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第76話 まさかの、人質
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それから、木々を飛び移りすぐに攻撃に移る。多少危ない所もあったが、そこは璃緒とネフィリムがカバーしてくれた。
「澄人と一緒の戦い、やりがいがあるぞい!」
「はい! からすみさん、こっちからすると攻撃の意図が合理的でわかりやすいですから、とっても援護しやすいです」
攻撃をかわしながら、思わず苦笑いする。それは、褒めてくれてるってことなのかな?
まあ、やりやすいならいいや。それからも、俺は次々と首を切り落としていく。
敵は強いけど、2人がしっかり援護してくれるなら全く苦しくない。
残りの首は3体。時折八岐大蛇が襲い掛かってくるが、襲おうとした来た攻撃は全て2人が援護して撃ち落としてくれた。
これならもうすぐで攻略できそう。
そう考えて八岐大蛇の首を一つ切り落とした時──
「からすみさん! 首が復活しています」
「すぐに体を投げるのじゃ!」
その瞬間、ぞくりと背中から冷たいものを感じた。
振り返ると隣の首が、すでに再生を終えて大きく口を開いている。
おかしい、ペース的にこの首が回復するまでにまだ時間があるはずだ。
「多分、ほかの回復を遅らせてその首に回復を集中させていたんです」
意外と器用なこともできるのか。確かに、他の首の再生が止まっていた。
とりあえず直撃だけは回避しないと。無理な体制から反撃をするが、さっきより力を入れることができず、八岐大蛇の首をわずかにそれてしまった。
そして、空中にいる俺に光線を放とうとしたその時。
「させません」
璃緒がこっちに突っ込んできて、大きく突き飛ばしてきた。間一髪で攻撃をかわす。その間にまた首がまた1つ復活した。
「璃緒、ありがとう」
「どういたしまして、少しずつですが追い詰めてます、もうすぐですから頑張りましょう」
そして地面に立って、璃緒と隣り合わせで八岐大蛇に視線を向けた。
魔力を絞れる知能があるのか。これは難しいに戦いになりそうだ。そして、他の首が回復しきる前に倒そうと踏み込もうとしたその時──。
「なんだよ、もっとやれよ。璃緒もからすみも、全然だめじゃねぇかよぉ!!
「おいやめろよ」
「うるっせぇ! あんな有名人なのにこの程度しかねぇのかよ!!」
背後から、罵声のような声が聞こえ始めた。振り返ってみると厳人の姿があった。
ろくに戦いもせず、にやりと笑みを浮かべながら両手を腰に当ててこっちに向かって叫ぶ。
周囲の配信者たちは「なんだこいつ」とばかりの表情をしていた。
「こんな人無視です。私達はやるべきことをやるだけです」
「そうなのじゃ。人の足を引っ張ることしか考えないやつなど、どこの世界にもいるのじゃ。わらわ達には、わらわたちのやるべきことがあるのじゃ」
そうだ。こういうタイプの奴はどこの世界にだっている。以前の世界にだっていた。そんな奴らの言葉に全部耳を貸していたら何もできない。やることは全く変わらない。
あんなものは雑音と一緒だ。
早く八岐大蛇を倒さないと──そう考えて八岐大蛇に視線を向けたその時だった。
グォォォォォォォォォォォォォォ──。
「待って、どこに行くのじゃ!!」
「あなたの相手は私です!」
何と、八岐大蛇は俺たちを無視して倒れこんでいた配信者達に突っ込んでいった。
慌ててそっちの方へ向かうと、八岐大蛇は倒れこんだ配信者にそれぞれ嚙みついて、持ち上げる。
それだけじゃない。
「調子に乗るな、この雑魚敵がぁぁぁぁぁぁ」
厳人が向かってきたが、すぐに返り討ち。倒れこんだ厳人を別の首が口にくわえて、こいつも人質にしてしまった。半分の首がそれぞれ1人ずつ、計4人の配信者を咥えたまま、八岐大蛇はこっちに視線を向けた。
「これじゃあ、首を爆破するわけにはいきませんね」
「こいつ、配信者や厳人を人質にしやがった」
「まずいのじゃ。流石に厳人以外は見殺しにするわけにはいかないのじゃ」
「わぁぁぁぁぁぁ。俺様を助けろぉぉぉぉぉぉぉ!!」
厳人が涙目になり、情けなく泣きじゃくりながらこっちに助けを求めている。
なんとなく感じてはいたが、こういう奴に限っていざピンチになると真っ先に命乞いするんだよな。
「はい──ほかの配信者も。見殺しにするわけにはいきませんし」
そうだ。人質になってしまったのはこいつだけではない。何の罪もない配信者もだ。そして、俺たちの事情を無視して八岐大蛇がこっちに突っ込んできた。
人質を口で咥えているのは8つの首のうち4体。その口から再び攻撃が放たれる。
俺たちは攻撃をかわしながら他の首を切り落とそうとするが、他の首に接近すると人質を加えた首がその間に立ちふさがってくる。
そして、こっちに突っ込んでの接近戦。何とか対応するが首を斬り落とせない以上こっちに勝ち目はない。
「どうしましょう──」
「人質、見捨てるわけにはいかないし」
そして、もう一度距離を取って八岐大蛇と相対する。
人質を取った相手、どうすればいい──。
見捨てるなんて、そんな選択肢を取るわけにはいかない。
今まででもそういう事態はあった。人質を取って、こっちに対して有利に戦おうとしている奴はたくさんいた。
それでも俺たちは戦って人々を助けてきた。
しかし、今回はかなりの強敵。どうすれば──。
強大な敵を前に、俺たちはただ手をこまねいていた。
「澄人と一緒の戦い、やりがいがあるぞい!」
「はい! からすみさん、こっちからすると攻撃の意図が合理的でわかりやすいですから、とっても援護しやすいです」
攻撃をかわしながら、思わず苦笑いする。それは、褒めてくれてるってことなのかな?
