10 / 51
第10話 魔王軍幹部 ヒュドラ
しおりを挟む
その姿を見るなり、メルアの表情が引きつり、こわばり始める。
「どういうことだ。強いのか?」
「うん。ヒュドラはデュラハンやケルベロスとは違って幹部のような存在なの。多分この襲撃のリーダはあいつだよ!」
マジかよ。魔王軍幹部の1人か。ということは魔王軍でもそこそこ地位があるということか。
「多分、1人で行っても勝算はないし、バラバラに攻撃してもかわされたりするだけで勝ち目は薄い。連携をとってあいつを倒そう」
「そ、それもそうだね」
「で、どうすればいいんだ。早くしてくれ、あいつをぶっ殺すやり方」
ダルクはイライラしながら俺に聞いてくる。あまり待たせるとさっきみたいに暴走してしまいそうだ。
そして俺は2人の耳元でその作戦を手短に説明。
「うんわかった、私が援護すればいいんだね」
「んで、その瞬間に俺がヒュドラをぶっ殺せばいいんだな」
まあ、そこまで魔王軍をぶっ殺したいなら、花束はダルクに持たせた方がいいだろう。
教会の家の庭では他の冒険者たちが懸命に戦っているが、相手の方が明らかに強いらしくボロボロ。そしてヒュドラは腕には持っている大砲を倒れこんでいる冒険者たちに向け──。
ドォォォォォォォン!!
大きな爆発音を上げ、冒険者たちが数メートルほど吹き飛ぶ。もう戦えないだろうなあれでは。
「ふっ。たわいもない。そんなままごとで、われに勝てるわけがなかろう」
ヒュドラは余裕の表情で、教会の隅に座り込んでいる子供たちに視線を移す。
子供たちは恐怖し、すっかり怯え切っている。
「な、なんで教会を狙うんだよ。俺たちになんか用かよ」
1人の男の子がヒュドラに向かって突っかかる。するとヒュドラは子供たちに接近し、ニヤリと笑みを浮かべながら言葉を返し始める。
「ほほぅ。われの姿を見て口答えができる勇気があるとは大したやつだ。まあ、その褒美として教えてやろう」
「な、なんだよ」
「奴隷として育てたり、われらのために最前線戦う兵士として育てるなど。使い道は豊富にある。じきにこの村は我らが制圧し、領地は我らのもの。村人は奴隷としてわれらの繁栄に貢献、子供たちは死線で戦う兵士として育成。そんなところだな」
その言葉に子供たちは全身を怯えさせ恐怖する。
冗談じゃない。そんな蛮行、許せるはずがない。
「信一君。そうだよ」
メルアの言う通りだ。だが、相手は強敵、ただ感情のままに戦っても勝ち目は薄い。
「さて、コルテスとかいううるさいジジイはすでに拘束。冒険者は雑魚ばかり。あとはこいつらを連れていくだけだな」
そんなこと、絶対にさせるか!
「わかった。作戦開始、ダルク。子供たちのために頼むぞ」
「ああ──、信じてるぞ」
そういってダルクはこの場を去り、作戦通りの配置につく。俺はそれを確認すると、ヒュドラを倒すための作戦の遂行に入る。
「行くよ、メルア」
「うん!」
そして俺はヒュドラに接近する。
「ヒュドラ。ここは俺の住処だ。今すぐ出ていってもらおうか!」
「なんだ、愚か者が。この俺を誰かと知っての口答えか?」
うっ。対峙しただけでわかる。こいつの強さとオーラ。足が軽く震え、逃げ出したいという恐怖のような感情が体の底から湧いてくる。
「ヒュドラでしょ。聞いたよ」
メルアが1歩踏み出し、ヒュドラをにらみつける。よく見ると足が震えている、俺と同じでヒュドラに対する怖さがあるのだろう。
「ふっ。負けるとわかっていて戦うのは、勇気ではなく蛮勇というものだ。思い知らせてやろう」
そしてヒュドラは大砲を俺たちに向けてくる。
俺は右とメルアは左と正反対の方向に移動。
「なるほど、まずは攪乱しようということか」
大砲を持っているということは、遠距離攻撃を仕掛けてくるはず。
まずは俺とメルアが1直線上るのはまずい。ヒュドラに狙いを定められ、攻撃されるからだ。
「ちょっとは考えるようだな。だが、そんなお遊戯で我に勝つと思うなよ」
ヒュドラはメルアに視線を向ける。弓矢なので遠距離なら彼女を警戒しようと考えたのだろう。
そしてメルアが弓矢を7~8発放つ。しかしヒュドラは剣を一振りしてその矢を叩き落とす。
「なんだそれは、その程度のお遊戯。我には通用にない」
そう叫ぶとこっちに向かってきた。
そして急接近すると、その剣を俺に向かってぶん回してくる。
俺はその攻撃を受けるのだが。
──な、なんて強さだ?
