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3章
一つになった力
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「当たり前じゃない。勝つしかないんだから! 可能性は、作り出すものだから──
道がないなら、自分たちで作って見せる」
ミシェウの強気な言葉で、こっちにも元気が戻ってくる。
そうだ、どれだけ敵が強くたって、今まで力を合わせて戦ってきた。ずっと、今まで戦ってきたのだ。
「力を合わせて、それなら──一つになって戦えばいいんじゃない。私なら、出来る」
「本当に」
ミシェウが強い目つきで言う。力を合わせて戦うってこと? でも、それだけで勝てるなんて到底思えない。戦っているからわかる。私たちと魔王には、そんなきれいごとの言葉では埋められないほどの差がある。
ミシェウだって、それがわからないわけではないはず。でも、ミシェウの表情は真剣で、弱気な感情が一つもない。何か理由でもあるのだろうか。
「ハッタリだな。それでどうすることもできないから、貴様らはこうして地べたに這いつくばっているのだろう?」
言い返せない。けど、ミシェウの表情は揺るがない。ただハッタリで言っているのではないというのも理解できる。
「こうすればいい。私は、力を束ねることが出来る。それが、全く違う力だったとしても」
そして、ミシェウはゆっくりと立ち上がって杖を天に向けた。
「ずっと考えてたの これだけは、私にしかできないって。これなら、今までにない強いことだって」
強く、とっても自信を持った笑み。
「希望に満ちたる救済の力・異なる力を束ね無限の光を紡ぎ出せ天地創造(てんちそうぞう)オルペウス・コード」
それは、初めて聞いた術式。
その瞬間、私が持っていた剣とミシェウが持っている杖が強く光り始めた。今まで感じたことがない、強い力。それがオーラの様になって、天空へと舞い上がる。
「ちょ、ちょっと」
「いや──これで大丈夫」
自信に満ちたミシェウの表情。そこまで大丈夫なら──問題なく術式は進行しているという事か?
そして私とミシェウの全く違う2つの力が、渦を巻くようにして1つになっていく。柱の様に一度天空に舞い上がった後、それが私たちを包む。
包んで、私の身体にミシェウの体が重なる。それは、揶揄なんかじゃない。ミシェウの体が半透明になったあと私の身体に重なる。
ミシェウの力が、私の魔力と合体していっているんだ。
「させるか!」
魔力の強さを、魔王は理解したのだろう。魔力がこもった砲弾を投げてきた。私たちはそれを剣で叩き落とした。そして、反撃。
「天候は──雷。私たちに力を──集いし光が、新たに輝く閃光となる。
サンダー・ヨシュア・メタイオン」
「させるか」
魔王はさっきまでの要領で反撃しようとするが攻撃を受けきれず後退。手痛いダメージを受けているのがわかる。
魔力の強さ的に、さっきまでなら受けきれなかった攻撃。それを軽々と叩き落とした挙句に反撃してダメージを負わせるところまできた。
思わず驚いて言葉を失う。
「何この力」
「2人の力。この魔力はね、互いに信じあった者の力を1つにして、戦えるようになる術式なの」
「1つにして。なるほどね」
その言葉に、私ははっとなった。
私達がバラバラに戦うからダメなんだ。1人で勝てないなら──一緒になって戦えばいい。
それも、言葉だけじゃない。本当に体も1つになって。1つになった時から体から発せられるパワー、分かる。これならいけるかもしれないと。
「一緒なったとて結果は変わらん。貴様たちを我には、決して埋められぬ差があるのだ」
「じゃあ、受けてみなさい。そうすればわかるから──私たちの力を」
意志が、1つになった。2人の力が、1つになって今までにない力を発揮する。だから勝てる。
集いし光の結晶が、新たな想いを力に変える セイバー・スラッシュ・アルカディア
最初っから大技を魔王に放っていく。私の魔力と、ミシェウの占星術の力を合わせた斬撃の技。私が放てる魔力の、数倍はある。
「小癪なその程度で」
魔王もそれに合わせて剣を横にして攻撃を受けようとする。しかし、明らかにさっきより表情が苦しそう。連続で放っていくと、魔王はそれだけで攻撃を受けきれなくなり腕に切り傷を負う。
「このまま押し切るよ」
「そうねミシェウ」
今までとは違った展開。まだ油断は出来ないけれど、ようやく訪れた好機、行かないわけには行かない。2人で相槌を打って、同時に前へ出て攻撃を放っていく。
「聖天──スターライト・ミラージュ」
魔王が警戒したのか距離を取ったので今度は遠距離攻撃。私の力とミシェウの力。それが星状の形になり魔王に突っ込んでいった。
「深淵の暗黒より煮えたぐりし力・暗黒に澱みし怒りをこの地で放出せよ アシッド・ブラスター」
魔王は──あくまで抗戦するつもりだ。闇の気配が今までない込められた光線がこっちに突っ込んできた。小細工なしの、力と力のぶつかり合い。
分かる──どっちの想いが強いかでこの戦いの勝負が決まるのだと。
そして互いの攻撃は一歩も譲らず大爆発を超す。「ドォォォォォォォォォォォォォォォン」と大きな音が鳴り響いた後、爆発で粉塵が舞う──視界が効かない。
