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冷たくてねばねばするもの
70体目 暴走
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「レモン……レモンっ!」
楽は走っていた。状況はついさっきまで送られてきていた映像を見て把握している。
このままではレモンが死んでしまう。
移動できるアシも無いのに、部屋を飛び出し無謀にも徒歩でレモンの元へと向かっていた。
廊下を駆け抜け、階段を飛び降り……そこで壁の向こうから出てきた思いきり人に激突した。
「ぐはあっ!」
「うわああっ! ……いつつ。ごめんなさ……」
幸い、双方共に怪我はないようだ。謝りながら立ち上がりまた走り出そうとするが、相手の服装と声に覚えがありその場で止まる。
あまり綺麗ではない白衣で、どこかあっけらかんとした声。思い当たるのは一人しかいない。
「いやあ僕は大丈夫。だけど気をつけて……あれ、楽くん?」
「八雲さん? どうしてここに……」
「君こそ……。僕は、これからレモンくんの所に行く予定だよ」
八雲も、目的地は同じらしい。これ幸いと楽は八雲の手を取る。
「レモン!? そうです、僕もレモンの所に! 連れていってください!」
「うん、ではついてきたまえ!」
「はい……って、もっと急がないと!」
ゆったりゆったり階段を降り始める八雲の背中を押して急かす。しかし八雲は速度を変えなかった。
「その必要は無いかな」
「へ?」
「もしレモンくんが負けたとしても、その対応策は考えてあるからね……というか、それを試してみたいだけなんだけどね!」
白衣の男は無邪気な子供のように目を輝かせながら、重そうな金属製の筒を持ち上げて見せた。
「は、え? じゃあ八雲さんが急がない理由は……」
「取り敢えず一回レモンくんには死んでもらう!」
「なーっ!?」
滅茶苦茶な理由に楽の開いた口が塞がらない。かといって、折角手に入ったアシを切り捨てるわけにも行かなかった。八雲が基地の中をゆっくり歩こうとも、皇都の外を徒歩で移動するよりはずっと速くて安全だろうから。
とぼとぼ付いていくと、いつも装甲車や公用車に乗り込む場所とはまた違った車庫に連れていかれた。色んな車が並んでいるが、八雲の行動に辟易している楽は見る気にもなれない。
八雲はその中で一番小さな車に乗り込み、エンジンボタンを押した。
「さあ乗りたまえ! 僕の愛車だ!」
八雲はそう言って高らかに笑う。
軽自動車にも関わらず低く構えたその姿はスポーティーさを醸し出しているが、しかしその代償に中は狭く、楽は重たい金属の筒を持たされたのだった。
「さあ出発進行!」
車は一度地下を潜るように浅いUの字型の出口を駆け抜け、レモンの元へと飛び出して行った。
……楽は知らない。その実験はこれから行われるのが初めてで、誰も成功率や副作用など知らない事を。
「うくううぅぅぅぅぅ! ふううっ! んんんぅぅぅぅぅーーーーーー!」
背の低い植物が生えたアスファルトの上に、嬌声が鳴り響く。レモンが荒獣と相対し、キスの息苦しさにもがいているのだ。
圧倒的不利な状況。だが、希望は見えている。デイビーズは倒した。ハイウルフだってもうすぐ死ぬ。
奇跡だ。下位以下と言われているカムカムという種族で、雑魚スライムの攻撃に耐え抜いた後に三体の下位荒獣と戦ってなおも戦果をあげるなど、他ならぬレモン自身が信じられない話なのである。
だから「もういいかな……」なんて弱気にもなってしまう。その度にご主人様の……楽の顔を思い出し、踏ん張る。
後ろから小さくて感度の高い胸をコリコリと弄られ、前からキスで呼吸を乱され、それでも闘志は失わなかった。
目の前のハイウルフに腰を打ち付ける。ふたなりの身体がぶつかり合い、同時に射精へと至る。
ペニスを締め付ける膣を押し広げ、ブクリと白濁液が精道を擦り上げて噴出する。熱が波紋のように身体へ広がり、全身を覆う多幸感に力が抜ける。
だが脚に力を入れて踏ん張り、倒れる事だけは避けた。
目の前のハイウルフがアクメ顔を晒して崩れ落ち、死ぬ。
これでやっと、後ろのテディベアと一対一になった。
ゾクゾクとした性感の残る朦朧とする意識で後ろを向き、女体化してもクマの耳が残る柔らかな肢体と絡む。
胸は巨乳に押しつぶされ、息ができない。それでも攻撃できる体勢に……挿入に持っていく。
グププ……と亀頭が飲み込まれ、柔らかな肉の抱擁に射精感がこみ上げてくる。
小さなペニスが溶かすような快感に抗い、その身全てを腹の中へと収めた。熱に覆われ、その気持ちよさに白濁液が勢いよく昇ってくる。
大きな手に握り締められ、射精を促されているようだ。
「んくうぅっ……!」
「グウウ……」
暴発寸前で精液が止まる。気を抜けば射精してしまいそうだ。何とか止めた今も、亀頭の中でグルグルと回っていて落ち着いていかない。
(ここは一度止まって、不利でも愛撫でなんとかするしかっ!)
