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朝市
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長い路地の奥深くまでテントが張りめぐらされ、テントの下では食料・衣類・雑貨など様々な商品が陳列している。
沢山の人が行き交い大変な賑わいで溢れかえる、私は2ヶ月に一回開催される朝市が大好きだ。新鮮な野菜や通常より値引きされた衣服など、購入せずとも見てるだけで楽しくて何時間でも費やせる。
久しぶりの朝市に目をキラキラさせながら歩き回る、今回は荷物番も同行してるし気兼ねなくショッピングを楽しめるわけだ。
私はテンションが上がりすぎてたらしく、スキップしながら歩いてた、荷物番はそんな私を見て『ぷぷぷ~』と可笑しそうに笑う。浮かれすぎてたと気付けばカァーと頬が熱くなった。
当たり前のように手を繋がれ荷物番は行き交う人々にぶつからないように、たまに私を背に匿いながら庇ってくれる
「ユイカたん楽しそうぷぎゃねぇ~でも小さなユイカは揉みくちゃにされないように僕に着いてきてね」
優しく微笑えまれるとドキッと心臓が跳ねる、りっちゃんの紳士対応に益々頬が熱くなる、皆にこの子は私の自慢の息子よと見せびらかして歩きたくもなる。キュッと手を握れば『僕は此処に居るよ』と伝えるように優しく握り返してくれる。
長い金髪に真紅の瞳と目をあえば王子様に見つめられエスコートされたお姫様気分
いや・・・・
いや・・・・
勘違いするな私はお姫様でも恋人でもなんでもない、りっちゃんのママで育ての親。いくら息子がイケメンな紳士になったからって勘違いも甚だしい 首をブンブン横に振って都合の良い妄想を払い除ける
「ん?ユイカたんどうしたぷっぎゃ~?」
「なんでもない・・・・本当しっかりしなきゃ」
「んん?ユイカたんは十分しっかりしてるぷっぎゃよ~、今日だってこんな朝市に来て少しでも安く品の良い物を探し回ってるんだから♪」
「もぉ~りっちゃんは私に激甘なんだから、どこのご家庭の奥様も当たり前にやってる事なんだよ、すっかり大きくなったりっちゃんの衣服を買いたかったし。付き合ってくれてありがとうね」
「いつでもお嬢様の執事としてお使いください」
いつもフニャッと笑うりっちゃんが、キリッと真剣な声色で言われると、ジョーダンと分かっていても悔しいが真っ赤だトマトみたいに耳も頬も熱を持ち湯気まで出るんじゃないかと言うぐらいの赤面だ、私の顔を見せたくなくて下を向くしかない。すっかり我が子はスケコマシになってしまった、母を喜ばせてどうするのよ・・・・
「ユイカちゃ~~ん!こっち~こっち~いつものあるよぉぉ~」
顔を下げる私を『ん?んん?』とりっちゃんが覗いてくるのを上手くかわし、私を大声で呼ぶ声が聞こえるそちらに視線を向ければ、沢山の果物を売るお店の店員が大きく手を振った、猫の獣人のクッキーさんだ!
