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エンド・オブ・ザ・ノースランド
2人の全力
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ミリートは舌打ちする、そして最後のゼガリアの分身に突撃、彼が間合いに入るそして自身の剣でゼガリアの胴体を貫く。
「やはりな──」
その一撃は今までと同じく全く手ごたえがなかった。
(え? 全部分身?)
リルカが思わず驚いて愕然とする。
「あの霧を出した時だな?」
「どういうことですか?」
ミリートが想像する、恐らくは本物のゼガリアはユディットの術式で隠れているのだった。
「いきますよ、コズミック・ブレイズ・エクスプローション・フィールド!!」
リルカが 巨大な魔力を伴った爆発がこの場所全体にほとばしる。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ」
攻撃の範囲があまりにも広くゼガリアとユディットはかわしきれず断末魔の悲鳴を上げる。
そしてあまりの衝撃に2人の術式が解け、本当の姿が現れる。
「ようやく現れたな、貴様らの化けの皮!!」
そしてミリートは自身の剣に魔力を込める。
全ての希望を紡ぎ、切り裂け!! ダークネス・スレイシング
そして2人の胴を薙ぎ払う。ゼガリアとユディットの体は吹き飛び近くの木に衝突、そのまま力なく倒れこむ。
「お兄様、やりましたね」
「いや、まだだ──」
ミリートは感じ取った、こいつらはまだ牙を残していると。
その予感は的中していた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
その瞬間突然ゼガリアとユディットは大きなわめき声を繰り出す、そして人間の形をしていた2人の体が解けるように変質し始める。
「これが貴様らの正体」
人間に形をしていた2人は球状のような形状になり合体したように1つになり始める。
そして目の前に現れたおぞましい姿にリルカは肩を震わせる。
禍々しく醜悪に満ちたフォルム。真っ黒い腕からは数々の触手が生えそこにはさっきまで人間の形をしていた2人の原型はすでに無かった。
魔物のような姿をしたその物体が2人に話しかけてくる。
「よくぞやってくれたな貴様たち、これが我らの本当の姿だ」
無差別にその体から砲弾状の攻撃を発射していく。
森だった場所は荒野に、建物はすべて焼き尽くし廃墟になっていった。
「いいねえこの力、次に塵になるのは貴様だ!!」
そんな叫び声がこの場をこだまする。この圧倒的な力の前には2人が個別に戦っていたらすぐに破れてしまうだろう。
とてつもない轟音がこの場を支配する──
そしてそれに立ち向かう方法は一つしかなかった。
「リルカ、また力を合わせるぞ」
「はい、お兄様」
そして2人は両手を握る、相手から感じる強大な力。それはかつてヴルトゥームで戦った時と同じくらい強大な力だった。
2人が息を合わせる、そして2人は自分のすべての力を使い詠唱を始める。
邪悪なる力、混沌なる闇を率いて殲滅せよフル・ダークネス・バースト
コズミック・ブレイズ・エクスプローション・フィールド!!
その攻撃にゼガリアとユディットは自身の最大限の攻撃で迎撃する。
「それが貴様らの遺言だぁぁァァァァァァァァァァ!!」
彼らの放った術式とミリート、リルカの放った攻撃が衝突した。
2つの術式は大爆発を起こし、わずかな時間だけつばぜり合いを起こす、そして──
「何ィィィ? 俺の術式が破れるだとぉ!!」
完全にミリートとリルカの術式が打ち勝った。2人の術式がゼガリアとユディットの術式に向かっていく。
そして大爆発を起こす。
「ブルワァァァァァァァァァァァァァァァ──」
爆発の煙が晴れていく。敵の身体からさっきまで放出していた邪悪なる力の気配はすでになかった。そして敵の姿はまるで蒸発するように消滅していった。
「勝ちましたね、お兄様」
「ああ……」
2人はすでにボロボロ、すでに戦う力は残っていない
そして他の仲間たちのことを思う。
「幸乃さん、絶対に勝ってください……」
リルカはミリートに肩を寄せながら心の底から強く願った。
「やはりな──」
その一撃は今までと同じく全く手ごたえがなかった。
(え? 全部分身?)
リルカが思わず驚いて愕然とする。
「あの霧を出した時だな?」
「どういうことですか?」
ミリートが想像する、恐らくは本物のゼガリアはユディットの術式で隠れているのだった。
「いきますよ、コズミック・ブレイズ・エクスプローション・フィールド!!」
リルカが 巨大な魔力を伴った爆発がこの場所全体にほとばしる。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ」
攻撃の範囲があまりにも広くゼガリアとユディットはかわしきれず断末魔の悲鳴を上げる。
そしてあまりの衝撃に2人の術式が解け、本当の姿が現れる。
「ようやく現れたな、貴様らの化けの皮!!」
そしてミリートは自身の剣に魔力を込める。
全ての希望を紡ぎ、切り裂け!! ダークネス・スレイシング
そして2人の胴を薙ぎ払う。ゼガリアとユディットの体は吹き飛び近くの木に衝突、そのまま力なく倒れこむ。
「お兄様、やりましたね」
「いや、まだだ──」
ミリートは感じ取った、こいつらはまだ牙を残していると。
その予感は的中していた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
その瞬間突然ゼガリアとユディットは大きなわめき声を繰り出す、そして人間の形をしていた2人の体が解けるように変質し始める。
「これが貴様らの正体」
人間に形をしていた2人は球状のような形状になり合体したように1つになり始める。
そして目の前に現れたおぞましい姿にリルカは肩を震わせる。
禍々しく醜悪に満ちたフォルム。真っ黒い腕からは数々の触手が生えそこにはさっきまで人間の形をしていた2人の原型はすでに無かった。
魔物のような姿をしたその物体が2人に話しかけてくる。
「よくぞやってくれたな貴様たち、これが我らの本当の姿だ」
無差別にその体から砲弾状の攻撃を発射していく。
森だった場所は荒野に、建物はすべて焼き尽くし廃墟になっていった。
「いいねえこの力、次に塵になるのは貴様だ!!」
そんな叫び声がこの場をこだまする。この圧倒的な力の前には2人が個別に戦っていたらすぐに破れてしまうだろう。
とてつもない轟音がこの場を支配する──
そしてそれに立ち向かう方法は一つしかなかった。
「リルカ、また力を合わせるぞ」
「はい、お兄様」
そして2人は両手を握る、相手から感じる強大な力。それはかつてヴルトゥームで戦った時と同じくらい強大な力だった。
2人が息を合わせる、そして2人は自分のすべての力を使い詠唱を始める。
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その攻撃にゼガリアとユディットは自身の最大限の攻撃で迎撃する。
「それが貴様らの遺言だぁぁァァァァァァァァァァ!!」
彼らの放った術式とミリート、リルカの放った攻撃が衝突した。
2つの術式は大爆発を起こし、わずかな時間だけつばぜり合いを起こす、そして──
「何ィィィ? 俺の術式が破れるだとぉ!!」
完全にミリートとリルカの術式が打ち勝った。2人の術式がゼガリアとユディットの術式に向かっていく。
そして大爆発を起こす。
「ブルワァァァァァァァァァァァァァァァ──」
爆発の煙が晴れていく。敵の身体からさっきまで放出していた邪悪なる力の気配はすでになかった。そして敵の姿はまるで蒸発するように消滅していった。
「勝ちましたね、お兄様」
「ああ……」
2人はすでにボロボロ、すでに戦う力は残っていない
そして他の仲間たちのことを思う。
「幸乃さん、絶対に勝ってください……」
リルカはミリートに肩を寄せながら心の底から強く願った。
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