アイドル候補生の初めてもらったテレビの企画が「天才アイドルは異世界で勇者になれるのか」だった件

静内燕

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幸乃さんの魔力適性

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 夜、3人は繁華街に出てベルのなじみの店、speroスぺロに3人は入った。

 料理を頼むと3人は会話を始める。

 この世界の属性は無属性と水、火、雷、地、光、風の7つらしい。
 幸乃が光はあるのに闇はないのかと聞いてみる、すると闇属性は確認されていないとのこと。


「では幸乃さんの魔力適性を見てみましょう」

 ベルはそう真顔で宣言するとポーチから七つの玉を出し始める。
 それはすべて手に握れるくらいのサイズでそれぞれ透明、青、赤、黄色、黒、緑、白の色をしていた。

「魔硝石っていいますそれを握ると、持ち主の魔力に反応して光るんです、魔力の強さに比例して硝石が強く光るんです」

 またベル自身は風属性であり、リルカは光属性のみ適性があるらしく、他の適性はない。
 ベルの説明が終わると、まず幸乃は水を意味する青い硝石を握ってみる、すると──

「すごい強く光ってる、こんなの初めて……」

「私もです幸乃さん、やはり水属性に対する適性が強いんですね」

 2人は驚き、思わず声を漏らす、幸乃が握った青色の石は、2人が見たことないくらい、眩しすぎてまともに直視できないくらいだった。
 そして他の石を握ってみた、しかし──

「何にも反応しないや……」
 .
 しかし他の硝石を握ってもその石が反応することはなかった。

「完璧な水属性使い、それ以外は全く適性はないですね」

 ベルのその宣言に幸乃はつまらなそうな表情をする。

「ちぇっ、もっと面白そうな力が欲しいよ~~」

「まあ、でもあの適性の強さ、物にすれば絶対活躍できますよ」

 そして3人にラム肉やサンドイッチなどの料理が出され、食事を始める。
 食事を終え、教会に戻り、いつものトレーニング、幸乃はベルに負け越してトレーニングを終え、人目につかないところで体を洗って汗を流しいつものように就寝した。


 朝

 そしてクエストの場所である官庁街へやってきた3人。
 繁華街とは打って変わりへいさんとした街並み。

 服装も他の場所とは違い執事のような整った格好もしている者や勲章が胸のあたりにたくさん飾られている軍服を着た軍人、整った西洋風の甲冑を来た騎士、重要そうな書類を持ち歩いている秘書らしき人物など今までより高い階級であろう人たちがこの場所を歩いていた。

 そこから5分程すると幸乃達が以前働いた喫茶店が現れる、官庁で働いている人たちが食事をする店がそのあたりに集まっている、そしてその中の一つがそこにあった。

「喫茶店「somniumソミウム」、ここみたいですね」

 地図を持っていたリルカが看板と地図を確認して目的地の喫茶店に指をさす。
 4日の契約で店で働く事となった。
 今回の目的のクエストはここである。

「おじゃましま~す」

 するとすぐに幸乃が店の中に入っていく、後を追ってベルとリルカも店に入り頭を下げてあいさつをした。

「ああ、幸乃さん達ですね、よろしくお願いします、それとベルさん、いつも父のお店をご利用ありがとうございます」

 そう、ここはベルが常連にしていた店、speroスぺロの店長の息子アルノルトだった。

 早速話が始める、すると聞いたところによると客足がよくないらしい。
 このままではここの家賃自体が払えず店をたたむことになるかもしれないという。

 ベルとリルカは繁盛している店との違いを知るため偵察に行った。
 幸乃は接客をする事となった。

 昼の時間が終わり休憩時間になり、ベルとリルカが戻ってくる。

 そして休憩時間に賄い料理として、このお店で出している料理のナポリタンとサンドイッチをごちそうになる。
 食べてみるとシンプルだが普通においしかった。 それに対して幸乃はどうしてこれが売れないのかベルとリルカに質問してみる。

 店主は常連さんは多いのだが、新規の客がなかなか入ってこなくて売り上げが伸び悩んでいるらとのこと。

「まず店に入ってくる人を増やさなきゃいけないってことね」

「うーん、他の店と比べてみたんですが、差別化というか、分かりやすい持ち味やそれをアピールするものがあるといいといいと思いました」

 ベルの話によると他の店に行ってみた結果他の店は名物やここならほかの店にも負けないというのが分かりやすく張り紙にしていたりしていたらしい。

「つまり名物が欲しいってことね──」

 幸乃がそう話す、間もなく店の営業が再開するというので話しあいはここで終わる。
 そして店が閉まった後名物メニューの開発をする事となった。

 そして店が閉まると2時間ほど店のメニューの開発が始まった。 しかし1日では出来るはずもなく明日以降も続ける事となった。

 夜、教会に帰った後も幸乃は料理の研究を続けていた。 時間も既に0時を回るような時間になっても幸乃は料理の研究を続けていた。

「あの……幸乃さん?」

 厨房で料理の研究を続けている幸乃に誰かが心配そうに話しかけてくる。 幸乃はその方向を振り向く

「ああ、リルカちゃん、もうすぐ寝るよ、ふぁ~~あ」

 幸乃は疲れてあくびをしながら答える
 それに心配そうな、疑問をもったような表情でリルカは質問する

「いいよ、なに?」

「どうして、幸乃さんはそんなに一生懸命になれるんですか?こんな毎日遅くまで起きて、大丈夫なんですか?」

 その質問に幸乃は考え始め腕を組みしばし悩み始める、そして幸乃はほほ笑み始めて答えを出す、シェルリもカメラを回しながら心配そうな表情をし鳴き始める。

「みぃぃ……」

「私が私であるためにって感じかな?」

「まあ、いつもそうなんだよね、私」

 そう言いながら幸乃はにこっと笑った。

 翌朝の朝食は幸乃が試作した料理をベル、リルカ、ゲントナーと彼の妻が食べる形となった。
 幸乃が出す料理に4人は見たことが無いらしく驚きの表情を見せる。
 この世界ではどんな味が好まれる傾向があるのか分からないので彼らにどうすればいいか味を聞いてみる。
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