レモンはすぐにピストンせず、キスとアナル責めに切り替える。
キスは相手の胸で肺を圧迫されている分大きく不利だが、アナルなら指先のテクニックで何枚も上手なレモンの方が有利だ。
小さな舌が大きな平たい舌へ果敢に挑んでいく。包み込まれても舌先をなめ合うことに集中し、熱い吐息を送り込み全身の興奮を高めていく。
滑らかな快感が脳髄を溶かしていく。ローションの海に溶けていくような感覚に襲われる。
指先にねっとりとした腸液が絡まる。中指の先でゆっくりと、いくつもの肉の丘をかき分け前立腺を探す。
唾液とキスのラッシュに溶かされそうになった時、コリリと小さな感触を指の神経が捉えた。
(あった……!)
その玉のような器官を指でなぞり、押し込む。愛でるように優しく、犯すように何度も。
「はっ……ん……んふうっ! ……う、うう……あくっ……」
「ウグウウウ!」
テディベアのふたなりペニスがムクムクと大きくなり、顕現する。その途中でところてん射精が行われ、レモンの秘部にかかった。
濃い液体が僅かに糸を引いて地面に落ちる。卑猥に濡れた下腹部。それをボウっと見ていたら更に追加の精液がビタビタと、今度は胸元の辺りまで飛んで白い身体を汚す。
「ウウッ! ウオオオオッ!」
アナル責めは効いている。間を置かずに二度目の射精へと導くことに成功した。
(行ける!)
勝てると踏んだレモンはアナル責めのペースを上げた。
それが、間違いだった。
「ウガアアアッ!」
「ぐっ!? ああああああっっ!」
不利を悟ったテディベアがいきなり大きく腰を振り出す。フカフカの毛皮に包まれているような熱肉が海綿体を擦り、不意に来た刺激にペニスが小刻みに震える。
快感ダメージが全く抜けていないレモンのペニスはドクドクと熱いザーメンを膣内に流し込んでしまった。鈴口から液体が出ていく摩擦熱が性感を二度上げる。
感度が増して敏感になったレモン。だがテディベアは当然構うことなく腰を振り続ける。
(まずっ! これっ、精液がローションみたいになって滑りが……た、耐え……!)
尻に力を入れて耐えようとするが、その瞬間ねっとりとまとわりつく様な濃い精液が顔に飛んで来る。テディベアの精液だ。濃厚な青臭さが思考を奪い、感覚を鋭敏に変えた。
臭いが頭の中で弾け、火花を散らした。火の粉はレモンの神経を焼く。白い雪が無残に溶けていく。
「っ! ーーーー!」
目の前が真っ暗になる。白目を剥いていたようだ。間一髪、意識が戻っては来るが、それで状況が良くなるわけではない。
相も変わらず柔らかな肉のヒダが快感の塊と化した肉棒を執拗に扱いてくる。固形物かと錯覚するほどの濃密な精液がドッと先端に押し寄せる。
液体を我慢できるはずもない。閉じようとする筋肉は、水圧の前には無力だった。
「お、おおおおっ! んぉぉおおおおおぉぉぉおぉぉっっっっっ!」
全く我慢できずに最後の射精を━━我慢しようと抜いたので━━テディベアの胴体にぶちまけた。
同時にテディベアも絶頂し、白濁液を撒き散らす。相手の精液内に紅く光るコアが見え、レモンは思わず頬を緩める。
しかし、次いで自分の精液を見た瞬間笑顔は凍りついた。
金切り声を上げ、黄色の車体が廃墟の間を疾走する。割れたアスファルトの上でタイヤが跳ねるも、速度は一切落とさない。
割れた窓、崩れたコンクリートの波が後ろへ飛んでいく。
「いよっと!」
八雲がハンドルを大きく切り、スリップ一歩手前でカーブを曲がり切る。キュルキュルとスキール音が鳴り、地面に生えていた草を吹き飛ばした。
「うわっはっは! やっぱりS660は愉快な車だ! そうは思わないかい? 楽くん!」
楽は何が愉快なのかはよく分からないが、とにかく死の恐怖を感じながらも必死に頷いた。
「そうだろうそうだろう! これだけ小さくて軽いのに、こんなにも楽しく走れるんだからね!」
だからってコケの生えた直角のカーブを80kmで、何も考えずに曲がるバカは、世界中探したってそうそういるものではないが。
