べる形となった。
幸乃が出す料理に4人は見たことが無いらしく驚きの表情を見せる。 この世界ではどんな味が好まれる傾向があるのか分からないので彼らにどうすればいいか味を聞いてみる。
「全体的に味が濃くないかしら?」
「味に奥行きがあったほうがいいと思います」
そう言った声が出てくるとその声を味を良くするための参考にした。
そしてそれを記録し、次の改良の材料にした。
昼間は眠い目をこすりながら、あくびが出るのを我慢しながら喫茶店で働く。 その時も相手いる時間に他の繁盛している店に行ってみてどうして繁盛しているのかリルカと一緒に調べてみる。
「幸乃さん、起きてください、料理が来ましたよ」
寝不足で寝ている幸乃の肩をゆすりながらリルカが起こす。再びその料理を参考にした。
夜、教会に戻ると朝、聞いた意見を参考に料理をこの世界で受けそうな味になるように味を調整しそれを三日ほど繰り返す。
すると朝食でみんなに完成品を食べてもらうと……
「これ、すごいおいしいです」
「同感です、これならいけるのではないかと」
「初めてみるよ、この味は──」
みんなから絶賛の嵐、幸乃は嬉しさに思わず笑い出す。
そして最終日──
そしてそれをメニューに入れる、しかし……
「後はこれをどうやって売り込むかですよね」
ベルが言葉を投げかける、考えてみればそうだ、いくらおいしい料理を出しても宣伝してそれを知ってもらわなければ状況は変わらなかった。
新メニューの開発で頭がいっぱいだった幸乃は今までそんなこと考えていなかったようで慌ててその作戦を考え始める、そして……
「ちょっと、売り込んでくる、リルカ、ベルちゃん、協力して?」
幸乃がその宣伝に使う服を手に取りながら頼む。
そしてその服装に2人は着替えた。
「幸乃……さん」
着替えが終わったベル、顔を真っ赤にしてうつむきながら話しかける、そしてそれをカメラに収めさせる。
「こ、この服装で街を歩くんですか?」
「うん、歩くよ、なまら目立つでしょ?可愛いよ!!」
「わ、私もこれは、恥ずかしいと思います」
恥ずかしそうな表情で同調するリルカ、しかし幸乃は気にせず話しを続けた。
恥ずかしそうなのも無理はなく、着替えた服装はビキニ姿であった。 そう、この場所にある生地やひもを使って幸乃は3人分の水着を作りその水着で街を歩き回り宣伝しようというものだった。
さらに試食サービスも同時に行い、新商品の味を知ってもらおうというものだった。
「すぐなれるよ、私だってここに来る前はやってたし、じゃあ練習してみるよ、まずは笑顔でいらっしゃいませ、やってみて?」
「ベルちゃん、これは仕事なんだから、やってみよう、笑顔笑顔!!」
幸乃のその言葉にベルは出来る限りこたえようと笑顔を見せる。
──ニッ
ベルは渾身の覚悟で不器用ながらも笑顔を見せる、すると……
「かわいい……」
幸乃が顔を真っ赤にしながら反応する。 するとベルは恥ずかしくなってそっぽを向き始める。
「ベルちゃん、この店のためだよ、恥ずかしくたって頑張らなきゃ!!」
そう言って幸乃はベルの肩をたたく。
次にリルカにも事を教えた、こちらは割とすぐにできた。 そして3人は街へ飛び出していった。
昼、官庁の人々が食事を取りに街へ出かけていく、この時ばかりは静かだったこの街も人々の話し声や笑い声などで賑やかさを増していた。
そしてそこに奇抜な服装をして店とメニューの宣伝をする者たちがいた。
「すいませーん、ちょっといいですかぁ?」
明るい笑顔で歩いている人たちに声をかける3人の女の子、幸乃とベル、リルカであった。
3人は新メニューの試食と称して紙のスプーンをつかい他店に並んでいる人に声をかけて新商品を食べてもらうようにしていた。
アイドル候補生だった幸乃にはこういったことは様々なイベントで経験があった。
幸乃が出した料理、まず一つはエビチリ、もう1つはチャーハンだった。
幸乃が気を付けていたのは一つはこの世界では知らない料理にすること、もう1つはそれをこの世界の人たちが好むような味にすることだった。
幸乃の料理をベルやリルカ達に御馳走すると味が濃いといわれるので、この時代では味が薄めの方が喜ばれると考え、味を薄くする代わりにオニオンや小魚の風味を付け味に奥行きを付けた。 さらにそれに合うようなオーロラソースを開発した。
結果は好評だったようでほとんどの人がおいしいと評判でそのうちの何割かは店に行ってくれたのであった。 おかげで店は行列ができるほどの混雑になった。
特にエビチリは大好評だったようでこの世界用に「コクがあり、あまり辛くない」ように作ったのが受けたようで昼が終わるころには売り切れてしまっていた。
そして、夕方仕事が終わった3人は店を出た。
店主からはありがとうございます、と頭を下げられ報酬を受け取った
帰り道、3人が夕焼けに照らされる中、リルカが話しかける。
「幸乃さん、すごいです」
「え?」
「一つの仕事にあんなに眠い目をこすりながら真剣になって出来るってすごいと思います、これでいいやって全然妥協しないしそれでいて結果出しちゃうそれでいてみんなに喜んでもらっているし……その、強さの源ってなんですか?」
その突然の問いかけに幸乃は腕を組んで考え込む。
「う~~んそう問いかけられると返答にこまるな~~」
そしてしばしの時間が流れたあと、答え始める。