「クッキーさん探してんたんです、今日も大量の林檎をお願いしたくて」
「ユイカちゃん勿論取り分けてあるよ!おや~今日は旦那さんとご一緒かい?あの蜥蜴坊やのパパかな?」
今私の横に居るのはりっちゃんで、だ・・だん・旦那さんですってぇ~!慌てて首を横に振るう、クッキーさんも5歳児のママで子育て相談によく乗ってもらっていた。一度生後半年5歳ぐらいのりっちゃんを連れて来て買い物してからはすっかり仲良しさんになっていた。
「あの蜥蜴坊やは元気かい?ユイカちゃんにベッタリで私の事みてもくれなかったあの子、可愛かったよねぇ~、あの子とおんなじ瞳だからやっぱりあの子のパパさんだね。」
嬉しそうにクッキーさんは推理されてますが、その思い出の坊やが今私の隣に居るパパさんなんですよ・・・・なんて説明しようと思案に暮れる
「いつもユイカがお世話になっております、クッキーさんのお店で購入する林檎は新鮮で我が家では欠かせない物なんです」
「まぁ~ご丁寧にどうも、こちらこそいつもユイカちゃんには大量に購入して頂いて。まさかこんな素敵な旦那様がいるなんて、シングルマザーかと思ってたからビックリしたよぉ~」
「いや・・あの・・・・」
りっちゃんが否定しないから、益々誤解しちゃってるよクッキーさん。りっちゃんはなんだか満足そうに微笑んで嬉しそうなんですが、繋いだ手をキュッと握られる、いつもみたいに幼いぷっぎゃ~話し方まで封印しちゃって何してるのぉ~
「ユイカちゃんたらこんな素敵な年下の旦那さんなんで私に早く紹介してくれなかったのよ~いつも子育ての相談の時はパパのパの字も出なかったから、本当勘違いしてたわぁ~」
「いや・・いや・・・・クッキーさんこの子は旦那さんじゃなくて・・」
「なんだってぇぇ!認知してないのかい、あんな可愛い坊やとユイカちゃんに何の不満があるんだいこの子はいい子だよ、人間だからって邪険にされても嫌な顔もせず、犬老夫婦の老後を世話し最期まで看取ってあげて・・・」
クッキーさんはそこまで私の事情知ってるとは知らず驚く
「しまいには種族も違うあの坊やを我が子のように育てて、てっきりあんたが旦那だと思って安心して嬉しかったのに!!ユイカちゃんを慰み者にする気なら私が許さないよ!!」
クッキーさんは殴りかかりそうな目付きでりっちゃんを睨む、慌ててクッキーさんとりっちゃんの間に入れば
「ユイカちゃん・・・・そんなにコイツに惚れてるのかい・・でも坊やの事を想うならこんな女を都合の良い道具みたいにする男はダメだよ、ちょっと綺麗な顔をしてるからって騙されちゃダメだよ・・・・」
「だからぁぁぁ!クッキーさん違うの、この子があの坊やのりっちゃんでして、旦那さんでも彼氏でもましてや私を都合の良い女にしようとする人でもないのよ・・・・」
「ええええええええええ!だって半年前には5歳ぐらいの蜥蜴の坊やで・・・・ユイカちゃんに抱っこされて甘ったれたあの子が・・」
クッキーは驚き後ろに飛び上がり尻餅をついてしまった。慌てて手を差しのべて立たせる。
優しくお尻を叩いてあげて土を落とす
「クッキーさん驚かせすみません・・・・色々事情がありまして、でも将来はユイカの旦那になる意思はありますので、その勘違いは勘違いではございません!!」
「り・・りっちゃん!!何言ってるよぉぉ~」
「なんか驚いて上手く頭が回らないけど、あの坊やがアンタなのかい・・・・」
目を見開きりっちゃんを見つめるクッキーさん、でも何秒か後になんだか納得したように頷いて
「確かに半年前からアンタはユイカちゃんにベッタリで離れようとしなかったもんね、近くに買い物に行くのに此処にアンタを置いて行こうとしてるユイカちゃんに泣き叫んで抵抗してたっけ」
「懐かしいなぁ~すごく昔の思い出な様な気がするのに、まだ半年前の事なんですよね」
