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第3章 古の創造竜
第1話新たなる旅立へ
ツクヨミの街。
一ヶ月前の大規模な戦闘で。少なからず打撃を負ったこの街も、だいぶ復興してきている。
「みんな、気合入ってるな」
練兵場を見ながら、ソウマ・ブラッドレイがつぶやく。
力強き相貌に、鋼のように締まった肉体。武器を持たず、動きやすい服装は武道家であるが故だ。
先の大戦では、装備では勝っていたものの、技量では敵方『クロス・クルセイド』に完全に負けていた。
そのことが、士気をあげたのだろう。
みんな覇気のある顔で懸命に訓練に明け暮れていた。
ソウマは、いち早く動き、近隣の町や村に行っては、人助けをして『メリクリウス』との協力体制を整え、地形の把握と地図つくりに専念していた。
「うん、ビスタもユーノもみんなを引っ張っていってくれてるよ」
エグゼ・トライアドが答える。
燃えるような金髪に、静かな湖面を思わせる青き瞳。白金の鎧を身に纏、見るも見事な剣『大いなる精霊王の剣』を携えている。
母の遺品である鎧からは、『歴代最強の剣聖』と呼ばれたルーシアの、剣技『万魔の太刀』を扱い、さらには7大精霊の内2柱まで契約を交わしていた。
もっとも、精霊との融合には大きな代償が着いて回るので、いざというときにしか使えないが。
「あ~あ。私もなんか戦う力が欲しいなぁ」
『メリクリウス』NO・2であるアラクネの少女、アーニャ・クーネリアが、一人ごちた。
彼女は戦闘力ではなく、その特殊能力で、その地位にいる。
『真実を写す瞳』
それは、この宇宙の理すら看破し、内部構造を覗き見て理解するほどの魔眼である。
現在この大陸では『黒いカーテン』と呼ばれる、不可視の障壁が展開されてからこちら、魔法が一切使えなくなってしまった。
その原因究明にも、彼女の力『真実を写す瞳』が必要不可欠になるだろう。
「僕もそろそろ、動かないとね」
前回、神魔と呼ばれるダークエルフとの戦いで、左腕を失ったエグゼはリハビリもかねて、この街で静養と情報集めに徹していたのだ。
そして、次に契約すべき精霊の情報を、先日ようやく見つけたところだった。
次の精霊は、『火の大精霊・フィアナ』
彼女は竜の住処としても知られている、霊峰エクレアにその居住を構えているらしい。
「それなら、ハーピーのハピナが案内してくれるよ!出身地なんだって」
アーニャが答える。確かに出身者がいれば心強いだろう。
「まずは、霊峰エクレアの麓の町、ラーズに行かないとね」
エグゼはソウマが作ってくれた地図を取り出す。北東方向に進めば、1週間ほどでつける距離だ。
途中には、かつて宿場町として栄えた村がある。
ここは未だにどの勢力からも支配されていなかったはずだ。
「俺は『クロス・クルセイド』の本拠地、ラマダに行ってくるよ。向こうから、和解に向けて話し合いがしたいと、申し出が有ったんだ」
先日の『メリクリウス』と『クロスクルセイド』両勢力の戦争は苛烈なものだった。
10万対4800の圧倒的不利に立たされたエグゼ達だか、エグゼ、ソウマ、ビスタの働きで退ける事ができた。
といっても、戦いの途中で『王政グランベルト』の送り込んだ『神魔』により、戦争は中断。
神剣神ラファエラと呼ばれた神魔に両軍勢とも大被害を負わされたのだ。
メリクリウスだけでも2000人の死傷者を出し、クロスクルセイドに至っては2万以上の死者がでたのだ。
しかも、最近この機をもう一つの戦力である『トール・ド・ルート』につけ込まれ、さらに追い討ちをかけられたそうだ。
主戦力である、クロスクルセイドの四天王が神剣神ラファエラに殺されてしまったのも痛手だった。
「事の次第によっては、『クロス・クルセイド』は『メリクリウス』の傘下に加わるかもしれないな」
『クロス・クルセイド』のメンバーには、昔、まだ聖エルモワールの時代だったときに、兵士として戦っていた者も数多くおり、人間のみの王国を作る、という信念よりは、待遇の良さで入隊していた者が数多くいたらしい。
そして魔物排斥派の四天王が亡くなった今、一刻も早くミハエルが治める『王政グランベルト』打倒に向けて、手を組もうという流れになっているという。
「しかし、それすらも罠かもしれないからな。俺とユーノだけのほうが動きやすいかもしれん」
ソウマの操る格闘技、深淵流は、強力だがその分、味方を巻き込む可能性のある技だ。
ユーノとは、スライム娘のことだがユーノ自身も強力な固体だが、時としてソウマの身体を覆い、武具として活躍することもあるのだ。
この二人に関しては、少数精鋭のほうが、むしろ安全だ。
「あと、ティアラに一緒に来てもらえると助かるな。伝令役や、回復にとても助かる!」
「ちょっとまて、ソウマ!交渉なのに回復役が必要なのか!?」
さすがのエグゼも驚きを隠せない。
「交渉もそうだけど、俺にはもう一つ目的があってな! そこではバトルをする予定なんだ!」
と心底楽しそうな顔をする。
「まぁ、ソウマのことだから無理なことはないと思うけど……。とりあえずこれ。ラムダまでの地図だ」
そういってエグゼはソウマに羊皮紙を手渡す。
ここから南、ヤマト平原をほぼ縦断しなければならない長い行程だ。
本来なら、三週間近くかかるだろう。
「まぁ、俺が走っていけば、3日ってとこだな」
「それが三日か……。とことん化け物だな」
巨大な鉄槌で肩をとんとん、叩きながら一本多々良族の少女、日ノ本たたらが出てきた。
「エグゼ達は霊峰エクレアにいくんだよな?」
たたらがエグゼに話しかける。
たたらは普段、鍛冶場で武器防具をそれこそ寝る間も惜しんで作っているため、なかなか話をする機会がない。
「霊峰エクレアに行くなら、ちょうどいい。その山にある鉱石を取ってきてはくれないか?
