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第4章 禁術の魔法
禁術の魔法 2
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会議の始まる前、ランスはグレーンとコウナとの会話を聞いていた。
「コウナ様」
「グレーン、いい加減やめんかその言い方。隊長の座はアヌシビに譲ってかなりたつんじゃ。今はただのおいぼれ騎士よ」
「しかし」
「くどい!」
「……コウナ、殿」
「うむ」
「実際、援軍はどうなのでしょうか?」
「来ぬ」
「しかし国王からは援軍を寄越すと」
「確かにその知らせはあった。だがロヴァンヌ王国は西で隣国に攻め込んでいるじゃろ、ラン・サイユ王子が兵を離さん。奴は国のことより自分の手柄、何とか進軍を成功させ手柄を立てようと躍起になっとる。こちらには目もくれん」
「では総長の渉外交渉も無駄に……」
「いや無駄ではない。王の通達のおかげで、中央の軍をここに連れて来ることはできなくとも、あちらに出向いていたシエンナの騎士たちを正当な理由で戻す事ができる。それだけでも十分価値がある。もう少し待つのじゃ。戻ってくるまでトラヴィスの騎士たちには言うでないぞ」
ランスは、「ラン・サイユ王子」と言う名を耳にし眉間に皺を寄せ大きく息を吐いた。
× × ×
「トゥーバルはあの丘の上に兵を集め、その数2万を超える勢いだそうではないか。何をしているんだ中央の兵は!!」
天幕のなかでフェンバッハがテーブルを叩きながらいかめしく言った。
「まあ、もう少し待ちなされ。諜報員から、トゥーバル兵はまだ半分もついておらんと連絡を受けておる。それに兵站を叩くべく、シエンナの隠密部隊も活動しているでな、多少時間はかせげるはずじゃ」
コウナが宥めるように言った。
「コウナ様」
「グレーン、いい加減やめんかその言い方。隊長の座はアヌシビに譲ってかなりたつんじゃ。今はただのおいぼれ騎士よ」
「しかし」
「くどい!」
「……コウナ、殿」
「うむ」
「実際、援軍はどうなのでしょうか?」
「来ぬ」
「しかし国王からは援軍を寄越すと」
「確かにその知らせはあった。だがロヴァンヌ王国は西で隣国に攻め込んでいるじゃろ、ラン・サイユ王子が兵を離さん。奴は国のことより自分の手柄、何とか進軍を成功させ手柄を立てようと躍起になっとる。こちらには目もくれん」
「では総長の渉外交渉も無駄に……」
「いや無駄ではない。王の通達のおかげで、中央の軍をここに連れて来ることはできなくとも、あちらに出向いていたシエンナの騎士たちを正当な理由で戻す事ができる。それだけでも十分価値がある。もう少し待つのじゃ。戻ってくるまでトラヴィスの騎士たちには言うでないぞ」
ランスは、「ラン・サイユ王子」と言う名を耳にし眉間に皺を寄せ大きく息を吐いた。
× × ×
「トゥーバルはあの丘の上に兵を集め、その数2万を超える勢いだそうではないか。何をしているんだ中央の兵は!!」
天幕のなかでフェンバッハがテーブルを叩きながらいかめしく言った。
「まあ、もう少し待ちなされ。諜報員から、トゥーバル兵はまだ半分もついておらんと連絡を受けておる。それに兵站を叩くべく、シエンナの隠密部隊も活動しているでな、多少時間はかせげるはずじゃ」
コウナが宥めるように言った。
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