アイドル候補生の初めてもらったテレビの企画が「天才アイドルは異世界で勇者になれるのか」だった件

静内燕

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バードランド編

だったら、私だって戦う!!

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(速い!)

ベルはそう感じとる……
何とかそれをかわしたがゾイガーは
さらに連突きをベルに繰り出す。

(──けどいける!)

ベルはそう感じ相手の剣の先を弾くと体の位置を入れ替えて背後をとる。

そして剣を振り下ろそうとする、しかし──

その直前でとっさに後方に跳びそのベルがいた場所にゾイガーの薙いだ剣が通る。

もしかわさなかったら確実にゾイガーの剣はベルの胴体を抉っていた。
それぐらい素早いカウンターだった。

「我のカウンターをかわすとは、やるな……」

(カウンター、気をつけないと……)

ゾイガーは再び間合いを詰める
ベルに接近し腰の位置から剣を振り上げる、ベルは何とか剣で防いだがその剣をかわすようにゾイガーの剣が円を描いた。

その後、マシンガンのような強い威力と素早さでゾイガーは猛攻を仕掛ける。剣を振り上げ、突き、振り下ろし、一撃一撃が目にも止まらぬ速さだった。

ベルはそんな猛攻を紙一重で交わす、何とか反撃しようとするとすぐに鋭いカウンターがベルを襲う。

「かかったな!!」

ゾイガーはそれを待っていたかのように体制を変えて体制を変える、そしてベルの突きに合わせるかのように自らも突きを放つ、その瞬間に手首を返してベルの剣を巻くようにして絡めとる。

後は無防備なベルに術式を込めた一撃を見舞えばゾイガーの勝利。

(勝った!!)

ゾイガーは確信した。
──そのはずだった。






──しかし


(甘いです!!)


ベルは瞬時に伸びきっていた腕を引き戻す、その際にゾイガーの剣の先端を跳ね上げる、そして無防備なゾイガーに急接近する。

切望なる力・我が魂の剣に宿り切り裂け
アドベント・スレイシング


ゾイガーの胴体をベルの術式を纏った剣が貫きゾイガーの体が吹き飛び
勝負は決した。

「やるな、我の負けだ……」

ゾイガーはそのまま力なく倒れ込む、ベルは肩で息をしながら倒れたゾイガーに接近し話しかける。

「当然です、背負うものが違うんですから……」

ベルもリルカも決して負けられない理由がある、だから全力で闘える、どんな痛みも耐えられる。
差は明白だった。


ベルは小さく息をして戦っているリルカに視線を向ける。
そちらの方も決着はの時は近づいていた。








「行くぞ!!」

遠距離攻撃を繰り出しながら時折長い銃を剣のように扱いながら突撃してくる銃ゾイガーの攻撃をリルカは身を左へ回避してギリギリ回避していた。

(やっぱり幹部だけあって強い、迫力が違う……)

リルカはすかさず立ち上がり自身のデバイスである本を強く握りなおす。 絶対に放さまいと……

ゾイガーは再度リルカに向かって突撃してくる、リルカが近距離戦闘が出来ない事を読んでリルカに急接近し、接近戦を挑もうとする。

「シューティングスター・エアレイド!!」

リルカはすかさず反撃に出て向かってくるゾイガーに星状の攻撃を仕掛ける、しかしゾイガーは障壁を前方に張り、攻撃を防ぐ。

そしてリルカに急接近し自身の銃を振りかざす。

リルカは何とか攻撃を回避、しかし回避したリルカの1cmすぐ右を銃が通過し、リルカは驚愕する。

先ほどよりも攻撃の軌道がギリギリだった。

(ゾイガー、間違いない、確実に私の動きを読んでる──)

(このままじゃ、負ける……)

そう、ゾイガーはリルカの攻撃の交わす軌道を読んでいた。
このままではいずれ負ける事を悟ったリルカは身震いし始める。

だが座して死を待つリルカではなかった。
リルカは再び本を握りしめると術式を発動させる。



なんとゾイガーはそれを無視して突撃する。

そして人間の言葉ではない声を発すると彼の術式が発動し、彼の銃から攻撃が繰り出される、そしてその攻撃はリルカの術式を打ち破りそしてゾイガーの放った攻撃はリルカに直撃する。

リルカの体に大型トラックが衝突したような衝撃がはしりそのまま体が吹き飛び倒れこむ。
リルカは力を振り絞って何とか立ち上がる。

そしてリルカは感じとる、逃げていてはダメだと。
災難だってそう──

立ち向かわなかったら何も解決しない、戦わなくっちゃいけない。

ベルや幸乃だってそうだった。強い敵に立ち向かっていった、時には体を張って戦った。





(だったら、私だって戦う!!)





そしてリルカは決める
例え敵が強くたって、例え苦手な敵だって戦う

そうリルカが強く感じたその時……


リルカは驚愕する。
デバイスである本には今まで見たことがない術式があった。
そう、新たな術式がそこにあった……


何も言わずリルカは突撃してくるゾイガーを見つめる。

そしてその新たな術式を発動させる。


「コズミック・ブレイズ・エクスプローション・フィールド!!」

するとリルカからゾイガーに向けて強力な光線状の攻撃が放たれる。
ゾイガーも負けじと再び人間の言語では表せない言語の術式を唱える。

「これが私の全力だ!! 勝負だ人間よ!!」

ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!

そして両者の術式が衝突し、爆発する。
それはさっきまでにはないくらい、まるで大都市が一瞬で廃墟になるくらいの大きな爆発だった。

煙が晴れていく……
そこには力を使い尽くして倒れているゾイガーの姿があった。

「我を打ち破るとは、大した冒険者よ……」
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