「まさかあの蜥蜴の坊やがねぇ~こんな美青年に半年でなるとはねぇ~あいかわらずマザコンみたいだけど・・・・いいんじゃない血が繋がってるんじゃないでしょ?ユイカちゃん婿に貰ってやれば」
「クッキーさん何言ってるですかぁぁぁ!!」
「クッキーさんも認めてくれましたし、早く籍を入れてしまいましょうユイカたん」
「まだ自活も出来てない坊やが生意気言ってるじゃないのぉ~!」
「ぷっぎゃぁ~なら今すぐ騎士か冒険家にでもなって稼いできます!そうだ森にいる魔物を狩って狩人って手もあるぷっぎゃねぇ~」
「りっちゃんはまだまだエクリサー先生に教わる事が多い子供なの、無理して大人にならなくてももっと子供時代を大切にして」
「子供では・・・・ユイカたんが・・振り向いてくれないぷっぎゃ~」
「あっはははは~ユイカちゃんすっかり息子に溺愛されちゃって、絆されるのも時間の問題なんじゃないかい?でもりっちゃんユイカちゃんを、泣かせるような目に合わせてみなこの村の皆が許さないよ。たとえ高位な種族で身分かもしれないがそんな事関係ないね・・・・この村の皆はみんなユイカちゃんにお世話になってるんだから!」
「そんな私何もお世話なんて、たまに薬草を卸しに行ったり木材などを運んでるだけです・・」
クッキーさんとは親しくして貰っていたが、まさかこんなに私の為に親身になってくれるとは予想してなく胸が熱くなる。
「困った事があったら何でも言ってくるんだよ、私の息子の為に解熱効果のある薬草を深夜に運んでくれた恩は忘れないよ!」
「クッキーさん・・・・これからも友達で居てください・・」
「当たり前だよユイカちゃん・・・・」
この異世界に来て7年私は親友と呼べる人を手に入れたのかも、クッキーさんと固く握手をかわした。
・
・
・
・
・
「ぷっぎゃ~すっかり僕は除け者ぷっぎゃ~!此処での買い物はすでに終わったんだから、次に行くぷっぎゃ~いい加減構って欲しいぷっぎゃ~」
りっちゃんはいつまでもクッキーさんとの途切れない会話を交わす私の襟首を掴み引きずるように歩き出す。クッキーさんにバイバーイと手を振ればクッキーさんも笑顔で振り返してくれた。
「さてさて・・・・あの蜥蜴坊やは、どうやってユイカちゃんを落とすのかしら・・ふふふ」
大量の林檎と果物を手にいれ、次に向かうはりっちゃんのお洋服。すっかり成長してしまったりっちゃんの背丈に合う衣類を探して回る
大きくなった肩幅に洋服を照らしサイズをみる、りっちゃんは時折振り返り『どぉ~?』て顔で覗いてくる、その顔は幼き頃の蜥蜴さんと変わらず思わず微笑んでしまう。あとどれぐらいこんな幸せな日々を一緒に過ごせるんだろ・・・・
「ずっとこうやってりっちゃんの服を選んであげられればいいのにね・・・・」
「ずっと選んでくれていいぷっぎゃよぉ~」
嘘つきね・・・・
旅立ってしまうのに・・・・
言葉にしそうになって慌てて言葉を飲み込む・・
衣服をなん着か購入し、何を買うわけでもなく市場を歩き回る。ふっと見渡せば若い女の子達がりっちゃんを見て頬を染めている、通り過ぎるりっちゃんを名残惜しそうに見守っていた。
ついには勇気のある女の子がりっちゃんに話しかけて来た
「貴方初めてみる顔ね、私はこの村の酒場で踊り子をやっているの今夜見に来ない?」
「いえ・・・・彼女に夢中なので、他所をみる余裕などございません・・・・」
チラリと横にいる私を見るりっちゃん、彼女って私の事かしら?このセクシー踊り子さんの逆ナンをサラリとかわして、いつの間にほどけていた手を再度繋がれた。
「ふ~ん!貴方勿体無いわね、もっと色々たくさん遊ばないと~人生は楽しんだ者勝ちよ~若いうちに沢山遊んだ者勝ちなんだからぁ~」
「もぉ~過去に十分満喫したので・・・・得られた物など虚しさだけだよ・・・・」
「んん?」
過去に十分満喫したって?どうゆう事かしら、沢山の女の子達とそんな交流が合ったって事かしら?
