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第3章 古の創造竜
第10話 霊峰エクレアへ
大陸中央に位置するラーズは、交易としても重要な拠点である。
これより東に大きな街は『トール・ド・ルート』の本拠地である、ギアナと『王政グランベルト』が治めるグランベルトしかない。
そして、南には武器不能地帯を抱えているため、商人や旅人などは、この街を通らないとこれより西にはいけない。
そして何より、霊峰エクレアから取れる鉱石『ラルファリオン』の存在がおおきい。
『ラルファリオン』は粘性金属と呼ばれている。
硬さは、ダイヤモンド以上で、オルファリコンと同等の硬度を誇り、ながら、とてもしなやかな金属である。
折れず曲がらず、砕けず、割れない。
そして、意志を持てば、魔法力を通しやすく、意志が無ければ魔法力は一切通らない。
まるで自分の意志でもあるかのような金属である。
「この金属を手に入れられるかどうかが、この戦いに大きく影響する」
鍛冶師のたたらか頼まれたのは、そんな鉱石だった。
しかし、ここ数年採掘量が激減している。
そのため、採掘現場を上へ上へと移しているのだ。
しかし、その先は。
「ドラゴンの守る、『火の大精霊・フィアナ』の聖域。」
こうして、ラルファリオンは希少価値をどんどんと高めているのだ。
「だめだ、店のオルファリオンは、とても手が出せる値段じゃないな」
買い物から帰ってきたビスタが報告をする。
「やっぱりか」
『ラルファリオン』はこの山でも高所にしかない希少金属で、ドラゴンに守られた聖域でもある。
その採掘量が少ないのは分かりきっていたことだった。
「仕方ない、山に登るしかないか」
こうして霊峰エクレアへの登山が決定した。
霊峰エクレアへの登山は、かなり険しいものとなる。
その前の準備と共に、エグゼたちはこの街の会長に会いに行くことにする。
あわよくばこの街も配下に置き、ラルファリオンが一定量こちらに流通することが出来れば、かなりの戦力増強につながる。
「私が会長のリリシアです」
以外にも、村長はハーピーの女性だった。
「お母さん!?」
ハピナが素っ頓狂な声を上げる。
「あら、ハピナ。あなた、こんなところで何しているのです?」
「私は今『メリクリウス』で、部隊長っす!」
普段は人見知りもせず、誰にでも優しいハピナがプイ、とそっぽを向く。
なにやら確執がありそうだ。
「まぁ、いいでしょう。こちらも霊峰エクレアで、困った事態に陥っていまして…」
リリシアが話を始める。
ドラゴン住まう霊峰エクレア。
また、大精霊の住まう聖域。
そして、稀少金属ラルファリオンの採れる、まさに霊峰だ。
しかし、最近ドラゴンの姿を見ることがなくなったという。
「今までは採掘にあたり、ドラゴンが炭鉱夫を監視していることも、めずらしくはありませんでした」
ドラゴンの巣、または聖域に炭鉱夫が入り込まぬよう、その監視の目が常にあった。
しかし、ここ数ヶ月、そのドラゴンが見当たらなくなってしまったという。
それと同時に、いままで見たことの無い魔物が炭鉱夫を襲うようになったのだ。
「見たことも無い魔物…」
それは造魔か。
「そして、この書状が送られてきました」
そういって差し出した手紙は、『王政グランベルト』のミハエルからのものだった。
「ようはこの霊峰を明け渡さなければ、この街を無理やり襲い配下にくわえる、というものです」
それはミハエルからの脅迫状だ。
「私達は、ドラゴンと炭鉱夫と、霊峰に住まうモンスターたちの楽園でありこの町の安寧です」
炭鉱で働くものは人間、ドワーフ、ホビットなど、たくさんの種類がいる。
そして、この山を住処にしているモンスターもたくさんいるのだ。
会長、ハピナもこの山を住みかにしてきた魔物だ。
「なので、わたし達は中立を守ってきていました」
人間の国家を作ろうとする『クロス・クルセイド』
魔物の国家を作ろうとする『トール・ド・ルート』
この国を恐怖で支配しようとする『王政グランベルト』
それゆえに、どこにも属さずにいたのだ。
ドラゴンが住まうゆえに、攻め込まれることも無かった。
しかし。
「ドラゴンは居なくなり、グランベルトに脅されたいま、私達に抗う術はありません」
そして、今回の『メリクリウス』の話。
「私達としては、魔物と人間の共存を目指す『メリクリウス』には、ぜひ協力したいところです」
が。とリリシアは言う「が、我々をしっかり守れるかどうか。それを確認させてください」
それが答えだ。
「そのためなら、霊峰エクレアに入ることも許しましょう」
「分かりました。必ずやご期待に添えられるよう、努力いたします」
エグゼが丁寧にお辞儀をする。
「お母さん…」
少し名残惜しそうにハピナがつぶやいた。
「さて、これで後顧の憂いはなくなったね」
登山口まで来てから、エグゼはつぶやく。
何かあったときのために、パーティも二分してある。
山に登るのは、エグゼとハピナと、ドワーフのダイモス。
街に残るのは、ビスタとココロとジェイク。
この街がミハエル率いる造魔に襲われるとも限らない。