「もうすぐレモンくんの所に着く! そこのカーブを過ぎたらすぐだよ! さーんにーいーち、それー! わーはっは!」
八雲がブレーキを踏んでハンドルを思い切り回す。フロントガラスに映る景色が一変し、緑色に包まれた部分が多くなった。
ギョアアアア! と、とんでもない音を響かせてレモンのいる通りへと侵入する。遠くには気を失い倒れている三人が見えた。
「レモン……っ! それに奈々くん! 鈴谷くん!」
「ふーむ、相当酷くやられたようだねえ」
八雲はアクセルを抜き、車が徐々に減速していく。最後はキュッと軽快な音を立てて止まった。
車がレモンの隣に止まると、楽は急いでドアを開け倒れているレモンに飛びついた。まだ体温の温もりが残っているが、いつ蒸発してもおかしくはない。
「レモンっ! レモン! しっかりして!」
「楽くん、少しは落ち着きたまえ。ここにしっかりと対抗策がある」
八雲はゆったりと降り、ゆっくりと金属の筒を回し、引き上げて中身を取り出す。中身は二本のプラスチック容器だった。
太い注射針を備えた注射器に、薄緑色の電解液とその中に入った紅く光るもの。
「それは……コア!?」
「そう、人工のコアだよ。天然に比べると磁力も硬度も恐ろしく劣るけどね」
八雲は電解液とコアを一緒に注射器に入れ、レモンの腹部に当てる。
「人工コアなんて……初めて聞きましたよ」
楽が目を丸くして驚いていると、八雲はさも当然といった様子で話す。
「そりゃそうだろうね。なんせ人工コアなんて5日前制作に成功したばかりで一度も使ったことないからね」
「……へ? 使ったことがない? じゃあ実験は?」
「これが初めての実験だよ」
急速に青ざめる楽に向かって一言、ケロリとした表情で何も疑問に思っていないような口調で。
腹に注射器をぶっすり刺しながら「初めて」と言い放った。
楽は走っていた。状況はついさっきまで送られてきていた映像を見て把握している。
このままではレモンが死んでしまう。
移動できるアシも無いのに、部屋を飛び出し無謀にも徒歩でレモンの元へと向かっていた。
廊下を駆け抜け、階段を飛び降り……そこで壁の向こうから出てきた思いきり人に激突した。
「ぐはあっ!」
「うわああっ! ……いつつ。ごめんなさ……」
幸い、双方共に怪我はないようだ。謝りながら立ち上がりまた走り出そうとするが、相手の服装と声に覚えがありその場で止まる。
あまり綺麗ではない白衣で、どこかあっけらかんとした声。思い当たるのは一人しかいない。
「いやあ僕は大丈夫。だけど気をつけて……あれ、楽くん?」
「八雲さん? どうしてここに……」
「君こそ……。僕は、これからレモンくんの所に行く予定だよ」
八雲も、目的地は同じらしい。これ幸いと楽は八雲の手を取る。
「レモン!? そうです、僕もレモンの所に! 連れていってください!」
「うん、ではついてきたまえ!」
「はい……って、もっと急がないと!」
ゆったりゆったり階段を降り始める八雲の背中を押して急かす。しかし八雲は速度を変えなかった。
「その必要は無いかな」
「へ?」
「もしレモンくんが負けたとしても、その対応策は考えてあるからね……というか、それを試してみたいだけなんだけどね!」
白衣の男は無邪気な子供のように目を輝かせながら、重そうな金属製の筒を持ち上げて見せた。
「は、え? じゃあ八雲さんが急がない理由は……」
「取り敢えず一回レモンくんには死んでもらう!」
「なーっ!?」
滅茶苦茶な理由に楽の開いた口が塞がらない。かといって、折角手に入ったアシを切り捨てるわけにも行かなかった。八雲が基地の中をゆっくり歩こうとも、皇都の外を徒歩で移動するよりはずっと速くて安全だろうから。
とぼとぼ付いていくと、いつも装甲車や公用車に乗り込む場所とはまた違った車庫に連れていかれた。色んな車が並んでいるが、八雲の行動に辟易している楽は見る気にもなれない。