「ぷっぎゃぁぁぁぁぁ!!違うぷっぎゃぁぁぁ!遠い昔の話で・・・・いやぁぁ~ユイカたん手をポイっと投げないで、ずんずん一人で歩いて行ったら危ないからぁぁぁぁ~」
慌ててりっちゃんは私を追いかけてくる、私は何にモヤモヤしてるんだろ?
セクシー踊り子さんにつれなくしてるりっちゃんに喜びを感じながら、人生全てを理解してそうなりっちゃんにモヤモヤして苛々したから?
「ユイカたん聞いて、違うぷっぎゃよぉぉ~だって僕は生まれた時からユイカたんと一緒だったでしょ?そんな女の子達を侍らせるわけ無いぷっぎゃよぉぉぉ~」
「確かに・・・・」
クルリと振り返りりっちゃんを見つめる・・・・
「でも踊り子さんは遊ばなきゃ勿体無いって言ってただけで、女の子達を侍らせた方がいいとは言ってなかった・・・・つまりりっちゃんは沢山の女の子を侍らせたいという欲望があるの?」
「ぷっぎゃぁぁぁぁ!ユイカたんなんか変な深読みしすぎ、ありませんそんな欲望ありません!信じて下さい!勘違いですぅぅぅ」
首を全力に横に振り否定するりっちゃん、そんな姿が可愛くておもわず笑ってしまう。
同時に男の子だから当たり前の感情なのではないかと思い立つ、独占欲だ我が子を独占欲で拘束しようとは親として情けない。いいじゃないかそんな欲望ぐらいあったって・・・・
「男の子だから当たり前の感情なんだよね、過剰反応しちゃってごめんなさい・・りっちゃんでもね、本当に好きな子が出来た時、その人を悲しませて欲しくないから誠実であって欲しい・・・・ママからのお願いよ」
「だから・・・・誠実ぷっぎゃよ~ユイカたんだけぷっぎゃよ~・・やっぱり実力行使しかないぷっぎゃねぇ~」
りっちゃんは私の右手を掴み、人気のない裏路地へと引っ張っていく・・・・
少し乱暴に私を壁に押し付けて、ドンと右手も壁に着く壁ドンをされてるらしい。驚いてりっちゃんを見上げれば、顔は真剣で一生懸命何かを訴えるような瞳をしている。
「ど・・どう・・・・どうしたの?」
「ユイカたんだけ・・・・ユイカだけなの・・」
どういう意味って聞く前に、りっちゃんの綺麗なお顔が近付いてきて。唇に暖かいなにかが触れた、目を閉じることも出来ず、目を見開き今されてる状況をゆっくり分析する
りっちゃんの指で顎をクイッと持ち上げられ、そう口付けをされているのだ。いつもみたいに親子の愛情表現の頬や瞼にする口付けではなく、恋人同士がする唇と唇が触れ合う優しいキスだ・・・
「驚いた・・・・?」
口も聞けずコクコクと頷くしか出来ない
「早く僕を男としてみてもらう為に実力行使ぷっぎゃ~」
そういうとまたりっちゃんのお顔が近付き、唇と唇が触れ合う。抵抗も出来ずなすがままの私に調子にノッタりっちゃんが、大きく口を開けて唇にしゃぶりつくジュルジュルと涎の卑猥な音が聞こえる
「ユイカたん・・・・これが初めてじゃないから、寝てる間に何度も口付けは交わしてるよ・・それにそれ以上の事だって・・・・」
ガクンと力なく膝が曲がり、尻餅つきそうな私の腰をりっちゃんが支える。
「僕が好きなのはユイカたんだけ・・・・わかった・・・・?しょうがないから今は此処までにしとくね・・・・」
全然わからない・・・・
上手く歩けない私の腰を持ち、買い物の荷物も一人で抱えてりっちゃんは嬉しそうに歩きだす。
何してくれてるんだこの馬鹿息子、いろいろ心の整理を必死につけようとしてるのにやってくれたなぁぁぁ!
