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女子高生、異世界へ行く。
王様と謁見する
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それ絶対ちょっとなニュアンスじゃないですよね?ね?とダレンさんを問い詰めているとちょうどテーブルの真ん中にどこからともなく、ぽとり、と丸めた紙が落ちてきた。落ちてきた紙には赤いリボンの封がされていたが、テーブルを転がると同時に、どういう仕組みなのか封が剥がれ、中の文面が顕になる。
「何?君の事なので来るのを渋りそうなので転移術式を送ってみたよ……?」
文面を読んだダレンさんは何の事だか分からない顔をした。
私たちを見られても私たちもわからないのでやめて欲しい。
「既に作動してるな。諦めろ」
次の瞬間には凄い広い場所に椅子に座っていた時のポーズのまま飛ばされていて、私は盛大なしりもちをついた。
*
見上げても見上げ足りないくらい高い天井に大きなシャンデリア、敷かれた赤い絨毯にこれまた見上げるほどの大きさのステンドグラス。
「やぁ、よく来たね」
玉座に座る王様は、思い描いていたテンプレートな王様ではなく、黒いウェーブのかかった髪にライムグリーンの瞳、頭の上には王冠のかわりに紅くぼんやりと輝く放射線状に所々棘のようなものが飛び出した輪っかが浮いている。穏やかな表情を浮かべているその人は、歳も見た目だけで言うと20代位ではないだろうか。
「よく来たも何も、お前さんはいつも強引過ぎる。なんだあの術式は」
悪態をつくダレンさんに王様はどこか悪戯が成功した子供の様に笑いながら「ごめんごめん」と謝った。
「たまにはこういうのも良いだろ?に、しても、君もまた面白いものを沢山連れてきたね。異邦人に、悪魔に破壊神、そっちの錬金術師は……マグナス・オプスだね。うん、なかなかのラインナップ」
「成り行きとは言え、儂もそう思っとるよ」
「成り行きって面白いものだね。さて、雑談はこれくらいにして、そろそろ報告してもらおうかな」
そこからは事の成り行きをダレンさんが全て話した。
私はその横でお城すげー状態である。だって、よく見たら控えてる騎士の人の中に女性の虎の獣人さんがいたり、鉱石系の亜人種っぽい人とか色んな種類の人が居るのだ。テンションも上がるというものである。
破壊神さんはダレンさんと王様と話をしているし、ウェイバリーさんは黙って腕を組んで立っている。ルベドさんも珍しく、(というか今までが煩かっただけかも知れない)黙って話を聞いていた。
「……なるほど。随分と展開が怒涛だね。ご苦労さまと言うか、なんと言うか」
「儂もそう思っとるよ。面倒この上ない」
「明日呼べばよかったかな?事が事なのもあるけど早く片付けたかったのもあるからね」
「出かけるつもりだったろう」
「いや、嫁とデートする」
王様は真顔で言い放った。
「僕のお嫁さんとね、久しぶりの休暇で遊びに行こうと思ってたんだ。カラコタの洞窟の湖がそろそろ見頃でね……?こんなことがなければ今頃仕事も全て終わらせて一緒に過ごせるはずだったんだよ」
ハハハ、と笑う王様の目は全く笑っていなかった。本当に楽しみにしていたのだろう。
「国連の席で抗議はするけど、国同士の国力とか色々あるからねぇ。注意が限界かもしれないなぁ」
頬杖をつきながら「難しいね」と呟く様子を見るに、国同士と言うだけで色んなしがらみが生まれるらしい。
「何?君の事なので来るのを渋りそうなので転移術式を送ってみたよ……?」
文面を読んだダレンさんは何の事だか分からない顔をした。
私たちを見られても私たちもわからないのでやめて欲しい。
「既に作動してるな。諦めろ」
次の瞬間には凄い広い場所に椅子に座っていた時のポーズのまま飛ばされていて、私は盛大なしりもちをついた。
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見上げても見上げ足りないくらい高い天井に大きなシャンデリア、敷かれた赤い絨毯にこれまた見上げるほどの大きさのステンドグラス。
「やぁ、よく来たね」
玉座に座る王様は、思い描いていたテンプレートな王様ではなく、黒いウェーブのかかった髪にライムグリーンの瞳、頭の上には王冠のかわりに紅くぼんやりと輝く放射線状に所々棘のようなものが飛び出した輪っかが浮いている。穏やかな表情を浮かべているその人は、歳も見た目だけで言うと20代位ではないだろうか。
「よく来たも何も、お前さんはいつも強引過ぎる。なんだあの術式は」
悪態をつくダレンさんに王様はどこか悪戯が成功した子供の様に笑いながら「ごめんごめん」と謝った。
「たまにはこういうのも良いだろ?に、しても、君もまた面白いものを沢山連れてきたね。異邦人に、悪魔に破壊神、そっちの錬金術師は……マグナス・オプスだね。うん、なかなかのラインナップ」
「成り行きとは言え、儂もそう思っとるよ」
「成り行きって面白いものだね。さて、雑談はこれくらいにして、そろそろ報告してもらおうかな」
そこからは事の成り行きをダレンさんが全て話した。
私はその横でお城すげー状態である。だって、よく見たら控えてる騎士の人の中に女性の虎の獣人さんがいたり、鉱石系の亜人種っぽい人とか色んな種類の人が居るのだ。テンションも上がるというものである。
破壊神さんはダレンさんと王様と話をしているし、ウェイバリーさんは黙って腕を組んで立っている。ルベドさんも珍しく、(というか今までが煩かっただけかも知れない)黙って話を聞いていた。
「……なるほど。随分と展開が怒涛だね。ご苦労さまと言うか、なんと言うか」
「儂もそう思っとるよ。面倒この上ない」
「明日呼べばよかったかな?事が事なのもあるけど早く片付けたかったのもあるからね」
「出かけるつもりだったろう」
「いや、嫁とデートする」
王様は真顔で言い放った。
「僕のお嫁さんとね、久しぶりの休暇で遊びに行こうと思ってたんだ。カラコタの洞窟の湖がそろそろ見頃でね……?こんなことがなければ今頃仕事も全て終わらせて一緒に過ごせるはずだったんだよ」
ハハハ、と笑う王様の目は全く笑っていなかった。本当に楽しみにしていたのだろう。
「国連の席で抗議はするけど、国同士の国力とか色々あるからねぇ。注意が限界かもしれないなぁ」
頬杖をつきながら「難しいね」と呟く様子を見るに、国同士と言うだけで色んなしがらみが生まれるらしい。
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