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女子高生、異世界へ行く。
女子高生と読書の時間
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魔術に必要なものは何か?それは詠唱でもなければ魔法陣でもないそうだ。
必要なのは自然を騙す論理、ロジックだ。
“論理”なんて言葉が使われているが、それは言葉で証明できるものでは無い。法則的な繋がりなどないのだから。
例えば、火をおこすには火打石を使うにしろ、棒と板で起こすにしろ、そこには摩擦により生じる熱や火花が燃えやすいものに引火することにより成り立つ。さらに細かいことをいえば酸素と物が結び付く現象のことである。
魔法はどうだろうか?魔法を使う場合、魔素もしくは魔力と4大属性における火の因子との結び付きである。魔法使いや隣人達、魔物以外にはこの魔力と4大属性との結び付きを起こすことはできない。つまり、魔法という素質を失った我々現代人には魔術を使う他ないのである。
私はここまで文章を読んでそっと本を閉じた。
「何一つ分からん。」
表紙に書かれた『よく分かる!現代における魔術と魔法の関係性』というタイトルにとんだ詐欺だなという感想しか出てこない。何もわからんわ。何だこの本。
彼方さんが迎えに来るまであと2日に迫った昼下がり、私はアーチボルト邸の書斎で本を漁っていた。あまり根を詰めるのは良くないとの事で午後の魔術練習はお休みする事になったのだ。結果的に何もしないのも暇過ぎて死んでしまうのでこうして本を漁っていたという訳だ。
元あった場所に本を戻し、もっとわかりやすいもしくは面白そうな本は無いかと物色する。流石魔術の第一人者の家と言うだけあって小難しそうな本がわんさとある。魔術、歴史、植物、魔物、生態系……多義にわたる本は彼の分野の広さを物語っているのだろう。植物図鑑や魔物図鑑をパラパラと眺め、何冊か部屋に持って帰るためにすぐ近くにあったサイドテーブルの上に積んでおく。
「他なんか面白そうなの無いかな~……ん?なんだこれ」
脚立を使い、目に付いたその本を引っ張り出す。
タイトルの無いそれは開くとちょうど顔のように目と三日月に笑うような所謂ギザ歯の様な模様だけの入ったシンプルな本だった。おもて表紙どころか背表紙にもタイトルは無い。
「んー……?」
パラパラとページをめくる。ハードカバーのそれはどこか生成りのような柔らかな色でコピー用紙よりもめくりやすい。
内容は全く理解できそうにないが、筆記体の英語にも似た文章と記号や植物などの挿絵のようなものが書かれている。
「これも魔導書的な奴なのかな?」
一旦閉じて小脇に抱える。ついでに数冊、先程ピックアップした本も一緒に抱える。今からの時間は部屋に戻って読書タイムと決め込むのだ。
必要なのは自然を騙す論理、ロジックだ。
“論理”なんて言葉が使われているが、それは言葉で証明できるものでは無い。法則的な繋がりなどないのだから。
例えば、火をおこすには火打石を使うにしろ、棒と板で起こすにしろ、そこには摩擦により生じる熱や火花が燃えやすいものに引火することにより成り立つ。さらに細かいことをいえば酸素と物が結び付く現象のことである。
魔法はどうだろうか?魔法を使う場合、魔素もしくは魔力と4大属性における火の因子との結び付きである。魔法使いや隣人達、魔物以外にはこの魔力と4大属性との結び付きを起こすことはできない。つまり、魔法という素質を失った我々現代人には魔術を使う他ないのである。
私はここまで文章を読んでそっと本を閉じた。
「何一つ分からん。」
表紙に書かれた『よく分かる!現代における魔術と魔法の関係性』というタイトルにとんだ詐欺だなという感想しか出てこない。何もわからんわ。何だこの本。
彼方さんが迎えに来るまであと2日に迫った昼下がり、私はアーチボルト邸の書斎で本を漁っていた。あまり根を詰めるのは良くないとの事で午後の魔術練習はお休みする事になったのだ。結果的に何もしないのも暇過ぎて死んでしまうのでこうして本を漁っていたという訳だ。
元あった場所に本を戻し、もっとわかりやすいもしくは面白そうな本は無いかと物色する。流石魔術の第一人者の家と言うだけあって小難しそうな本がわんさとある。魔術、歴史、植物、魔物、生態系……多義にわたる本は彼の分野の広さを物語っているのだろう。植物図鑑や魔物図鑑をパラパラと眺め、何冊か部屋に持って帰るためにすぐ近くにあったサイドテーブルの上に積んでおく。
「他なんか面白そうなの無いかな~……ん?なんだこれ」
脚立を使い、目に付いたその本を引っ張り出す。
タイトルの無いそれは開くとちょうど顔のように目と三日月に笑うような所謂ギザ歯の様な模様だけの入ったシンプルな本だった。おもて表紙どころか背表紙にもタイトルは無い。
「んー……?」
パラパラとページをめくる。ハードカバーのそれはどこか生成りのような柔らかな色でコピー用紙よりもめくりやすい。
内容は全く理解できそうにないが、筆記体の英語にも似た文章と記号や植物などの挿絵のようなものが書かれている。
「これも魔導書的な奴なのかな?」
一旦閉じて小脇に抱える。ついでに数冊、先程ピックアップした本も一緒に抱える。今からの時間は部屋に戻って読書タイムと決め込むのだ。
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