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前編
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泉の底に眠る人のような、蛇のようなジェヌーンという産土の神がいた。
ジェヌーンは長い間、泉の底で眠っていたのだが、ある時ふと目を覚ました。
なにやら上がにぎやかなので気になったのだ。まあ、あまりに長く眠り続けていたので退屈で仕様がなかったのだ。
ジェヌーンはむくりと起き上がり、水面上へ泳いで行った。
(ああ、久しぶりだねぇ。何千年ぶりだろう…けど、あの天使どもがまたアタシらの事をいじめに来るかも…
なにせあの神さん、人間ばっかり可愛がりよるからなぁ。
アタシら…天使と悪魔の中間のもんはつまはじきや。
だいたい、アタシ達だってあのアダムの子なんだから、同等に扱って欲しいもんだわ。
だって、アダムの最初の妻はイヴではなくってアタシらの母さん、リリスなんだもの。)
天地創造の昔、神様がつくったのはアダム一人だった。 そこで天使の中からリリスを選び、アダムと一緒にさせた。リリスは多くの美しい子供たちを産んだ。
ところが神様は無理矢理リリスからアダムを引き離した。
その理由は、リリスから生まれる子らはすべてアダム以上の能力を持っており、つまり、人間ではなかったからだった。あらためて神様は、アダムの肋骨からイヴをつくり、アダムの妻にした。
リリスは怒って蛇になった。新しいアダムの妻に復讐するために、自ら敵となった。イヴをそそのかして知恵の実を食べさせ、アダムもろとも楽園から追い出させたのもリリスだった。
そして、もっともっと復讐してやろうとした時、神様が言ったのだ。
「これ以上逆らうと、お前の産んだ子らを天使に命じてすべて殺す事になるだろう。」と。
リリスは泣いた。かつてアダムに与えた、光きらめく息子たちとまばゆき娘たちと謳われた子供たちを守る為に、彼女は引き下がり、闇になった。
そうして彼女の子供たちは天使を恐れてあちこちに散開し、息を潜めて眠りについたのだ。長い長い眠りの時が続いた。泉の底に眠る、このジェヌーンもその一人だった。
(あれからだいぶんたってるんだ。こんなに長い間、見つからずにすんだってのは、きっとほとぼりが冷めたっちゅうことやろう…。)
ジェヌーンはポチャリ、と水面の上に顔半分だけ出して外を見た。ジェヌーンの前方に二十頭ほどの羊達がメエメエ鳴きながら、嬉しそうに泉周辺の草を食んでいた。
「なんだ、羊だったのかい。」
幸せそうだねえ……あの子達。考えれば神さんが創造した生き物の中で一番無垢で、一番悲惨なのが、あの羊達のような気がする。ジェヌーンは暫くの間そんな事を考えながら、羊達の食事風景を眺めていた。
すると、その中の一頭が顔をあげた。
(おや、あいつはアタシに気がついたのかしら。)
羊はまだこっちを見ている。
(おもしろいねえ。そうだ、ちょっと近づいてって脅かしてやろうか……。)
ジェヌーンはスイスイと泳いで行って、あのこっちを見ている一頭の、真っ白な子羊のすぐそばまで来た。
「こら、チビ助。喰ってやろうか。」
ジェヌーンは牙を剥き出しにしてニタリ、と笑った。羊というものは元来臆病者なので、すぐ腰を抜かすか、逃げ出すだろうとジェヌーンは思っていた。そしてもし腰を抜かして動けなくなっていたらちょうどいい、腹も減っているし本当に喰ってやろうと考えていた。
子羊は、動かなかった。けれども腰を抜かしている様子でもなかった。
(おや、まあ……)
子羊はこの泉の様に澄みきった眼差しでジェヌーンを見ていた。
「お腹が空いているの?」
「ああ。」
「ここの草は美味しいよ。」
「草はお前達の食べる為にあるが、アタシの食べ物じゃないんでねえ。」
「そうなの……」
子羊は足元の土を軽く蹴って考えているようだった。さあどうする?と、ジェヌーンは面白がっていた。
(逃げろ逃げろ、かよわい子羊。お前にゃ歯向かう牙も、鋭い爪も無い。だからお逃げ。アタシはそれからお前を追うよ。充分追いつめて、お前が恐怖の淵に立った時に喰い殺してやるよ。)
「僕を食べていいよ。」
子羊が自分の頭をジェヌーンに差し出して言った。
「お腹が空いているのでしょう?」
ジェヌーンはびっくりした。無垢もここまで来たら馬鹿だ。
「お前……アタシに喰われるという意味がわかっているのかい?死んでしまうという事なんだよ!」
子羊はうなずいた。
「それも神様が決めた事でしょう?」
ジェヌーンは腹が立ってきた。子羊が、あまりにも無抵抗な事に。どんな境遇も受け入れてしまう事に…。
「じゃあなにかい?アタシがお前に出会ったのは、神さんが決めたと言うのかい。お前が何か悪い事でもしたっていうのかい?」
子羊は不思議そうにジェヌーンの目を見た。ジェヌーンの眼は怒りで真っ赤だった。
「何を怒っているの。あなたは言ったじゃないか。草は僕らの食べる為にあるって。あなたは僕を食べたいんでしょ。だから僕はあなたの食べる為にあるんじゃないの?」
ジェヌーンは思った。
(この子羊は自分を守る術を全く知らない。全身全霊で信じてる……あの神さんを!)
