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頑張る話
しおりを挟む朝、下駄箱で靴を履き替え歩き出した俺の目の前にきれいな女の人がいた。
その人は俺を見て微笑み軽く頭を下げる、長い髪が揺れる。
それに俺が軽く頭を下げ返すと踵を返し去っていった。どうやら上級生のようだが……。
教室に行き、先程の出来事を平野に話そうとしたが何も言えなかった。
「……なんだよ塔野、なにパクパクしてんの」
「……あー……なんだ話せるな。なんか声出なくなったかと思った」
「また深見となんかあったのか」笑いながら俺を見ずに言い、平野は教科書を机にしまった。
深見とは何もない。だがまぁなと返して自分の席に戻る。
わかる、さすがにわかってしまった。
あれは俺がその存在を消した人だ。
──きっと深見の元カノだ。
やっぱり美人だった、しかも上級生かよ。
しかし俺の予想に反して俺は普通だ。ついに念願のポーカーフェイスを手に入れたのだろうか。
まぁ、その存在を消したと言ったところで存在はしているので消えるわけない。実際にはいたのを知ってるし、平野が知ってる人ならそれは学内の人だ。俺がその思考を放棄しただけで、俺だってそんなことはわかる。
なぜ俺の前に現れたのだろう。
みんなご存知バカップルなんだから放っておけばいいのに、俺なんか見たって楽しくないだろうに……。
──違う、やめよう。
俺がその存在を消したのなら俺が考えるべきじゃない。深見もそれでいいと言ったんだ、あれはただの──美人だ。
美人がなんかよくわかんないけど俺に挨拶してきたんだ、これはヤッターと喜んでおこう──全然嬉しくないけど。
嬉しくない──あれ、俺最近深見のことしか考えてないけど……女子……。
何気なく周りの女子を見わたしてみたが何の感情もわかない。俺はふんわり可愛い系の女子が好きだったはずだ。休み時間おもむろに平野の席に行き、昔よくしていた好みであるはずのアイドルについて語ってみた。
「塔野……そんな虚ろな目で語られても何も響かないし、無理するなよ。どうしたんだよ、なんかあった?」
心配されるレベルの話しかできない──やはり
「どうしよう平野……」
「……どうしたんだよ」
「俺……最近女子に興味ない」
「はぁ?」とすごくデカい声で言われた。クラス中の注目を浴びうろたえる。
「え……ちょっと待って、え? なに? え? …………ダメだ。俺ひとりでは受け止めきれない」
そう言うと平野は走ってどっかに行った。
俺は何かまたご迷惑をおかけしたのだろうか。ちょっとしょんぼりしつつ自分の席に戻る。
きっと、深見が最強すぎて他に興味がわかないという事だろう──自分の中でそう結論づけた。さすが深見。
平野は授業開始ギリギリに戻ってきた、平野ひとりでは受け止めきれない何かを受け取ってしまったのは誰だろう。その人にもご迷惑をおかけしたのだろうか。
そして、その人物は次の休み時間に判明した。
「よう」
久々の登場西田君だ。
意外な人選だ、平野を見ると顔をそらした。何故だろう。
西田はちょっとこっち来いと俺の腕を掴むと廊下に連れ出した。訝しみながらも平野の手前付いていく。
「……なんで?」
「俺もよくわかんないけど。平野が俺の教室来たから深見呼ぼうとしたら俺でいいって言うから」
「……西田は平野からなにを受け取ったの?」
「なんかお前が? 女子に興味がないって言い出したとかなんとか?」
なんだろう、なんか軽いな。なんで平野はこんなやつ相談相手に選んだんだろう。
「俺の興味は深見に一点集中ってことだよ。それでもう終わりだよ」
俺が言うと「違うだろー」と意味ありげな笑みを浮かべて西田が俺の肩を叩く。その手をはたき落として「違わないっ!」と反論した。
