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バードランド編
私は、強くなりたい
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「う……んん──」
体には薄膜のような疲労感が漂っていた
その視界に入ったのは豪華な飾り品や模様が描かれている天井。
次に周りを見る、窓からは日の光が昇り始めていて東方向の山々の奥にある日がこの部屋を照らしていた。
彼女は昨日まで自分たちが暮らしていた宮殿の部屋にいた。
青いセミロングの少女、幸乃が目を覚ます。
「幸乃さん、起きたんですか?」
入口の方から驚きと喜びが混じった声が聞こえる、幸乃は思わずその方向を向く。
いつも優しくてちょっと人見知りで弱気だがここぞというときは誰にも譲らない意思と曲げない精神の強さをもつ少女、リルカだった。
「あ、リルカちゃん、私……」
リルカを見た瞬間全てを思い出す、さっきまで彼女の兄であるミリートと戦い、そして圧倒的な力の差で敗北したことを……
そう考えているとリルカの瞳からうっすらと涙を浮かべていた。
「幸乃さん、よかった……」
そう囁きながら目の涙をぬぐい始める。話によると3日も意識が戻らなかったそうである。
ちょうど朝食の時だったようでリルカがみんなに声をかけ幸乃の朝食も用意してもらった。
朝食にはスクランブルエッグにベーコンとキャベツの炒め物、ミネストローネが出てきた。
それを大広間でリルカ達の指導者でもあるチャドリや使用人、側近たちと一緒にいただく形となった。
「恐らくミリートとの戦いで幸乃さんは彼とまともに戦おうとして自分の体に限界以上に負担をかけてしまったのだと思われます、とくにやったこともない量の魔力の供給に体が耐えられなくなりその過剰な負担が幸乃さんの体に襲いかかったのだと思います」
ナホバという部族というものが存在していた。
そして彼らは部族の間で話しあったらしい、そして彼らの種族の王ベナリーと話した時に聞いたのだが──
「勇者に関する遺跡、特別に教えてやろうか?」
彼は幸乃やウダーなどの事を聞いた後その事を話し始めた。
なんでも彼らの居住区には遺跡があるらしく、その遺跡から発せられるオーラと幸乃から発せられるオーラがかなり似ているとベナリーが話していて彼女に合わせてほしいとのことだった。
それにその遺跡には勇者に関する秘密も存在するのだとか。
「え? そうなんだ……」
幸乃は食いつくように反応した、ミリートとの戦い、自分の限界を超えて戦ったにもかかわらずまるで大人と子供のような一方的で全く歯が立たなかった、そんな自分が彼と互角に戦おうと思ったら強くなるしかない、それも短期間で……
藁にもすがる思いで幸乃はそれにかけたのである。
「わかった、私行ってみる」
他に手掛かりもない幸乃はすぐに返事をしてそこに行くことにした。
「待ってください、幸乃さんはあと2日は休んだ方がいいです、また倒れますよ」
そこにベルが抑止の声を出す、彼女の体は激しく消耗しているのでもう少し疲労がとれるまで待った方がいいという彼女の考えからだった。
昨日までどっしりと幸乃を覆っていた疲労感は何とか無くなり幸乃は立ち上がった。
そして4人は彼らの住んでいる村へ向かっていった。
女性達は「コンチョ」と呼ばれる銀を使用したネックレスを付けていて鉢巻をしめ、ペルシャ絨毯のような神秘的な模様をしたビロードのロングドレスに包まれていた
中央にどんと構えていたのは彼らナバポ族の王ベナリーだった、初老だが表情はきりっとしていて
背中からまるでワシのような羽が生えているのが彼らが鳥の亜人だということを証明していた
出会うとベナリーが真剣な表情で話しだした。
「お前の後ろにいる長い変な機械を持った精霊、そいつの本当の姿、ぜひ私の手で見せてやろう!!」
「え? シェルリ?」
2人はベナリーがシェルリを知っていて見えているということに驚き思わず目を合わせる
「ああ、貴様には同じ匂いがするからな……我らの精霊とな」
ベナリーの話によるとこの先にカチ―ナという遺跡があり、シェルリを見た瞬間からその遺跡独特の雰囲気と同じ匂いを感じたようである。
次に幸乃は自分たちがここに来た理由を話しだす。
ベナリーも先日の戦いには参加していて幸乃の活躍も敗北も知っていたようでそのために遺跡の力に興味があると話したらそれにも理解してくれた
。
しかし危険な生物や危険な山道を通るらしく本来の規定によりナバポ族のガイドをつけなくてはいけないらしい。
ただしその遺跡はいつも彼らが食料の採取に行く場所の近くにあるようでそのついでに行くなら大丈夫なようで明日出発の食料の採取のついでに行くというなら大丈夫だということだった。
一刻も早くミリートと戦って勝利したい幸乃にとって他に選択肢はなく二つ返事でそれを承諾した。
そして一行はラクダや馬に乗って行動を開始した。
幸乃はラクダに乗る中で先日幸乃の世界から来た手紙を読んでいた。
それはこの冒険を放送している番組「モザイクは夜」のほかの出演者の状況や幸乃あてに届いたファンレターなどだった。
彼の企画は「おはよう英気君」と呼ばれており、街を歩いている人に英気を養ってもらうために下はズボン、上はTシャツだが乳首の部分だけが丸出しになっておりその姿で大声を上げながら全国の都市の繁華街でひたすら走りまわるという企画だった。