八雲はその中で一番小さな車に乗り込み、エンジンボタンを押した。
「さあ乗りたまえ! 僕の愛車だ!」
八雲はそう言って高らかに笑う。
軽自動車にも関わらず低く構えたその姿はスポーティーさを醸し出しているが、しかしその代償に中は狭く、楽は重たい金属の筒を持たされたのだった。
「さあ出発進行!」
車は一度地下を潜るように浅いUの字型の出口を駆け抜け、レモンの元へと飛び出して行った。
……楽は知らない。その実験はこれから行われるのが初めてで、誰も成功率や副作用など知らない事を。
「うくううぅぅぅぅぅ! ふううっ! んんんぅぅぅぅぅーーーーーー!」
背の低い植物が生えたアスファルトの上に、嬌声が鳴り響く。レモンが荒獣と相対し、キスの息苦しさにもがいているのだ。
圧倒的不利な状況。だが、希望は見えている。デイビーズは倒した。ハイウルフだってもうすぐ死ぬ。
奇跡だ。下位以下と言われているカムカムという種族で、雑魚スライムの攻撃に耐え抜いた後に三体の下位荒獣と戦ってなおも戦果をあげるなど、他ならぬレモン自身が信じられない話なのである。
だから「もういいかな……」なんて弱気にもなってしまう。その度にご主人様の……楽の顔を思い出し、踏ん張る。
後ろから小さくて感度の高い胸をコリコリと弄られ、前からキスで呼吸を乱され、それでも闘志は失わなかった。
目の前のハイウルフに腰を打ち付ける。ふたなりの身体がぶつかり合い、同時に射精へと至る。
ペニスを締め付ける膣を押し広げ、ブクリと白濁液が精道を擦り上げて噴出する。熱が波紋のように身体へ広がり、全身を覆う多幸感に力が抜ける。
だが脚に力を入れて踏ん張り、倒れる事だけは避けた。
目の前のハイウルフがアクメ顔を晒して崩れ落ち、死ぬ。
これでやっと、後ろのテディベアと一対一になった。
ゾクゾクとした性感の残る朦朧とする意識で後ろを向き、女体化してもクマの耳が残る柔らかな肢体と絡む。
胸は巨乳に押しつぶされ、息ができない。それでも攻撃できる体勢に……挿入に持っていく。
グププ……と亀頭が飲み込まれ、柔らかな肉の抱擁に射精感がこみ上げてくる。
小さなペニスが溶かすような快感に抗い、その身全てを腹の中へと収めた。熱に覆われ、その気持ちよさに白濁液が勢いよく昇ってくる。
大きな手に握り締められ、射精を促されているようだ。
「んくうぅっ……!」
「グウウ……」
暴発寸前で精液が止まる。気を抜けば射精してしまいそうだ。何とか止めた今も、亀頭の中でグルグルと回っていて落ち着いていかない。
(ここは一度止まって、不利でも愛撫でなんとかするしかっ!)
レモンはすぐにピストンせず、キスとアナル責めに切り替える。
キスは相手の胸で肺を圧迫されている分大きく不利だが、アナルなら指先のテクニックで何枚も上手なレモンの方が有利だ。
小さな舌が大きな平たい舌へ果敢に挑んでいく。包み込まれても舌先をなめ合うことに集中し、熱い吐息を送り込み全身の興奮を高めていく。
滑らかな快感が脳髄を溶かしていく。ローションの海に溶けていくような感覚に襲われる。
指先にねっとりとした腸液が絡まる。中指の先でゆっくりと、いくつもの肉の丘をかき分け前立腺を探す。
唾液とキスのラッシュに溶かされそうになった時、コリリと小さな感触を指の神経が捉えた。
(あった……!)
その玉のような器官を指でなぞり、押し込む。愛でるように優しく、犯すように何度も。
「はっ……ん……んふうっ! ……う、うう……あくっ……」
「ウグウウウ!」
テディベアのふたなりペニスがムクムクと大きくなり、顕現する。その途中でところてん射精が行われ、レモンの秘部にかかった。
濃い液体が僅かに糸を引いて地面に落ちる。卑猥に濡れた下腹部。それをボウっと見ていたら更に追加の精液がビタビタと、今度は胸元の辺りまで飛んで白い身体を汚す。
「ウウッ! ウオオオオッ!」
アナル責めは効いている。間を置かずに二度目の射精へと導くことに成功した。
(行ける!)