「違うよ、お前は、お前自身の為にあるんだ。」
ジェヌーンはなんだか悲しくて、もう、子羊を食べる気が完全に失せてしまっていた。
(なんだよこの子は、もうっ腹が立つねえ…お前は神さんの道具なんかじゃ無い。もっと、自分を愛して、大切に思っておくれよ……てか、アタシは何でこんなにこの子の事を心配してるんだよ?さっきまでただの獲物としか思ってなかったじゃないか。なんだアタシは。何がしたいんだ~!う~ん…。)
ジェヌーンは赤くなったり、青くなったり、ブツブツ言ったりしてから出た言葉は
「友達になろう……」
なぜかこの哀れな子羊が愛しくなって、そうつぶやいた。
子羊は少し驚いて聞いた。
「空腹じゃないの?」
ジェヌーンは笑った。
「少し、からかっただけだよ。それに空腹なんて、アタシにとっちゃ気持ちの問題さ。もう何千年も霞を喰って生きて来たんだからね……。」
「あなたは、何?」
「アタシかい?アタシはジェヌーンだよ。言っとくけど、アタシゃあんたの思う所の神さんじゃないからね!」
子羊も微笑った。
「お前、名は?」
「フェレグ…」
「いい名だ。フェレグ、アタシと友達になってくれるかい?」
フェレグはメェェと嬉しそうに返事をした。
その日からジェヌーンは、眠りにつくのをやめた。フェレグが毎日、ジェヌーンの泉に遊びに来てくれるのを心待ちにしていたからだった。
フェレグはジェヌーンの事をとても慕っていて、他の羊達と違い、最初の出会いの頃と同じく、少しも彼を怖れる事無く近づいて来ていた。また、そんなフェレグがジェヌーンは好きだった。しかし、もし近づいたのがフェレグ以外の羊なら、多分喰い殺していただろう。他の羊の匂いはとても美味そうで我慢できそうにない。
周りの羊達はそれを感じとっているのか、決して近寄ろうとしない。フェレグの母親でさえそうなのだ。我が子を心配しながらも、決してジェヌーンには近づかない。ジェヌーンは思った。この子は変わっている……どう変わっているのかははっきり言えないが。
「ジェヌーン、またお話しして。」
「ああ。」
ジェヌーンは言った。
「またリリスの話をするのかい?」
フェレグはうなずいた。ちょっと前に、昔を思い出して聞かせただけなのに、フェレグは何度も何度もそれを聞きたがる。そして、深く考え込むような、悲しい瞳でジェヌーンにこう言うのだ。「可哀想なリリス…」と。
(母さん、あなたが闇になってから、もうアタシ達子供らと言葉を交わすことも無くなって久しいけど、できる事なら伝えてあげたいよ。全てに忌み嫌われたあなたにも、哀れんでくれるものがいたって事に。それは小さな子羊だけどね。)ジェヌーンは時々闇の母に逢いたいと思う。
「お前は神さんを信じてるんだろ、リリスは敵だろうに?」
自分の母を気にかけてくれて嬉しいいのに、ジェヌーンもまた、同じ質問を繰り返す。その次に来る、フェレグの言葉が聞きたくて。
「だって、ジェヌーンのお母さんだもの。」
この言葉を聞く度に、ジェヌーンは自分の冷たい体が少しずつ、温かくなっていくような気がするのだ。
その日も、ジェヌーンは泉の底でフェレグが遊びに来るのを待っていた。が、その日のジェヌーンはある事を思いついた。(そうだ、アタシがここから出て、ちょっとあの子の所まで会いに行って、びっくりさせてやろうかね。)
ジェヌーンはフェレグに早く会いたい一心で、今まで出た事のなかった泉をあとにした。
目立たないよう、小さな蛇に姿を変えて、羊の匂いをたどって行った。
ジェヌーンは長い間、泉の底で眠っていたのだが、ある時ふと目を覚ました。
なにやら上がにぎやかなので気になったのだ。まあ、あまりに長く眠り続けていたので退屈で仕様がなかったのだ。
ジェヌーンはむくりと起き上がり、水面上へ泳いで行った。
(ああ、久しぶりだねぇ。何千年ぶりだろう…けど、あの天使どもがまたアタシらの事をいじめに来るかも…
なにせあの神さん、人間ばっかり可愛がりよるからなぁ。
アタシら…天使と悪魔の中間のもんはつまはじきや。
だいたい、アタシ達だってあのアダムの子なんだから、同等に扱って欲しいもんだわ。
だって、アダムの最初の妻はイヴではなくってアタシらの母さん、リリスなんだもの。)