驚いたのはその威力。今までにない強さ、ダンプカーの突進を腕1本で受けているような感じだ。
あまりの強さに腕の感覚がなくなる。
次いで、ヒュドラはメルアにも攻撃。メルアは攻撃を受けようとするが、その強い攻撃を受パスタることができず──。
「フッ、軟弱な小娘だ」
メルアの肉体が数メートル吹き飛び、教会の壁に強く激突。ぐったりと倒れこむ。
「あとはお前だけだ。さあ、降参して子供たちを渡してもらおうか」
「ふざけるな。渡すか!」
子供たちは、恐怖で体を染まり切っていて、身を寄せ合っている。
「フッ。つまらない意地を張っているのか、身の程を知らないのか。では、勝負を決めさせてもらうぞ」
そしてヒュドラは再び俺に向かって接近してくる。
一発食らったら致命傷なるような威力の攻撃を、俺は受け止め、かわしていく。
さすがに強い、幹部だけある。俺一人なら確実に勝てない。
「どうした? あれほど威勢のいいことを言っている割には、逃げてばかりではないか」
「そうかもしれないな」
お前にはそう見えるよな。けどそろそろだ。
「どういうことだ。強いのか?」
「うん。ヒュドラはデュラハンやケルベロスとは違って幹部のような存在なの。多分この襲撃のリーダはあいつだよ!」
マジかよ。魔王軍幹部の1人か。ということは魔王軍でもそこそこ地位があるということか。
「多分、1人で行っても勝算はないし、バラバラに攻撃してもかわされたりするだけで勝ち目は薄い。連携をとってあいつを倒そう」
「そ、それもそうだね」
「で、どうすればいいんだ。早くしてくれ、あいつをぶっ殺すやり方」
ダルクはイライラしながら俺に聞いてくる。あまり待たせるとさっきみたいに暴走してしまいそうだ。
そして俺は2人の耳元でその作戦を手短に説明。
「うんわかった、私が援護すればいいんだね」
「んで、その瞬間に俺がヒュドラをぶっ殺せばいいんだな」
まあ、そこまで魔王軍をぶっ殺したいなら、花束はダルクに持たせた方がいいだろう。
教会の家の庭では他の冒険者たちが懸命に戦っているが、相手の方が明らかに強いらしくボロボロ。そしてヒュドラは腕には持っている大砲を倒れこんでいる冒険者たちに向け──。
ドォォォォォォォン!!
