卵を拾ってみたが食べられないので捨ててみようと思います

おんちゃん

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嫌われ者

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「お妾様の様な美しい体格の服をご用意出来ずに申し訳ごさいません…」



敬しく頭を下げる侍女さん…



私は今はりっちゃんの希望により、この城止まって4日が経過した。私の立場の建前は元竜王の来賓、しかし初日に窶れたりっちゃんの部屋に捕らわれ熱い熱い情事が繰り広げられたのは周囲の事実で…

私のお世話を任せられた侍女さんはけっして私の名前を呼ぶ事なくお妾様と呼ぶ。人間とはバレていないが竜人ではなく他種族の雌…りっちゃんに纏わりつく娼婦が立場をわきまえろと憎悪にた視線と態度で対応される…


完全に嫌われているわけで…



『お妾様にお口に合うお食事がご用意できるか心配です』



(食べて一時間後に激しい腹痛でトイレとお友達となった)



『お妾様の様な美しい体格の服をご用意出来ずに申し訳ごさいません…』



(虫けらに着せる服など無いってわけで、今だにフード着きローブを着用。)




やはりどこの町でも国でもある閉鎖的な思考と、差別的感情はあるわけで…

それもりっちゃんの元嫁王妃様はご健在なのだから、私の存在は邪魔でしたかないのだ。竜人の寿命は長い、りっちゃんの息子の竜王様がご健在なら元王妃も健在だとなぜ私も想像できなかったのか…


完全愛人みたいな立場になってしまった…



さてどうしよう…本音はこの針のむしろ様な扱いが地味にストレスも溜まるし、帰ってまた薬草栽培の自活生活に戻りたい。

下剤でも投入されてるのか、怖くて食事にも手をつけられないし…下着はりっちゃんの部屋から回収した。あの変態は私の下着をコレクションにして勝手に保持してるのは予想出来ていたので



『なんで僕のコレクションを回収するぷっぎゃ~下着なら侍女が新しいのを用意してるでしょ?』



(してないだよ!お前に着せる服など無いって言われてるだよ!!)


など言えず…


『そもそも私の下着なんだから回収するのは当たり前です!!』


『ぷぎゃ~持ってかないでぇ~そもそもユイカたんは僕とおんなじ部屋でいいのに…』


『そんなわけにいかないでしょ…元竜王って肩書きをお忘れなく…』




下着は替えがきいたがこのまま滞在しても、衣服も食事も期待できない…激しく帰りたい…




『ユイカたんが居ないと眠れない…』


『ユイカたん…寂しいかったよ…二度と離さないし離れないで、今度捨てられたら生きていけない…お願いぷぎゃ~』





おいていけない……よね…


地位も名誉も知識も美貌も無いないづくしの私だけど、りっちゃんが必死に求めるなら応えたい…


でもお腹減ったな…りっちゃんは大変重要な書類を処理してるらしく一昨日から執務室にペットの持ち込みを禁止されてしまった。つまり私は放置され一人ぽつねんと来賓室に放置されている、いやいや気を使ったりっちゃんが大量の本を持ち込み暇潰しにして欲しいと言われているが、危ないから部屋から出る事を禁止されてしまった。放置の上に監禁とはこれは何の虐めですか?


外にも出れず侍女さんには餌も与えて貰えない厳密には毒餌しか貰えず…

ペットの牛娘もそろそろ我慢の限界せめて何か食わせて下さいモォォー















グーグーお腹を鳴らして黄昏ている時だった。いきなり部屋の扉をノックする音が聞こえる、誰か来たとわかった時には、私の返事を待たずにその男は入室してきた。



「失礼するよ…」



金髪の髪をポニーテール結い眉目秀麗なイケメンお兄さんがズカズカと入室してきたのだ。

まじまじと翡翠ひすいの瞳が私を見ている、あら?このお兄さん見たことあるどこだっけ?コテリと首を傾けて必死に思い出す




「なにそのコテリ首傾け…可愛いぃ…キョトン顔とか可愛いすぎるんだけど…まさかまた会えるとは牛娘ちゃんこんな場所で何してるの?」


「えっと…あの…」


「この部屋に愛妾が居るっていうから見にきたら、牛娘ちゃんに会えるとはまさか運命だよね!僕達運命の赤い糸で結ばれてるのかな♪」




ガシリと手を取られ握られる…

うっわぁ~思い出した、この国で迷子になった時に声を掛けてきたチャラ雄だ。エクリサー先生が確かクロード様と呼んで敬意を示していた、此処で会うって事はやはり王族の方だったか…にしても口調が軽々しいそして手が早い…チャラすぎる…必死に繋がれた手を離す。