沸々と怒りが沸き起こり・・・・
家に帰ったら復讐してやると闘志を燃やす・・
沢山の人が行き交い大変な賑わいで溢れかえる、私は2ヶ月に一回開催される朝市が大好きだ。新鮮な野菜や通常より値引きされた衣服など、購入せずとも見てるだけで楽しくて何時間でも費やせる。
久しぶりの朝市に目をキラキラさせながら歩き回る、今回は荷物番も同行してるし気兼ねなくショッピングを楽しめるわけだ。
私はテンションが上がりすぎてたらしく、スキップしながら歩いてた、荷物番はそんな私を見て『ぷぷぷ~』と可笑しそうに笑う。浮かれすぎてたと気付けばカァーと頬が熱くなった。
当たり前のように手を繋がれ荷物番は行き交う人々にぶつからないように、たまに私を背に匿いながら庇ってくれる
「ユイカたん楽しそうぷぎゃねぇ~でも小さなユイカは揉みくちゃにされないように僕に着いてきてね」
優しく微笑えまれるとドキッと心臓が跳ねる、りっちゃんの紳士対応に益々頬が熱くなる、皆にこの子は私の自慢の息子よと見せびらかして歩きたくもなる。キュッと手を握れば『僕は此処に居るよ』と伝えるように優しく握り返してくれる。
長い金髪に真紅の瞳と目をあえば王子様に見つめられエスコートされたお姫様気分
いや・・・・
いや・・・・
勘違いするな私はお姫様でも恋人でもなんでもない、りっちゃんのママで育ての親。いくら息子がイケメンな紳士になったからって勘違いも甚だしい 首をブンブン横に振って都合の良い妄想を払い除ける
「ん?ユイカたんどうしたぷっぎゃ~?」
「なんでもない・・・・本当しっかりしなきゃ」
「んん?ユイカたんは十分しっかりしてるぷっぎゃよ~、今日だってこんな朝市に来て少しでも安く品の良い物を探し回ってるんだから♪」
「もぉ~りっちゃんは私に激甘なんだから、どこのご家庭の奥様も当たり前にやってる事なんだよ、すっかり大きくなったりっちゃんの衣服を買いたかったし。付き合ってくれてありがとうね」
「いつでもお嬢様の執事としてお使いください」
いつもフニャッと笑うりっちゃんが、キリッと真剣な声色で言われると、ジョーダンと分かっていても悔しいが真っ赤だトマトみたいに耳も頬も熱を持ち湯気まで出るんじゃないかと言うぐらいの赤面だ、私の顔を見せたくなくて下を向くしかない。すっかり我が子はスケコマシになってしまった、母を喜ばせてどうするのよ・・・・
「ユイカちゃ~~ん!こっち~こっち~いつものあるよぉぉ~」
顔を下げる私を『ん?んん?』とりっちゃんが覗いてくるのを上手くかわし、私を大声で呼ぶ声が聞こえるそちらに視線を向ければ、沢山の果物を売るお店の店員が大きく手を振った、猫の獣人のクッキーさんだ!
「クッキーさん探してんたんです、今日も大量の林檎をお願いしたくて」
「ユイカちゃん勿論取り分けてあるよ!おや~今日は旦那さんとご一緒かい?あの蜥蜴坊やのパパかな?」
今私の横に居るのはりっちゃんで、だ・・だん・旦那さんですってぇ~!慌てて首を横に振るう、クッキーさんも5歳児のママで子育て相談によく乗ってもらっていた。一度生後半年5歳ぐらいのりっちゃんを連れて来て買い物してからはすっかり仲良しさんになっていた。
「あの蜥蜴坊やは元気かい?ユイカちゃんにベッタリで私の事みてもくれなかったあの子、可愛かったよねぇ~、あの子とおんなじ瞳だからやっぱりあの子のパパさんだね。」
嬉しそうにクッキーさんは推理されてますが、その思い出の坊やが今私の隣に居るパパさんなんですよ・・・・なんて説明しようと思案に暮れる
「いつもユイカがお世話になっております、クッキーさんのお店で購入する林檎は新鮮で我が家では欠かせない物なんです」
「まぁ~ご丁寧にどうも、こちらこそいつもユイカちゃんには大量に購入して頂いて。まさかこんな素敵な旦那様がいるなんて、シングルマザーかと思ってたからビックリしたよぉ~」
「いや・・あの・・・・」
りっちゃんが否定しないから、益々誤解しちゃってるよクッキーさん。りっちゃんはなんだか満足そうに微笑んで嬉しそうなんですが、繋いだ手をキュッと握られる、いつもみたいに幼いぷっぎゃ~話し方まで封印しちゃって何してるのぉ~
「ユイカちゃんたらこんな素敵な年下の旦那さんなんで私に早く紹介してくれなかったのよ~いつも子育ての相談の時はパパのパの字も出なかったから、本当勘違いしてたわぁ~」
「いや・・いや・・・・クッキーさんこの子は旦那さんじゃなくて・・」
「なんだってぇぇ!認知してないのかい、あんな可愛い坊やとユイカちゃんに何の不満があるんだいこの子はいい子だよ、人間だからって邪険にされても嫌な顔もせず、犬老夫婦の老後を世話し最期まで看取ってあげて・・・」
クッキーさんはそこまで私の事情知ってるとは知らず驚く
「しまいには種族も違うあの坊やを我が子のように育てて、てっきりあんたが旦那だと思って安心して嬉しかったのに!!ユイカちゃんを慰み者にする気なら私が許さないよ!!」
クッキーさんは殴りかかりそうな目付きでりっちゃんを睨む、慌ててクッキーさんとりっちゃんの間に入れば
「ユイカちゃん・・・・そんなにコイツに惚れてるのかい・・でも坊やの事を想うならこんな女を都合の良い道具みたいにする男はダメだよ、ちょっと綺麗な顔をしてるからって騙されちゃダメだよ・・・・」
「だからぁぁぁ!クッキーさん違うの、この子があの坊やのりっちゃんでして、旦那さんでも彼氏でもましてや私を都合の良い女にしようとする人でもないのよ・・・・」
「ええええええええええ!だって半年前には5歳ぐらいの蜥蜴の坊やで・・・・ユイカちゃんに抱っこされて甘ったれたあの子が・・」
クッキーは驚き後ろに飛び上がり尻餅をついてしまった。慌てて手を差しのべて立たせる。
優しくお尻を叩いてあげて土を落とす
「クッキーさん驚かせすみません・・・・色々事情がありまして、でも将来はユイカの旦那になる意思はありますので、その勘違いは勘違いではございません!!」
「り・・りっちゃん!!何言ってるよぉぉ~」
「なんか驚いて上手く頭が回らないけど、あの坊やがアンタなのかい・・・・」
目を見開きりっちゃんを見つめるクッキーさん、でも何秒か後になんだか納得したように頷いて
「確かに半年前からアンタはユイカちゃんにベッタリで離れようとしなかったもんね、近くに買い物に行くのに此処にアンタを置いて行こうとしてるユイカちゃんに泣き叫んで抵抗してたっけ」
「懐かしいなぁ~すごく昔の思い出な様な気がするのに、まだ半年前の事なんですよね」