そしてそのたびに警察に捕まり事情聴取を受ける姿が視聴者に受けていて番組の中でもトップクラスの人気を持っていた。
体には薄膜のような疲労感が漂っていた
その視界に入ったのは豪華な飾り品や模様が描かれている天井。
次に周りを見る、窓からは日の光が昇り始めていて東方向の山々の奥にある日がこの部屋を照らしていた。
彼女は昨日まで自分たちが暮らしていた宮殿の部屋にいた。
青いセミロングの少女、幸乃が目を覚ます。
「幸乃さん、起きたんですか?」
入口の方から驚きと喜びが混じった声が聞こえる、幸乃は思わずその方向を向く。
いつも優しくてちょっと人見知りで弱気だがここぞというときは誰にも譲らない意思と曲げない精神の強さをもつ少女、リルカだった。
「あ、リルカちゃん、私……」
リルカを見た瞬間全てを思い出す、さっきまで彼女の兄であるミリートと戦い、そして圧倒的な力の差で敗北したことを……
そう考えているとリルカの瞳からうっすらと涙を浮かべていた。
「幸乃さん、よかった……」
そう囁きながら目の涙をぬぐい始める。話によると3日も意識が戻らなかったそうである。
ちょうど朝食の時だったようでリルカがみんなに声をかけ幸乃の朝食も用意してもらった。
朝食にはスクランブルエッグにベーコンとキャベツの炒め物、ミネストローネが出てきた。
それを大広間でリルカ達の指導者でもあるチャドリや使用人、側近たちと一緒にいただく形となった。
「恐らくミリートとの戦いで幸乃さんは彼とまともに戦おうとして自分の体に限界以上に負担をかけてしまったのだと思われます、とくにやったこともない量の魔力の供給に体が耐えられなくなりその過剰な負担が幸乃さんの体に襲いかかったのだと思います」
ナホバという部族というものが存在していた。
そして彼らは部族の間で話しあったらしい、そして彼らの種族の王ベナリーと話した時に聞いたのだが──
「勇者に関する遺跡、特別に教えてやろうか?」
彼は幸乃やウダーなどの事を聞いた後その事を話し始めた。
なんでも彼らの居住区には遺跡があるらしく、その遺跡から発せられるオーラと幸乃から発せられるオーラがかなり似ているとベナリーが話していて彼女に合わせてほしいとのことだった。
それにその遺跡には勇者に関する秘密も存在するのだとか。
「え? そうなんだ……」
幸乃は食いつくように反応した、ミリートとの戦い、自分の限界を超えて戦ったにもかかわらずまるで大人と子供のような一方的で全く歯が立たなかった、そんな自分が彼と互角に戦おうと思ったら強くなるしかない、それも短期間で……
藁にもすがる思いで幸乃はそれにかけたのである。
「わかった、私行ってみる」
他に手掛かりもない幸乃はすぐに返事をしてそこに行くことにした。
「待ってください、幸乃さんはあと2日は休んだ方がいいです、また倒れますよ」
そこにベルが抑止の声を出す、彼女の体は激しく消耗しているのでもう少し疲労がとれるまで待った方がいいという彼女の考えからだった。
昨日までどっしりと幸乃を覆っていた疲労感は何とか無くなり幸乃は立ち上がった。
そして4人は彼らの住んでいる村へ向かっていった。
女性達は「コンチョ」と呼ばれる銀を使用したネックレスを付けていて鉢巻をしめ、ペルシャ絨毯のような神秘的な模様をしたビロードのロングドレスに包まれていた
中央にどんと構えていたのは彼らナバポ族の王ベナリーだった、初老だが表情はきりっとしていて
背中からまるでワシのような羽が生えているのが彼らが鳥の亜人だということを証明していた
出会うとベナリーが真剣な表情で話しだした。
「お前の後ろにいる長い変な機械を持った精霊、そいつの本当の姿、ぜひ私の手で見せてやろう!!」
「え? シェルリ?」
2人はベナリーがシェルリを知っていて見えているということに驚き思わず目を合わせる
「ああ、貴様には同じ匂いがするからな……我らの精霊とな」
ベナリーの話によるとこの先にカチ―ナという遺跡があり、シェルリを見た瞬間からその遺跡独特の雰囲気と同じ匂いを感じたようである。
次に幸乃は自分たちがここに来た理由を話しだす。
ベナリーも先日の戦いには参加していて幸乃の活躍も敗北も知っていたようでそのために遺跡の力に興味があると話したらそれにも理解してくれた
。
しかし危険な生物や危険な山道を通るらしく本来の規定によりナバポ族のガイドをつけなくてはいけないらしい。
ただしその遺跡はいつも彼らが食料の採取に行く場所の近くにあるようでそのついでに行くなら大丈夫なようで明日出発の食料の採取のついでに行くというなら大丈夫だということだった。
一刻も早くミリートと戦って勝利したい幸乃にとって他に選択肢はなく二つ返事でそれを承諾した。
そして一行はラクダや馬に乗って行動を開始した。
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彼の企画は「おはよう英気君」と呼ばれており、街を歩いている人に英気を養ってもらうために下はズボン、上はTシャツだが乳首の部分だけが丸出しになっておりその姿で大声を上げながら全国の都市の繁華街でひたすら走りまわるという企画だった。
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