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第2章 牛すき焼きと甘い誘惑 料理屋「〇」黎明編2
若き魔法士の憂鬱とリナのお悩み相談 2
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ジークが街に出て待ち合わせの噴水のある公園でベンチに座り友人を待つ
遠くから手を振りながら銀髪で眉目秀麗だが、軽めの装いで近づいてくる男が一人
友人のバッツだ
「待たせたな・・・っていうか早くねぇか?どんだけ楽しみにしてたんだよ」
「まぁちょっと家にいたくなくて…ね」
「どうせまた見合いの話でも出たんだろ」
「よくお分かりで…」
「やっぱりな…いい加減ジークもあきらめて1回くらい見合いしてみたら良いんじゃね?」
「バッツなら好きでもない女と結婚できるのか?」
「俺は自由恋愛主義でな…結婚自体向いてない!」
「あぁそうですか・・・あんまり遊び過ぎて大変なことにならない様にな」
「お前もな…いつかその大事に磨いているロングソードがサビる前に使える日が来るといいなw」
「暗に俺の秘密をディスってくんじゃねーよ」
二人はくだらない話で盛り上がり、そのまま店に向かい歩き始めた
これくらいの距離感の友人はバッツしかいない
本音はどうあれ、軽口の好きな友人は決して居心地が悪くはない
いざとなれば、背中を任せられる程度には信頼もしている
彼も魔法騎士団の団長という役職を持つ貴族であるが、貴族社会にはあまり興味が無いようだ
だからこそ非番の日は二人で街に出ては遊んでいる莫逆の友だったのだ
2人がしばらく歩き裏通りにある噂の店に間もなく着くであろう頃に…目の前で言い争う男女を見かける
男はいかにも貴族という雰囲気のチョビ髭のガリ男
女は非常に美しいダークエルフのお嬢さんだった
「何故貴方がこのような貧相な店に入ろうというのだ」
「いい加減にしてくれ、私はもう家を出たし、あなたとは何も関係ないだろう」
「貴方が貴族であることを放棄など出来るはずもないでしょう…私と結婚するのだから!」
「はぁ?いやいや貴方は只のお見合い候補であっただけで何もそんな話は決まってないはずだ」
「わ・た・し・が!決めたのだ!其方を嫁に迎えると!これはもう決定なのだよ」
「はぁーーー⤵私は貴族のそういう尊大な態度や上級国民ぶりが嫌いで冒険者になったんだ…もうあきらめてくれ」
「あきらめるわけはないだろう!!其方は美しい!美しい其方は私の妻になるのが一番幸せであるのだ」
「いやいや無理だから!勘弁してくれ」
「そうだ!私がオーナーをしているレストランに行こうではないか!そこで結婚式の日取りを決めようではないか~」
「話をきけー!!」
そんなやり取りをしている二人をジークとバッツは目を合わせて助ける目配せをした時だった…
「ぃいい加減にしろぉぉ!!」
リナのリバーブローからの豪快なアッパーカットが貴族の顎にクリーンヒットする
「ぶべらぁぁあべしぃ」
盛大に吹っ飛んだ貴族はなんかとんでもないやられっぷりでよくわからない言葉を発している
「一昨日来やがれってんだよ!」
リナが鬱憤を晴らすかのように叫んだ
貴族は逃げながら悪態をついて消えていった
「ひぃぃぃお助けをぉぉおお・・・・おぼえていなさいよぉぉ泣」
「フーフーあああスッキリしたぁ♡♡」
…とリナが恍惚の表情で後ろを向くと…
若干引き笑い気味のバッツと
キラキラとした目でこちらを見て興奮しているジークがいた
「恰好いいなぁお嬢さん」
「・・・あああら・・・ごめんあそばせ・・・おほほほほ……………忘れてぇ…今見たことは忘れてぇ泣」
リナが恥ずかしそうに顔を真っ赤にして訴えてくる
「「ブゥワハハハハハッwww」」
二人が爆笑している
リナはさらに顔を真っ赤にして顔を手で覆う
やっと落ち着いた二人が笑いながらリナに
「ヒーヒー…大丈夫…ここだけの話にして…ブフッ…おくよ」
「お願いしますぅ⤵」
恥ずかしそうにしょげるリナが可愛くてジークは心の中で何かがドクンと芽生えるのを感じる
バッツが
「お嬢さん、この店に入ろうとしてたんだろう?俺らもなんだよ…これも縁だ、良かったら一緒に飲まねぇか?」
「じゃぁ口止め料でエールおごります・・・お願いだから内緒にしていてくださいね」
「わかった!契約成立だなw」
ジークは心の中でバッツに感謝するグッジョブ!