「まさかあの蜥蜴の坊やがねぇ~こんな美青年に半年でなるとはねぇ~あいかわらずマザコンみたいだけど・・・・いいんじゃない血が繋がってるんじゃないでしょ?ユイカちゃん婿に貰ってやれば」
「クッキーさん何言ってるですかぁぁぁ!!」
「クッキーさんも認めてくれましたし、早く籍を入れてしまいましょうユイカたん」
「まだ自活も出来てない坊やが生意気言ってるじゃないのぉ~!」
「ぷっぎゃぁ~なら今すぐ騎士か冒険家にでもなって稼いできます!そうだ森にいる魔物を狩って狩人って手もあるぷっぎゃねぇ~」
「りっちゃんはまだまだエクリサー先生に教わる事が多い子供なの、無理して大人にならなくてももっと子供時代を大切にして」
「子供では・・・・ユイカたんが・・振り向いてくれないぷっぎゃ~」
「あっはははは~ユイカちゃんすっかり息子に溺愛されちゃって、絆されるのも時間の問題なんじゃないかい?でもりっちゃんユイカちゃんを、泣かせるような目に合わせてみなこの村の皆が許さないよ。たとえ高位な種族で身分かもしれないがそんな事関係ないね・・・・この村の皆はみんなユイカちゃんにお世話になってるんだから!」
「そんな私何もお世話なんて、たまに薬草を卸しに行ったり木材などを運んでるだけです・・」
クッキーさんとは親しくして貰っていたが、まさかこんなに私の為に親身になってくれるとは予想してなく胸が熱くなる。
「困った事があったら何でも言ってくるんだよ、私の息子の為に解熱効果のある薬草を深夜に運んでくれた恩は忘れないよ!」
「クッキーさん・・・・これからも友達で居てください・・」
「当たり前だよユイカちゃん・・・・」
この異世界に来て7年私は親友と呼べる人を手に入れたのかも、クッキーさんと固く握手をかわした。
・
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「ぷっぎゃ~すっかり僕は除け者ぷっぎゃ~!此処での買い物はすでに終わったんだから、次に行くぷっぎゃ~いい加減構って欲しいぷっぎゃ~」
りっちゃんはいつまでもクッキーさんとの途切れない会話を交わす私の襟首を掴み引きずるように歩き出す。クッキーさんにバイバーイと手を振ればクッキーさんも笑顔で振り返してくれた。
「さてさて・・・・あの蜥蜴坊やは、どうやってユイカちゃんを落とすのかしら・・ふふふ」
大量の林檎と果物を手にいれ、次に向かうはりっちゃんのお洋服。すっかり成長してしまったりっちゃんの背丈に合う衣類を探して回る
大きくなった肩幅に洋服を照らしサイズをみる、りっちゃんは時折振り返り『どぉ~?』て顔で覗いてくる、その顔は幼き頃の蜥蜴さんと変わらず思わず微笑んでしまう。あとどれぐらいこんな幸せな日々を一緒に過ごせるんだろ・・・・
「ずっとこうやってりっちゃんの服を選んであげられればいいのにね・・・・」
「ずっと選んでくれていいぷっぎゃよぉ~」
嘘つきね・・・・
旅立ってしまうのに・・・・
言葉にしそうになって慌てて言葉を飲み込む・・
衣服をなん着か購入し、何を買うわけでもなく市場を歩き回る。ふっと見渡せば若い女の子達がりっちゃんを見て頬を染めている、通り過ぎるりっちゃんを名残惜しそうに見守っていた。
ついには勇気のある女の子がりっちゃんに話しかけて来た
「貴方初めてみる顔ね、私はこの村の酒場で踊り子をやっているの今夜見に来ない?」
「いえ・・・・彼女に夢中なので、他所をみる余裕などございません・・・・」
チラリと横にいる私を見るりっちゃん、彼女って私の事かしら?このセクシー踊り子さんの逆ナンをサラリとかわして、いつの間にほどけていた手を再度繋がれた。
「ふ~ん!貴方勿体無いわね、もっと色々たくさん遊ばないと~人生は楽しんだ者勝ちよ~若いうちに沢山遊んだ者勝ちなんだからぁ~」
「もぉ~過去に十分満喫したので・・・・得られた物など虚しさだけだよ・・・・」
「んん?」
過去に十分満喫したって?どうゆう事かしら、沢山の女の子達とそんな交流が合ったって事かしら?