防具の方に回せる鉱石が、なくなってきたんだ」
このツクヨミの街の裏にも霊峰、と言われるメイルストローム山脈がありここは純度の高いミスリルがある。
ゆえに霊峰と崇め建てられていたのだか、その採掘量は年々下がるばかりだ。
現代において、右に出るものはいない、といわれるほどの腕利きの鍛冶師であるたたらは、この町でしばらくは武器作りに専念していた。
『メリクリウス』のメンバーそれぞれにあった武器を作るため、一人ひとり戦い方をみて、面接をして、その人の体系なども鑑みて、専用の武器を作っているのである。
寝る間も惜しんで、とはまさにたたらの今の状態を言うのだろう。
「武器は何とか全員分作る目処が立ったが、防具がまったくだからな。そのための鉱石も足りなくなってきている。頼んだぞ」
「俺もこれから、クロスクルセイドの本拠地にいくんだ! 交渉がうまくいけば、今までクロスクルセイドが占領していた『魔水晶』が手に入るかもしれない」
「ほぉ、それは有り難い、貴様にしては珍しく役に立ちそうではないか」
こんなソウマとたたらのやり取りも数ヶ月ぶりだ。
エグゼは、鉱石が必要ならば、馬車で何人かと一緒にいくのがいいのかも知れない。
そこでエグゼは何人かに声を掛けることにした。
一ヶ月前の大規模な戦闘で。少なからず打撃を負ったこの街も、だいぶ復興してきている。
「みんな、気合入ってるな」
練兵場を見ながら、ソウマ・ブラッドレイがつぶやく。
力強き相貌に、鋼のように締まった肉体。武器を持たず、動きやすい服装は武道家であるが故だ。
先の大戦では、装備では勝っていたものの、技量では敵方『クロス・クルセイド』に完全に負けていた。
そのことが、士気をあげたのだろう。
みんな覇気のある顔で懸命に訓練に明け暮れていた。
ソウマは、いち早く動き、近隣の町や村に行っては、人助けをして『メリクリウス』との協力体制を整え、地形の把握と地図つくりに専念していた。
「うん、ビスタもユーノもみんなを引っ張っていってくれてるよ」
エグゼ・トライアドが答える。
燃えるような金髪に、静かな湖面を思わせる青き瞳。白金の鎧を身に纏、見るも見事な剣『大いなる精霊王の剣』を携えている。
母の遺品である鎧からは、『歴代最強の剣聖』と呼ばれたルーシアの、剣技『万魔の太刀』を扱い、さらには7大精霊の内2柱まで契約を交わしていた。
もっとも、精霊との融合には大きな代償が着いて回るので、いざというときにしか使えないが。
「あ~あ。私もなんか戦う力が欲しいなぁ」
『メリクリウス』NO・2であるアラクネの少女、アーニャ・クーネリアが、一人ごちた。
彼女は戦闘力ではなく、その特殊能力で、その地位にいる。
『真実を写す瞳』
それは、この宇宙の理すら看破し、内部構造を覗き見て理解するほどの魔眼である。
現在この大陸では『黒いカーテン』と呼ばれる、不可視の障壁が展開されてからこちら、魔法が一切使えなくなってしまった。
その原因究明にも、彼女の力『真実を写す瞳』が必要不可欠になるだろう。
「僕もそろそろ、動かないとね」
前回、神魔と呼ばれるダークエルフとの戦いで、左腕を失ったエグゼはリハビリもかねて、この街で静養と情報集めに徹していたのだ。
そして、次に契約すべき精霊の情報を、先日ようやく見つけたところだった。
次の精霊は、『火の大精霊・フィアナ』
彼女は竜の住処としても知られている、霊峰エクレアにその居住を構えているらしい。
「それなら、ハーピーのハピナが案内してくれるよ!出身地なんだって」
アーニャが答える。確かに出身者がいれば心強いだろう。
「まずは、霊峰エクレアの麓の町、ラーズに行かないとね」
エグゼはソウマが作ってくれた地図を取り出す。北東方向に進めば、1週間ほどでつける距離だ。
途中には、かつて宿場町として栄えた村がある。
ここは未だにどの勢力からも支配されていなかったはずだ。
「俺は『クロス・クルセイド』の本拠地、ラマダに行ってくるよ。向こうから、和解に向けて話し合いがしたいと、申し出が有ったんだ」