今の気持ちがなんだか良くは分からないが、ジークは楽しくなりそうな予感に心を躍らせる
「入ろうか♡」
「はい!」
ガラガラと扉を開けると
「いらっしゃいませー」「リナさんいらっしゃいませだにゃ!」
と威勢のいい声がする
ジークとバッツ、リナの三人はテーブルの方へ案内される
遠くから手を振りながら銀髪で眉目秀麗だが、軽めの装いで近づいてくる男が一人
友人のバッツだ
「待たせたな・・・っていうか早くねぇか?どんだけ楽しみにしてたんだよ」
「まぁちょっと家にいたくなくて…ね」
「どうせまた見合いの話でも出たんだろ」
「よくお分かりで…」
「やっぱりな…いい加減ジークもあきらめて1回くらい見合いしてみたら良いんじゃね?」
「バッツなら好きでもない女と結婚できるのか?」
「俺は自由恋愛主義でな…結婚自体向いてない!」
「あぁそうですか・・・あんまり遊び過ぎて大変なことにならない様にな」
「お前もな…いつかその大事に磨いているロングソードがサビる前に使える日が来るといいなw」
「暗に俺の秘密をディスってくんじゃねーよ」
二人はくだらない話で盛り上がり、そのまま店に向かい歩き始めた
これくらいの距離感の友人はバッツしかいない
本音はどうあれ、軽口の好きな友人は決して居心地が悪くはない
いざとなれば、背中を任せられる程度には信頼もしている
彼も魔法騎士団の団長という役職を持つ貴族であるが、貴族社会にはあまり興味が無いようだ
だからこそ非番の日は二人で街に出ては遊んでいる莫逆の友だったのだ
2人がしばらく歩き裏通りにある噂の店に間もなく着くであろう頃に…目の前で言い争う男女を見かける
男はいかにも貴族という雰囲気のチョビ髭のガリ男
女は非常に美しいダークエルフのお嬢さんだった
「何故貴方がこのような貧相な店に入ろうというのだ」
「いい加減にしてくれ、私はもう家を出たし、あなたとは何も関係ないだろう」
「貴方が貴族であることを放棄など出来るはずもないでしょう…私と結婚するのだから!」
「はぁ?いやいや貴方は只のお見合い候補であっただけで何もそんな話は決まってないはずだ」
「わ・た・し・が!決めたのだ!其方を嫁に迎えると!これはもう決定なのだよ」
「はぁーーー⤵私は貴族のそういう尊大な態度や上級国民ぶりが嫌いで冒険者になったんだ…もうあきらめてくれ」
「あきらめるわけはないだろう!!其方は美しい!美しい其方は私の妻になるのが一番幸せであるのだ」
「いやいや無理だから!勘弁してくれ」
「そうだ!私がオーナーをしているレストランに行こうではないか!そこで結婚式の日取りを決めようではないか~」
「話をきけー!!」
そんなやり取りをしている二人をジークとバッツは目を合わせて助ける目配せをした時だった…
「ぃいい加減にしろぉぉ!!」
リナのリバーブローからの豪快なアッパーカットが貴族の顎にクリーンヒットする
「ぶべらぁぁあべしぃ」
盛大に吹っ飛んだ貴族はなんかとんでもないやられっぷりでよくわからない言葉を発している
「一昨日来やがれってんだよ!」
リナが鬱憤を晴らすかのように叫んだ
貴族は逃げながら悪態をついて消えていった
「ひぃぃぃお助けをぉぉおお・・・・おぼえていなさいよぉぉ泣」
「フーフーあああスッキリしたぁ♡♡」
…とリナが恍惚の表情で後ろを向くと…
若干引き笑い気味のバッツと
キラキラとした目でこちらを見て興奮しているジークがいた
「恰好いいなぁお嬢さん」
「・・・あああら・・・ごめんあそばせ・・・おほほほほ……………忘れてぇ…今見たことは忘れてぇ泣」
リナが恥ずかしそうに顔を真っ赤にして訴えてくる
「「ブゥワハハハハハッwww」」
二人が爆笑している
リナはさらに顔を真っ赤にして顔を手で覆う
やっと落ち着いた二人が笑いながらリナに
「ヒーヒー…大丈夫…ここだけの話にして…ブフッ…おくよ」
「お願いしますぅ⤵」
恥ずかしそうにしょげるリナが可愛くてジークは心の中で何かがドクンと芽生えるのを感じる
バッツが
「お嬢さん、この店に入ろうとしてたんだろう?俺らもなんだよ…これも縁だ、良かったら一緒に飲まねぇか?」
「じゃぁ口止め料でエールおごります・・・お願いだから内緒にしていてくださいね」
「わかった!契約成立だなw」
ジークは心の中でバッツに感謝するグッジョブ!
今の気持ちがなんだか良くは分からないが、ジークは楽しくなりそうな予感に心を躍らせる
「入ろうか♡」
「はい!」
ガラガラと扉を開けると
「いらっしゃいませー」「リナさんいらっしゃいませだにゃ!」
と威勢のいい声がする
ジークとバッツ、リナの三人はテーブルの方へ案内される
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