88 / 142
ラストダンス
しおりを挟む
「殿下、次は私にそのお転婆娘と踊る権利を!」
「……なんか、私に対して失礼じゃない?」
「よいぞ。もう、じゃじゃ馬の相手は疲れたから、ハリーに譲ろう!ほれ、行くがよい!」
殿下は、私をクルっと回しハリーの方へ向かせる。
すると、優しく微笑んでいるハリーが目の前にいた。
私は、こみ上げそうなものをグッと押し込め、微笑んだ。
殿下に背中をポンと押し出される。
「僕と踊ってくれませんか?アンナリーゼ」
ハリーに名前なんて何年振りに呼ばれたんだろうか?
そんな優しい声で名前を呼ばないでくれと苦笑いする。
「喜んでお受けします、ヘンリー様!」
私は、完ぺきな淑女の礼をもってハリーのお誘いに応えた。
殿下は、私の姿をみて、ダンスホールにいたすべての者を脇へと追い出し、音楽も私が好きなものにするよう殿下自ら指揮者に伝えに行く。
そして、始まるヘンリーとのラストダンス。
このホールには、私とハリーの二人しかいない。
ゆっくり息をして、ハリーへ視線を向けると微笑むハリーと目が合った。
ハリーもわかっているのだ。これが、私たちに許された最後のダンスなんだと……
「アンナ、殿下は粋なはからいをしてくれたものだね?」
「そうだね!」
あの雪の日以降、ろくに話もしていないので、私はハリーに対してぎこちない返事しかできない。
ただ、差し出されたハリーの手を握れば、自然とハリーとの距離に落ち着いている。
そのことに、私は驚いた。
あぁ、殿下のいう半身ってこういうことなのかしら?
殿下や兄ですら、ダンスをするときには距離に戸惑う。
ジョージアは、私にうまく合わせてくれるのですでに0距離だが、ハリーは自然にぴたりと落ち着くのだ。
「じゃあ、いこうか。僕のお姫様」
えっ?っとハリーを見ると少し切なそうにしているが、ほかの人にこの微妙な違いがわかるだろうか……?
「はい、私の王子様」
大事に一歩目を進めた。あとは、流れるような動きになる。
音楽が鳴り始めた。
あぁ、これ、ハリーと初めて踊った曲だ。
曲を聴くだけで、懐かしく、胸の内を暖かくしていく。
「これ、アンナと初めてダンスの練習で踊った曲だね。
懐かしいな……この曲、アンナはいたく気に入っていたよね?」
「そうね。この曲は、今でも大好きよ。すっと体に馴染むもの!」
クスクス笑うハリー。
「どうしたの?」
「いや、アンナもかと思って。俺もね、この曲が一番、体に馴染む。
どんな曲も踊れるんだけどね、やっぱりこれかな?」
二人の共通点を探せば、きりがない。
違うところを探す方が難しいのではないかというほど、私たちは同調しているようだ。
「さっきね、殿下にハリーと私は半身だって言われた。今頃、それを感じたわ!」
「半身?」
「そう。もう夫婦ではなくて、半身。双子みたいなものだって」
「なるほどね。そういうものなのかな?俺らって」
「そうみたいね……」
微笑むハリーから漏れてきたのは、驚きだった。
「じゃあ、お互いへの愛情深いのも納得だなぁ……」
「えっ?」
「殿下から、聞いたんだ……婚約打診のときのこと。何時間も泣いたんだって?」
王宮の東屋でのことを思い出す。恥ずかしくて、顔から火が噴きそうだ……
「殿下には、秘密って言ったのに!!」
「そう、殿下を責めるな。聞き出したのは、俺だから……
アンナに命令もせず、王太子妃にしなかったことを不審に思ったんだ。
あの日、聞いたことを殿下もアンナに聞いたのかって思って」
「殿下には話してない……」
「そうだってね。俺も殿下には話していないよ」
「ありがとう……話さないでくれて……」
「うーん。話さないでいたというか、話せなかったかな?
アンナがいなくなることなんて、やっぱり俺には許容できなかったからね」
一層寂しそうな悲しそうな表情をするハリー。
ダンスの途中で、ふとイリアが目に入った。
イリアは、私達を見て泣いていた。ハリーのこの微妙な表情に気づいたのだろう。
「今日まで、ずっと考えていたよ……アンナをこのまま手放していいのかどうか。
でも、答えは出たよ!」
ハリーへ視線を向けると、苦笑いだ。
「俺は、アンナを手放すよ。
アンナのあんな幸せそうな顔を見れば、それも仕方ないのかな……と思った。
それにね、アンナがローズディアへ行ったとしても、俺は、何も変わらない。
アンナの幼馴染で、1番の理解者であることに。だから、いつでも頼ってくれていい。
来る日に向けて、陰ながら応援もする。もちろん、生まれくるアンナの子供も大事にしよう!