そんな中、私達は一気に突っ込んでいった。
道がないなら、自分たちで作って見せる」
ミシェウの強気な言葉で、こっちにも元気が戻ってくる。
そうだ、どれだけ敵が強くたって、今まで力を合わせて戦ってきた。ずっと、今まで戦ってきたのだ。
「力を合わせて、それなら──一つになって戦えばいいんじゃない。私なら、出来る」
「本当に」
ミシェウが強い目つきで言う。力を合わせて戦うってこと? でも、それだけで勝てるなんて到底思えない。戦っているからわかる。私たちと魔王には、そんなきれいごとの言葉では埋められないほどの差がある。
ミシェウだって、それがわからないわけではないはず。でも、ミシェウの表情は真剣で、弱気な感情が一つもない。何か理由でもあるのだろうか。
「ハッタリだな。それでどうすることもできないから、貴様らはこうして地べたに這いつくばっているのだろう?」
言い返せない。けど、ミシェウの表情は揺るがない。ただハッタリで言っているのではないというのも理解できる。
「こうすればいい。私は、力を束ねることが出来る。それが、全く違う力だったとしても」
そして、ミシェウはゆっくりと立ち上がって杖を天に向けた。
「ずっと考えてたの これだけは、私にしかできないって。これなら、今までにない強いことだって」
強く、とっても自信を持った笑み。
「希望に満ちたる救済の力・異なる力を束ね無限の光を紡ぎ出せ天地創造(てんちそうぞう)オルペウス・コード」
それは、初めて聞いた術式。
その瞬間、私が持っていた剣とミシェウが持っている杖が強く光り始めた。今まで感じたことがない、強い力。それがオーラの様になって、天空へと舞い上がる。
「ちょ、ちょっと」
「いや──これで大丈夫」
自信に満ちたミシェウの表情。そこまで大丈夫なら──問題なく術式は進行しているという事か?
そして私とミシェウの全く違う2つの力が、渦を巻くようにして1つになっていく。柱の様に一度天空に舞い上がった後、それが私たちを包む。
包んで、私の身体にミシェウの体が重なる。それは、揶揄なんかじゃない。ミシェウの体が半透明になったあと私の身体に重なる。
ミシェウの力が、私の魔力と合体していっているんだ。
「させるか!」
魔力の強さを、魔王は理解したのだろう。魔力がこもった砲弾を投げてきた。私たちはそれを剣で叩き落とした。そして、反撃。
「天候は──雷。私たちに力を──集いし光が、新たに輝く閃光となる。
サンダー・ヨシュア・メタイオン」
「させるか」
魔王はさっきまでの要領で反撃しようとするが攻撃を受けきれず後退。手痛いダメージを受けているのがわかる。
魔力の強さ的に、さっきまでなら受けきれなかった攻撃。それを軽々と叩き落とした挙句に反撃してダメージを負わせるところまできた。
思わず驚いて言葉を失う。
「何この力」
「2人の力。この魔力はね、互いに信じあった者の力を1つにして、戦えるようになる術式なの」
「1つにして。なるほどね」
その言葉に、私ははっとなった。
私達がバラバラに戦うからダメなんだ。1人で勝てないなら──一緒になって戦えばいい。
それも、言葉だけじゃない。本当に体も1つになって。1つになった時から体から発せられるパワー、分かる。これならいけるかもしれないと。
「一緒なったとて結果は変わらん。貴様たちを我には、決して埋められぬ差があるのだ」
「じゃあ、受けてみなさい。そうすればわかるから──私たちの力を」
意志が、1つになった。2人の力が、1つになって今までにない力を発揮する。だから勝てる。
集いし光の結晶が、新たな想いを力に変える セイバー・スラッシュ・アルカディア
最初っから大技を魔王に放っていく。私の魔力と、ミシェウの占星術の力を合わせた斬撃の技。私が放てる魔力の、数倍はある。
「小癪なその程度で」
魔王もそれに合わせて剣を横にして攻撃を受けようとする。しかし、明らかにさっきより表情が苦しそう。連続で放っていくと、魔王はそれだけで攻撃を受けきれなくなり腕に切り傷を負う。
「このまま押し切るよ」
「そうねミシェウ」
今までとは違った展開。まだ油断は出来ないけれど、ようやく訪れた好機、行かないわけには行かない。2人で相槌を打って、同時に前へ出て攻撃を放っていく。
「聖天──スターライト・ミラージュ」
魔王が警戒したのか距離を取ったので今度は遠距離攻撃。私の力とミシェウの力。それが星状の形になり魔王に突っ込んでいった。
「深淵の暗黒より煮えたぐりし力・暗黒に澱みし怒りをこの地で放出せよ アシッド・ブラスター」
魔王は──あくまで抗戦するつもりだ。闇の気配が今までない込められた光線がこっちに突っ込んできた。小細工なしの、力と力のぶつかり合い。
分かる──どっちの想いが強いかでこの戦いの勝負が決まるのだと。
そして互いの攻撃は一歩も譲らず大爆発を超す。「ドォォォォォォォォォォォォォォォン」と大きな音が鳴り響いた後、爆発で粉塵が舞う──視界が効かない。
そんな中、私達は一気に突っ込んでいった。
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