~~婚約破棄から始まる天才少女と占星王女の天聖革命~~ 最強無敵の冷徹令嬢は最愛の王女様を救うため、世界をやり直すようです

静内燕

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全力の戦い

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 そうだ。みんな──目的がある。生活──資源。誰もが自分が正しいと思って、みんな全力で戦っている。
 それを自分だけ正しいからよこせなんて認められない。欲しかったら、自分の力で取り戻さないとダメ──だと思う。

 強気な表情を崩さないまま、ジェフリーを見つめたまま。ジェフリーは、フッと笑みを浮かべて言葉を返す。

「良い返事だ。これで、躊躇なく貴様を亡き者にすることができる」

「私は──ここにいる人たちを守らなければいけません。あなたの返事がどうであろうと、ここを生きて抜け出すことに変わりはありません」

 感情に出してはいないが、心の底から計り知れないエネルギーを感じる。
 この戦い、全力で戦わないと負ける──そう覚悟を決めた時。

「この野郎ぉぉぉ」

 そんなさなか、兵士が数人ジェフリーに突撃していった。彼の態度に業を煮やしたのだろう。

「ダメ──」

 思わず叫んだが、興奮した彼らは言うことを効かない。こいつはさっきまでの敵とは違うのに。

「その程度で、私に勝とうと思うな!」


 ジェフリーは身軽に攻撃をかわし、兵士たちの背後を取る。ものの数秒で、兵士たちを倒してしまった。

「こんなやつら、準備運動にもならん。お前たちがかかってこい、そしてこのラングーンを、絶対に取り戻して見せる!」

 ジェフリーの強気な言葉。相当今まで強い気持ちだというのがわかる。覚悟してかからないと確実に負ける。でも、こっちだって負けるわけにはいかない。

「ミシェウ!」

「はい」

 私が前に出る!!

 私が前線で対応し、ミシェウが後ろから強力な攻撃を打つ。ロザリアも一緒にいれ上げたいけど、彼女とは一緒になったばかり──いきなり一緒に戦っても、かえって足を引っ張ってしまうと思う。また、コンビネーションを高めたら一緒に戦いましょ?

 全身に魔力をたぎらせ、立ち向かっていく。

 私の剣とジェフリーの剣が激突。

 激突した瞬間、その強さに驚く何これ?
 腕が軋むような強さ。私よりも、パワーが数段強い。何度も受けていたら、腕の感覚がなくなりそう。

 力ずくで何度も突き──振り下ろし、薙ぎ払い。

 確かに、パワーという観点ではすごいものがある。でも──絶対に勝てないと言われたらそうでもない。殴りかかってきた攻撃を受ける。痛い──このまま続いたら確実に負ける。

「どうした? 逃げまどうだけでは勝つことはできないぞ?」

 ここで乗ったら負けだ。こういった言葉だって、駆け引きのうち──。相手の感情や戦いを読みながら最善を尽くす。神経を集中させ、気持ちを切らさない。

 そんな冷徹で、勝利のために感情を捨てるのが私の戦い。

「ここ!」


 前がかりになったところに、一気に突っ込んでいこうとして──。

「スキあり!!」

 ジェフリーのスピードが、それに負けないくらい上がる。尋常じゃない。追撃を受けようとして、寸前で起動が変化する。何とか対応しないと──。

「冷徹な素振りを見せているが、お前が来ないならこっちはやりたい放題だ」

 何とか対応しようとするが、どうしても防戦一方になってしまう。私の速度では限界があり、一度跳ねるように下がったジェフリーは、もう一度距離を詰め、私が身を起こす前に上段から切り落とす。

 転がるようにしてそれをかわして、強引に跳ね起きた。額から汗が浮かび、表情が厳しくなる。

 賭けに出て攻勢に出る。ジェフリーの攻撃をギリギリでかわして、横一線に薙ぎはらう。

「これで終わりだァァァァァァ」

 が対応され、大降りに振った剣よりを戻すよりも先に切り下した攻撃を受けてしまった。
 大きく吹き飛んでしまう。受け身を取って、少しでもダメージを軽減させる。


 どうすれば──どうすればいいかわからず、心に迷いが出る。軽く出血した右腕を抑えながらジェフリーをじっと見て、睨みつけていた。

「負けないで!!!」

「シャマシュ……」

 私の様子に、ミシェウが叫んできた。心配そうな表情。

「私だっている、だから負けないで」

「黙れ。真剣勝負で戦うコンビネーションもないのだろう、だからこいつが必死で戦っているのに心配そうに見ているしかないのだ」

 その言葉に──私も、ミシェウも言葉を返せなかった。確かにそうだ。以前の世界でも一緒に戦えるようになったのは、本当に国が危うくなってきたときから出し、今では時々それを想定した訓練をし始めたけど、そこら辺の敵ならともかく、ここまでの敵相手だと連度が足らず足を引っ張ってしまう可能性だってある。

 ミシェウが言うには、私の動きがまだ読み切れないとか。

「私、シャマシュと一緒にいたいし──これ以上苦しむ姿は見たくない。だから、一旦引こう? まだ動けるうちに」

 その言葉──確かにそうだ。私がまだ動けるうちに撤退。周囲の人達も、消耗こそしているものまだ動ける。
 抵抗できるうちに撤退すれば、まだ相手が攻撃していても戦えるが──戦えなくなったら全員、破滅しかない。

「逃がさんよ、これだけ暴れたんだ。どのみち、俺に勝たない限りお前たちは祖国へ帰れない」
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