だから、ジョージア様のところへ飛んでおいき!『僕のお姫様』は、いつまでも、俺だけのものだ!」
そういって笑ってくれる。
さっきまでの苦笑いでもなく……ハリーの本当の笑顔だ。
「婚約、おめでとう!」
ラストダンスの音楽は、もう聞こえてこない。
終わったのだ……私たちの恋は。
ハリーに淑女の礼をとり、ハリーは私に最敬礼をしてくれる。
涙が、溢れてきた。
「ハリー!!ありがとう!!」
そういって飛びつく私をハリーがしっかり支えてくれる。
「泣いたら、せっかくのお姫様が台無しだな……」
「そんなのいい……!」
「はいはい……」
優しく頭を撫でてくれる。
「婚約祝い、贈らないとな……」
「とびっきりのお祝い頂戴ね!!もう、この国にはなかなか帰ってこれなくなるから……
たまに、皆のこと思い出したいわ!」
「わかった。アンナにとびっきりを渡そう。いつでもトワイスを思い出せるように」
そういって、私は、ハリーから離れる。
名残惜しい……とは、もう、言わない。
私の隣にやってきたジョージアに顔をのぞかれる。
「アンナ。ひどい顔になってるぞ?」
「ジョージア様まで……なんだか、今日は、みんな私に失礼ですよ!!」
側にやってきたジョージアに涙を拭われ、よしよしと頭を撫でられる。
小さな子供にでもなったかのようだ……いや、そうなのだろう。
ハリーと手を繋いで、王都を駆け回っていた頃のような、新たな冒険へ飛び出すような少し不安な気持ちである。
「ハリー、イリアのところへ」
「言われなくても向かうよ。
ジョージア様、こんなじゃじゃ馬ですが、どうかよろしくお願いします」
ジョージアに向けて、私を頼むとハリーが頭を下げている。
ジョージアは、そんなハリーに驚いているようだ。
「ヘンリー殿……あぁ、わかっている!」
ハリーは、そのまま私たちをダンスホールの真ん中に残し、イリアの側に駆けて行き慰めていた。
「心が痛むか?」
ジョージアからこぼれた言葉に素直に頷く。
「そうか。では、アンナの心が痛まなくて済むよう、俺の心で君の心の穴を埋められるよう、
最大限の努力をしよう!」
「ふふふ、期待しています!」
涙を拭い、私はジョージアの腕にそっと自分の腕を絡めるのであった。
「……なんか、私に対して失礼じゃない?」
「よいぞ。もう、じゃじゃ馬の相手は疲れたから、ハリーに譲ろう!ほれ、行くがよい!」
殿下は、私をクルっと回しハリーの方へ向かせる。
すると、優しく微笑んでいるハリーが目の前にいた。
私は、こみ上げそうなものをグッと押し込め、微笑んだ。
殿下に背中をポンと押し出される。
「僕と踊ってくれませんか?アンナリーゼ」
ハリーに名前なんて何年振りに呼ばれたんだろうか?
そんな優しい声で名前を呼ばないでくれと苦笑いする。
「喜んでお受けします、ヘンリー様!」
私は、完ぺきな淑女の礼をもってハリーのお誘いに応えた。
殿下は、私の姿をみて、ダンスホールにいたすべての者を脇へと追い出し、音楽も私が好きなものにするよう殿下自ら指揮者に伝えに行く。
そして、始まるヘンリーとのラストダンス。
このホールには、私とハリーの二人しかいない。
ゆっくり息をして、ハリーへ視線を向けると微笑むハリーと目が合った。
ハリーもわかっているのだ。これが、私たちに許された最後のダンスなんだと……
「アンナ、殿下は粋なはからいをしてくれたものだね?」
「そうだね!」
あの雪の日以降、ろくに話もしていないので、私はハリーに対してぎこちない返事しかできない。
ただ、差し出されたハリーの手を握れば、自然とハリーとの距離に落ち着いている。
そのことに、私は驚いた。
あぁ、殿下のいう半身ってこういうことなのかしら?