「頼んだよ、ビスタ」
「あぁ、任せろ」
これより東に大きな街は『トール・ド・ルート』の本拠地である、ギアナと『王政グランベルト』が治めるグランベルトしかない。
そして、南には武器不能地帯を抱えているため、商人や旅人などは、この街を通らないとこれより西にはいけない。
そして何より、霊峰エクレアから取れる鉱石『ラルファリオン』の存在がおおきい。
『ラルファリオン』は粘性金属と呼ばれている。
硬さは、ダイヤモンド以上で、オルファリコンと同等の硬度を誇り、ながら、とてもしなやかな金属である。
折れず曲がらず、砕けず、割れない。
そして、意志を持てば、魔法力を通しやすく、意志が無ければ魔法力は一切通らない。
まるで自分の意志でもあるかのような金属である。
「この金属を手に入れられるかどうかが、この戦いに大きく影響する」
鍛冶師のたたらか頼まれたのは、そんな鉱石だった。
しかし、ここ数年採掘量が激減している。
そのため、採掘現場を上へ上へと移しているのだ。
しかし、その先は。
「ドラゴンの守る、『火の大精霊・フィアナ』の聖域。」
こうして、ラルファリオンは希少価値をどんどんと高めているのだ。
「だめだ、店のオルファリオンは、とても手が出せる値段じゃないな」
買い物から帰ってきたビスタが報告をする。
「やっぱりか」
『ラルファリオン』はこの山でも高所にしかない希少金属で、ドラゴンに守られた聖域でもある。
その採掘量が少ないのは分かりきっていたことだった。
「仕方ない、山に登るしかないか」
こうして霊峰エクレアへの登山が決定した。
霊峰エクレアへの登山は、かなり険しいものとなる。
その前の準備と共に、エグゼたちはこの街の会長に会いに行くことにする。
あわよくばこの街も配下に置き、ラルファリオンが一定量こちらに流通することが出来れば、かなりの戦力増強につながる。
「私が会長のリリシアです」
以外にも、村長はハーピーの女性だった。
「お母さん!?」
ハピナが素っ頓狂な声を上げる。
「あら、ハピナ。あなた、こんなところで何しているのです?」
「私は今『メリクリウス』で、部隊長っす!」
普段は人見知りもせず、誰にでも優しいハピナがプイ、とそっぽを向く。
なにやら確執がありそうだ。
「まぁ、いいでしょう。こちらも霊峰エクレアで、困った事態に陥っていまして…」
リリシアが話を始める。
ドラゴン住まう霊峰エクレア。
また、大精霊の住まう聖域。
そして、稀少金属ラルファリオンの採れる、まさに霊峰だ。
しかし、最近ドラゴンの姿を見ることがなくなったという。
「今までは採掘にあたり、ドラゴンが炭鉱夫を監視していることも、めずらしくはありませんでした」
ドラゴンの巣、または聖域に炭鉱夫が入り込まぬよう、その監視の目が常にあった。
しかし、ここ数ヶ月、そのドラゴンが見当たらなくなってしまったという。
それと同時に、いままで見たことの無い魔物が炭鉱夫を襲うようになったのだ。
「見たことも無い魔物…」
それは造魔か。
「そして、この書状が送られてきました」
そういって差し出した手紙は、『王政グランベルト』のミハエルからのものだった。
「ようはこの霊峰を明け渡さなければ、この街を無理やり襲い配下にくわえる、というものです」
それはミハエルからの脅迫状だ。
「私達は、ドラゴンと炭鉱夫と、霊峰に住まうモンスターたちの楽園でありこの町の安寧です」
炭鉱で働くものは人間、ドワーフ、ホビットなど、たくさんの種類がいる。
そして、この山を住処にしているモンスターもたくさんいるのだ。
会長、ハピナもこの山を住みかにしてきた魔物だ。
「なので、わたし達は中立を守ってきていました」
人間の国家を作ろうとする『クロス・クルセイド』
魔物の国家を作ろうとする『トール・ド・ルート』
この国を恐怖で支配しようとする『王政グランベルト』
それゆえに、どこにも属さずにいたのだ。
ドラゴンが住まうゆえに、攻め込まれることも無かった。
しかし。
「ドラゴンは居なくなり、グランベルトに脅されたいま、私達に抗う術はありません」
そして、今回の『メリクリウス』の話。
「私達としては、魔物と人間の共存を目指す『メリクリウス』には、ぜひ協力したいところです」
が。とリリシアは言う「が、我々をしっかり守れるかどうか。それを確認させてください」
それが答えだ。
「そのためなら、霊峰エクレアに入ることも許しましょう」
「分かりました。必ずやご期待に添えられるよう、努力いたします」
エグゼが丁寧にお辞儀をする。
「お母さん…」
少し名残惜しそうにハピナがつぶやいた。
「さて、これで後顧の憂いはなくなったね」
登山口まで来てから、エグゼはつぶやく。
何かあったときのために、パーティも二分してある。
山に登るのは、エグゼとハピナと、ドワーフのダイモス。
街に残るのは、ビスタとココロとジェイク。
この街がミハエル率いる造魔に襲われるとも限らない。
「頼んだよ、ビスタ」
「あぁ、任せろ」
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