大きな爆発音を上げ、冒険者たちが数メートルほど吹き飛ぶ。もう戦えないだろうなあれでは。
「ふっ。たわいもない。そんなままごとで、われに勝てるわけがなかろう」
ヒュドラは余裕の表情で、教会の隅に座り込んでいる子供たちに視線を移す。
子供たちは恐怖し、すっかり怯え切っている。
「な、なんで教会を狙うんだよ。俺たちになんか用かよ」
1人の男の子がヒュドラに向かって突っかかる。するとヒュドラは子供たちに接近し、ニヤリと笑みを浮かべながら言葉を返し始める。
「ほほぅ。われの姿を見て口答えができる勇気があるとは大したやつだ。まあ、その褒美として教えてやろう」
「な、なんだよ」
「奴隷として育てたり、われらのために最前線戦う兵士として育てるなど。使い道は豊富にある。じきにこの村は我らが制圧し、領地は我らのもの。村人は奴隷としてわれらの繁栄に貢献、子供たちは死線で戦う兵士として育成。そんなところだな」
その言葉に子供たちは全身を怯えさせ恐怖する。
冗談じゃない。そんな蛮行、許せるはずがない。
「信一君。そうだよ」
メルアの言う通りだ。だが、相手は強敵、ただ感情のままに戦っても勝ち目は薄い。
「さて、コルテスとかいううるさいジジイはすでに拘束。冒険者は雑魚ばかり。あとはこいつらを連れていくだけだな」
そんなこと、絶対にさせるか!
「わかった。作戦開始、ダルク。子供たちのために頼むぞ」
「ああ──、信じてるぞ」
そういってダルクはこの場を去り、作戦通りの配置につく。俺はそれを確認すると、ヒュドラを倒すための作戦の遂行に入る。
「行くよ、メルア」
「うん!」
そして俺はヒュドラに接近する。
「ヒュドラ。ここは俺の住処だ。今すぐ出ていってもらおうか!」
「なんだ、愚か者が。この俺を誰かと知っての口答えか?」
うっ。対峙しただけでわかる。こいつの強さとオーラ。足が軽く震え、逃げ出したいという恐怖のような感情が体の底から湧いてくる。
「ヒュドラでしょ。聞いたよ」
メルアが1歩踏み出し、ヒュドラをにらみつける。よく見ると足が震えている、俺と同じでヒュドラに対する怖さがあるのだろう。
「ふっ。負けるとわかっていて戦うのは、勇気ではなく蛮勇というものだ。思い知らせてやろう」
そしてヒュドラは大砲を俺たちに向けてくる。
俺は右とメルアは左と正反対の方向に移動。
「なるほど、まずは攪乱しようということか」
大砲を持っているということは、遠距離攻撃を仕掛けてくるはず。
まずは俺とメルアが1直線上るのはまずい。ヒュドラに狙いを定められ、攻撃されるからだ。
「ちょっとは考えるようだな。だが、そんなお遊戯で我に勝つと思うなよ」
ヒュドラはメルアに視線を向ける。弓矢なので遠距離なら彼女を警戒しようと考えたのだろう。
そしてメルアが弓矢を7~8発放つ。しかしヒュドラは剣を一振りしてその矢を叩き落とす。
「なんだそれは、その程度のお遊戯。我には通用にない」
そう叫ぶとこっちに向かってきた。
そして急接近すると、その剣を俺に向かってぶん回してくる。
俺はその攻撃を受けるのだが。
──な、なんて強さだ?
驚いたのはその威力。今までにない強さ、ダンプカーの突進を腕1本で受けているような感じだ。
あまりの強さに腕の感覚がなくなる。
次いで、ヒュドラはメルアにも攻撃。メルアは攻撃を受けようとするが、その強い攻撃を受パスタることができず──。
「フッ、軟弱な小娘だ」
メルアの肉体が数メートル吹き飛び、教会の壁に強く激突。ぐったりと倒れこむ。
「あとはお前だけだ。さあ、降参して子供たちを渡してもらおうか」
「ふざけるな。渡すか!」
子供たちは、恐怖で体を染まり切っていて、身を寄せ合っている。
「フッ。つまらない意地を張っているのか、身の程を知らないのか。では、勝負を決めさせてもらうぞ」
そしてヒュドラは再び俺に向かって接近してくる。
一発食らったら致命傷なるような威力の攻撃を、俺は受け止め、かわしていく。
さすがに強い、幹部だけある。俺一人なら確実に勝てない。
「どうした? あれほど威勢のいいことを言っている割には、逃げてばかりではないか」
「そうかもしれないな」
お前にはそう見えるよな。けどそろそろだ。
0
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる