1 / 56
第1章 揚げ出し鶏と淡い恋 料理屋「〇」黎明編1
揚げ出し鶏と淡い恋1
しおりを挟む
目が覚めていつも思うのは、「うまい飯を作って食べたい」という事と「それを誰かに食べて喜んでもらいたい」という事…
隣で丸まって寝ているミャオの頭を軽くなでながらそっと起き上がる
黒い艶やかながら、温かい少し毛足の長い猫のミャオを起こさぬように…
朝の準備を整え、作務衣に着替え、いつものように仕事場である厨房に降りていく
昨日の夜から水に浸しておいた米の入った鍋を魔導コンロで火を付ける
同時に厨房にある大き目の鍋に水を張り、魔導コンロで鰹節もどきの削り節を沸騰寸前まで煮て火を止め、布巾で漉し、昆布に似た乾物を投げ込む
昆布もどきから味が出たタイミングで引き揚げ、昆布はしばらく冷ましておき、出汁の味を確認
シンプルな魚出汁だが、ここは地球の日本とは違う異世界なので、現状ではこれだけでも近い物が出来て良かったと心からそう思う…米が炊けたタイミングで火を消し、しばらく蒸らす…米があったのも有難かった…
ある日、いつものように仕事場である飲食店に向かった俺は、目の前で酔っ払いに絡まれている若い子を助けるために仲裁に入って、その時囲まれて後頭部を殴られたショックで倒れ、病院につく頃には死んでいた…らしい
目が覚めた時に、輝かしい後光をまとう神と自称するものにそう説明されたのだ
どうやら俺が、死んだことは神としてもイレギュラーであり、人を助けたことを評価されもう一度チャンスをやろうという理由で現れたらしいのだが、当然、日本に生き返る事は出来ないが…
魂を異世界に転移することでつなぐことはできるとのことだったので、そこは有難く了承させてもらい、様々なチート能力を期待して、言うだけ言ってみたらかなりの好待遇で生き返る事が出来、現在に至るというわけだ
だいぶ端折ってしまったが、再び目が覚めたら異世界の中都市であるアナスタシアという街で小さい食堂をやっているハルという男として生きている
かつての自分を全てなくして異世界で新しい生活を始めるにあたって憤りも多少あったが、文句を言ったところで何も変わらないのは十分理解したからせっかくの異世界ライフを存分に楽しもうと前向きに生きることにしたのだ
とはいうものの、最初は本当に苦労した…
異世界での基本的な知識や言葉、生活習慣などは神のご意向により全く問題なし…
むしろ困ったのは生活の基盤である食堂の経営状況が全く持って悪かった
とにかくお客様が来ない
メニューを確認してみるとどうやら自分がハルとして自覚する前に提供していたメニューは洋食に近いメニューではあるが、レシピ通りに作ってみた料理は…はっきり言って不味い!!!!
2回言うが…非常にまずい物だったのだ!
これはかつてのメニューが悪いというよりは食材を上手に調理するという意識に欠ける国民性と言った方がいいのかもしれない…それくらいこの国の何処で食べても美味しくない料理であふれていたのだ…その中でもなかなか不味い料理を提供していたらしい…そのイメージを払拭するのは本当に苦労した…
なんて事をふと思いながら出汁を鍋から移していると
「…おはようございますにゃ…」
階段を見るとミャオが降りてきたようだ…
猫が喋った!!と思うだろうが、実は彼女は獣人族であり、今は猫型だが、本当は人型にもなれる半分猫半分人間の女の娘なのだ
俺は「おはよう…お腹すいてるか?」と聞くと
「当たり前なのにゃ…」寝ぼけながら彼女が言う
先程、出汁をとり漉した鰹節もどきを皿に移し、街の港の近くで作られてる魚から作られている醤油
いわゆる魚醬を混ぜる…それを炊き立てのご飯に乗せ、卵を割り黄身だけを乗せる
出汁にも少しの魚醬を混ぜ、ネギに似た香味野菜のみじん切りを乗せ、ミャオに提供する
「まかないで悪いなw」
「大好きなハルのご飯は何でもおいしいにゃ♡」
嬉しい事を言ってくれる…
ミャオは飛びつくように黄身のせの猫まんまに吸い物をがっつきながら「うまいにゃー♡」と叫んでいた
隣で丸まって寝ているミャオの頭を軽くなでながらそっと起き上がる
黒い艶やかながら、温かい少し毛足の長い猫のミャオを起こさぬように…
朝の準備を整え、作務衣に着替え、いつものように仕事場である厨房に降りていく
昨日の夜から水に浸しておいた米の入った鍋を魔導コンロで火を付ける
同時に厨房にある大き目の鍋に水を張り、魔導コンロで鰹節もどきの削り節を沸騰寸前まで煮て火を止め、布巾で漉し、昆布に似た乾物を投げ込む
昆布もどきから味が出たタイミングで引き揚げ、昆布はしばらく冷ましておき、出汁の味を確認
シンプルな魚出汁だが、ここは地球の日本とは違う異世界なので、現状ではこれだけでも近い物が出来て良かったと心からそう思う…米が炊けたタイミングで火を消し、しばらく蒸らす…米があったのも有難かった…
ある日、いつものように仕事場である飲食店に向かった俺は、目の前で酔っ払いに絡まれている若い子を助けるために仲裁に入って、その時囲まれて後頭部を殴られたショックで倒れ、病院につく頃には死んでいた…らしい
目が覚めた時に、輝かしい後光をまとう神と自称するものにそう説明されたのだ
どうやら俺が、死んだことは神としてもイレギュラーであり、人を助けたことを評価されもう一度チャンスをやろうという理由で現れたらしいのだが、当然、日本に生き返る事は出来ないが…
魂を異世界に転移することでつなぐことはできるとのことだったので、そこは有難く了承させてもらい、様々なチート能力を期待して、言うだけ言ってみたらかなりの好待遇で生き返る事が出来、現在に至るというわけだ
だいぶ端折ってしまったが、再び目が覚めたら異世界の中都市であるアナスタシアという街で小さい食堂をやっているハルという男として生きている
かつての自分を全てなくして異世界で新しい生活を始めるにあたって憤りも多少あったが、文句を言ったところで何も変わらないのは十分理解したからせっかくの異世界ライフを存分に楽しもうと前向きに生きることにしたのだ
とはいうものの、最初は本当に苦労した…
異世界での基本的な知識や言葉、生活習慣などは神のご意向により全く問題なし…
むしろ困ったのは生活の基盤である食堂の経営状況が全く持って悪かった
とにかくお客様が来ない
メニューを確認してみるとどうやら自分がハルとして自覚する前に提供していたメニューは洋食に近いメニューではあるが、レシピ通りに作ってみた料理は…はっきり言って不味い!!!!
2回言うが…非常にまずい物だったのだ!
これはかつてのメニューが悪いというよりは食材を上手に調理するという意識に欠ける国民性と言った方がいいのかもしれない…それくらいこの国の何処で食べても美味しくない料理であふれていたのだ…その中でもなかなか不味い料理を提供していたらしい…そのイメージを払拭するのは本当に苦労した…
なんて事をふと思いながら出汁を鍋から移していると
「…おはようございますにゃ…」
階段を見るとミャオが降りてきたようだ…
猫が喋った!!と思うだろうが、実は彼女は獣人族であり、今は猫型だが、本当は人型にもなれる半分猫半分人間の女の娘なのだ
俺は「おはよう…お腹すいてるか?」と聞くと
「当たり前なのにゃ…」寝ぼけながら彼女が言う
先程、出汁をとり漉した鰹節もどきを皿に移し、街の港の近くで作られてる魚から作られている醤油
いわゆる魚醬を混ぜる…それを炊き立てのご飯に乗せ、卵を割り黄身だけを乗せる
出汁にも少しの魚醬を混ぜ、ネギに似た香味野菜のみじん切りを乗せ、ミャオに提供する
「まかないで悪いなw」
「大好きなハルのご飯は何でもおいしいにゃ♡」
嬉しい事を言ってくれる…
ミャオは飛びつくように黄身のせの猫まんまに吸い物をがっつきながら「うまいにゃー♡」と叫んでいた
187
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-
ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!!
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。
しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。
え、鑑定サーチてなに?
ストレージで収納防御て?
お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。
スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。
※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。
またカクヨム様にも掲載しております。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる