~~婚約破棄から始まる天才少女と占星王女の天聖革命~~ 最強無敵の冷徹令嬢は最愛の王女様を救うため、世界をやり直すようです

静内燕

文字の大きさ
53 / 139
2章

街を、歩いていると

しおりを挟む

 ふぅ──何とか会議が終わった。まさかの裏切り者がいるなんてね。

「それはわからないわ。これから探す必要があるわ。皆さん、協力よろしくね」

「わかりました」

 動揺しながらも全員が賛同してくれた。
 これはこれで、大変なことになったわ。表向きは協力してくれるとはいえ、自分の身の周りがそうだったとしたら態度を一変させてかばおうとするだろう。

 それを見抜かなきゃいけないのもとても大変そう。心折れる作業になりそう。

 とりあえず会議は終わった。メンデス──大丈夫かしら。
 彼女、とても繊細な子なのよね。心配。

 一度、2人の場所に向かってメンデスの状態を確認。カイセドと一緒にいて、少し元気を取り戻したみたい。「ありがとう」と優しい笑みを浮かべて頭を下げてきた。とりあえず、大丈夫そうか。



 何とか、対策を立てないと──。

 考えて、街を散策してみることとなった。考えても仕方ないし、戦い後の街の様子だって見てみたいし。

 そして、私たちは宮殿を出て王都の中を歩き始めた。
 大通りの、比較的治安がいい道を屋台で買ったパフェを食べながら道を行く。

「なんていうか、デートみたいね」

「そ、そそうよね」

 デートという言葉に、ドキッとして顔を赤くしてしまう。ちょっと、意識しちゃうわね。
 顔が赤くなり思考がまとまらなくなりミシェウの事ばかり考えてしまう。
 って今は遊びじゃないのよね。息抜きにデート気分になるくらいはいいけど、締めるとこは締めないと。
 街──どこか表情が暗い。ちょっと、話を聞いてみようかしら。

 露店で、ドライフルーツを売っている人に話を聞いてみた。目が合うなり、ぺこりと頭を下げてくる。

「ラングーンの方での戦い、お疲れ様です」

「え──なんで知ってるんですか?」

 私達がラングーンにいたということは、周囲にはあまり知らせてない。広がるとしても、もう少し時間がかかると思ってたんだけれど──。意表をつかれて戸惑っていると、おばさんが話を進めた。

「息子がね、参加したのよ」



「そうだったんですか、ありがとうございます」

「ただね、怪我を負ってしまって今療養中なの」

 話によると、何本か骨を折って仕事に復帰も難しいらしい。おまけに、周囲の冒険者で亡くなった人が多く出てしまい精神に傷を負ったとか。

「そんな中でも、あなたたち2人はとても活躍したって聞いてるわ」

「それは、ありがとうございます」

「あなたたちは、とても応援してるから、頑張るのよ」

 奨励の言葉に、2人とも頭を下げた。そう応援されると、こっちも頑張ろうという気持ちになる。

「了解です。皆様の期待にこたえられるように頑張ります」


 そして、店を離れる。

「街に出た時のいいとこって、これよね。実際の声を聞けるし、時には応援の声を「もらえる。頑張ろうって気になるもの」

「それはわかります」

 現に、今応援の言葉をもらった時ちょっとうれしさを感じた。私は、今までそんなことしてなくて、何で街にって思ったけど──これはいいメリットよね。おまけに、国民たちと一緒にいることで顔を覚えてもらえる。

 ミシェル、そりゃ人気者になるわよね。
 そしてそんなことを考えていると、後ろから誰かが話しかけてきた。


「ああ、シャマシュ様とミシェウ様ですね。お久しぶりです」

「あ、あなたは──」

 騎士の格好をした、髪の長い金髪の女の人。
 ロザリア──こんなところで会うとは思わなかった。

 ラングーンでは一緒に戦った仲だ。しかし、こんな街中で何をしているのだろうか。

「どしたの?」

「ええと。この街で調べていたのですが」

 ひそひそと、耳打ちしてくる。聞かれたら困ることでもあるのだろうか。

「最近ね、よく見るのよ。見たこのもない外国からの商品が。それも闇市経由で」

 話を聞くと、貧しい人々が見たこともない食べ物や小物類を持っている場合が多いので、気になって調べているとか。
 何か、ヒントになるかもしれないわ。ちょっと聞いてみよう。

「一緒に歩きませんか?」

「そうですね、色々と気が付けたら幸いです」

 気が付けることも増えるかもしれない。他に行く当てがあるわけでもないし、一緒に行動してみようか。

「一緒に行動、楽しみです。少しでもこの街のことを、今起きていることを知れたらいいです」

「こちらこそよろしくお願いします」

 大通りからしばらく道を進んで人気の少ない道へ。さっきまでと比べると、道にゴミが散らかって汚れていたり、不規則に古びた家屋が並んでいるような貧困層が住むエリアへと入っていく。

「この辺りは、もともと住んでいた貧困層の方に加え、各地から流入した難民や移民たちが住んでいるエリアです。狭い土地に人々はバラックや何十年もたった古びた家に住んでいます」
「地震などがあったら被害が大きくなりそうですね」

 そう言うと、ロザリアは静かにコクリとうなづいた。

「大体、手抜き工事だったりして予算を減らしているので倒壊するでしょう。こちらも、何とかなるといいのですが」


「補修を行うにしても、全部行うには相当な時間がかかりそうね」

 そこを抜けると、活気のある市場が現れる。街の中心のよりも、粗末な作りで売っている物もどこか汚れていたり、見たことがないものだったり。


「偽物だったりおが屑で量を嵩増ししたパン、腐りかけた食べ物を使った干し肉──貧困層の街で売っている物なんてどれもそんなものです。これが現実ですよ」

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された男爵令嬢は隠れ聖女だった。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

【完結】お父様の再婚相手は美人様

すみ 小桜(sumitan)
恋愛
 シャルルの父親が子連れと再婚した!  二人は美人親子で、当主であるシャルルをあざ笑う。  でもこの国では、美人だけではどうにもなりませんよ。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」 「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」  私は思わずそう言った。  だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。  ***  私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。  お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。  だから父からも煙たがられているのは自覚があった。  しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。  「必ず仕返ししてやろう」って。  そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。

【完結】姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます

よどら文鳥
恋愛
「リリーナ、俺はお前の姉と結婚することにした。だからお前との婚約は取り消しにさせろ」  婚約者だったザグローム様は婚約破棄が当然のように言ってきました。 「ようやくお前でも家のために役立つ日がきたかと思ったが、所詮は役立たずだったか……」 「リリーナは伯爵家にとって必要ない子なの」  両親からもゴミのように扱われています。そして役に立たないと、家から追放されることが決まりました。  お姉様からは用が済んだからと捨てられます。 「あなたの手柄は全部私が貰ってきたから、今回の婚約も私のもの。当然の流れよね。だから謝罪するつもりはないわよ」 「平民になっても公爵婦人になる私からは何の援助もしないけど、立派に生きて頂戴ね」  ですが、これでようやく理不尽な家からも解放されて自由になれました。  唯一の味方になってくれた執事の助言と支援によって、隣国の公爵家へ向かうことになりました。  ここから私の人生が大きく変わっていきます。

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...