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第3章 咲き誇る竜花と大龍の意志 料理屋「○」拡大成長編1
リュカの願い〜健康的な生活はダンジョンから?!〜6
しおりを挟む孤児院は街の教会と併設されている簡素な寮のような建物で、店に近いところにあった
教会はなかなか来る事がないので、キョロキョロと目を配りながら責任者を探す
ついでにあの神様にもお礼参りって事で祈って行くか
神様の像の前に跪き祈りを捧げる
特に何もない・・・あの神様丸投げして放っておくだけかい
まぁ良い
本題は違う事で来てるし
「こんにちは、お祈りですか?」
シスターらしき人に声をかけられる
「こんにちは!お祈りもそうですが、実は相談事がありまして、責任者の方はおりますか?」
「かしこまりました、呼んで参りますので少々お待ちください」
シスターは深々と頭を下げて奥にさがる
しばらくすると、先程の若いシスターと礼拝服で静々とこちらに来る優しそうな年配の女性が俺の方に近づいてきた
「お待たせ致しました、私がこちらの教会を預かっておりますトリスと申します」
「どうも御足労おかけして申し訳ございません、私は近くで料理屋を経営しているハルと申します・・・よろしくお願いします」
「それで本日はどのようなご相談事でいらっしゃいましたのでしょう?」
「・・・実は内密なお願いが有りまして・・・」
俺は事の経緯と、リナさんに聞いた教会の事情を解決する為に相互協力を申し出てみた
「・・・つまり、そちらの料理屋さんで働きたい成人の子を何人か紹介して貰いたいという理解で宜しいでしょうか?」
「そうです!事情が事情なので守秘義務は徹底して頂きたいのですが、その分お給料は上乗せ致しますし、賄い付きで無理のない時間で働いて貰いたいと思ってます」
「それならかなり条件の良い話かと・・・では早速聞いて参りましょう」
「ありがとうございます」
これはかなりの好感触だ
日本でもそうだったが、賄い付きの高時給はやっぱり嬉しいよな
俺も賄いの時間はテンションが上がって色々食べさせてもらっていた
美味い飯を出す側の人が店の味を知らないのも良くないし、そこはスタッフには感謝して賄いをつけるべきと俺は思う
昔を思い出して物思いに耽っていたらマザートリスが2人の女の子と1人の男の子を連れて戻ってきた
「お待たせ致しました・・・聞いてみた所、こちらの3人が是非働いてみたいと早速連れて参りましたが、宜しかったらご挨拶させて頂いても?」
「3人も!有り難いです!是非ご紹介ください」
「では、貴方達からご挨拶して下さい」
「はい!」
皆んな良い返事で好感がもてる
「こんにちは!俺・・・あ、いや私はジャンと言います、よろしくお願いします!」
声変わりが終わった感じの割と落ち着いた声で、利発そうに見える
サラッとした深い紺色の髪の毛に体躯の良い好青年
仕事が無いような雰囲気はしないのだが・・・とにかく男手は有り難いとしっかり握手して挨拶を交わす
「料理屋「◯」のハルと言います、俺も平民だからリラックスしてこれからもよろしくなジャン君」
次に女の子の一人
赤毛のショートカットで目がクリっとした元気な女の子だ
背は低めだが、気が強いのかそれを感じさせない
「こんにちは!あたしはベティって良います!ご飯付きの仕事なんて嬉しいです!よろしくお願いします」
「こちらこそ宜しく!美味しいご飯食べてがっちり稼いで下さい!」
明らかにご飯目当ての感じだが、全然有りだ
俺も若い時はそうだった!
体は若返っても中身はおっさんと違って若い子は本当に食べる事は死活問題だろうからな
最後は
少し落ち着いた雰囲気で真っ直ぐこちらをみてくる真摯な態度
金髪ロングヘアでポニーテールが似合う
「こんにちは!モーラと申します、孤児院でも少し料理を手伝ってました・・・お料理好きです!よろしくお願いします」
「それは嬉しいね・・・俺も料理大好きだし、食べるのも好きだ・・・色々料理手伝って貰いたいから皆んなで一緒に頑張ろうな」
「あらためて皆んなよろしくお願いします」
「はい!よろしくお願いします!」
良い3人を紹介して貰えて良かった
マザートリスに深くお礼をし、お土産に持ってきていたおにぎりセットとから揚げとポテトのセットを大量に渡すとベティが飛び跳ねる勢いで喜んでいる
どうやら3人は今も孤児院に住んで手伝いをしていた様で子供達に囲まれご飯を食べている中で我慢もかなりしていたみたいだ
子供達も奥から出てきて喜んでいる
近いうちに3人が孤児院を出て生活できる様に協力してあげようと密かに思うのであった
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