「つれないなぁ~牛娘ちゃん…エクリサーが名前呼んでたな…そうユイカちゃん♪」





ニッコリ微笑みかけられる、でも目が笑ってない口元は微笑んでいるのに翡翠の瞳はギラギラと怒っている…鋭く睨み付けられていた。




「残念だよユイカちゃん…こんな形で出会わなければ求婚したいぐらい可愛いのに、お前が穢らわしい父上の愛妾か……」



父上だと な~るほどね…


「お前か……」



初対面で見た時から感じてたじゃないか彼はりっちゃんに似ていると…そしてりっちゃんを疲労困憊させ窶れ果てた姿にさせた悪の元凶…



「むっ!!この国の王に対して随分身の丈をわかってない発言だな」


「あらぁ~愚な王を敬う必要などありまして?ほぼ初対面の私に穢らわしい愛妾などと発言して…礼儀がなってない方に此方も礼儀を尽くすのはおかしい話しではないでしょうか?」


「見た目と違って随分気が強いのだな…まぁ~人様の旦那をかっさらう女豹の様な奴なのだから当然か…」


「自らの過ちで内政を混乱させる愚かな王の発言だと思えば痛くも痒くもありませんわ!!その尻拭いをさせられている元竜王の疲労を労るではなく、このような場に嫌味を言いに来られたのですか?」


「生意気な奴だな…!!不敬罪で捕らえてやろうか?」


「賢王のご子息様がそうなさりたいならなさってください。そんな時間も余裕もあるなら……」



イライラする…

りっちゃんを疲労困憊させている愚息にも、りっちゃんを助けてあげられない自分にも


そして空腹でイライラがマックスなんだよ!!





「一言言わせ貰えば、りっちゃんはまだ生まれて二年もたって無いのです。そんなあの子に国の内政のイザコザを押し付け、貴方様はいったいおいくつなんですか!!りっちゃんは生前の知識や記憶があっても竜人からしてみれば生まれたての赤ちゃんと変わらない年齢なんですよ、皆りっちゃんに頼り過ぎではないのでしょうか?転生してもなおなぜあの子に国の執務を窶れ果てるまでやらせるのですかぁぁぁ?」



イライラ…

グーグー…




「ひぃぃぃ…りっちゃんって?あ~父上の愛称だったけりっちゃんって…いやあの父上が竜王だから……」



「王位継承をしてあります!今の竜王は貴方様でしょぉぉ」



「ヒィィィ~落ち着け牛娘!!意地悪が過ぎたのはわかったから…まさか予想外の反撃をくわせられるとは…落ち着け悪かったから…」



「竜王様ぁぁぁぁぁ!!早くりっちゃんを解放してあげてください!」



「怖いから牛娘そんなに目を見開くな…血走った瞳が完全に危ない人だから止めなさい。」



「私が虐げ虐められるのは構いません…でもりっちゃんだけは…あの子だけはこれ以上枷を増やさないであげて下さいお願いします」



とにかく必死だった…



「お前の事はともかく…確かに父上はまだ転生したばかり…僕よりも身体は小さく生前よりも魔力が減っている…これが呪いの影響なのか…そんな父上に僕はなんて不甲斐ない…」




なにか思考に暮れる竜王…


よかった…少しは伝わったなら…安心する…



そして私の緊張がとかれればグゥゥゥゥゥとお腹が鳴った




「そうか…牛娘…腹が減ってたのだな…だからあんな気迫の迫る勢いだったのだな…ぷっぷっぷっ…やはりお前は可愛いなぁ」



恥ずかしい…

恥ずかしい…



りっちゃんを救い出したい発言だったのに、なんて恥ずかしい奴なんだ私…

穴があったら入りたい…


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