~~異世界帰りの最強勇者~~  なぜか理不尽だらけのクソダンジョンで実力を発揮。助けた美少女配信者や元魔王様から好意を受けバズってしまう

静内燕

文字の大きさ
49 / 99

第49話 イタリアンのお店

しおりを挟む

「いいのじゃ。美味しそうなのじゃ」

 ちなみにこれも妹からのアドバイス。雰囲気的にもイタリアンにしなさいと言われた。

 という事で、目星をつけていたおしゃれそうなイタリアン系の店へ向かう。名前は「カターニャ」。ビルの5階にあるガラス張りの店、窓から望む都会の風景がいいみたいなので場所をスクショしていた。

 3階建ての小さな雑居ビル。ここ──なんだけど。店がない。あれ? ちょっと気持ちがせってしまいビルに視線を向けるが、全く違うファッション系のお店しかない。

 自然と気持ちが焦ってきょろきょろと視線が泳いでしまう。そんな時に、ネフィリムが話しかけてきた。

「澄人、この奥じゃないか?」

 ネフィリムがビルの端っこにいて、その奥を指さす。指さした先には、狭くて薄暗い道。
 一見すると、店があるように見えず上の人が住んでる場所への入り口に見える。

「看板は、こっちを差してるぞ」

「そ、そうだね」

 とりあえず、他に当てもないし行ってみようか。一見するとアパートの入り口のように狭い道を進んで、狭いエレベーターへ。エレベーターには、探していた店の名前があった。2階でいいみたいだ。

「これは迷うぞい」

「そ、そうだね」

 まさか、こんな目立たない場所にあるとは。ちょっとカッコ悪いところ見せちゃったな。 でも隠れ家的な店でいいかも。

 チンと音が鳴って、扉が開く。そこには、お店の入り口があった。イタリアンレストラン「カターニャ」。

 入り口に入って、奥からウェイターの人が出てきた。


「2名様でよろしいですか?」

「はい。窓側の席お願いできますか?」

「あ、大丈夫ですよ。ご案内しますね」

 それはよかった、運がいい。すぐに窓側の席に案内される。
 窓からは、渋谷のおしゃれな街並みや建物とあふれんばかりの人が見下ろせる。
 そして、店の中はそこまで人が多くなくてまばら。きっと、目立たない場所だから人が少ないのだろう。隠れ家的なお店、とても楽しみだ。

 ウェイターの人がお冷を持ってくると、俺たちはiPadを手に取る。

「ここでタッチして、注文するみたい。好きなメニュー選んでね」

「おおっ、パスタにピザにワイン──どれも美味しそうなのじゃ。iPadとやらは本当にすごいのう」

 ネフィリムからの評判も上等。人手不足からか、こういう注文の店が増えてきたよううな気がする。どれも、値段は高めだけどその分美味しそうな外見をしているな。


 色々とiPadを動かしてメニューに視線を移す。ピサにパスタ、カルパッチョに肉料理。ワインもあるまだ飲めないけど。どれも美味しそうだけど、ネットのおすすめだと生パスタがいいってあったな。それにするか。

「パスタにしようか。生パスタ、美味しいって聞くし」

「生パスタ? 初めて聞く名前じゃ。気になるぞい」

 ネフィリムも興味津々な様子。という事でメインはパスタにして、それ以外にいくつかサイドメニューを選ぶという事になりネフィリムが気になったものを頼むこととなった。俺はチーズたっぷりのトマトパスタ。ネフィリムはクリームたっぷりのカルボナーラ。それから、2人でオニオンリングとシーフードサラダ。

 それを──タッチパネルで注文。出されたお冷を1口飲んで話始める。

「結構歩いて疲れちゃったね」

「そうなのじゃ。でも、澄人殿と一緒だと疲れも吹き飛ぶのじゃ。とっても元気なのじゃ」

 でも、ネフィリムのそんな表情は見られない。喜んでいるのがわかる。
 そこまで喜んでくれて、本当に良かった。こっちまでやりがいを感じる。

「それに、雰囲気も良いのう。高級そうで、静かで」

「ありがとう。こっちも探したかいがあったよ」


「いいセンスなのじゃ。あの、逆さ吊になっているワイングラスとか見たこともない文字のチーズやトマトソースの缶や袋とか、雰囲気がとっても素敵なのじゃ」

「わかる。あれ、向こうの世界の下町とかにもあったよね。こういう空気大好きなんだ。いかにも美味しそうな雰囲気というか」

「わかるのじゃ。よきお店を探したな。すごいのじゃ」


 個人的に逆さ吊りのワイングラスはかなり雰囲気出てる。それから、イタリア語っぽい言葉とトマトの絵が描いてある缶。そして、見たことがない調味料の袋。

 こういう感じは俺も好きだ。
 そして、ほどなくしてサラダがやってきた。大きなボウルに、イカや刺身などのシーフードとレタスや玉ねぎなどの野菜がドレッシングと一緒に入っている。

 トングで俺とネフィリムの分のサラダをそれぞれとる。

「おおっ、このドレッシング美味しいのじゃ。野菜も向こうの世界より柔らかくい。魚も臭みが少ない。素晴らしいのじゃ」

「確かに、美味しいよねこれ」


 色々と、サラダでも美味しい味になるよう工夫されていていい味がされている。本格的なお店のサラダという感じだ。
 そして、メインのパスタとオニオンリングがやってくる。いよいよだ。


「オニオンリング、実物を見たのは初めてなのじゃ。どんな味がするのか気になるぞい」

「ああ、向こうの世界では無かったからな。美味しいから食べてみようよ」

 そして、同じタイミングでオニオンリングにケチャップをつけて食べてみる。

「うん、美味しい」

「とても美味なのじゃ!!」

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

処理中です...