「なんだよ鬱陶しいな。いいんだよ深見最強ってことで」
「そこで思考停止してんのがおかしいだろって話だよ。女子に興味ないんだろ、ってことは深見に興味があるんだろ。じゃあその興味ってなんだよ」
「あ? お前何言ってんの」
「だからさぁ、わかりやすく言うとだよ。お前女子見てたつのか、深見見てたつのかって事だろ。ちなみに俺はお前見てたつよ」
「え……なに言ってんの……」
「なんだよ、わかんないのかよ。俺すごくわかりやすく言っただろ。お前を性的対象に考えられるって話してんだよ」
「……いや……あの……本当なに言ってんの……」
「だーかーらぁ──」
「だからじゃねぇよ!……あれ? 俺ごめんって言ったよね」
「ああ言われた、それが?」
「それが? え……俺……フった……」
西田はなぜかやれやれと言わんばかりの勢いで首を振ると「まったく」と呟いた──こいつ、ムカつく。
「この前のはお前がバカな勘違いするからわかりやすく誤解を解くために仕方なく好きだって言ったんであって、それで諦めるとか諦めないとかはまた別の話なんだよ。なんならフったってのもおかしいんだよ。俺は付き合ってくれなんて言ってないだろ。お前が深見を好きなのは知ってんだからそこで俺と付き合ってくれなんて言うわけないし、お前のフったっていう認識がそもそもおかしいんだよ」
「え……そうなの」
「そうだよ。俺はさぁ、とりあえず今は片思いでいいんだよ。健気だろ」
「……健気って自分で言うなよ。なんか気持ち悪いな、俺を騙そうとしてない?」
「お前を騙すためだったとしたら俺そのために身を削りすぎじゃね」
「……それはそうか」
西田は「まぁまぁ」と言いながら俺の肩を叩いてくる──それをはたき落とす。しかしこいつはこんなことではめげない、ニヤリと笑い俺を見た。
「ようはさぁ、お前とやりたいって話だよ」
「は?……なに言ってんの……」
「なにって、さっきからその話しかしてないだろ」
「……そうだっけ?」
「そうだよ。俺はお前に興味があるんだよ、一点集中」
そう言いながら西田は三角に尖らした両手を俺に突き刺してきた、地味に痛い。それもはたき落としさらに足蹴にすると西田はとても楽しそうに俺の足を避け、笑いながら去っていった。
なんか……すごく楽しそうだ。
俺はまた、からかわれたんだろうか。
教室に戻り平野を見ると頭を抱えていた。やはり人選を間違えたのだろう。
昼休み、深見は教室に入るなり平野を見てわざとらしくため息をつくと俺を見て軽く首をふった。
「西田に言われたことは忘れて」
忘れるにしてはなかなかのインパクトだったが、小刻みに首を縦にふる。しかし西田が何を言ったのか深見は知っているのだろうか。軽く聞いてみた。
「西田が……すごく嬉しそうに俺に報告してきたから」
自己申告か、鋼メンタルだな。それでどうせまた蔑まれるのに……あっ、やっぱりあいつ──
「違うから、西田が好きなのは塔野だから。……なんで俺がこんなこと言わないといけないの……」
深見が項垂れた。もしや俺は深見にまでご迷惑をおかけしているのだろうか。
深見が項垂れたまま上目遣いに俺を見る、それになぜか焦る俺。
「なんでキョドってるの」
「いや……なんか、俺がみんなにご迷惑を……」
「迷惑っていうか……なんかあったの?」
なんか……あったはあったがアレは無いことになってるので言えない。
どこからなら言えるのか、無かったはずの元カノが……美人……だけど興味がないから?……アイドル……目が虚ろ……心配されて……受け止めきれない平野が……西田……興味が……一点集中。
考えながら両手を三角形にし、自然と深見に突き刺さしていた。
「なに?」と深見が訝しむ。
なにって、ようするに俺は深見と──
