百鬼怪異夜行

葛葉幸一

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第十五夜 以津真天─イツマデ─

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最近は嫌なニュースが多い。
放火やウィルスや、患者がいる棟が崩壊したり。さらには悪質なデマを流す者もいて、それに便乗してマスクやペーパー類を多額で売る悪質な転売屋がいたりする。
大きなイベントは全て中止になり、学校が休校にまでなっている。
しかし一個人でできる対策なんてたかが知れている。
マスクをして、帰ったら手洗いうがい、アルコール消毒や塩素消毒。
いつまでこの状況が続くのか。
ある日、空を飛ぶ大きな鳥を見た。明らかにカラスなんかより大きく、その顔は人のように見え、体に蛇のようにも見えた。
あれは、妖だ。

祖父曰く。
奴らは本来は成仏できない魂をいつまで放置するのか、という警告や戒めのために現れる怪異だ。
今現在に成仏できない人はごくわずかだ。
しばらく見なかったが、またでてきたか。

他の人には見えていない巨大な鳥。
地震や火事、原発問題、台風による大雨で川が決壊したり。ここ数年災難続きだ。
─イツマデ─
彼らは鳴きながら飛んでいく。
戦国時代や人死があっても埋葬されない死体を「イツマデ放って置くのか」という警告だけの妖。
では、今のあいつらの「イツマデ」は何なのだろう。

苦しい夢を見る。以津真天に囲まれる夢だ。
なにがいつまでなんだよ!
いつまで、としか言えないのか!原因を教えろよっ!!
僕が叫ぶと、一際大きな以津真天が僕のそばに寄ってくる。
そして。
『人間はいつまで生き続けるんだ?』
それは、どういう……?
『人間がいなくなれば、この星もまた綺麗な星になる』
また別の以津真天がきた。
『いなくなればいいのに』
『いつまで死なないつもりだ?』
いつまで。
いつまで、
いつまでいつまでいつまでいつまでイツマデイツマデイツマデイツマデイツマデイツマデイツマデイツマデ!
生き続ける限り、人間は業を積み重ねてついにはその業のせいでゆっくり破滅に向かうのかも知れない。

いつまでもシアワセには暮らせない。
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