勝てると踏んだレモンはアナル責めのペースを上げた。
それが、間違いだった。
「ウガアアアッ!」
「ぐっ!? ああああああっっ!」
不利を悟ったテディベアがいきなり大きく腰を振り出す。フカフカの毛皮に包まれているような熱肉が海綿体を擦り、不意に来た刺激にペニスが小刻みに震える。
快感ダメージが全く抜けていないレモンのペニスはドクドクと熱いザーメンを膣内に流し込んでしまった。鈴口から液体が出ていく摩擦熱が性感を二度上げる。
感度が増して敏感になったレモン。だがテディベアは当然構うことなく腰を振り続ける。
(まずっ! これっ、精液がローションみたいになって滑りが……た、耐え……!)
尻に力を入れて耐えようとするが、その瞬間ねっとりとまとわりつく様な濃い精液が顔に飛んで来る。テディベアの精液だ。濃厚な青臭さが思考を奪い、感覚を鋭敏に変えた。
臭いが頭の中で弾け、火花を散らした。火の粉はレモンの神経を焼く。白い雪が無残に溶けていく。
「っ! ーーーー!」
目の前が真っ暗になる。白目を剥いていたようだ。間一髪、意識が戻っては来るが、それで状況が良くなるわけではない。
相も変わらず柔らかな肉のヒダが快感の塊と化した肉棒を執拗に扱いてくる。固形物かと錯覚するほどの濃密な精液がドッと先端に押し寄せる。
液体を我慢できるはずもない。閉じようとする筋肉は、水圧の前には無力だった。
「お、おおおおっ! んぉぉおおおおおぉぉぉおぉぉっっっっっ!」
全く我慢できずに最後の射精を━━我慢しようと抜いたので━━テディベアの胴体にぶちまけた。
同時にテディベアも絶頂し、白濁液を撒き散らす。相手の精液内に紅く光るコアが見え、レモンは思わず頬を緩める。
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金切り声を上げ、黄色の車体が廃墟の間を疾走する。割れたアスファルトの上でタイヤが跳ねるも、速度は一切落とさない。
割れた窓、崩れたコンクリートの波が後ろへ飛んでいく。
「いよっと!」
八雲がハンドルを大きく切り、スリップ一歩手前でカーブを曲がり切る。キュルキュルとスキール音が鳴り、地面に生えていた草を吹き飛ばした。
「うわっはっは! やっぱりS660は愉快な車だ! そうは思わないかい? 楽くん!」
楽は何が愉快なのかはよく分からないが、とにかく死の恐怖を感じながらも必死に頷いた。
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だからってコケの生えた直角のカーブを80kmで、何も考えずに曲がるバカは、世界中探したってそうそういるものではないが。
「もうすぐレモンくんの所に着く! そこのカーブを過ぎたらすぐだよ! さーんにーいーち、それー! わーはっは!」
八雲がブレーキを踏んでハンドルを思い切り回す。フロントガラスに映る景色が一変し、緑色に包まれた部分が多くなった。
ギョアアアア! と、とんでもない音を響かせてレモンのいる通りへと侵入する。遠くには気を失い倒れている三人が見えた。
「レモン……っ! それに奈々くん! 鈴谷くん!」
「ふーむ、相当酷くやられたようだねえ」
八雲はアクセルを抜き、車が徐々に減速していく。最後はキュッと軽快な音を立てて止まった。
車がレモンの隣に止まると、楽は急いでドアを開け倒れているレモンに飛びついた。まだ体温の温もりが残っているが、いつ蒸発してもおかしくはない。
「レモンっ! レモン! しっかりして!」
「楽くん、少しは落ち着きたまえ。ここにしっかりと対抗策がある」
八雲はゆったりと降り、ゆっくりと金属の筒を回し、引き上げて中身を取り出す。中身は二本のプラスチック容器だった。
太い注射針を備えた注射器に、薄緑色の電解液とその中に入った紅く光るもの。
「それは……コア!?」
「そう、人工のコアだよ。天然に比べると磁力も硬度も恐ろしく劣るけどね」
八雲は電解液とコアを一緒に注射器に入れ、レモンの腹部に当てる。
「人工コアなんて……初めて聞きましたよ」
楽が目を丸くして驚いていると、八雲はさも当然といった様子で話す。
「そりゃそうだろうね。なんせ人工コアなんて5日前制作に成功したばかりで一度も使ったことないからね」
「……へ? 使ったことがない? じゃあ実験は?」
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