暴力系幼馴染と異世界に転生したら、幼馴染が魔王軍に裏切るとか言ったから、そのクソみたいな面を思いっきりぶん殴った

静内燕

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ネフィリムフィア編

第45話 最終決戦

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その夜、俺はルナたちにちょっと用があると言って外へ出る。

さっき、ルナの家から窓越しに夜景を見ていた時、見てしまったのだ。
こっちへ来いと、手招きしている、彼女の姿を。

俺はその方向へ、裏通りを進むと、その人物はいた。

「──何の用だ」

「信一君。私が来て、嬉しかった?」

まさか、本当にいるとは思わなかった。

文香だ。本当は顔を合わせることさえ嫌な存在。俺の人生を狂わせ、不幸に突き落としてきた存在。


「文香、まさかお前もネフィリムフィアに来ていたとはな」

「当たり前じゃない。あなたの目の前に現れるなら、たとえ地獄の底にだって行ってやるわ」

そのまま地獄の底に落ちて、永久に苦しんでしまえばいいのに──。
そして文香がニヤニヤとしながら話を続ける。
けど、今は向き合わなくちゃいけない。他ならぬ、ルナのために!


「あんた、今度はルナって女の子とつるんでいるんだって。私の新しい当て馬ね」

やはり知っていたのか、完全についてきているなこれ。まるでストーカーだ。

「それにしてもルナちゃんだっけ? 面白そうな道具見つけたじゃない」

道具だと?ふざけるな。俺はこいつの殴り掛かりたいという衝動に駆られてしまう。
まて、今怒りを爆発させてもどうにもならない。とりあえずこいつの話を聞こう。


「とりあえず、俺やルナの何の用があるのか言ってみろ。お前の話をだらだらと聞いているほど、こっちは暇じゃない」

「簡単よ。ルナちゃんの魔王軍の力、それを引き出して、一緒にこの世界を征服するの」

くだらない。そんなことはあり得ないのは、彼女と一日接した俺ならすぐにわかる。お断りだ。

「ルナは、お前みたいな人間の屑とは違う。人柄がよく、思いやりがある女の子だ」

「そう。あんな不細工で性格が超悪そうな根暗なんて私の敵じゃないわ」

不細工で根暗? 鏡でも見ていっているのか?

「けれど、アイツの持っている魔王軍の力。それは多少は役に立つと思うの」


「何でこの私があんな根暗の事なんて気にかけなきゃいけないのよ。 別に、アイツが苦しい思いをしたって私が嫌な思いをするわけじゃないし~~。どうにでもすれば~~」

こいつ。本当はこんな異国の地に来てもめ事を起こすなんてしたくはなかった。だが、ここまで彼女たちを侮辱されて黙っている俺ではない。

「お前、いい加減にしろよ!」

思いっきり文香の胸ぐらをつかむ。文香は何が起きたかわからず目を大きく開けて動揺している。


「俺にちょっかいを出すのはいい。だが、メルアやダルク、ルナに手を出してみろ。またその顔面をぶん殴ってやるからな!!」

そして俺は文香を話す。少しは答えてくれるといいのだが。

「あはは、信一君。あまりに私を好きすぎて」

「天使のように優しい私だから。大目に見ているわけだけど、普通の女の子だったら速攻でフラれてるところよ!」



「全部あんたが悪いんだからね。あんたが恋の仕方を分かっていなくて、私を好きすぎて振り向いてもらおうと他の女の子と付き合って、私を焦らせようとしているんでしょ。悪いけどそんなの悪手よ」

わかってる、こいつに正論は通用しないと。強く言って分からせるしかない。

「さあ信一君。この大好きな大好きな私のためにあのクソ女を捨てて私についなさい」

文香は自信満々に俺を指さし言い放つ。お前の傲慢な態度、そんな言い方で俺が屈すると思ったら大間違いだ!

「お前につくことなんて世界が終わってもあり得ない。いいから俺の目の前に現れるな、俺の友の前で、大切な人の前に現れて、邪魔をしたり危害を加えたりするな!」

俺もそれに負けないくらい、きっぱりとした態度で言い放った。

「もういいわ。あんたなんて見捨てたわ。ど、ど、どうなったって、私の管轄外よ」

捨て台詞のような言葉。もう俺には届くことはない。だって、文香は魔王軍に魂を売り、俺たちに牙を向けた。もう、あいつは幼馴染でも仲間でもない。魔王軍に魂を売り渡した、卑しいだけの敵だ。

「バイバイ! 泣いて後悔しなさい!」


そして文香は去っていた。去り際に1枚の紙きれを残して。

俺はその紙きれを手に取り、この場を後にしていった。






そして1週間後。

俺たちは王都の郊外の森にいた。
人気がないうっそうとした森。見通しがきかず、ルナがきょろきょろと周囲を見渡す。

「ねえ、何か出そうで怖いよ。本当に、この場所で合っているの?」

「確かこの森を超えた先だ。そこに文香はいる」

そう、1週間前に文香からもらった手紙。そこに記していたのだ。1週間後、この場所にいると。

「あっ、あそこで森が終わるよ。出口じゃない?」

メルアが指さした先。その道の先には光がさしている。恐らくその通りだ。
俺たちは息をのんで覚悟を決めた後道の先へ。



ジャングルを抜けると、そこは何もない草原が広がっていた。
向こうの地平線が見えるくらいの、広々とした丘。

そして、その中心に彼女はいた。

「信一、あれ文香じゃねえか?」

「そうだな、ダルク」



文香は俺たちにここに来るように手紙で指示を出していた。
長い森を超えた草原。見晴らしがよい場所で、腕と組んで堂々と立っている。

そして俺たちは文香の目の前まで歩を進めた。

「どうしてここにあなたたちを呼んだか、わかってる?」
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