※
突然立ち上がった塔野は顔をみるみる赤くさせた。これは……もしかしてまた何かおかしくなったのだろうか。
今度はなにがダメになったのだろう。
「塔野」と呼ぶと俺と目を合わさず壁にもたれるようにずり下がり椅子に座って頭を抱えた。
また、俺を見られなくなったのだろうか。
「大丈夫?」と聞くと頭を横にふる、とりあえず大丈夫ではないらしい。
お前が好きだ、まだ好きだ、すげー好きだ、一途に好きだ──そう、塔野に言ってきたと西田が嬉しそうに俺に報告してきた。
正直まったく意味不明だだったしそのあと「俺またキューピッドしたかも」とドヤ顔されたのも意味不明だった。
絶対なにか余計な事を言っている。
本当は何言ったんだと聞いても、マジでそれしか言ってないと言い張るのでお話にならない。その前に平野が教室に来ていたという情報もキャッチしているのでもう聞くしかないだろう。平野を呼んだ。
「……なんか……悪い」
平野はうなだれた状態でそう言いながらやって来た。
「塔野が唐突に最近女子に興味がないって言い出して、あれだけ深見深見って言ってたのに今更何言ってんだって思ったら受け止めきれなくてつい西田にそれをポロッと……そしたら西田が「わかった俺に任せろ」って自信満々に言うから──俺、なんて事したのかと……」
平野は両手で顔を覆うとやはりうなだれた。とりあえず礼を言い自席に戻ってもらったのだが──結局よくわからなかった。
まず、塔野の女子に興味ない発言からなんで西田が塔野に好きだと言いに行ったのかがわからない。確かに塔野は最近俺にしか興味ないんだからそんなの今更だろうし、あいつは何がわかったんだ? 女子に興味がないなら俺にもワンチャンって思ったのか? でもそれ以前の状況だってのはわかってるはずだし、西田は塔野に好きだと言っただけだと言い張っている。
もう……この頭を抱えたもうひとりの当事者に聞くしかない。
「塔野……西田に変なこと言われた?」
──頷いた。
「好きだ、好きだ、大好きだ──って言われた?」
──少しの間をおき首を横に振った。
あいつ、やっぱり全然違うこと言っていたのか。
「なんて……言われた?」
──返事がない。
「……言えない?」
──ヘドバンなみに頷いている。
本当に何言ったんだ。しかし──
「俺のこと見れる?」
──首を横に振る。
「一緒に帰れる?」
──今度は頷いた。
まあいいか、また時間がたてば見られるようになるだろう。気にするなと頭を撫でようとして伸ばしたその手を──弾かれた。
塔野は壁際に寄り、さらに頭を抱え小さくなると「ごめん」と呟いた。
今回はかなり症状が酷いらしい。
「西田……本当に何言った」
「だから好きだって」
「塔野そんなこと言われてないって」
「あ?……あいつ鈍すぎじゃね?」
「……遠回しに言ったってこと?」
「遠回しじゃねーよ、直球勝負だよ」
「……もう、具体的に何言ったのか一言一句ここで再現しろよ」
西田は仕方ねーなと立ち上がると俺に「一点集中」と両手を突き刺してきた。塔野にもやられたが──なんだこれ。
「……意味がわからない」
「なんでだよ、塔野の興味がお前に一点集中してんだよ、わかれよ」
「それはわかってるよ、女子にも興味がないってやつだろ」
「……わかってんじゃん」
「それでなんで西田が塔野に好きだってなるんだよ」
「俺は正直に言ったんだよ、そうしたら塔野もわかるかと思って、塔野なんか言ってた?」
「また……俺を見られなくなったし、ほとんどしゃべれなくなったし、触ろうとしたら弾かれたよ」
「なんだよ、超進化じゃん」
西田がなぜか満足げにうなずく。こいつは何がしたいのだろう。俺たちの邪魔をしているのだろうか……まぁ塔野を好きなんだから邪魔はしたいだろう。