「ぷっぎゃぁぁぁぁぁ!!違うぷっぎゃぁぁぁ!遠い昔の話で・・・・いやぁぁ~ユイカたん手をポイっと投げないで、ずんずん一人で歩いて行ったら危ないからぁぁぁぁ~」
慌ててりっちゃんは私を追いかけてくる、私は何にモヤモヤしてるんだろ?
セクシー踊り子さんにつれなくしてるりっちゃんに喜びを感じながら、人生全てを理解してそうなりっちゃんにモヤモヤして苛々したから?
「ユイカたん聞いて、違うぷっぎゃよぉぉ~だって僕は生まれた時からユイカたんと一緒だったでしょ?そんな女の子達を侍らせるわけ無いぷっぎゃよぉぉぉ~」
「確かに・・・・」
クルリと振り返りりっちゃんを見つめる・・・・
「でも踊り子さんは遊ばなきゃ勿体無いって言ってただけで、女の子達を侍らせた方がいいとは言ってなかった・・・・つまりりっちゃんは沢山の女の子を侍らせたいという欲望があるの?」
「ぷっぎゃぁぁぁぁ!ユイカたんなんか変な深読みしすぎ、ありませんそんな欲望ありません!信じて下さい!勘違いですぅぅぅ」
首を全力に横に振り否定するりっちゃん、そんな姿が可愛くておもわず笑ってしまう。
同時に男の子だから当たり前の感情なのではないかと思い立つ、独占欲だ我が子を独占欲で拘束しようとは親として情けない。いいじゃないかそんな欲望ぐらいあったって・・・・
「男の子だから当たり前の感情なんだよね、過剰反応しちゃってごめんなさい・・りっちゃんでもね、本当に好きな子が出来た時、その人を悲しませて欲しくないから誠実であって欲しい・・・・ママからのお願いよ」
「だから・・・・誠実ぷっぎゃよ~ユイカたんだけぷっぎゃよ~・・やっぱり実力行使しかないぷっぎゃねぇ~」
りっちゃんは私の右手を掴み、人気のない裏路地へと引っ張っていく・・・・
少し乱暴に私を壁に押し付けて、ドンと右手も壁に着く壁ドンをされてるらしい。驚いてりっちゃんを見上げれば、顔は真剣で一生懸命何かを訴えるような瞳をしている。
「ど・・どう・・・・どうしたの?」
「ユイカたんだけ・・・・ユイカだけなの・・」
どういう意味って聞く前に、りっちゃんの綺麗なお顔が近付いてきて。唇に暖かいなにかが触れた、目を閉じることも出来ず、目を見開き今されてる状況をゆっくり分析する
りっちゃんの指で顎をクイッと持ち上げられ、そう口付けをされているのだ。いつもみたいに親子の愛情表現の頬や瞼にする口付けではなく、恋人同士がする唇と唇が触れ合う優しいキスだ・・・
「驚いた・・・・?」
口も聞けずコクコクと頷くしか出来ない
「早く僕を男としてみてもらう為に実力行使ぷっぎゃ~」
そういうとまたりっちゃんのお顔が近付き、唇と唇が触れ合う。抵抗も出来ずなすがままの私に調子にノッタりっちゃんが、大きく口を開けて唇にしゃぶりつくジュルジュルと涎の卑猥な音が聞こえる
「ユイカたん・・・・これが初めてじゃないから、寝てる間に何度も口付けは交わしてるよ・・それにそれ以上の事だって・・・・」
ガクンと力なく膝が曲がり、尻餅つきそうな私の腰をりっちゃんが支える。
「僕が好きなのはユイカたんだけ・・・・わかった・・・・?しょうがないから今は此処までにしとくね・・・・」
全然わからない・・・・
上手く歩けない私の腰を持ち、買い物の荷物も一人で抱えてりっちゃんは嬉しそうに歩きだす。
何してくれてるんだこの馬鹿息子、いろいろ心の整理を必死につけようとしてるのにやってくれたなぁぁぁ!
沸々と怒りが沸き起こり・・・・
家に帰ったら復讐してやると闘志を燃やす・・
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