殿下や兄ですら、ダンスをするときには距離に戸惑う。
ジョージアは、私にうまく合わせてくれるのですでに0距離だが、ハリーは自然にぴたりと落ち着くのだ。
「じゃあ、いこうか。僕のお姫様」
えっ?っとハリーを見ると少し切なそうにしているが、ほかの人にこの微妙な違いがわかるだろうか……?
「はい、私の王子様」
大事に一歩目を進めた。あとは、流れるような動きになる。
音楽が鳴り始めた。
あぁ、これ、ハリーと初めて踊った曲だ。
曲を聴くだけで、懐かしく、胸の内を暖かくしていく。
「これ、アンナと初めてダンスの練習で踊った曲だね。
懐かしいな……この曲、アンナはいたく気に入っていたよね?」
「そうね。この曲は、今でも大好きよ。すっと体に馴染むもの!」
クスクス笑うハリー。
「どうしたの?」
「いや、アンナもかと思って。俺もね、この曲が一番、体に馴染む。
どんな曲も踊れるんだけどね、やっぱりこれかな?」
二人の共通点を探せば、きりがない。
違うところを探す方が難しいのではないかというほど、私たちは同調しているようだ。
「さっきね、殿下にハリーと私は半身だって言われた。今頃、それを感じたわ!」
「半身?」
「そう。もう夫婦ではなくて、半身。双子みたいなものだって」
「なるほどね。そういうものなのかな?俺らって」
「そうみたいね……」
微笑むハリーから漏れてきたのは、驚きだった。
「じゃあ、お互いへの愛情深いのも納得だなぁ……」
「えっ?」
「殿下から、聞いたんだ……婚約打診のときのこと。何時間も泣いたんだって?」
王宮の東屋でのことを思い出す。恥ずかしくて、顔から火が噴きそうだ……
「殿下には、秘密って言ったのに!!」
「そう、殿下を責めるな。聞き出したのは、俺だから……
アンナに命令もせず、王太子妃にしなかったことを不審に思ったんだ。
あの日、聞いたことを殿下もアンナに聞いたのかって思って」
「殿下には話してない……」
「そうだってね。俺も殿下には話していないよ」
「ありがとう……話さないでくれて……」
「うーん。話さないでいたというか、話せなかったかな?
アンナがいなくなることなんて、やっぱり俺には許容できなかったからね」
一層寂しそうな悲しそうな表情をするハリー。
ダンスの途中で、ふとイリアが目に入った。
イリアは、私達を見て泣いていた。ハリーのこの微妙な表情に気づいたのだろう。
「今日まで、ずっと考えていたよ……アンナをこのまま手放していいのかどうか。
でも、答えは出たよ!」
ハリーへ視線を向けると、苦笑いだ。
「俺は、アンナを手放すよ。
アンナのあんな幸せそうな顔を見れば、それも仕方ないのかな……と思った。
それにね、アンナがローズディアへ行ったとしても、俺は、何も変わらない。
アンナの幼馴染で、1番の理解者であることに。だから、いつでも頼ってくれていい。
来る日に向けて、陰ながら応援もする。もちろん、生まれくるアンナの子供も大事にしよう!
だから、ジョージア様のところへ飛んでおいき!『僕のお姫様』は、いつまでも、俺だけのものだ!」
そういって笑ってくれる。
さっきまでの苦笑いでもなく……ハリーの本当の笑顔だ。
「婚約、おめでとう!」
ラストダンスの音楽は、もう聞こえてこない。
終わったのだ……私たちの恋は。
ハリーに淑女の礼をとり、ハリーは私に最敬礼をしてくれる。
涙が、溢れてきた。
「ハリー!!ありがとう!!」
そういって飛びつく私をハリーがしっかり支えてくれる。
「泣いたら、せっかくのお姫様が台無しだな……」
「そんなのいい……!」
「はいはい……」
優しく頭を撫でてくれる。
「婚約祝い、贈らないとな……」
「とびっきりのお祝い頂戴ね!!もう、この国にはなかなか帰ってこれなくなるから……
たまに、皆のこと思い出したいわ!」
「わかった。アンナにとびっきりを渡そう。いつでもトワイスを思い出せるように」
そういって、私は、ハリーから離れる。
名残惜しい……とは、もう、言わない。
私の隣にやってきたジョージアに顔をのぞかれる。
「アンナ。ひどい顔になってるぞ?」
「ジョージア様まで……なんだか、今日は、みんな私に失礼ですよ!!」
側にやってきたジョージアに涙を拭われ、よしよしと頭を撫でられる。
小さな子供にでもなったかのようだ……いや、そうなのだろう。
ハリーと手を繋いで、王都を駆け回っていた頃のような、新たな冒険へ飛び出すような少し不安な気持ちである。