先日の『メリクリウス』と『クロスクルセイド』両勢力の戦争は苛烈なものだった。
10万対4800の圧倒的不利に立たされたエグゼ達だか、エグゼ、ソウマ、ビスタの働きで退ける事ができた。
といっても、戦いの途中で『王政グランベルト』の送り込んだ『神魔』により、戦争は中断。
神剣神ラファエラと呼ばれた神魔に両軍勢とも大被害を負わされたのだ。
メリクリウスだけでも2000人の死傷者を出し、クロスクルセイドに至っては2万以上の死者がでたのだ。
しかも、最近この機をもう一つの戦力である『トール・ド・ルート』につけ込まれ、さらに追い討ちをかけられたそうだ。
主戦力である、クロスクルセイドの四天王が神剣神ラファエラに殺されてしまったのも痛手だった。
「事の次第によっては、『クロス・クルセイド』は『メリクリウス』の傘下に加わるかもしれないな」
『クロス・クルセイド』のメンバーには、昔、まだ聖エルモワールの時代だったときに、兵士として戦っていた者も数多くおり、人間のみの王国を作る、という信念よりは、待遇の良さで入隊していた者が数多くいたらしい。
そして魔物排斥派の四天王が亡くなった今、一刻も早くミハエルが治める『王政グランベルト』打倒に向けて、手を組もうという流れになっているという。
「しかし、それすらも罠かもしれないからな。俺とユーノだけのほうが動きやすいかもしれん」
ソウマの操る格闘技、深淵流は、強力だがその分、味方を巻き込む可能性のある技だ。
ユーノとは、スライム娘のことだがユーノ自身も強力な固体だが、時としてソウマの身体を覆い、武具として活躍することもあるのだ。
この二人に関しては、少数精鋭のほうが、むしろ安全だ。
「あと、ティアラに一緒に来てもらえると助かるな。伝令役や、回復にとても助かる!」
「ちょっとまて、ソウマ!交渉なのに回復役が必要なのか!?」
さすがのエグゼも驚きを隠せない。
「交渉もそうだけど、俺にはもう一つ目的があってな! そこではバトルをする予定なんだ!」
と心底楽しそうな顔をする。
「まぁ、ソウマのことだから無理なことはないと思うけど……。とりあえずこれ。ラムダまでの地図だ」
そういってエグゼはソウマに羊皮紙を手渡す。
ここから南、ヤマト平原をほぼ縦断しなければならない長い行程だ。
本来なら、三週間近くかかるだろう。
「まぁ、俺が走っていけば、3日ってとこだな」
「それが三日か……。とことん化け物だな」
巨大な鉄槌で肩をとんとん、叩きながら一本多々良族の少女、日ノ本たたらが出てきた。
「エグゼ達は霊峰エクレアにいくんだよな?」
たたらがエグゼに話しかける。
たたらは普段、鍛冶場で武器防具をそれこそ寝る間も惜しんで作っているため、なかなか話をする機会がない。
「霊峰エクレアに行くなら、ちょうどいい。その山にある鉱石を取ってきてはくれないか?
防具の方に回せる鉱石が、なくなってきたんだ」
このツクヨミの街の裏にも霊峰、と言われるメイルストローム山脈がありここは純度の高いミスリルがある。
ゆえに霊峰と崇め建てられていたのだか、その採掘量は年々下がるばかりだ。
現代において、右に出るものはいない、といわれるほどの腕利きの鍛冶師であるたたらは、この町でしばらくは武器作りに専念していた。
『メリクリウス』のメンバーそれぞれにあった武器を作るため、一人ひとり戦い方をみて、面接をして、その人の体系なども鑑みて、専用の武器を作っているのである。
寝る間も惜しんで、とはまさにたたらの今の状態を言うのだろう。
「武器は何とか全員分作る目処が立ったが、防具がまったくだからな。そのための鉱石も足りなくなってきている。頼んだぞ」
「俺もこれから、クロスクルセイドの本拠地にいくんだ! 交渉がうまくいけば、今までクロスクルセイドが占領していた『魔水晶』が手に入るかもしれない」
「ほぉ、それは有り難い、貴様にしては珍しく役に立ちそうではないか」
こんなソウマとたたらのやり取りも数ヶ月ぶりだ。
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