まあ、やりやすいならいいや。それからも、俺は次々と首を切り落としていく。
敵は強いけど、2人がしっかり援護してくれるなら全く苦しくない。
残りの首は3体。時折八岐大蛇が襲い掛かってくるが、襲おうとした来た攻撃は全て2人が援護して撃ち落としてくれた。
これならもうすぐで攻略できそう。
そう考えて八岐大蛇の首を一つ切り落とした時──
「からすみさん! 首が復活しています」
「すぐに体を投げるのじゃ!」
その瞬間、ぞくりと背中から冷たいものを感じた。
振り返ると隣の首が、すでに再生を終えて大きく口を開いている。
おかしい、ペース的にこの首が回復するまでにまだ時間があるはずだ。
「多分、ほかの回復を遅らせてその首に回復を集中させていたんです」
意外と器用なこともできるのか。確かに、他の首の再生が止まっていた。
とりあえず直撃だけは回避しないと。無理な体制から反撃をするが、さっきより力を入れることができず、八岐大蛇の首をわずかにそれてしまった。
そして、空中にいる俺に光線を放とうとしたその時。
「させません」
璃緒がこっちに突っ込んできて、大きく突き飛ばしてきた。間一髪で攻撃をかわす。その間にまた首がまた1つ復活した。
「璃緒、ありがとう」
「どういたしまして、少しずつですが追い詰めてます、もうすぐですから頑張りましょう」
そして地面に立って、璃緒と隣り合わせで八岐大蛇に視線を向けた。
魔力を絞れる知能があるのか。これは難しいに戦いになりそうだ。そして、他の首が回復しきる前に倒そうと踏み込もうとしたその時──。
「なんだよ、もっとやれよ。璃緒もからすみも、全然だめじゃねぇかよぉ!!
「おいやめろよ」
「うるっせぇ! あんな有名人なのにこの程度しかねぇのかよ!!」
背後から、罵声のような声が聞こえ始めた。振り返ってみると厳人の姿があった。
ろくに戦いもせず、にやりと笑みを浮かべながら両手を腰に当ててこっちに向かって叫ぶ。
周囲の配信者たちは「なんだこいつ」とばかりの表情をしていた。
「こんな人無視です。私達はやるべきことをやるだけです」
「そうなのじゃ。人の足を引っ張ることしか考えないやつなど、どこの世界にもいるのじゃ。わらわ達には、わらわたちのやるべきことがあるのじゃ」
そうだ。こういうタイプの奴はどこの世界にだっている。以前の世界にだっていた。そんな奴らの言葉に全部耳を貸していたら何もできない。やることは全く変わらない。
あんなものは雑音と一緒だ。
早く八岐大蛇を倒さないと──そう考えて八岐大蛇に視線を向けたその時だった。
グォォォォォォォォォォォォォォ──。
「待って、どこに行くのじゃ!!」
「あなたの相手は私です!」
何と、八岐大蛇は俺たちを無視して倒れこんでいた配信者達に突っ込んでいった。
慌ててそっちの方へ向かうと、八岐大蛇は倒れこんだ配信者にそれぞれ嚙みついて、持ち上げる。
それだけじゃない。
「調子に乗るな、この雑魚敵がぁぁぁぁぁぁ」
厳人が向かってきたが、すぐに返り討ち。倒れこんだ厳人を別の首が口にくわえて、こいつも人質にしてしまった。半分の首がそれぞれ1人ずつ、計4人の配信者を咥えたまま、八岐大蛇はこっちに視線を向けた。
「これじゃあ、首を爆破するわけにはいきませんね」
「こいつ、配信者や厳人を人質にしやがった」
「まずいのじゃ。流石に厳人以外は見殺しにするわけにはいかないのじゃ」
「わぁぁぁぁぁぁ。俺様を助けろぉぉぉぉぉぉぉ!!」
厳人が涙目になり、情けなく泣きじゃくりながらこっちに助けを求めている。
なんとなく感じてはいたが、こういう奴に限っていざピンチになると真っ先に命乞いするんだよな。
「はい──ほかの配信者も。見殺しにするわけにはいきませんし」
そうだ。人質になってしまったのはこいつだけではない。何の罪もない配信者もだ。そして、俺たちの事情を無視して八岐大蛇がこっちに突っ込んできた。
人質を口で咥えているのは8つの首のうち4体。その口から再び攻撃が放たれる。
俺たちは攻撃をかわしながら他の首を切り落とそうとするが、他の首に接近すると人質を加えた首がその間に立ちふさがってくる。
そして、こっちに突っ込んでの接近戦。何とか対応するが首を斬り落とせない以上こっちに勝ち目はない。
「どうしましょう──」
「人質、見捨てるわけにはいかないし」
そして、もう一度距離を取って八岐大蛇と相対する。
人質を取った相手、どうすればいい──。
見捨てるなんて、そんな選択肢を取るわけにはいかない。
今まででもそういう事態はあった。人質を取って、こっちに対して有利に戦おうとしている奴はたくさんいた。
それでも俺たちは戦って人々を助けてきた。
しかし、今回はかなりの強敵。どうすれば──。
強大な敵を前に、俺たちはただ手をこまねいていた。
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