でも、そんなやつではないんだよなぁ。
「お前ら過保護だもんな」と西田は俺の肩を叩きながらやれやれと言わんばかりに首を振った──こいつ、なんかムカつく。
※
俺は壁と一体になっている。
この席壁があってよかった。守られてる感半端ない。しかし──
恋人だし、高校生だし、まあまあ、そんなこと思ったりなんかしても自然の成り行き……大丈夫だ。おかしいことではない。
ただ……西田唐突にぶち込み過ぎだろう、俺のキャパの狭さ舐めんな。
また深見見れなくなった、このために撮っていた写真も見れる気がしない、音声なんてもってのほかだ……ったらどうする。
伸ばされた手もはじいてしまった。気にするなと言い深見は戻って行ったが、それはなかなか難しい。
一緒に帰れるかと聞かれ頷いたが、正直、すぐ隣にいて俺の心臓がもつのか怪しい。もうすでに、俺の心臓はかなり疲弊している。
どこを見て、何を意識すればいいのかわからない。
というか、すでにもう意識し過ぎてしんどい。どうすれば楽になるのかもわからない、いっそ意識を手放してしまえばいいのだろうか。
「塔野……大丈夫か?」
平野にも心配をかけている、迷惑ついでに申し訳ない。だが放っておいてほしい。
「大丈夫、心臓が止まりそうなだけで」
「……俺が西田なんかについポロッと言ってしまったばっかりに」
「いや、平野のせいじゃないし。西田も間違った事を言ったわけじゃ……いや、あいつ……ん?……」
「……なんて言われたんだ」
「俺と……やりたいって」
「何を?」
平野を見ると訝しげに俺を見ている。わかんないのか? わかるだろ?……わかんないのか、俺と同じ世界の住人だもんな。
壁にもたれ平野を横目でみたまま「セックス」と言ってみた。
平野の顔がみるみる赤く染まる。なるほど俺もこうなのか。そして平野はなぜか「するの?」と聞いてきた。
「しないよ、西田とは」
ああ、そうか、するなら深見かと呟きながら平野は自分の席に戻っていった。そして一旦席に座り奇声をあげると俺の席に戻ってきた、その動きが少し気持ち悪い。
「どうやってっ!」
それは、急いで戻ってきて聞かないとダメなことなのだろうか。というか、答えないとだめなのだろうか。っていうか、俺に……わかるわけないだろう、俺のチェリーっぷり舐めんな。
「……もう、深見に聞くよ」
「ああ、まぁ二人のことだからな」
「……そう、そっとしといて」
「ああ……それで女子に興味ないって言ったのか、やっと繋がった」
まぁ頑張れと言って今度こそ平野は戻っていった。何を頑張るんだ……何を頑張ればいいんだ。
とりあえず、亡霊の相手だろうか。
「塔野くん?」と美人が言った。この席、逃げ場がない。すでにキャパはオーバーしているので言われるがまま、俺は美人に付いていった。
※
放課後、塔野の教室にのんびり向かう俺の横を平野が駆け抜けていった──悪い予感しかしない。
案の定、平野は戻ってくると「深見無視するなよ」と理不尽な言いがかりをつけてきた。
「……なにかあったの」
「塔野が連れ出されたんだよ」
「……誰に」
「言ってもいいんだっけ、いないことになってるんだっけ──」
「何処っ!」
平野の肩を掴み聞くと平野はすっとぼけたような顔で「わかんない」と言った、思わず舌打ちをする。とりあえず目ぼしいところへ走り出そうとした俺を平野が呼び止める。
「なにっ!」
「なんか、朝も塔野のとこ来て挨拶してたって……」
まったく、なんで塔野があんな状態のときに──もしかしてこの一連の出来事のスタートは朝の挨拶なのだろうか。
考えても仕方なく、目撃情報をたよりに校内を走り回る。ようやく目当ての場所が見えた頃、そこから髪の長い女生徒がひとり出てきた。そして、俺を見てひどく驚いた顔をする。