天地創造の昔、神様がつくったのはアダム一人だった。 そこで天使の中からリリスを選び、アダムと一緒にさせた。リリスは多くの美しい子供たちを産んだ。
ところが神様は無理矢理リリスからアダムを引き離した。
その理由は、リリスから生まれる子らはすべてアダム以上の能力を持っており、つまり、人間ではなかったからだった。あらためて神様は、アダムの肋骨からイヴをつくり、アダムの妻にした。
リリスは怒って蛇になった。新しいアダムの妻に復讐するために、自ら敵となった。イヴをそそのかして知恵の実を食べさせ、アダムもろとも楽園から追い出させたのもリリスだった。
そして、もっともっと復讐してやろうとした時、神様が言ったのだ。
「これ以上逆らうと、お前の産んだ子らを天使に命じてすべて殺す事になるだろう。」と。
リリスは泣いた。かつてアダムに与えた、光きらめく息子たちとまばゆき娘たちと謳われた子供たちを守る為に、彼女は引き下がり、闇になった。
そうして彼女の子供たちは天使を恐れてあちこちに散開し、息を潜めて眠りについたのだ。長い長い眠りの時が続いた。泉の底に眠る、このジェヌーンもその一人だった。
(あれからだいぶんたってるんだ。こんなに長い間、見つからずにすんだってのは、きっとほとぼりが冷めたっちゅうことやろう…。)
ジェヌーンはポチャリ、と水面の上に顔半分だけ出して外を見た。ジェヌーンの前方に二十頭ほどの羊達がメエメエ鳴きながら、嬉しそうに泉周辺の草を食んでいた。
「なんだ、羊だったのかい。」
幸せそうだねえ……あの子達。考えれば神さんが創造した生き物の中で一番無垢で、一番悲惨なのが、あの羊達のような気がする。ジェヌーンは暫くの間そんな事を考えながら、羊達の食事風景を眺めていた。
すると、その中の一頭が顔をあげた。
(おや、あいつはアタシに気がついたのかしら。)
羊はまだこっちを見ている。
(おもしろいねえ。そうだ、ちょっと近づいてって脅かしてやろうか……。)
ジェヌーンはスイスイと泳いで行って、あのこっちを見ている一頭の、真っ白な子羊のすぐそばまで来た。
「こら、チビ助。喰ってやろうか。」
ジェヌーンは牙を剥き出しにしてニタリ、と笑った。羊というものは元来臆病者なので、すぐ腰を抜かすか、逃げ出すだろうとジェヌーンは思っていた。そしてもし腰を抜かして動けなくなっていたらちょうどいい、腹も減っているし本当に喰ってやろうと考えていた。
子羊は、動かなかった。けれども腰を抜かしている様子でもなかった。
(おや、まあ……)
子羊はこの泉の様に澄みきった眼差しでジェヌーンを見ていた。
「お腹が空いているの?」
「ああ。」
「ここの草は美味しいよ。」
「草はお前達の食べる為にあるが、アタシの食べ物じゃないんでねえ。」
「そうなの……」
子羊は足元の土を軽く蹴って考えているようだった。さあどうする?と、ジェヌーンは面白がっていた。
(逃げろ逃げろ、かよわい子羊。お前にゃ歯向かう牙も、鋭い爪も無い。だからお逃げ。アタシはそれからお前を追うよ。充分追いつめて、お前が恐怖の淵に立った時に喰い殺してやるよ。)
「僕を食べていいよ。」
子羊が自分の頭をジェヌーンに差し出して言った。
「お腹が空いているのでしょう?」
ジェヌーンはびっくりした。無垢もここまで来たら馬鹿だ。
「お前……アタシに喰われるという意味がわかっているのかい?死んでしまうという事なんだよ!」
子羊はうなずいた。
「それも神様が決めた事でしょう?」
ジェヌーンは腹が立ってきた。子羊が、あまりにも無抵抗な事に。どんな境遇も受け入れてしまう事に…。
「じゃあなにかい?アタシがお前に出会ったのは、神さんが決めたと言うのかい。お前が何か悪い事でもしたっていうのかい?」
子羊は不思議そうにジェヌーンの目を見た。ジェヌーンの眼は怒りで真っ赤だった。
「何を怒っているの。あなたは言ったじゃないか。草は僕らの食べる為にあるって。あなたは僕を食べたいんでしょ。だから僕はあなたの食べる為にあるんじゃないの?」
ジェヌーンは思った。
(この子羊は自分を守る術を全く知らない。全身全霊で信じてる……あの神さんを!)
