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エピローグ2

エピローグ2 9

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「あ、うん」
「もうすぐ第1王子と第2王子の間で激しい権力闘争が起こる。圧倒的な力を持っている第1王子のラン・サイユ王子だが、西側での侵略がうまくいかず、強引に起こした戦争を快く思ってない者は多い。シエンナ騎士団もそうだ。それでも生き残るために歯向かうことはできないけどね。それがノースレオウィルの1部で第2王子を支持する動きが出ている。ラン・サイユにかなりの住民が傭兵として集められ強引に連れ去られたことを恨んでいる」
「中央がやりそうなことだね……」
「第2王子を支持する機運が高まれば、下手をするとラン・サイユに粛清される事態になるかもしれん、そうなると。レイはほっとけないだろう。ノースレオウィルのことを」
「……」
「すまない。あまり面白くない話だったな」
「ううん。ありがとう、いろいろ教えてくれて」
「なあに。これが私の本当に仕事だ。情報を集めシエンナに、アヌシビ様に持ち帰らねば」
「サンタンはしばらくこっちにいるの?」
「明日にはここを出るだろう」

 ノアは少し考えて「今晩、領主の娘と一緒にお忍びで聴きに来る。その時手紙を渡したい。レイに届けてほしい」と告げた。
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