料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子

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第3章 咲き誇る竜花と大龍の意志 料理屋「○」拡大成長編1

レジェンド達のエクササイズ〜美容と美食と美酒の宴〜8

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夜の見張りは俺が最初にする事になった
セーフポイントは基本的には見張りは要らないのだが、少し肌寒いので火の番という感じだ
皆んなにはゆっくり休んで欲しいと思うし、正直、飲み足りない気分だった

日本で生きていた時からガラリと変わったこの世界で楽しく生活していても、和食や日本の酒を求める心に少し違和感を感じてというか、ホームシックなのか自問自答していた
染み込んだ料理技術や考え方が、日本人だという事を忘れさせてはくれない
この世界にとって俺の存在価値は間違って無ければ良いんだが、わからない

深い森の静けさが色々な思いを巡らせる

「・・・呑もう!」
俺は様々な思いを今は振り払う為にグラスに手をかけた
「・・・悩み事かの・・・?」

リュカさんがいつの間にが起きて来て・・・隣に座って来た

「いやそういう事ではないですよ・・・焼酎で大丈夫です?」
「うむ!儂もこの酒にはハマりそうじゃ」
「シルバーさんも喜んでましたね・・・」
「彼奴はウワバミじゃから強めの酒は大好物でのう・・・酒場で飲んだら飯と酒代がいつも高くつくから困り物じゃよ」

「凄いですね!」

「逆にティグは飲ませると面白いぞ!人格が変わるからのう・・・やらかしが多くて後処理が大変じゃから自分で抑えてあるのじゃ」

「仲が良いんすね」

「腐れ縁じゃ・・・だが、久しぶりに皆でクエストはやはり楽しい物じゃ・・・儂も運動出来て気持ちがええし、シルバーもティグも日頃のストレス発散になっておる」

「良かったですよ!」

「こちらこそじゃ・・・マスターと出会えて儂は幸せじゃよ」

・・・リュカさんが幸せと言ってくれるなら、俺がこの世界に来た意味もあるのだろう
少し救われた気になりホッとする
「リュカさん!ありがとうございます」

御礼をいうとリュカさんとグラスを合わせて乾杯した





・・・話は変わって、寝る前にすっぽんの生き血をジークさんに頼まれて出してあげた
テント割りで、リナさんとジークさんは一緒に休むとの事だったので、快く飲ませる
サービスでテントの周りに遮音の魔法を付与してあげる・・・あんまり夜更かししないようにね

・・・そしてティグさんも
「マスターすっぽんの酒一杯くれねぇか?」
・・・珍しくお酒を飲むのか?と思ったらバッツ君を呼び無理矢理飲ませる
「ティグ姐さん何するんですか?!」

「バッツ・・・お前自由恋愛主義なんだろう?」
「はあ・・・まぁそうですね」
「喜べ!俺もだ!という訳でちょっと付き合え!」
「え・・・?ちょっと・・・自由恋愛ってそういう事じゃ・・・あーれー・・・」

テントに引き摺り込まれてなんかゴソゴソ暴れている・・・可哀想だから遮音の魔法はかけておいた

シルバーさんはから揚げと焼酎を持ってテントに籠って呑んでいるみたい
後で俺と交代するまで飲みながら微睡するとの事

「皆んな明日ちゃんと起きれんのかな?」

「大丈夫じゃろ!皆大人じゃからの!」
リュカさんも俺に寄り添い目を閉じている
「なら・・・まぁ良いか!」
俺はリュカさんにキスをして抱きしめた


・・・シルバーのテント内では
「フフンだ!私1人でも寂しくなんか無いですわ・・・酒さえあれば・・・何よ皆んなしてぇ呑んでやるぅ!」
シルバーは涙ながら酒を煽るのであった

とても静かな森の夜はそれぞれ更けていく・・・


次の日、予定通りに朝から出発する

ご機嫌なリナさん、ジークさん、ティグさんとリュカさん・・・

眼だけ赤く腫れぼったい顔のシルバーさん・・・昨日泣いた?
そして何故か死にそうなバッツ君・・・魂抜けかけてない?

「大丈夫・・・??」

「大丈夫じゃないよマスタぁ・・・あの人・・・自由恋愛の意味絶対間違えてる・・・」

「ご愁傷様でした・・・」

労いの言葉しかかけてあげられない俺を許してください

さて、改めて第4のセーフポイントを目指す

第4のエリアはワイバーンやグリーンドラゴン等の飛竜や蛇型の魔物の縄張りが多い
やはり厳しさはどんどん増して来ている
しかも今は例の縄張り争いの影響かワイバーンの数が異常に多いらしい
ワイバーンの飛影が常に行く先に写っている

「これは・・・もしや大型の異常種は蛇かもしれんぞ・・・」

「どうしてですか?」

「ワイバーンやらの飛竜種は卵性なんじゃが、卵を狙って食べる魔物の中では蛇型の魔物が1番多い・・・ワイバーンの異常な増え方は敵対する魔物が蛇の可能性を上げておるのじゃ」

「なるほど・・・」

「しかし、蛇が群れるという事はあまり考え辛いでな・・・キングサーペントの亜種か・・・まさかヒュドラ・・・?」

ワイバーン達も俺たちに襲いかかるでもなく、何かに備えて数と力を貯めているかの様に近づいて来ない

グリフォンやヒッポグリフ達も群れで移動したり、何かに備えているかの様に動いている

小動物や鼠型の魔物がどんどん森奥から逃げ出してくる

「間違いなく、近いうちに魔物達の縄張り争いの闘いが起きそうな気配が湧き出てますね」

「これは急いだ方が良さそうだな!俺の勘もやばい気しかしないぜ」

「では急ぎましょう!」

俺たちは第4セーフポイントに辿り着くとすぐ残滓ポイントを作り空間を繋げる!

「マスター最悪の場合に備えて帰還石を作っておいた方がええかも知れん・・・作れるかえ?」

「大丈夫です!昨日の夜のうちに作っておきました」

「仕事が早いのぅ・・・それでは第5セーフポイントを目指すが、おそらくセーフポイント前に縄張り争いの闘いに巻き込まれる可能性が高いかも知れん・・・各自備えよ!マスターは儂から離れずに!」

「はい!」

俺たちは第5エリアに入るのだった






















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