「違うよ、お前は、お前自身の為にあるんだ。」
ジェヌーンはなんだか悲しくて、もう、子羊を食べる気が完全に失せてしまっていた。
(なんだよこの子は、もうっ腹が立つねえ…お前は神さんの道具なんかじゃ無い。もっと、自分を愛して、大切に思っておくれよ……てか、アタシは何でこんなにこの子の事を心配してるんだよ?さっきまでただの獲物としか思ってなかったじゃないか。なんだアタシは。何がしたいんだ~!う~ん…。)
ジェヌーンは赤くなったり、青くなったり、ブツブツ言ったりしてから出た言葉は
「友達になろう……」
なぜかこの哀れな子羊が愛しくなって、そうつぶやいた。
子羊は少し驚いて聞いた。
「空腹じゃないの?」
ジェヌーンは笑った。
「少し、からかっただけだよ。それに空腹なんて、アタシにとっちゃ気持ちの問題さ。もう何千年も霞を喰って生きて来たんだからね……。」
「あなたは、何?」
「アタシかい?アタシはジェヌーンだよ。言っとくけど、アタシゃあんたの思う所の神さんじゃないからね!」
子羊も微笑った。
「お前、名は?」
「フェレグ…」
「いい名だ。フェレグ、アタシと友達になってくれるかい?」
フェレグはメェェと嬉しそうに返事をした。
その日からジェヌーンは、眠りにつくのをやめた。フェレグが毎日、ジェヌーンの泉に遊びに来てくれるのを心待ちにしていたからだった。
フェレグはジェヌーンの事をとても慕っていて、他の羊達と違い、最初の出会いの頃と同じく、少しも彼を怖れる事無く近づいて来ていた。また、そんなフェレグがジェヌーンは好きだった。しかし、もし近づいたのがフェレグ以外の羊なら、多分喰い殺していただろう。他の羊の匂いはとても美味そうで我慢できそうにない。
周りの羊達はそれを感じとっているのか、決して近寄ろうとしない。フェレグの母親でさえそうなのだ。我が子を心配しながらも、決してジェヌーンには近づかない。ジェヌーンは思った。この子は変わっている……どう変わっているのかははっきり言えないが。
「ジェヌーン、またお話しして。」
「ああ。」
ジェヌーンは言った。
「またリリスの話をするのかい?」
フェレグはうなずいた。ちょっと前に、昔を思い出して聞かせただけなのに、フェレグは何度も何度もそれを聞きたがる。そして、深く考え込むような、悲しい瞳でジェヌーンにこう言うのだ。「可哀想なリリス…」と。
(母さん、あなたが闇になってから、もうアタシ達子供らと言葉を交わすことも無くなって久しいけど、できる事なら伝えてあげたいよ。全てに忌み嫌われたあなたにも、哀れんでくれるものがいたって事に。それは小さな子羊だけどね。)ジェヌーンは時々闇の母に逢いたいと思う。
「お前は神さんを信じてるんだろ、リリスは敵だろうに?」
自分の母を気にかけてくれて嬉しいいのに、ジェヌーンもまた、同じ質問を繰り返す。その次に来る、フェレグの言葉が聞きたくて。
「だって、ジェヌーンのお母さんだもの。」
この言葉を聞く度に、ジェヌーンは自分の冷たい体が少しずつ、温かくなっていくような気がするのだ。
その日も、ジェヌーンは泉の底でフェレグが遊びに来るのを待っていた。が、その日のジェヌーンはある事を思いついた。(そうだ、アタシがここから出て、ちょっとあの子の所まで会いに行って、びっくりさせてやろうかね。)
ジェヌーンはフェレグに早く会いたい一心で、今まで出た事のなかった泉をあとにした。
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