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和歌の記憶

ドキドキ文化祭

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ニコニコ超会議
それは、ニコニコ動画のドワンゴが毎年やっている
若者の祭典。
歌い手、踊り手、ニコ生によく出るタレント目当てに
沢山の若者が毎年集まるのは有名だが
それとは別の顔もある。

オフパコの聖地

毎年近所のコンビニではコンドームは売り切れ、
幕張のラブホテルは満室になる
性の祭典。

ロックフェスのテントがヤリ部屋になるのとそんな変わらない。
若者が集まればそんなもん。

……だよねーそれは山田さんも心配するよね。
そう思いながら、幕張メッセのトイレから出る。

さ!戻って文化祭だわ!
いそいそと会場を戻ろうと足を運ぶ。

和歌は肩を叩かれた。

「ちょっと何よ?」

目の前には遊んでなさそうな、
茶髪のクロムハーツジャラジャラの男がいた。

「俺と一緒にあそばない?
俺歌い手のはなけんPっていうんだけど…」

はなけんP…ああ、こないだ一位とった歌い手かあ…
調子ブッこいてるなあ…
しかもなまじ顔いいから引っかかる女沢山いそう。

面倒

「ちょと文化祭に戻らないと…」

「え?君N中の学生!なら送るよ!」

無理矢理腕を掴んでくる!しかも逆方向!
いや?!嘘!!たすけて!!
怖くて声が出ない!!!

私は守られていたんだ…と涙目になったその時!

「千葉県青少年健全育成条例違反だよ、
子供から手を離すんだ!」

聴き慣れた声で掴まれた手を振り払ってくれた。

「……山田さん」

鬼の様に怒った顔の山田さんが私の前に立ち、
はなけんPの腕の関節をきめていた。

「だめだよ和歌ちゃん…帰ってこないからさー
おじさん心配したよ」

「…すいません」

「管轄外の活動だから現行犯逮捕できないのがなー
あー殴りたい」

山田さんがこんなに怒ってるの…初めてだ…

「…みてんだろ?田中!
和歌ちゃんを送ってやれ!
俺はこいつを近くでパトロールしてる警官に引き渡す。」

山田さんの背後から
初音ミクの雪ミクコスプレした田中さんが出てきた。

「……田中さん…これ…」

うさみみの雪ミクの格好をした、
田中さんが足をもじもじして、
手を後ろに組み、恥ずかしいそうに顔を真っ赤にする。

「……みないで」

泣きそうなのがまた可愛い……

そう思いながら田中さんと手を繋いで
学園祭会場に戻った。

田中さんは、学生たちに大人気だった。
後に聞くと、
山田さんがコスプレを用意して着せたそうで、
その話を聞いて山田さんはコスプレ好きなのか?
…という疑惑が沸沸と出てきた。
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