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第5章 メテオストライク

メテオストライク 43

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 レイが羊皮紙を開くと、そこには地図とセイセルーの署名がなされていた。

「ノースレオウィルからさらに北。北の海に浮かぶ小さな孤島ルーザデール。その地図の場所にいる魔法使いを尋ねるといいわ。セイセルー様がお世話になった魔法使いみたいよ」
「嬉しいな。助かるよ」

 ノアが大きな鞄を取り出してレイの前にドンと置いた。

「私からはコレを」

 鞄を開けると中には干し肉と黒パンがパンパンに入っていた。

「レイとの付き合いは、ここにくる時干し肉と黒パンもらったことから始まったからな。10倍返し。もってけ。私の餞別」
「ああ、ありがとう。こんなけあれば、しばらくは飢え死にしなくてすみそうだ。ハハ」
「ほんとだよ。飢え死にするな。レイもわかってるだろ、ここにくるまでの生活を」
「そうだな」
「食え、とにかく、ちゃんと食え」
「ああ」

 レイはありがたく鞄を受け取った。
 それから、黙って黙々と食べているトーブに声をかけた。

「トーブ、ありがとうないろいろ」
「……」
「怒ってるのか?」
「ちいげえよ。ついレイのことあれこれ誰かに喋っちまいそうだから、黙ってんだよ」
「そうか」
「俺からの餞別はねえ。そんなお別れみたいなことはしねえぜ。レイが……」

 と言いかけて、身をかがめ声を落とす。

「レイがシエンナ騎士団をやめても盾仲間だと言うことはかわらねえ。俺にとってレイはレイだ。なにかにつけて一緒にやりたがるレイだ」
「ああ」
「いつでも呼べ。一緒にやる。どこでも行ってやるから」
「ありがとう。そしてそれは俺も同じだ、いつでも呼べ。また一緒にブルズブートキャンプやってやる」

 トーブがフッと笑って呟いた「俺は黙る。たぶんしゃべり始めたらたまらねえ」そして残ったスープを掻き込みむせた。

「た、耐えて生きろ」

 トーブが小さな声で呟いて拳を出した。
 ノアがアルマーマが、そしてレイが拳をつける。

「ランス、モーラ、ビルバ、ルッカ、ロッカ、サンタン、みんなにも、ありがとうと伝えておいてくれ」
「フッ、叙任式のことを思い出したぜ。レイ、ぜったい生きろ! 何が何での生きろ! 生きろ!! かならずまた会うぞ!」

 トーブが力を入れて皆の拳を押した。

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