畑の勇者「タウンゼント」

初書 ミタ

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畑の勇者

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農場から僕はリムを上に乗せて、

のろのろとハイウェイを走っていた。

しばらくすると検問があり、


「おいそこの、トラクター、路肩によって止まれ、エンジンを切れ。」


「馬鹿なのか、小娘。ハイウェイをトラクターで走るんじゃない。」


「小娘じゃないわ、名前はちゃんとある。あなたのような有象無象

に名乗る気はないけどね。」




「なんだと、こら。」



「はやく、スキャンしたら、許可は得てるわ。」




しばらくすると

遠くから、戦闘ヘリから投下された戦闘用ギアが

戦闘意欲低めで近づいてくる。


「ぉいぉい、何事だよ。」


「そこの馬鹿いえ、おまわりさん、死にたくなかったら

今すぐ逃げなさい。逃がしてくれたらだけど。」


それなりの武装のギアが2体、近づいてくる。

トラクター相手に本気を出す様子はなく、

ゆっくりと2速歩行のギアがあるいてくる。



様子からすると、油断しているようであり、

乗っているのは人間だろう。

人工AIは油断や弛緩などしないからだ。



タウゼント!そこから飛び降りなさい。

ゆっくりとした動きで、僕がジャンプすると

2機ともあわてて追いかけてきた。


逃げられることより、壊れることを心配しているようだった。


衝撃を覚悟したけど、たいしたショックもなく着地した。

いや、着水?



後を追ってきた、2体のギアは水の張った沼にはまり込み

身動きが取れなくなっていた。


「な、なぜお前は沼に沈まない?」



「ホバー機能がついているからです。

僕は農業用ロボットですよ。

木を切ったり、荒地や沼地を開墾したりしますからね。

川でも沈みませんよ。」


「さすがは農業用ね。機動性重視より汎用性重視も

役に立つものね。」



「この小娘!」



ギアから降りて走ってきた男は

リムの顔面を殴りつけた。

拳をゆるめ、

「いってぇ~~~、こいつの顔、金属だ。」



「抵抗する気はなくなったようね。

ところであれは無人機?有人機?」



「遠隔操作型の無人機だよ。」



「それを聞くと、リムは左腕を戦闘ヘリに向けると

小さく呟いた。

(ブラスターキャノン)」



左手の前方に光の粒子が集まって、

次の瞬間戦闘ヘリは消滅していた。


さあ、知ってることを話してもらおうかしら。

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