俺はただ、こんなに必死になったのは初めてで、息が整わないままその人物を睨みつける──その人は笑った。
「睨まないでよ、それに必死すぎ。そんなとこ初めて見た」
「……塔野は」
「教室の中」
横を通り抜けて中に入ろうとした腕を掴まれる。それに舌打ちすると苦笑された。
なにか、雰囲気がおかしい。
訝しがると「相談受けたから」と笑顔で言われる
「……相談?」
「本当はね、卒業の前に侑を一日借りれないかと思って話し掛けたんだけど、逆にとても必死に切実な相談をされてしまって──つい頑張れって言っちゃった」
「……頑張れ」
「一応彼氏にまかせておけば大丈夫って言ってあるから、まあ頑張って」
そう言って肩を叩かれる。なんでこんなに雰囲気が和やかなんだろう、なんの話をしたんだ──俺は何を頑張るんだ。
「なんか、バカップルを見せつけられちゃったな。ちょっと余裕ぶってた自分が恥ずかしくて笑えない」
俺から顔をそらし独り言のように言うと「罪滅ぼしにみゆ先輩にはいい子だって連絡しとくから」と楽しそうに言ってその人は背を向けた。
それはどう考えても罪滅ぼしではない。そんなことしなくていいと言ったが「だーいじょうぶー」と返ってきたので心配だ。
だが今は塔野の方が心配なので──教室のドアを開ける。
塔野はそこで窓際に立ち外を眺めていた。まだ俺を見ることは出来ないのだろうか、近付き「塔野」と呼ぶ。すると塔野は振り向いて俺を見た。
「……見れるんだ」
「今、俺すごく頑張ってる」
赤い顔をして、目線が下がりそうになるのをなんとか耐え俺を見ているのがわかる。
頑張れと言われたからだろうか。
──張ってた俺の気が緩む。
「さっきの……」
「ああ、見知らぬ美人に唐突に話しかけられたので、俺も唐突にちょっと相談してしまった。親身になって聞いてくれていい人だった」
「なんの相談?」
「……まぁ、恋愛的な……」
そこまでで限界だったのか塔野は顔をそらした。塔野は知っているのだろうか──いや、いないことになっているのだからいいか、塔野も見知らぬ美人と言っている。
「もう帰れそう?」
「大丈夫」
じゃあ帰ろうと言うと塔野も頷いた。だがドアのそばまで歩いてもついてくる気配はない、振り向くと塔野はまだ同じ場所にいた。
塔野はそこで顔を伏せ足元を見つめている。不思議に思い塔野と呼ぶと塔野は顔をあげ、まっすぐに俺を見つめた。
しっかりと俺の目を見つめ俺の前までやって来る。そして俺の前で立ち止まると塔野の腕がふわりと俺の首にまわった。
顔が近づき唇が触れる。
──塔野にキスをされている。
それはただ唇が触れるだけのもので、緊張しているのか微かに震えていた。
口がゆっくり離れ、塔野は俺の首元に顔を寄せた。
「頑張れって……言われたから」小さな声でささやく。その背に手を回し抱きしめると塔野の腕の力も強くなる。
「この先は──」とまた塔野がささやいた。
「さき?」
「………キスから先は……彼氏にまかせろって……」
「……なにを相談したの」
「彼氏と……するにはどうしたらいいか……」
抱きつく腕も震えている、確かに超進化だ。何があったのか確認したいところだが……まぁ、でも、必死だったらしいし、今もどうやら必死みたいだし──俺も頑張れと言われた。
「わかった、まかされた」
俺が言うと塔野の腕の力が抜けた。
大丈夫かと聞くと大丈夫じゃないと力なく返ってくる。笑いそうになるのをこらえ、よく頑張ったと頭を撫でると「ご褒美」というつぶやきが聞こえた。
「何がいい?」
「……じつは、テンパりすぎてあまり覚えてないので──」
そして、もう一度──俺たちは触れるようなキスをした。
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