幸乃が出す料理に4人は見たことが無いらしく驚きの表情を見せる。 この世界ではどんな味が好まれる傾向があるのか分からないので彼らにどうすればいいか味を聞いてみる。
「全体的に味が濃くないかしら?」
「味に奥行きがあったほうがいいと思います」
そう言った声が出てくるとその声を味を良くするための参考にした。
そしてそれを記録し、次の改良の材料にした。
昼間は眠い目をこすりながら、あくびが出るのを我慢しながら喫茶店で働く。 その時も相手いる時間に他の繁盛している店に行ってみてどうして繁盛しているのかリルカと一緒に調べてみる。
「幸乃さん、起きてください、料理が来ましたよ」
寝不足で寝ている幸乃の肩をゆすりながらリルカが起こす。再びその料理を参考にした。
夜、教会に戻ると朝、聞いた意見を参考に料理をこの世界で受けそうな味になるように味を調整しそれを三日ほど繰り返す。
すると朝食でみんなに完成品を食べてもらうと……
「これ、すごいおいしいです」
「同感です、これならいけるのではないかと」
「初めてみるよ、この味は──」
みんなから絶賛の嵐、幸乃は嬉しさに思わず笑い出す。
そして最終日──
そしてそれをメニューに入れる、しかし……
「後はこれをどうやって売り込むかですよね」
ベルが言葉を投げかける、考えてみればそうだ、いくらおいしい料理を出しても宣伝してそれを知ってもらわなければ状況は変わらなかった。
新メニューの開発で頭がいっぱいだった幸乃は今までそんなこと考えていなかったようで慌ててその作戦を考え始める、そして……
「ちょっと、売り込んでくる、リルカ、ベルちゃん、協力して?」
幸乃がその宣伝に使う服を手に取りながら頼む。
そしてその服装に2人は着替えた。
「幸乃……さん」
着替えが終わったベル、顔を真っ赤にしてうつむきながら話しかける、そしてそれをカメラに収めさせる。
「こ、この服装で街を歩くんですか?」
「うん、歩くよ、なまら目立つでしょ?可愛いよ!!」
「わ、私もこれは、恥ずかしいと思います」
恥ずかしそうな表情で同調するリルカ、しかし幸乃は気にせず話しを続けた。
恥ずかしそうなのも無理はなく、着替えた服装はビキニ姿であった。 そう、この場所にある生地やひもを使って幸乃は3人分の水着を作りその水着で街を歩き回り宣伝しようというものだった。
さらに試食サービスも同時に行い、新商品の味を知ってもらおうというものだった。
「すぐなれるよ、私だってここに来る前はやってたし、じゃあ練習してみるよ、まずは笑顔でいらっしゃいませ、やってみて?」
「ベルちゃん、これは仕事なんだから、やってみよう、笑顔笑顔!!」
幸乃のその言葉にベルは出来る限りこたえようと笑顔を見せる。
──ニッ
ベルは渾身の覚悟で不器用ながらも笑顔を見せる、すると……
「かわいい……」
幸乃が顔を真っ赤にしながら反応する。 するとベルは恥ずかしくなってそっぽを向き始める。
「ベルちゃん、この店のためだよ、恥ずかしくたって頑張らなきゃ!!」
そう言って幸乃はベルの肩をたたく。
次にリルカにも事を教えた、こちらは割とすぐにできた。 そして3人は街へ飛び出していった。
昼、官庁の人々が食事を取りに街へ出かけていく、この時ばかりは静かだったこの街も人々の話し声や笑い声などで賑やかさを増していた。
そしてそこに奇抜な服装をして店とメニューの宣伝をする者たちがいた。
「すいませーん、ちょっといいですかぁ?」
明るい笑顔で歩いている人たちに声をかける3人の女の子、幸乃とベル、リルカであった。
3人は新メニューの試食と称して紙のスプーンをつかい他店に並んでいる人に声をかけて新商品を食べてもらうようにしていた。
アイドル候補生だった幸乃にはこういったことは様々なイベントで経験があった。
幸乃が出した料理、まず一つはエビチリ、もう1つはチャーハンだった。
幸乃が気を付けていたのは一つはこの世界では知らない料理にすること、もう1つはそれをこの世界の人たちが好むような味にすることだった。
幸乃の料理をベルやリルカ達に御馳走すると味が濃いといわれるので、この時代では味が薄めの方が喜ばれると考え、味を薄くする代わりにオニオンや小魚の風味を付け味に奥行きを付けた。 さらにそれに合うようなオーロラソースを開発した。
結果は好評だったようでほとんどの人がおいしいと評判でそのうちの何割かは店に行ってくれたのであった。 おかげで店は行列ができるほどの混雑になった。
特にエビチリは大好評だったようでこの世界用に「コクがあり、あまり辛くない」ように作ったのが受けたようで昼が終わるころには売り切れてしまっていた。
そして、夕方仕事が終わった3人は店を出た。
店主からはありがとうございます、と頭を下げられ報酬を受け取った
帰り道、3人が夕焼けに照らされる中、リルカが話しかける。
「幸乃さん、すごいです」
「え?」
「一つの仕事にあんなに眠い目をこすりながら真剣になって出来るってすごいと思います、これでいいやって全然妥協しないしそれでいて結果出しちゃうそれでいてみんなに喜んでもらっているし……その、強さの源ってなんですか?」
その突然の問いかけに幸乃は腕を組んで考え込む。
「う~~んそう問いかけられると返答にこまるな~~」
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