「ハリー、イリアのところへ」
「言われなくても向かうよ。
ジョージア様、こんなじゃじゃ馬ですが、どうかよろしくお願いします」
ジョージアに向けて、私を頼むとハリーが頭を下げている。
ジョージアは、そんなハリーに驚いているようだ。
「ヘンリー殿……あぁ、わかっている!」
ハリーは、そのまま私たちをダンスホールの真ん中に残し、イリアの側に駆けて行き慰めていた。
「心が痛むか?」
ジョージアからこぼれた言葉に素直に頷く。
「そうか。では、アンナの心が痛まなくて済むよう、俺の心で君の心の穴を埋められるよう、
最大限の努力をしよう!」
「ふふふ、期待しています!」
涙を拭い、私はジョージアの腕にそっと自分の腕を絡めるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
愛されない王妃は、お飾りでいたい
夕立悠理
恋愛
──私が君を愛することは、ない。
クロアには前世の記憶がある。前世の記憶によると、ここはロマンス小説の世界でクロアは悪役令嬢だった。けれど、クロアが敗戦国の王に嫁がされたことにより、物語は終わった。
そして迎えた初夜。夫はクロアを愛せず、抱くつもりもないといった。
「イエーイ、これで自由の身だわ!!!」
クロアが喜びながらスローライフを送っていると、なんだか、夫の態度が急変し──!?
「初夜にいった言葉を忘れたんですか!?」
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
【完結済】悪役令嬢の妹様
紫
ファンタジー
星守 真珠深(ほしもり ますみ)は社畜お局様街道をひた走る日本人女性。
そんな彼女が現在嵌っているのが『マジカルナイト・ミラクルドリーム』というベタな乙女ゲームに悪役令嬢として登場するアイシア・フォン・ラステリノーア公爵令嬢。
ぶっちゃけて言うと、ヒロイン、攻略対象共にどちらかと言えば嫌悪感しかない。しかし、何とかアイシアの断罪回避ルートはないものかと、探しに探してとうとう全ルート開き終えたのだが、全ては無駄な努力に終わってしまった。
やり場のない気持ちを抱え、気分転換にコンビニに行こうとしたら、気づけば悪楽令嬢アイシアの妹として転生していた。
―――アイシアお姉様は私が守る!
最推し悪役令嬢、アイシアお姉様の断罪回避転生ライフを今ここに開始する!
※長編版をご希望下さり、本当にありがとうございます<(_ _)>
既に書き終えた物な為、激しく拙いですが特に手直し他はしていません。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
【完結】すり替えられた公爵令嬢
鈴蘭
恋愛
帝国から嫁いで来た正妻キャサリンと離縁したあと、キャサリンとの間に出来た娘を捨てて、元婚約者アマンダとの間に出来た娘を嫡子として第一王子の婚約者に差し出したオルターナ公爵。
しかし王家は帝国との繋がりを求め、キャサリンの血を引く娘を欲していた。
妹が入れ替わった事に気付いた兄のルーカスは、事実を親友でもある第一王子のアルフレッドに告げるが、幼い二人にはどうする事も出来ず時間だけが流れて行く。
本来なら庶子として育つ筈だったマルゲリーターは公爵と後妻に溺愛されており、自身の中に高貴な血が流れていると信じて疑いもしていない、我儘で自分勝手な公女として育っていた。
完璧だと思われていた娘の入れ替えは、捨てた娘が学園に入学して来た事で、綻びを見せて行く。
視点がコロコロかわるので、ナレーション形式にしてみました。
お話が長いので、主要な登場人物を紹介します。
ロイズ王国
エレイン・フルール男爵令嬢 15歳
ルーカス・オルターナ公爵令息 17歳
アルフレッド・ロイズ第一王子 17歳
マルゲリーター・オルターナ公爵令嬢 15歳
マルゲリーターの母 アマンダ・オルターナ
エレインたちの父親 シルベス・オルターナ
パトリシア・アンバタサー エレインのクラスメイト
アルフレッドの側近
カシュー・イーシヤ 18歳
ダニエル・ウイロー 16歳
マシュー・イーシヤ 15歳
帝国
エレインとルーカスの母 キャサリン帝国の侯爵令嬢(前皇帝の姪)
キャサリンの再婚相手 アンドレイ(キャサリンの従兄妹)
隣国ルタオー王国
バーバラ王女
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる